満足度★★★
小劇場だったら良い芝居になったかも…
新宿のシアター・ミラクルで、連続12公演を打った+1が、
今回は、よりキャパシティの大きい
吉祥寺シアターでの公演ということで、連続公演後ということもあるし、
どのような芝居が見られるか、楽しみであった。
連続公演でも、毎回、何かしらのテーマがあって、それを元に、
話が出来上がっていたのだが、今回もやはりそのようで、
今回のテーマは「マッチ売りの少女」であった。
会場に入ると、おおおっ、舞台装置、立派ではないか!
そして、芝居が始まると、相変わらずの工夫の良さが感じられ、
期待したのだが、ところが、話が進んでいくにつれて、
やや失望…に変わってしまった。
というのは、やはり今回は中劇場だからであって、
小劇場であれば、小気味良い工夫と感じられるものが、
中劇場になると、効果の薄い小細工のように感じられてしまった。
なお、私の座席は最後列(決して嫌いではない、念のため)であったので、
なおさらそのように感じら得たのかもしれない。
最前列で観ていた方は、違う印象を持たれたかもしれない。
つまりは、中劇場の場合、例えば、役者の微妙な表情分けなどは、
前方でしか分からないわけであり、
つまりは、観る側もある意味「大味」になってしまうのは
致し方無いところ。
でも、連続公演で私が感じた+1の魅力は
細かい工夫や展開、変化の秀逸さで、
私自身、今回の劇場でそれがこれほど希薄化してしまうとは、
観て初めて分かったことであった。
今回も、筋は一直線ではなく、伏線に富んだもので、
それも、大味に観てしまうと、「なんかよく分からない非連続の場面の連続」
のようにも感じられてしまった。
私自身、一口に「演劇」と言っても、その多様性と表現手法の違いが
あることに、あらためて気付かされた次第であった。