満足度★★★★★
モノローグが織りなす原初的・根源的な世界
前回「このまちのかたち」では、「台詞が聴こえなかった」ということで、
あえて辛い評価(☆2)をしました。
でも、黒くて、ほとんど小道具がなくて、そして照明が印象的な舞台美術は、
今でも鮮明に覚えています。
そして、なにやら原初的・根源的なものへの回帰・回想とでもいうか、
そういう他劇団では味わえない世界を紡いでいるように思います。
(無論、象徴的手法と括ってしまうことも可能でしょうが。)
前回、辛い評価にしてしまったのは、
「台詞がぎりぎり聴こえていれば、素晴らし過ぎたのに」という、
ある種の大変残念な思いが、私の潜在意識にあったからかもしれません。
今回は、バスの運転手が主人公で、
バス車内を模したように椅子が配置され、
つまりは決して奇をてらうものはなく、一見平凡とも言える装置。
しかし、公演が始まると、やはり、前回同様独特の世界がステージ上に
存していることに気が付きます。
(以下、軽いネタバレ)