おるがん選集 3 公演情報 風琴工房「おるがん選集 3」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    犬がよく吠えてた
    面白い。どっちもチクチクくる。

    ネタバレBOX

    「物語が、始まる」
    一人暮らしのゆき子(田中沙織)が雛形の三郎(佐野功)を拾ってくる。ゆき子の恋人・本城(根津茂尚)はそれが気に入らない。二人は別れ、ゆき子は三郎とSEXを試すも失敗し、老化した三郎を元の場所へ返す…。

    三郎が指摘した通り、関係だけのゆき子と本城。本質的なつながりを求めるゆき子のつながりたいとする心。神経質そうな本城と表面的に丁寧なゆき子の関係性が面白かった。
    離れてると気にも留めない本城と離れると求めだすゆき子。人でない存在(見た目はれっきとした男性)の雛形を配置し、「関係だけ」の二人の心の暗い部分を浮き上がらせる。そして変わり、物語が始まったのか。
    静かな演技とセリフの調子が印象的。か細い二人の関係がいたたまれない気持ちにさせる舞台だった。


    「痩せた背中」
    父が死に、喪主を務めるため田舎に戻った亮司(酒巻誉洋)。そして後妻の町子(李千鶴)は、父が折った鶴を父にもとへ送ると話す…。

    女クセの悪かったと父、その父を待ち続け精神に異常をきたした町子。そんな町子のことを気にかける亮司。髪を切ってもらったり飯食べたりした生活を思い出す亮司が、ラストの折鶴シーンで町子を理解する。ちょっとだけ異様な人生を生きた平凡そうな男が女を理解する。そんなお話。

    亮司が町子の話を亮司の彼女である敦子(宍戸香那恵)に語るというスタイルがキモかな。亮司の自分の中に他人を入れない性質を理解している敦子が、亮司の話の町子を理解し同時に亮司のことも理解する。その演技がいい。


    二編とも、女性の心に焦点を当てた作品と思う。決して心地いいものでなく、生々しい感触の舞台に、なんか痛くなる感じがした。

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    2013/04/29 21:19

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