満足度★★★★
なすお
寺部×内山
ドリンクサービス付1,500円がうれしい。
ネタバレBOX
奥さんが出産のため空けている家でカップメンを作っている奥村(寺部智英)の元へ、割烹着を着た遠久田(内山奈々)が訪れ、15年前の1996年6月6日のお昼に何食べましたか、と問いかける…。
遠久田(土瓶)の先輩(醤油さし)がある容疑をかけられ、その無実を証明するため、奥村が昼に茄子を食べたことを思い出させようとする。先輩の録画を元に奥村は記憶を取り戻し、喜ぶ遠久田。同時に男の子が無事出産し、安心する奥村。めでたいとビールで乾杯する二人だったが、奥村を使った毒茄子の実験だったことを遠久田が打ち明ける…。
要町の公演を観てた。あの時より、遠久田の宇宙人さが薄い気もした。けれども、毒茄子のくだりは、今回のほうが味があった。
食べ物を基調にした、人の想いを綴る作品で、味が分からないという料理研究家の宇宙人と、カップメンを食べてた味にこだわりのなさそうな男の、不思議でやわらかな作品。
思い出と味がリンクする感覚ってあんまり意識しないけど、食べることは人生の印のようなものなのかなと思った。
長男誕生を照れ喜ぶ寺部の演技が良かった。
満足度★★★
怪獣
チケットプレゼントにて鑑賞。チラシデザインと舞台がマッチしてる。
ネタバレBOX
米粒顔につけた(つけられた)女が男を追っかける話と、その女の弟が日本に出現した怪獣と戦ったり逃げたりする話。
ユニークではあるけど、面白味があんまない。一本調子というか。途中で飽きた。視覚的にか聴覚的にでも楽しめる(興味惹かれる)と違った気もするけど。
弟のがんばりは気に入った。
満足度★★★★
ロストワールド
池谷が神々しい。
ネタバレBOX
カネ持ちっぽい桐江(村岡希美)の邸宅の一室に居候中の浜子(池谷のぶえ)。バーのBGMをデタラメに教えてきた浜子を、家に住まわせている桐江は、コラムニストな彼との結婚を考えている。家族バラバラな浜子は、今までも色んなとこに居候してきて、桐子の結婚を機に家を出ようと考えている。
そこに隣人の奥さんがやってくる。浜子が桐江を洗脳しているという。浜子のしゃべりで涙を流す奥さん…。
さらに浜子が昔お世話になってた背の高い女性がやってくる。密かに長身女性の厄介になろうとしていた浜子だったが、桐江の熱意で長身女性を締め出し、桐江の寂しさを指摘する…。
そして、彼がやってくる。序盤、同席も嫌がっていた浜子は、今後も桐江宅に住む決意を胸に「全力でいきましょう!」と彼を正面に見据える…。
ところどころで笑えるけど、内容的に中盤以降の浜子覚醒からが好き。「左様でございますか」とロストワールドのくだり(伊勢崎線はよく知らんけど)は大いに笑ったが。
桐江にしても長身女性にしても浜子の魅力に気づき、そばに置こうとする、リアルなようでファンタジーな作品。無職でグータラな浜子が、根暗な隣人奥さんの心を掬って変化を呼ぶとか、ちょっとした奇跡の人だなと。浜子の不思議な「カリスマ」を、小さな部屋の中でまことしやかに表現した快作だった。
「全力で~」からの、袖からの風を受けてなびく髪と、照明効果、決意の眼差しで、浜子が神々しく輝くラストシーンにヤラレタ。
満足度★★★★
江田ちゃん
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
教師・元(篠原正明)が望(田畑菜々子)と浮気したのが発覚し、怒る妻の道子(鈴木潤子)。小学校の時の三十二人三十三脚?の件を今でも根にもつ道子だったが、道子と望と江田ちゃん(日野早希子)の3人でなぜか友情を噛みしめる。後日、3人で飲むとのことで元が向かうと、道子がバラした望の死肉を持って江田ちゃんが現れる。3人+望の幻影という阿鼻叫喚な中、元がすべての罪を被ることになり、残った道子は不敵に笑い出す…。
道子と望と江田ちゃんのシーンは微笑ましかった。序盤はピリっとした空気の中にも、こっちの頬を緩ませる、そんな雰囲気。
望が肉片になってからは、サスペンスな調子も加わって面白さが増す。てか、ここからの江田ちゃんがかわいい。「チビクソ」って罵られ、殺人犯としてブログに書かれ(実際書いてないのか)、ポップコーンを浴びせかけられ、好きだと告白した元にはあしらわれ道具扱いされ、道子にはパシリにされって悲惨すぎる。そして、道子を怪物だと見抜いてたって嘘ついちゃうとこがかわいい。演じた日野のパニくった演技がいい。
ラスト三人から視線を注がれる元って構図がちょっと美しい。玩具のシーンと元に江田ちゃんが責められるシーンは大いに笑った。面白かった。
満足度★★★
復讐
面白い。
ネタバレBOX
「ひかる君ママの復讐」って舞台をこれからやるって時の楽屋が舞台。
作中で出てくる「小劇場の~」ってとこはやはり面白い。小劇場の女優は大した事無いくせに気取ってるとか、小劇場の女優は基本頭がおかしいとか、カネにならないとか。客の持つイメージに合ったネタ(言葉)を上手くセレクトしたおかげか。自虐も過ぎると笑えないが、作中キャラがオカシナ人間だからナチュラルに受け止められるのか。
ちなみに、各キャラもフィクションとしての女優だけど、なんとなく「っぽい」なって気にさせる。
あと、美人・ブサイク合戦のくだりとか笑えた。ブスキャラを好きで演じてるワケない、とかウケた。小劇場界に確実に存在する言葉(良いも悪いも)を、程よい温度に加工して舞台に上げたような印象で、ネタ(セリフ)にナマな熱がこもってる感がいい。
こういうの観ると、女優(俳優)ってどんなメンタリティで舞台に立ってるのか興味が湧く。
終盤のドタバタは、もうちょっとシャープな感覚がほしかった。劇中の「ひかる君ママの復讐」開演時、楽屋で、演出の根本が「下手だな」ってボヤくのが気に入った。
満足度★★★★
ダージリン急行
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
カズオ(泉政宏)…バイクで自殺未遂して大怪我を負う。
ハルオ(横手慎太郎)…妻が懐妊したけど、浮気相手も妊娠した。自分がわからない。
フミオ(中田麦平)…ヘンテコな女と付き合ってる。ライムガール(太田彩佳)に手を出そうとする。女がわからない。
喧嘩別れした兄弟が、5年振りに集まり、ママ(坊薗初菜)に会うためインドを旅する。ママからのメールで一旦帰ろうとするも、やっぱりママに会いにいき、再会。ママからの愛を確かめようとする3人にママはそれはできないとつっぱねる…。
あのせまっくるしいマイムが印象的な立ち上がり。色々悩んでそうな男三人の付いたり離れたりな会話。なんか時間だけはありますってインド旅行っぽい雰囲気がいい。ライムガールの流暢な英語にキョドる感じとか笑える。太田のウエストもいいが、硬いような表情がとてもいい。
帰るってなって、カレーをぼそぼそ食べる3人。失望って感じからヘンテコなまじないを経て、再度ママの元へ。
ママに会ってからの展開が、いい具合にトンでて好き。QUEENを高らかに歌い上げ、その脇でダンスするママ。このシーン、歌に負けてなかったことが凄い。そして、ママに愛を確認したいと詰め寄る切実な表情。人生に迷った男が「母」にすがる構成にやっぱりそうなのかという気持ちになる。
結局ママからの愛情の言葉を直接もらえなかった3人だったけど、帰りの表情の晴れ晴れしさに、「母」の存在の大きさを感じた。ライムガールの英語にも落ち着いてたし。
途中のハルオとフミオがそれぞれの女に電話するシーンのシンクロっぷりはやはり自然で上手い。
満足度★★★
学生劇団はあんまり見ないけど
「ハイブリットハイジ座」が一番面白かった。一団体60分は長い。40分位が妥当と思う。
ネタバレBOX
ハイブリットハイジ座「皮にパンク」
暗殺一家に生まれたキウビ(田中裕子)が初潮を向かえ、転向先のハリキ(南美櫻)に恋するけど、母方の祖父の宇宙人から町長の息子でクズなカヲル(城築創)との交際を強要される。実父の拳法で3年後に死ぬとわかったキウビは、その勇ましさから湘南一のハンサムと祭り上げられる…。
細かくは覚えてないけど、笑いと勢いがあったし、率直に面白いと思った。変にスレてないストレート加減が良かった。
ミームの心臓「東の地で」
奏(浦田大地)と新居に越した息吹(小林依通子)。映留という仲の良かった女性が死んだ過去を抱えつつ、未来を生きようとする奏と幸せな過去を大事にする息吹は、喧嘩が絶えない…。
登場はしない映留の存在がバックにある男女のつながり。面白いつまらない以前に、話が見えてくるまでがややタルく疲れた。だもんで、単なる痴話げんかに見えないくもないと感じた。あと、日常であまり聞かない言葉は耳に残りにくい。ついでに、舞台中央のドアノブって邪魔にならないかな。
四次元ボックス「cicada」
大学1年の北川純(森山拳)と安藤玲(三品優里子)と義眼の話。幼稚園児の死とか家庭のゴタゴタとかの悲惨な過去をもつ義眼な玲が自殺し、純とサークルの先輩・マサオ(佐藤修作)は、幽体離脱?で玲を救おうとするが、結局玲は死んでしまう…。
「義眼」ってものを据えたのはどんな必要性からなのか分からなかった。ラストの純と玲の兄との会話とか、交差点を見下ろす純と恵子(山口栞)の会話がメインだろうか。伏線めいた描写は控えめにして、人物の描写を多くしてもよかった。玲がどんな考えもった人間かわからず困惑した。純もそうだけど。義眼を持った人間の特殊なつながりが見えなかった。
長丁場のせいか、過去を小出しに展開する手法に疲れた。終演後チラシ見て、テーマが「神話」とあったけど、そこらへんは特に感じなかった。心に響くようなシーンとかセリフがひとつでもあると良かった。見せ方の問題なのかしらないけれど。
満足度★★★
なまず
チケットプレゼントにて鑑賞。話と膝カックンは好き。
ネタバレBOX
兄宅に居候中の山口智子のとこに、受付業務してる友人(作間ゆい・池田智美)が訪問する…。
近所の奥様方の自治会話は笑った。絵を描きにきた奥様の、「感じることが考えること」的な発言はなんとなく深いなと。
ゆるい雰囲気を終始崩さない、80分程度の会話劇。巨大芋虫出てきたし、兄嫁は3人出てきたけど。
話のテンポはゆるいけど、興味を引く会話であった。どこかしらが哲学的ともとれるし。好み。
会場が暑いのが残念。
満足度★★★★
まゆとろ
色々馴染みないけど面白い。
ネタバレBOX
キン肉マンの隠し子で、町でスケバンはってる高橋ひろみ(丹下真寿美)を、ミート(中谷真由美)が導き、超人育成機関の超人女学園で暗躍する悪と戦う…。
意外とストーリーがある。それでいて、キン肉マンをベースにしたキャラとプロレスなパフォーマンスで視覚的にも魅せてくれる。コミカルっていうのか。黒子(石原正一)や脚立を使ったバスターとか、あけっぴろげなとこが笑える。何気に石原がハケる時のガッツポーズがいい。
話的には、悪が乗り移った渡紗理奈(永津真奈)らを倒し、さらに乗り移った用務員のおっさんらを倒し、ひろみが生徒会長になるが、旅に出る(結局戻る)という感じ。後半のバトル的なとこはネタも豊富で楽しい。
丹下は、主演張るだけあって終始魅力的に演じてた。崩れた表情もウェディングスタイルの笑顔もピカイチだった。あと、ミート君を演じた中谷もいい。声がいい。背の低さもあってマッチしてた。
ゲスト(オクスリ)の時間とか、まゆとろに絡んだ客席との干渉とか、ショーって感じがじんわりきた。華やかで元気が沸いてくるいい舞台だった。
満足度★★★
天使
けっこう面白い。爆笑はないけど。
ネタバレBOX
天使昇進試験を落ちまくってる安藤理樹に呆れる、同期っぽい天使の吉田能。人間を幸せにしたら天使になれるとの話になって、下界におりる安藤だったが…。
ところどころ笑えた。70分くらいネタがひっきりなしに入ってるので、転調があったら良かった。乾いた芸風が基本でもいいけど、変化がないと刺激が減るし。
アップル社のアップルは誰が齧ったの?って質問は面白い。けどネット接続不能ってダメだろ。
二人だけの舞台で、けっこう見ごたえはあった。話とか設定も複雑でなくて○。
満足度★★★
犬がよく吠えてた
面白い。どっちもチクチクくる。
ネタバレBOX
「物語が、始まる」
一人暮らしのゆき子(田中沙織)が雛形の三郎(佐野功)を拾ってくる。ゆき子の恋人・本城(根津茂尚)はそれが気に入らない。二人は別れ、ゆき子は三郎とSEXを試すも失敗し、老化した三郎を元の場所へ返す…。
三郎が指摘した通り、関係だけのゆき子と本城。本質的なつながりを求めるゆき子のつながりたいとする心。神経質そうな本城と表面的に丁寧なゆき子の関係性が面白かった。
離れてると気にも留めない本城と離れると求めだすゆき子。人でない存在(見た目はれっきとした男性)の雛形を配置し、「関係だけ」の二人の心の暗い部分を浮き上がらせる。そして変わり、物語が始まったのか。
静かな演技とセリフの調子が印象的。か細い二人の関係がいたたまれない気持ちにさせる舞台だった。
「痩せた背中」
父が死に、喪主を務めるため田舎に戻った亮司(酒巻誉洋)。そして後妻の町子(李千鶴)は、父が折った鶴を父にもとへ送ると話す…。
女クセの悪かったと父、その父を待ち続け精神に異常をきたした町子。そんな町子のことを気にかける亮司。髪を切ってもらったり飯食べたりした生活を思い出す亮司が、ラストの折鶴シーンで町子を理解する。ちょっとだけ異様な人生を生きた平凡そうな男が女を理解する。そんなお話。
亮司が町子の話を亮司の彼女である敦子(宍戸香那恵)に語るというスタイルがキモかな。亮司の自分の中に他人を入れない性質を理解している敦子が、亮司の話の町子を理解し同時に亮司のことも理解する。その演技がいい。
二編とも、女性の心に焦点を当てた作品と思う。決して心地いいものでなく、生々しい感触の舞台に、なんか痛くなる感じがした。
満足度★★★★
ねぇ、席替えしない?
M編。面白い。
ネタバレBOX
「席替え」
教室。いじめられっこな佐藤睦の前に佐山花織が現れ、嫌なヤツは遠くに、好きば○○君を隣にしようと、席替えを提案する…。
浮かない表情の佐藤と対照的に爛漫な佐山。佐藤も次第にノッてきて…。佐山が同級生(クラスメイト?)で、三ヶ月前に踏み切りで死んだ(たぶん自殺か)ことが分かる。席を交換してその景色を眺め合う二人。佐山の真っ暗な景色を見た佐藤に、エールを送って消える佐山。笑顔をみせる佐藤…。
15分程度の上質な二人芝居。高校生くらい?のデリケートな心とある種な生き方のコツみたいなのを「席替え」って要素でもって、美しくあたたかく魅せてくれた。○○君のものまねで佐藤の心をくすぐろうとする佐山が上手い。背景の見せ方もいいしドラマ性も十分。コンパクトでいて詰まってる。死んで人生の極意を発見した人間からの贈り物を、今後も生きていく人間が素直に受け取った舞台。気に入った。
「忠臣蔵ブルース」
討ち入り前夜。集中している石川修平の部屋に、騒がしい佐野泰臣が入ってくる…。
ジャージな衣装と現代的なしゃべり、とっつきやすいシンプルな構成と死を間近に感じている二人の心のゆらめき。ビビる石川に剣の稽古をつける佐野。どちらも不安な気持ちを抱えて、それでも武士であろうとし、疑い信じようとし、夜を過ごすさまに、笑えもするし生きるってことにおっかなくもなる。
生死に向き合うなんてまずしない現代と、生死が近すぎた(であろう)昔をつなぐ不思議な作品。面白かった。
「ヒカリモノ」
教え子の女子高生・石塚みづきと関係し、孕ませた教師・芝原弘の二人が、投身自殺をしようとしている。みづきの父はやくざなお人らしい。そこに、みづきの兄・加賀美秀明が乱入。みづきの日記をみてやってきた。加賀美は芝原の同級で4年も引きこもってるクセのあるタイプ。加賀美はもうイヤになったからと3人で死のうと提案する…。
前2編が好みだっただけに、イマイチ何かを感じられなかった。3人の現状が死に向かうってところが釈然としなかったせいだろうか。終盤の前向きなシーンもセリフが長々しいなと感じてしまった。つまらなくはないけど。
満足度★★★★★
母の怖さ
面白れー。
ネタバレBOX
花子(斎藤淳子)…次女。母親からの愛情薄く、「悪い子」に育った25歳。弥生にカツアゲを喰らい、ヘルス勤めを強要される。
和恵(浅野千鶴)…長女。「良い子」。花子が荒れてるせいと母からの要望でか、結婚できない。隠れてヘルスに勤めたり、花子のカネを抜いたりしてる。
千代(兵藤公美)…母。和恵を「良い子」、花子を「悪い子」とラベリングしていたが、ここにきて花子と向き合おうとするけど、結局変わらず。
弥生(斉田智恵子)…花子の先輩。ヘルスに勤める。ケミカルウォッシュ。
花子×弥生→花子×母→花子×母×和恵って感じに、上等でない人間の病んでる精神と関係性を少しづつ開示し、舞台に引き込む。都度笑いを引き出す、いいトコついてる見せ方も冴えてるし。
母を階段から突き落とした経験のある花子に怯える母、その反動から愛情を和恵に注ぐが、和恵も「良い子」でいることに疲れ、内面に「悪い子」を育む。それが分かっても、和恵にヘンテコな愛情を注ぎ続ける母、そしてそれに甘える和恵。一見終わってるなって感じがするけど、安定もしちゃってる関係が恐ろしいのか。
「不機嫌な~」でも母役だった兵藤が、やはり上手い。表情もいいが声の調子もいい。
「不機嫌な~」も、母と娘って関係を描いたいい作品だったし、今回も良かった。父ではこうはならないのかしら。
海へ行こうと言い出す和恵だったけど、結局やめて、二人横になるラスト。食事を持ってくる母を待つその姿に、「母」の支配力を感じさせられた。素敵。
満足度★★★
心の話?
チケットプレゼントにて鑑賞。なんかよくわからなかった。
ネタバレBOX
人数多くて、色々匂わせつつ展開していくので、把握把握ばっかになって楽しめなかった。それも途中で疲れてしまった。せっかくテーマの説明を序盤にしてくれてたのに。
情報屋、小雨(とその兄)、五十嵐、射ツ木あたりの関係性がキモなんだろうけど、そこに行き着くまでがまどろこっしくて。もっとテンポ良く展開してほしかった。120分は長い。
背景も見えにくくて、キャラがみえないというか。
殺し屋とかいかがわしい会社とか、探偵とか、それっぽい要素ばかりなのに、空気が纏まってない、そんな印象でした。
満足度★★★
おっぱい
綾乃彩めちゃかわいい。
ネタバレBOX
コントな舞台。
おっぱいな作品はシンプルで笑えた。武子太郎のパワフルな演技が利いてた。
全体的にクセのあるコメディ加減で爆笑とはいかないけども、楽しめた。
ATであんまコントな舞台には馴染みないとの発言もあったので、確かにテンポとかノビシロあるっぽい。田中美甫の美人さとか、小野川晶の実直な感じとか、作品上のキャラでもっと活かして良かったかなと思う。綾乃彩はカワイイだけでなくATでけっこうしゃべれてたのがとてもいい。
満足度★★★
女な思考
面白い。
ネタバレBOX
アラフォーな3人と男1人(あと女1人)のスタイリッシュな舞台。
篠井英介…ブライダルプランナーの会社社長。男と大学時代に付き合ってて、別れた後も、好きでいつづけた。
深沢敦…三ヶ月付き合って男と婚約した。大谷の親友。結婚して子を生むのが女の幸せと信じる。
大谷亮介…深沢のことが好きであることをずっと抱えていて、結婚の日にそれを伝えるが…。
男…深沢の彼氏。篠井の元彼。
女…男の前の彼女。男の結婚式に乗り込み男を刺す。
大谷の深沢への愛(同性愛)を隠しつつ、男への愛情を匂わせつつ終盤まで進む展開が上手い。告白を受けた深沢のリアクションもいい。ただ、告白シーンに引き込まれなかったのが残念。会場も暑かったのもあるけど。
篠井も男に告白するもフラれ、元夫の親族の乱入で式はめちゃくちゃになり、3人は表で「愛は勝つ」を歌い上げる…という味のあるラスト。
笑えるとこもあったし好みではあるけど、やや退屈さを感じることもあった。
仕事と恋の両立が難しいとぼやく篠井、結婚を即決する深沢、同性愛者の大谷…三種の女性な思考の面白さがあった。妙齢の女性が織り成す、繊細でいて大胆な作品だった。
満足度★★★
薔薇
面白い。
ネタバレBOX
ダムを建設することが使命のダムダム大臣(山崎雅志)が、ダム建設予定の田舎の関西電鉄に、デスクリエイター(結果的にイメージダウン広告となってしまう悲しい人)を送り込む。デスクリエイター・天津(加藤敦)が作ったゆるキャラ(小玉久仁子)が、実体化し話題になるが、ダムダム大臣の策略でゆるキャラが寝返ってしまう。ゆるキャラの問題児さとデスクリエイターのレッテルのせいで、生みの親・天津の愛がなくなりかけるが、ファンレターと天津の本心により再度ゆるキャラとして復活。嵐の中窮地に陥ったダムダム大臣を救うべく、ゆるキャラは電車に変形し彼を救う…。
ホチキスらしい、濃いキャラクターのオンパレードとグッと胸にくる盛り上がりが魅力的。ダムダム大臣を救うための列車シーンは、ノリのいいBGMとかプラレールな演出でいいシーンに昇華してた。ネコバスネタとか細かいとこも○。
ダムダム大臣は、山崎が妙なキレ具合を好演してた。無駄と思いつつダムを作り続ける哀しい使命も挟みつついいキャラだった。
ネガティブキャンペーン局の木ノ俣は、一番ナチュラルな造形。演じた笠井里美のおかげか、地味ながらも目をひく存在だった。
ゆるキャラがやや粘っこく感じてしまったせいか、もう一歩乗れなかった。天津とゆるキャラの愛情ってとこを厚くしてもよかったかなと。色々削ったっぽいし。
「クリエイト」って根幹に、「好き」とか「愛してる」ってモノがあって、それがプラスなところに繋がっていく、そんな気にさせるとこがよかった。クリエイティブな人を尊敬するのはそんなとこがあるからと思った。ダムダム大臣もダムを愛せればよかったんだなと思った。
満足度★★★
うつ病
面白い。
ネタバレBOX
シゲル(野田裕貴)…バンドメンバー。うつ病。母子家庭の影響か、女に甘える。まりやと別れたのち、真理と付き合うが…。
まりや(百花亜希)…山内の妻。シゲルと不倫するが別れ、横井と結婚し懐妊する。
真理(鮎川桃果)…バンドのファン。マサトと別れた後、シゲルと付き合うがマサトとの浮気がもとでシゲルに殺される。
横井(金丸慎太郎)…喫茶店店主。まりやと結婚する。
マサト(松澤匠)…バンドメンバー。真理と寝た日に死んだ。
ノブオ(野田慈伸)…バンドメンバー。実家が金持ち。横井が好きくない。
カヨ(佐賀モトキ)…バンドメンバー。横井とノリがあう。シゲルとも寝てた。
山内(岡野康弘)…まりやの元夫。DV。再婚後のまりやにメッセージを送る。
佳子(岩本えり)…シゲルの母。母子家庭のせいかシゲルに甘い。
ラストに、序盤のシゲルとまりやのやりとりを持ってくるのが上手い。手をつないだままと言ったまりやと、横井の子を身ごもった笑顔のまりやの対比。DVに怯えた時のまりやと強く生きているまりやの対比。確かに絶望と再生か。
それと、佳子へのキスで暗転するのも上手い(佳子を演じた岩本は色々上手かった)。こっちは再生へも絶望へも向かわなそうだけども。
人が人を求め、どこに行き着くのか。そんな面白さのある舞台だった。あと、うつ病でも魅力ある男はモテルんだなと。
満足度★★★
D
保坂萌×ヒザイミズキ
面白い。
ネタバレBOX
保坂が小学校~高校まで友人だったアクセルと、ヒザイが大学~30歳まで友人だったケミカルが死んだその通夜の会話劇。
クラスの人気者だったアクセル、偏屈なケミカルって逆の印象をうける死んだ「友達」。過去を話す二人が妙に楽しそう。そしてリアリティがある。エロイ仕事を隠すとことか。突っ込みのノリとか。
終盤、「友達」が保坂に乗り移り、死因とか10年周期の躁うつ病とか付き合ってた男はいとこだったとか、秘密が明らかになる。ここらへん秘めたままでもよかったかなと感じたけども。舞台自体は面白かった。演技もよかった。笑えるとこも多かったし。
満足度★★★★
仙女
面白い。
ネタバレBOX
水町隆弘(笹木皓太)…劇団員。夏枝の連れ子。メインの語り手。
水町鈴(長井短)…仙女に憧れストリッパーとなる。同性愛者で容姿にコンプレックスあり。潤の連れ子。
水町潤(水下きよし)…神宮で餅屋?を営む。鈴のストリッパー志望を暗に受け入れる。
水町夏枝(堀越涼)…体調崩した。前夫の不思議体験がもとで離婚。
京子(堤千穂)…元仙女。ストリッパー。鈴の恋人。
夕子(大森茉利子)…鈴と浮気し恋人に。
隆弘の劇団の稽古というスタイルで、仙女に憧れる鈴を描く。
演出(美斉津恵友)を配置し、独白シーンの多用、大木(岡本篤)のコントシーンを挟むことなどで、舞台にひっかかりができて面白さが増す。話的には、家族愛と神道な材料をまろやかに混ぜた感じで嫌味が少なくて見やすい分、こんなスタイルが活きていたかなと。踊りや謡?、音楽や舞台美術など、空気をしっかり作ってた。
ラスト「仙女」となった?鈴のシーンがもっと引き立つとなおよかった。