セーラー服とブルーシート
B.LET’S
ワーサルシアター(東京都)
2015/05/27 (水) ~ 2015/06/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1499(15-187)
19:00の回(晴)。18:31開場、初日に続いて2回目です。
正方形の舞台を取り巻く縦/斜めのラインは「連子(れんじ)」のように見え、それはやはり何かとの「境」をイメージしているのではないかと思うし、赤いチェーンは拘束するためのものではないかとも。
18:45/19:04前説、19:07開演~20:38終演、20:25頃揺れを感じる(かなり揺れる)。
登場人物が心に抱えているものを一度みているので、より深いものを感じます。語られる「コトバ」には別の面があり、そこには異なった文脈が流れ、徐々に沸点(氷点)に近づき、暗闇に支えられていた世界は崩壊する。
ただ、それは仕切られた空間のなかで生じたもので、外からはもしかすると何も見えないのかもしれない。
両劇団所属の、また初めての役者さん、ともに気迫のこもった演技。
「連子」の代わりに「ブルーシート」が「境」となった者たちはどう生きてゆくのだろう。
この日はとても懐かしい方にお会いすることができました。
なんと、帰宅に3時間かかりました。
神経の湖
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2015/05/25 (月) ~ 2015/06/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1498(15-186)
16:00の回(やや曇り、暑)。15:45会場着、15:50開場、16:05開演~17:05終演、~17:18トーク終了。
2回目なので何が起こるのかはある程度分かっているものの、なぜそうなるのかは不思議としか言いようがない。「KARAS APPARATUS」が意思を持っているようにしかみえない。今日も勅使川原さんのソロ。
次回は(演劇としては)大の苦手作「ゴドーを待ちながら」ですが、B.シュルツの「難作」を見事に身体の表現に換えてしまう「KARAS」に期待せざるを得ません。
カナリヤ【追加公演決定!3日19時】
日本のラジオ
新宿眼科画廊(東京都)
2015/05/29 (金) ~ 2015/06/03 (水)公演終了
満足度★★★★
無題1497(15-185)
20:00の回(雨)。
19:26受付、開場。入口手前側(4列)と右壁側(2列)のL字座席。長方形、縦長の舞台、奥に机と椅子が置かれていて右(奥)の席がお薦め。
机の上には折り紙、本が数冊あって「ひかりのて」「在宅修行読本」「超自我のひみつ」などの「関連本」、黄色い冊子は特製パンフレット、下には古新聞、壁には団体のシンボルマークらしき図柄(大きなもの1枚、A4のものが壁にそって横一列に。
「ユメミルヘヤ 他3篇(2012/5@RAFT)」からで4作目です。受付は「ツヤマジケン」で三澤さんとジャージ(上下)組だった西山さん。田中さんは髪が短くなり不思議な少年のような印象。
90年代半ばの某教団を想起させる設定、最初は穏やかに終盤は惨劇を思わせる展開になるものの、どこで進む道が変わったのかはわからず、それとも初めからそうだったのか。
19:46田中さん椅子に座り折り紙を手に取る、19:49前説(屋代さん)、20:00開演~21:19終演。
それにしても「60-51-48-33-12-0」という配列は何だろう...。
高山さん「犯行予告(2013/12@サブテレニアン)」、蓮根さん「「キスミー・イエローママ(2014/8@OFFOFF)」。
Without you No life
ラチェットレンチF
シアター風姿花伝(東京都)
2015/05/27 (水) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1496(15-184)
19:30の回(曇)。
「45分前受付」とありますが、今夜も半「close」状態で時間になっても案内なく5分ほど過ぎ、上がってみるとすでに受付していました。結局、下でかなり待っていたお客さんもいたようです。
こちらは初めて、相本さん(今回は出ていませんが)、Pal’s Sharer「トーマの頃から(初演/2012/1、再演/2015/4)」「フラワーシャーベット(2014/6)」を観ていて、所属の劇団はどうなのだろうと思い観にきました。
19:00開場、19:16/19:25前説(アナウンス)、19:31開演~21:29終演、ちょっと寒く感じる時間帯がありましたが座席位置によって違うのかもしれません。
当パンがおしゃれで事件の「調査報告書」という仕様。
「KEEP OUT」「CAUTION」黄色いテープがそこかしこに、上手奥に階段、手前にベンチ。
映像の「ワイプ」のようなダイナミックな場転、アクティングスペースをフルに利用した場面設定など「絵」として生き生きとしたものでした。
お話のほうは、隠されたていたものが徐々に現れてくるのですが、その始まりの恐怖、怨念が少し弱いように感じました。穏やかな凪と天と地がひとつになってしまうほどの大嵐、そのくらいの違いが奥底にはあるはず、と思いながら観ました。
義継さん「水と油でバシャバシャ!(2014/2@かもめ)」、浅見さん「オーディション(2013/10@GEKIBA)」、馬場さん「くれない博徒(2014/12@BOX)」..安田さんも、「アルマ(2015/1@ポケット)」「東京<reprise>(2014/3@王子)」他、宮崎さん「狂犬百景(2014/11@Vacant)」「非常の階段(2014/9@吉祥寺)」「空想、甚だ濃いめのブルー(2013/12@画廊)」他、宮下さん「ヴォイツェク(2014/11@かもめ)」。
セーラー服とブルーシート
TOKYOハンバーグ
ワーサルシアター(東京都)
2015/05/27 (水) ~ 2015/06/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1495(15-183)
14:00の回(ゲネプロ、晴、暑)。
13:30開場、入口側に客席、ほぼ正方形の舞台、両サイドに学校の椅子各5脚、中央にポツンとひとつ、奥の壁の美術が意味深。13:46前説(アナウンス)、14:00滝本さんの挨拶。
此処は久しぶり、B.LET’S は「春の遭難者(2014/2@劇)」からで、永島さんは「劇王 天下統一大会2015 東京予選(2015/1@ミラクル)」、土田さんは「蛍よ...~(2015/1@高円寺)」、松田さんは「2番目の女たち。(2013/10@HOPE)」「少女Aの帰還(2011/12@COREDO)」。
大西さん(作品)の場合、登場人物はみな温かい、触れればきっと感じるはず、いままでそう思ってきました。一方、今回、滝本さんの作品では、もしかしたら(孤独、疎外)冷え切っているのではないか、そんなことを考えながら観ていました。どちらであっても手を差し伸べ抱きしめたい気基になる。
空間(立場)が逆転し、表と裏とが反転し合う。(美術から連想)閉じ込められていた者が閉じこめる側に転移する。
神経の湖
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2015/05/25 (月) ~ 2015/06/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1494(15-182)
19:45着、受付、19:56開場、20:06開演~21:08終演、~トーク21:16。
入って座り、いつもの舞台からどのような作品がと思いながら始まるといきなりわが目を疑う、タイトルの「神経の湖」というのはこのことかと驚嘆。
何がどうなのかは体験するしかない。勅使川原さんは「湖」の主=自我ではないかと思えてくる。
ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん'15 熱き想い
日本女子体育大学ダンスプロデュース研究部
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2015/05/22 (金) ~ 2015/05/24 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1493(15-181)
13:30の回(晴)。
時間まで1Fで待つ、13:00受付(この時点で並んでいたのは20人くらいかな)、開場、BGMは演歌のようです。13:27前説(120分、休憩あり)、開演~演目①14:10、~演目②14:46、休憩、14:57~演目③15:31。
①平原慎太郎作品②村本すみれ作品③伊藤キム作品。
「ぴちぴち~」は4公演目(2012は忘れてた)、昨年あたりから「?」な感じが強くなってきていて、ダンサー6名、阿倍さん、岡安さん、亀頭さん、佐々木さん、田端さん、吉田さん、この公演の直前「指切った。(2015/4@セッションハウス)」にも出ていて、そちらもよくわからないのでした。なんといっても、セリフのあるダンスはどうしても違和感があってダメなのです。
流石に客席に近い位置でのスピードある振り付けは(身体として)かなりの迫力ですが、爆発したようなものや、ガキ大将のような振る舞い、ゾンビのような振付はダンスでなくてもいいのに、と思ってしまいました。とはいえ、全力で取り組む姿はとても眩しい。
これからもニチジョはこの方向でゆくのか。
砂利塚アンリミテッド
ホチキス
駅前劇場(東京都)
2015/05/08 (金) ~ 2015/05/12 (火)公演終了
満足度★★★★
無題1492(15-180)
13:00の回(晴)。12:30会場着、受付(全席指定)。
横長の舞台、井戸、ガラス戸、事務机、小上がり(なにやら扉、畳、座布団)、「(株)砂利塚クリーン」とあるドア、玄関マット。
12:58前説(遅れているお客さん待ち)、13:05開演~15:00終演。
「ボーナストーク(2010/12@王子)」「看板娘ホライゾン(2012/5@王子)」、3作目。小玉さんは「女心と秋の空(2013/10@空洞)」。
今泉さん(てがみ座)、復帰2作目ということで観に来ました。
個人的にはもう少しテンポが速いとより楽しめたような気がします。
東京
早稲田大学劇団木霊
劇団木霊アトリエ(東京都)
2015/05/22 (金) ~ 2015/05/25 (月)公演終了
無題1491(15-179)
19:00の回(晴)。
18:15受付(整理券あり)、18:30開場。奥の会場には来たことがありますが、こちらは始めて、入って右に客席、舞台下手に螺旋階段、奥の壁には破れた薄地の布、床は台形の組み合わせで、中央付近は(川のイメージ?)透明なパネルで下にはガラス片のような、小さな箱のようなものがみえ、天井には丸い球、小さなテーブルがいくつか。
18:45/19:02前説(85分、暑くなります、蓋付の飲料可)、19:06開演~20:32終演。
南舘さん「我がギャング はじまりへ(2014/12@空洞)」、岡本さん「架空の箱庭療法#3(絶対安全狼男2015/5@Gallery re:tail)」、福井さんは数えると「ある程度の教育(2014/1@学生会館)」からで(たぶん)6作目。どらま館のスペシャルイベント(4/29)でこちらの公演のことを知り観に来ました。
チラシのイラストはとてもよいのに「東京」とは関係なさそうでした(なぜ?)。学生演劇らしさは好きで、よい雰囲気なのに、お話がやや分かりにくいので砂漠、雪、外、月、塔...これらのキーワードから「世界」を構築できずに終演。月は見えなくなったのか、なくなったのかで、地球が受ける影響は相当違ってくるように思うし、町の住民が何を怖れているのかがわからないとなかなかついていけない。
最近、劇中にダンスを組み込んだ作品が続いているのですが、流行なのか、作品の何かを象徴しているのか?
まずは「脚本(みせる順序)」ではないかなぁ、と思いました。何が起きたのか(原因/謎)、それとも起きたことによって何が生じたのか(結果、運命、未来)、ここらが骨格ではなかろうか。
女のみち2012 再演
ブス会*
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/05/22 (金) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1490(15-178)
18:30の回(晴)。
18:00受付(全席指定)、開場。緞帳の真ん中に「ブス会」。
初演(2012/10@スズナリ)を観ていて、その前には「淑女(2011/4@リトルモア地下)」を観ているので3公演目になります。前日に予約したのですが、まずまずの席(G列)でした。
18:28前説(アナウンス)、18:33開演~20:13終演。
会場が広くなったのと、客席が立派なので初演時の猥雑さはほとんど感じませんでした。
どういうわけか細かいところまで憶えていましたし、高野さん(「小さな恋のエレジー(2010/12@駅前)」が初めて)の低音ヴォイス、撮影シーンのナースたちの勢いのよい噴水も健在。
歌う金魚のアラベスク
ザレ×ゴト
シアター風姿花伝(東京都)
2015/05/20 (水) ~ 2015/05/24 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1489(15-177)
19:30の回(曇)
19:01受付、開場。1階、階段手前に「Close」看板がありますが、関係者出入りのためか通れるようになっています。この場合、2階に上がってよいのか、案内あるまで下で待っているのか、なにか書いてあるとわかりやすいと思います。当日は数名が時間前に2階へ、その他は1階で待ち。
こちらは2作目「愛しきボクラの夏休み(2011/7@参宮橋)」。
開場前、外で待っていると階段を下りてきたのは舞監の田口さん、劇団光希「カナタ(2014/6@KASSAI)」以来。
天井と床に、曲線を画いた大きな翼のような板、カラフルな電球が吊らされ、ミラーボールも、床は奥から手前に傾斜。
19:25前説(105分)、19:32開演~21:20終演。
衣装は必ずしも役を現してはいないようで、カラフルなるもややごちゃごちゃした感じ。最後はナルホド「金魚」か...と思いました。
物語や各人の背景がはっきりする前に、いくつかのシーンが前後、前半はなにがどう展開しているのかが少しわかりにくいかなと感じました。
お話はファンタジー系でコミカルな演技も組み込まれていました(但し、前半、客席の反応はもうひとつ)。
みんな「よい人」なので何か「刺激」という点から「海」を持ってきたのはいいとして、お話に起伏をもたせる意味でも、もっと劇的な要素があればと思いました。
ペレアスとメリザンド
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2015/05/13 (水) ~ 2015/05/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1488(15-176)
20:00の回(曇)。19:45会場着、受付、19:51開場、20:09開演~21:10終演~21:26トーク終了。2回目(最終日)です。
佐東さんは、トークで「体の中の感覚」がまだ残っている、とお話していました。「戯曲」「オペラ」「歌と演奏」「ノイズ」と「APPARATUS」という装置、そして意思を持っているのかと思うほどの「照明」、闇と同色の「黒い衣装」、これらが、今、この一夜だけ、不思議な力によってダンサーの身体というカタチ(姿)に生まれたのではないかと、観ていてそう思いました。
動きの変化、指先に至るまでの緊張感、オペラの歌のシーン、強い照明の下で今にも歌いだしそう。
あらゆるものを飲み込もうとする「闇」の広がり、それは「APPARATUS」が姿を変えているかのようでした。
TRY TO THE IDTF
sons wo:
シアターX(東京都)
2015/05/12 (火) ~ 2015/05/14 (木)公演終了
満足度★★★★
無題1487(15-175)
19:00の回(曇~雨)
18:30会場着、受付、開場済。18:59前説(20:15終了予定、アフタートークあり)、19:04開演~20:14終演。
4組(ソロ、チーム)による公演。
昨年、「第11回シアターX(カイ)国際舞台芸術祭(2014/7)」を観ていて、今年も大石さん(元clubC)がでるので観にきました。演目は同じ。
保坂さんの組、 國島さんですが
「Ribbon(2012/4@HOPE)」「Parting(2014/5@セッションハウス)」「月を泳ぐ魚(2014/3@LIFT)」「Dance Performance~自由形式による創作~(2014/12@江古田)」ですね。
どれも個性的な内容、もう少し小さな会場のほうが合うのではないかと思ったのですが、照明を工夫して、みた感じのサイズを加減できるのであればそれでも。
Color babar
かえるP
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/05/15 (金) ~ 2015/05/18 (月)公演終了
満足度★★★★
無題1486(15-174)
15:00の回(曇)。14:30受付、開場。
入って左に桟敷+椅子席(2列)、右が舞台で頭上にミラーボール。
こちらは初めてですが榑松さん、白井さんのお名前があったので観に来ました。客入れのとき、ラジオ放送のようなものが流れ、色(スペクトル、色が見える仕組みなど)について語っています。
榑松さんは「ALaClaire」で「ink(2015/3@セッションハウス)」。白井さんは尾花さんの「ダンスがみたい!新人シリーズ13(2015/1@d-倉庫)」。お二人揃ってでは「ダンストライフル(2014/12@d-倉庫)」。
空気を入れた風船がどっちに飛んでゆくのかわからないのに似ている、そんな印象でした。セリフ(語り)とパフォーマンスが別空間で並行しているのはなぜだろう?
バラバラのグレーの3本線が揃うと何かになると面白かった。
ペレアスとメリザンド
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2015/05/13 (水) ~ 2015/05/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1485(15-173)
16:00の回(晴)、15:43会場着、受付、15:51開場、ほとんど見えない舞台、手前に舞台幅いっぱいに毛足の長い敷物(黒)。
16:04開演~17:08終演~トーク17:24。
「青い鳥」メーテルリンクの戯曲、ドビュッシーによるオペラ作品。
佐東さんのソロ、全身シャープなシルエットの黒い衣装、ヘアスタイルはワイルドな雰囲気。
いつにもまして照明の加減が絶妙、闇に浮かぶ身体、反射する輪郭がこのKARAS APPARATUSを果てしなき無限の空間にしたり、ひとひとりだけの高密度空間に変えるように感じるのは、顔の向き、手や腕の位置が手に取るようにわかっているのだろうなと思うのでした。
何億年も先から届けられた異世界の物語(ダークファンタジー)、60分。
星間に満ちる暗黒世界を背景に演じられる本作は、遠く瞬く星々からようやく届いたわずかの光が伝える昔々の物語ではないのか、そんな印象でした。
誰がための笛は鳴る
空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画
吉祥寺シアター(東京都)
2015/05/08 (金) ~ 2015/05/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1483(15-171)、1484(15-172)
5/8(金)19:30の回(晴)、18:00開場、19:27前説(アナウンス)、19:34開演~21:31終演、~抽選会21:36。5/17(日)19:00の回(晴)、18:30開場、18:57前説(アナウンス)、19:05開演~21:07終演、トーク21:09~21:23。
「いっぽんの木(2012/2@pit)」からで6公演目になります。
また、別企画では、森脇さん「踊る家族(2015/3@サニーサイド)」(ダンサーに喜多さん)、「P・Q・Rダンスワークショップ 発表会2014(2014/12@荻窪体育)」で馬渕さん、斉藤さんの発表会の様子を観に行きました。
2回とも舞台に近いほぼ同じ位置の席、照明の様子、ダンスのステップもよくみえます。難破して漂着というので「二年間の休暇(J.ヴェルヌ)」、終戦後の潜伏という面ではルバング島の小野田さんのことが思い浮かびました。
この公演の前の森脇さんの公演「踊る家族」を観て「身体演出」というものが少しわかってきたように思いました。ダンス/舞にとどまらない表現で、セリフはないもののたくさんのことが、触れ合っているかのように直接伝わってきました。
その影響か、本公演、(個人的に)身体、声が劇場の空間に大きくまた小さく物語の流れを起こし、浮き/沈み/澱んだり澄みわたったり、いろいろなものが拡散/集合してゆくような気がしました。
キャスト表をみると総勢26名、お名前で調べてみると、何人かの方は他の公演でも観ていましたが、なかなか顔と名前は覚えられないものです。一番驚いたのは三品さんが「水没がまん祭 朗読劇・秘密の花園(2014/8)」に出ていたこと。この公演、悪天候のなか観に行きましたが、そのときはタイセイさん、彩羽さん、松岡さんしか知らなかったので、今回、気がつきませんでした。
次回は9月、新宿で。
刻のノート
マドモアゼル・シネマ
神楽坂セッションハウス(東京都)
2015/05/16 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1482(15-170)
19:00の回(曇)。18:28受付、18:32開場。
ノイズをバックに邦楽がかかっています、満席、19:04前説(75分)、19:06開演~20:19終演。新人6名を加えた10人のダンサー、いつもの硬質なパフォーマンス、演歌にピッタリのシーン、7月予定「春の祭典」の前章、物凄いエネルギーでした。
出口なし
獣の仕業
d-倉庫(東京都)
2015/05/10 (日) ~ 2015/05/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1481(15-169)
とりいそぎのメモ
19:00の回(曇)。18:00受付、18:30開場。
前半が「双身機関」で、後半20:16~21:15「獣の仕業」、2団体のトーク21:16~21:53。
「せかいでいちばんきれいなものに(2012/3@ディ・ブラッツ)」からで(たぶん)7作目、翌日(5/11)も観ています。
・ひとりひとりの声がまるで歌うように聴こえるセリフのハーモニー
・会場の大きさがあっているのか適度な響き
・暗めの照明が、白/黒の衣裳を取り囲むように感じる
今までと違うと感じるものの、何がどのようにとは言い表しにくい。太い骨格と
鍛えぬいた筋肉とが限界までその力を振り絞っているように感じる。
空中散歩とメンソール
コルバタ
戸野廣浩司記念劇場(東京都)
2015/05/08 (金) ~ 2015/05/10 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1480(15-168)
19:00の回(曇~雨)
18:30受付(少し前から受付のみ)、開場。
此処は(たぶん)「正劇ラグナロク(2011/10)」以来。「コルバタ」は観たことがなく直前まで予定していませんしたが、脚演出をみると南さん(!)、ということで急遽予約。「失われつつある物語(2013/7@DECO)」からだいぶ空いてしまいました。
村田さん「鳥は飛びながら夢をみる(2011/12@参宮橋)」「青森県のせむし男(2014/5@d-倉庫)」、他の皆さんは初めて。
舞台は高校の教室、卒業式の少し前、上手を向いて椅子が10脚、花が手向けてある椅子1脚、喫煙シーンあり、決まった制服はなく上履きのみ全員グリーン。
19:00前説(75分)、暗転せず生徒が教室へ...その後暗転、チャイムが鳴る。
途中、椅子の向きを時計回り(後ろ向きはない)に替えるなど変化をつけています。
自殺した生徒、その理由を知ろうとする級友、弟。他者が納得できる理由はあったのか、なかったのか、曖昧なまま卒業式を迎える舞台、蛍の光は終章のため。劇中あったように、たぶん、少しずつ忘れてゆくのだと思い、それは、もしかしたら辞めていった者、転校した者、卒業後会うことがなくなった者と同じなのかもしれない、と思うのでした。
全員シンミリする必要はないと思いますが、もう少し「同じクラス」だった生徒の死を正面から受け止めようとしている感じがあってもよいのではないかと思いました(あるいは、もっとバラバラでも)。
本に挟まれたメッセージはなんだったのか、直截的な表現ではないほうが印象的ではなかったかと思いました。
「石川」の絶叫はとてもよかった。
8月、南さんは「芝居屋風雷紡」の演出、どんな演出になるのかとても楽しみ。
持続可能な恋
tea for two
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2015/05/08 (金) ~ 2015/05/09 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1479(15-167)
14:00の回(曇)
13:30受付、開場。舞台上には椅子が2つ。ぎりぎりまで客席。
「ヒットパレードvol.10(2013/6)」からで5作目、本作は「tea for ONE公演」、2人芝居が3編。
アンティークドールのような西尾さん、はっきりとは語られませんがロボット/アンドロイドのようです。先日観たアンドロイド版「変身」が本物のロボットを使っていたのにリアリティを感じなかったのとは逆に、本作では「人」が演じているのに「人にはなれない」存在の悲哀が感じられました。
13:54前説(75分)、14:05開演~15:27終演。3つの物語は時系列に並び、かつ、始まりと終りがつながっているという見事な構成。
3人の男性はみな弱い存在、母のような存在が、学び、諭し、諌める。
劇中の詩は、まどみちおさんの『消しゴム』、「ぞうさん」も。