tomocoの観てきた!クチコミ一覧

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雲をつかむような冒険【当日券あり】

雲をつかむような冒険【当日券あり】

とくお組

駅前劇場(東京都)

2011/04/20 (水) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

何度見ても面白い!
1週間して、2度目の観劇になりました。
2度目となると、内容も分かるし、笑いのツボもわかるけど、前回とは違うところで笑えたり、新たな発見があったりしました。

ネタバレBOX

特に、徳尾さん演ずるマックスさんがこの1週間のうちにジワジワきていて、出てくるたびに爆笑。
足が見えると、もう、笑いを堪えてしまう状態になりました。
マリオさんの優しさが、前回よりも強く感じたり、意外とラモンが可愛らしい面を持っていたり、エルザがキレにキレていたり、楽しかったです。
深夜の市長

深夜の市長

とくお組

シアタートラム(東京都)

2012/03/29 (木) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても良かったです!
今回も2回、観に行ってきました、「深夜の市長」!
1回目と2回目で見比べるというか、2回目に1回目にぼーっとみていたところなどを詳しく見れてよかったと思います。

21世紀の現在に住む「浅間」という司法修習生。
彼の趣味にしている真夜中の散歩。
ある日、行き先もわからないバスに乗ったところ、全く訳の分からない世界に飛び込んでしまう。
そこは・・・・

「真夜中のT市はラディカルでドラスティックになる」
という言葉にあるように、浅間がたどり着いたのは、昭和11年のT市。
T市は、雷文と卍という2つのグループが勢力争いをしている街。
そこに「市長」と呼ばれるバーのマスターに出会ったことで、浅間は、その世界にドップリをつからざるをえなくなる。

ネタバレBOX

前回の「雲をつかむような冒険」、前々回の「魔法の公式」と比べると、その抽象的な雰囲気のセットに驚いた。
そしてその抽象的なセットが、現在と昭和11年を行き来する際、ある時は学生寮に、ある時はバーに、ある時は研究室に・・・・と次々に場面が変わる。

そして、複数の役を演じる魅力あふれる役者さん達の演技も素晴らしかった。
現在から突然、昭和11年に迷い込んだ浅間を演じる篠﨑さんは、その不思議な状況をいかに受け入れ、(多分、浅間本人は最初は受け入れていないんじゃないだろうか?)最終的に自分が「新市長」に落ち着くまでの気持ちの移り変わりを時には大胆に、時には繊細に演じられていた。
また、今回、唯一とも言える「ホントの悪役」だった「ニンニク」を演じた堀田さんは、冷静沈着な冷たい感じが出ていて、「恐ろしさ」さえ感じた。特に、カラメを殺すシーンは予測できたものではあったけど、その時の雰囲気や目付きなどは、本当に怖かった。
逆に「怖い」はずなのに、全然怖くなく、ある意味、魅力的なキャラクターに仕上がっていたジローを演じていた鈴木さんは、いつも通り、コメディ部分を担っていた。また、ものすごい衣装の松井やジローと松井の1人芝居など、鈴木さんの活躍シーンもあって、目が離せなかった。
そして、やはり爆笑したのは徳尾さんだった。前回の「マックス」さん同様、鍋島さんなどは、登場するだけで笑え、さらにこってこての大阪弁でまた爆笑した。今だに鍋島さんの「世の中の真理は、目に見えるものだけが、すべてやないんやで」は、頭に残っている。

前回も客演で出演されていた本折さんは、低いワイルドな声で渋さもあるカラメを、全くセリフはないけど、表情1つ1つで繊細にアンドロイドのドビュッシーを演じられていた。一緒に行った後輩は、本折さんがとても印象に残ったと言っていた。
同じ客演の鬼塚さんは、研究員の速水を憎たらしく思われるようなほどの冷静さで演じていた。1度目に観た際、この速水が途中まで印象が悪かった。しかし、彼が未来へ行き、戻ってきた時の情けない姿を見ると、その印象は薄れ、逆に人間くさい部分もあるんだと感じ、面白いキャラクターに思えた。

最後に、タイトルにもある「市長」を演じていた柴田さんは、とても堂々としていて、その立ち姿に惚れ惚れした。
1度目では、あまり感じなかったが、ラスト、市長がバス停に行く時に、浅間に言った言葉が印象に残った。
多分、それは、自分が置かれている状況がそうさせたのかもしれないが、市長の「人間、生きていれば誰でも、理屈で説明できないことが起きる。これもその一つだよ。それでも、自分なりに答えを見つけて生きていくしか、ないんだな」という言葉には胸に響いた。
そして、それを言う市長(柴田さん)が、あまりにも優しく諭してくれるような言い方で、思わず涙がでた。

今まで(DVDも含めて)とくお組の作品をみて思うことだが、とくお組の作品には「本当の悪いヤツ」がほとんど出てこない。
バイオレンスなシーンもほとんどない。
そういう意味で、今回は、ちょっとバイオレンスなシーンもあるし、悪いヤツも出てきた。
でも、とくお組の持つ穏やかな雰囲気が、それらのシーンを毒々しく感じさせないのかなと思い、逆にとても見やすかった。
昨今、バイオレンスなシーンの映画や芝居を観て、「ウワッ」と思うことは多い。
思わず目を伏せてしまうことも多いが、このお芝居は、そんなこともなく、笑いの要素もふんだんにあって、とても楽しい時間を過ごすことが出来たと思う。

次回は夏にあるようだが、また、時間を見つけて行きたいと思っている。
『うぶな雲は空で迷う』

『うぶな雲は空で迷う』

MONO

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

キュートな窃盗団
チラシをみても何を見ても、「ダンディーなSF会話劇」とあった。
だから、今回、MONOはダンディーを目指すのか、と思って期待しながら劇場に向かった。
でも、実際、あれはダンディーだったのだろうか???

5人の窃盗団が、船の中で繰り広げる失敗→言い訳の繰り返し。
あっという間に時間は過ぎ、期待したことは自分の元に訪れることはない。
ある種の絶望さえ感じてしまうけど、その様子が滑稽で、それを演じるMONOの皆さんがとてもキュートでした。
それぞれのキャラクターが持つ魅力と役者さんの演技力の素晴らしさ、見事なチームワークによって生まれる会話のズレが面白かったです。

前回の「少しはみ出て殴られた」に見られる、バイオレンスな部分や目を背けたくなるような部分はなくて、むしろ笑えるんだけど、胸にズシッとくる台詞が散りばめられていて、さすが土田さんだなぁ・・・と感心しました。

ここ数日、複数のストーリーが絡み合ったお芝居を見ていただけに、1つの芝居を落ち着いて見ることができ、充実感を感じた。

ネタバレBOX

結局、元に戻ってくるという結論で終わるわけですが、何か大きなことを夢見るのではなく、足元を大事にすることが重要なのかな?なんて考えて家路に着きました。
ベッジ・パードン

ベッジ・パードン

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2011/06/06 (月) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても面白かった!
「下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム」以来の大泉さんのお芝居、ということで、楽しみにして27日、世田谷パブリックシアターに行ってきました。
大泉さんだけでなく、野村萬斎さん、深津絵里さんなどの、豪華俳優陣、そして作・演出が三谷幸喜さんという魅力あふれる要素がつまりすぎて、興奮して行ってきました。

ネタバレBOX

ストーリーは、夏目漱石(金之助)がイギリス留学で、何度目かの下宿先に引っ越したところから始まります。
日本では英語教師として過ごしていた金之助が、英語を学ぶために留学したものの、自分の英語力のなさに自信をなくしていました。
元教師で厳しい大家や下に住む日本人の惣太郎、家庭教師の前ではおどおどする金之助でしたが、女中のアニーの前では、自然に話すことが出来ます。
下町出身で訛りのあるアニーの「I beg your pardon?」という言葉が「bedge pardon」に聞こえた金之助はアニーに「ベッジ」というあだ名をつけます。
史実では、そこまでだったのですが、そこは作家:三谷幸喜、淡いラブストーリーに仕上げてきました。
しかし、大家の離婚、ベッジの弟の事情、惣太郎の思惑により、2人は・・・

お目当ての大泉さんは、普段の明るいキャラクターが惣太郎という役を生き生きとさせ、でも惣太郎にも悩みや裏の顔もあって、それを嫌味なく演じている辺りさすが大泉さんだなあと思いました。
また、金之助役の野村萬斎さんは、立ち居振る舞いがとても美しくて、惚れ惚れしてしまいました。
そして、ベッジ役の深津絵里さんはめちゃくちゃ可愛くて、ちょっとバカっぽいベッジをキュートに演じていて、素敵だなあと思いました。

このストーリーの根底にあるものが、「言葉の壁」や「差別」であるけれど、時代を超えて「今」にも通じるものがあるなあと感じた。
例えば、惣太郎が方言で悩み、必死に英語を身につけるけど、その姿の痛々しさだって、今にも同じようなことがあってもおかしくない。
ベッジが下町出身ということで差別されているけれど、地域による差別なんて、今だにあるものだ。

全体に流れるコメディタッチの楽しいお芝居だったけど、コメディの裏にあるモノを感じると、深く考えさせられた。
ドレッサー

ドレッサー

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2013/06/28 (金) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

舞台俳優・大泉洋の真髄
世界で上演され続けているイギリスの戯曲「ドレッサー」
第二次世界大戦中の、ある劇団の座長と付き人の関係とその周囲の人との関わりを描いた作品。
日本でも過去に何度か上演されたが、初めて見る作品だった。しかし、三谷幸喜演出、大泉洋出演となっては期待も高まり、観に行った。

見て、感じたのは、大泉洋の集中力の高さ、膨大な量の台詞。さらに、モノマネも入り、役者大泉洋の演技力の高さを感じた。

ストーリー自体は、座長と付き人の関係が、「リア王」とそこに出てくる道化との関係に合わせていたそうだが、シェークスピアなんて、高尚なものを見ることのない私にとっては、分かることはなかった。
しかし、この作品を見たときに、付き人に切なさを感じた。

シェークスピア劇が、海外ほど浸透していない日本では、難しい面もあるかと思うが、それでも、演技力の高い役者さんが多数出ていることもあり、十分に楽しめたと思う。

ロベルトの操縦

ロベルトの操縦

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2011/09/08 (木) ~ 2011/09/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

2度目の「ロベルトの操縦」
昨日、ヨーロッパ企画の「ロベルトの操縦」を本多劇場まで観に行ってきました。
京都公演に引き続き、2度目。

ネタバレBOX

やはり劇場に入った瞬間のロベルト(兵器)の存在感に圧倒。
京都府立文化芸術会館より本多劇場の方が幅が狭いようで、余計にロベルトの大きさが際立っているように思いました。

スタートから、少しずつセリフが増えたり、動きが変わったり、また、逆に省略された部分があったりしていました。
個人的には、永野さんのセリフにある「少年兵じゃないですよ。成人ですから」には、かなり笑えました。

「コーラを買いに行く」という当初の目的から「海に行く」→「エンペラーを助ける」→「水の惑星へ行く」と、物語が発展していく中で、ヨーロッパ企画独特のドタバタコメディーに仕上がっていて、とても楽しかったです。
1回目で感じた「真面目な人間が必死になっても、逆の考えを持つ人間が複数いた場合は、どういうふうな状況になるのかという恐ろしさ?みたいなもの」は、少し和らいでいて、また、2回目ということもあったためか、とても楽しく観劇できました。

また、17日は、アフタートークがあり、今回は、数名ずつ出演者全員が入れ替わり登場し、作品のことや役のことについて話をしてくれました。
大好きな永野さんのトークが少なめで残念でしたが、京都公演のアフタートークでしっかり聞けたので、よしとし、他の方のトークが聞けたのがよかったです。
例えば、山脇さん演ずる先輩の彼女のファッションのことは、山脇さんらしく、深い意味を持っていて、聞いているだけで「へぇー、そうなんだ。」と思わず納得。
角田さんや諏訪さん、本多さん、酒井さんは裏方として仕事もしているとか、ロベルトの移動を演出するために出てくる看板は、プレビュー公演ではなかったとか、作品を見たからこそ楽しめる話がどんどんでてきました。
また、中川さんは実は高所恐怖症で、今だ、ジェットで飛んでいるシーンは上田さんから演出を受けていないとか、角田さんの役に関して上田さんより酒井さんの方が詳しいとか、酒井さん演じるエンペラーの側近が持っている銃は光るけど、3回に1回位しか成功しないとか、色々裏話が聞けて満足しました。
PLAY PARK2012

PLAY PARK2012

PLAY PARK 事務局

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2012/04/20 (金) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

MONOを観に・・・
今年の2月にMONOの「少しはみ出て殴られた」を観に行って以来、MONOに釘付けになってしまった私。
ちょっとでも観れないものかと思い、探し出したのが「PLAY PARK」。
最終日に出演するということで、昼公演と夜公演がありましたが、夜公演は売り切れていたので、昼公演に行くことにしました。
5組出演中、MONOは4番目。
期待も最高潮に来たときに登場!でした。

ネタバレBOX

「意外な盲点」
ある部屋に集まった4人の男。
彼らは、ある計画を練っていたのだが、その計画が警察にもれたことから、誰が犯人なのかと探し始める。
でも、実は、その計画がもれた理由は・・・・

MONOらしい、会話が中心でその会話のズレによって生まれる笑いがとても面白かったです。
個人的には、尾方さんがめちゃくちゃ可愛くて、水沼さんがカッコ良かったです(*´∀`*)

余談ですが、MONOの後に登場したコンドルズ独立機動部隊「暁」さん達が、スーツ姿でピストルを持っている姿がめちゃかっこよかったのですが、その前のMONOもスーツ姿にピストルを持っていたので、全く違った趣があってそれはそれで良かったです。
あと、動物電気さんは、辻修さん以外の方が、みんなズングリしていて笑えました。
魔法の公式

魔法の公式

とくお組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/07/29 (木) ~ 2010/08/04 (水)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
バタバタする感じがとても面白かった。
役者の皆さんもカッコよくて、次回公演も楽しみです。

少しはみ出て殴られた

少しはみ出て殴られた

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

自分に投げかけられた課題
ヨーロッパ企画の諏訪さんと中川さんが客演、とくお組「雲をつかむような冒険」でアフタートークで爆笑をとっていた土田英生さん脚本・演出、そして以前から注目していた劇団MONO、ということで2月25日の夜公演を観に行きました。

「線とは何かを巡る寓話」とチラシにあったが、まさに「線」を巡るストーリーだった。
場所は、マナヒラ(架空の国)にある刑務所。

ネタバレBOX

このマナヒラが2つの国に分かれたところから始まる。
囚人達がいる刑務所は、この2つの国の国境線上に位置し、誰かが言い出したわけでもなく、この国境線をそれぞれが意識し始める。
そうすることで、囚人たちだけでなく、看守も含めて皆が2つに分かれた。
でも、コチ出身のミタムラ・コニシと仲の良いヒガシマナヒラ出身のタヌキ・マサルは、その様子に疑問を投げかける。
「どうして?変だよ」
同じヒガシマナヒラ出身のヨコヤマ・トオルと2人で、みんなに言うが、誰も聞こうとしない。
そうして、状況はエスカレートし・・・・

以前、安田顕さんが出演していた「総体的浮世絵」を観たとき、この脚本を作った人は、人間の醜い部分やずるい部分を嫌味なく、でも、何か批判しているようなそんなことを上手く描く人だなあと思っていた。
そうこうして、とくお組のお芝居のアフタートークで、芝居と全く関係ない話で爆笑をかっさらっていった土田氏が同じ人とは思えなかったけど、逆に興味を持った。
今回の「少しはみ出て殴られた」も、やはり、人間の醜い部分やずるい部分を描いている。
「いじめ」や「争い事」が、実は些細なことから生まれ、そしてどんどんコトが大きくなる様を見ているようであった。
ある考えが、集団に浸透しつつある中で、それが間違っていたとき、「変だよ!」と感じる感性を持ち、それを発言できるかどうかといわれると、自分自身に「絶対する!」とは言い難い。
タヌキが「変だ!」と言っても誰も耳をかさない、状況は悪化するばかりという場面で、彼が刺繍をしている姿は、現実逃避しているようであった。
実際、世の中ってそんなものなのかもしれない、ふとそんなことを考え、学校の教員という立場である私に、大きく投げかけられた課題だなあと思った。
さすが、土田さんだなぁと思った。

ついでの話ではあるが・・・・
MONOについて色々調べていたら、尾方宣久さんの爽やかな笑顔の写真を発見し、「めっちゃカッコイイ!」と思った。
お芝居を観に行ったら、やっぱりかっこよくて、満足した。
AMUSE×PEOPLE PURPLE ORANGE 東京公演

AMUSE×PEOPLE PURPLE ORANGE 東京公演

劇団PEOPLE PURPLE

本多劇場(東京都)

2013/03/28 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

感謝の気持ち
 阪神淡路大震災から18年、震災前まで生きた時間よりも震災後に生きている時間が長くなった。
 2年前には東日本大震災もあり、すでに阪神淡路大震災も「過去のもの」と感じることが多く、阪神の被災者としては心苦しいものがある。現在、関東で住んでいるため、周りはどうしても3.11への気持ちが大きく、それ自体を否定することはないが、やはり私は、1.17への思いの方が強い。

 そんな中で、舞台「ORANGE」は、すでに3度目。初めて見たのは、3年前。今はなき前進座劇場だった。きっかけはヨーロッパ企画のお芝居を見に行ったときに「ORANGE」のチラシを見て、「行かなきゃいけない」と、心に何か感じたことから、チケットを手配した。そして、観劇した後、心の底から脚本を作った宇田学さん、そして演じてらっしゃるpeople purpleの皆さんに「ありがとう」という気持ちになった。
 
 震災を扱う作品の多くは、絶望を全面的に出したものか、希望を見出してハッピーエンドで終わるようなものが多いと感じ、それらの多くはお涙頂戴もののストーリーで、嫌悪していました。震災後、しばらくは震災を扱う作品を見ることはなかった。
 そんな私がどうして「ORANGE」を「見にいかなくてはいけない」と思ったのか今となっては不思議だが、少なくとも、「ORANGE」を見て、本当に良かった、このような素晴らしい作品があることを知れて、幸せだと思った。

 「ORANGE」は、あの時、あの場所であったことが目の前で繰り広げられ、それは絶望的でもあるけれど、でも、本当だったことを描いているからだ。
 演じられる役者さんのご苦労は相当のものだと思うが、あの時のあの現場、あの時間がリアルに繰り広げられ、それを多くの人に知ってもらうことは、阪神淡路大震災の被災者として、心が救われる思いになる。

 多分、これから東日本大震災の被災者、他の自然災害(事故や事件もありますが)の被災者も同じように感じると思うが、「忘れられること」ほど、悔しい・悲しいことはない。
 だからこそ、このお芝居が私にとって「ありがとう」という気持ちになるのだ。

「ORANGE」のはじめの台詞に東日本大震災の被災者に対する言葉が入ったことで、きっと私と同じように救われる人はいると思います。
 本当にありがとうございました。
 


ORANGE

ORANGE

劇団PEOPLE PURPLE

PARCO劇場(東京都)

2011/02/16 (水) ~ 2011/02/24 (木)公演終了

満足度★★★★★

涙涙・・・・
昨年、「ORANGE」を見たときは、被災者である私は、ものすごく構えて行った。その中で「?」と思うこともあったが、1年経ち、色々と心に余裕を持ってみることができた。

ネタバレBOX

現在・震災・現在という3つの時間で分けられているが、やはり震災のシーンは、命の重さをつきつけられた。
一緒に行った後輩は「自分が震災にあったらどうなるかわかならい」といっていたが、被災者である私にとって、あれはあまりにリアルすぎる。
辛い思いもあったが、これは「みなくちゃいけない」と思った。
雲をつかむような冒険【当日券あり】

雲をつかむような冒険【当日券あり】

とくお組

駅前劇場(東京都)

2011/04/20 (水) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
最近、元気なく過ごしていたけど、久々に爆笑した。
とくお組、お得意のドタバタコメディーで、そのドタバタ度がすごかったけど、見ている私はとても楽しめました。

ネタバレBOX

私が一番印象に残ったのは隊長の姿でした。
仕事柄、私自身が常にリーダーとして動く人たちの動向に注目しているので、このお芝居でも、リーダーである隊長のアンジェロに注目していました。

篠崎友さん演じる隊長のアンジェロは、信念を持ってみんなをまとめています。その信念の強さとか、みんなの思い(暴走)を止めるところとか、そういう姿を見ると、自分もそうありたいと思うものです。

ラスト、自分たちをピンチに陥れた旅人のエルザが戻ってきた時、みんなが殺そうとしますが、アンジェロは自分の信念の元、みんなを止めます。
その時、エルザに発した言葉に感動しました。
そして、そのときの篠崎さんの演技のすごいことすごいこと。
本当に、リーダーとしての色んな苦悩をああいう形で表現し、感服しました。
いつもお芝居や映画を観るときは、誰かに感情移入することが多いのですが、ここのところ、客観的に見ることが増えていました。
今回は、久々にアンジェロに感情移入してみて、特に、エルザを逃がすシーンには、涙しました。
でも、最後はとくお組らしい、爆笑で終わってよかったです。
5D-FIVE DIMENSIONS 「LOOSER 6」

5D-FIVE DIMENSIONS 「LOOSER 6」

TEAM NACS

サンシャイン劇場(東京都)

2011/05/11 (水) ~ 2011/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
前回の「LOOSER~失い続けてしまうアルバム~」との違いを楽しもう、そう思いながら会場へ行きました。
前作の再演と言っても、内容は一部、変更されていました。
でも、DVDだけでしか見ていない世界観が目の前で繰り広げられることに、テンションも上がりました。
音楽も、前作と同じものを使用していましたが、前作の内容をシャープにしながらも、深みを与えたものになっていたと思いました。

ネタバレBOX

「LOOSER」では、説明が多く、DVDの副音声でも「説明過多な部分がある」ような話もしていましたが、「LOOSER6」では、その説明部分をグッと省略していました。
その代わり、戸次さん(当時は佐藤さん)が演じた30歳の男の役が40歳の息子がいるお父さんになり、そのお父さんの悩みを吐露するシーンが増えていました。

前半は主に新撰組のシーンですが、ここでは、安田顕さんが演じた芹沢鴨を飯野雅彦さんが、個性的に演じられています。
特に、お梅が死ぬシーンはかなり時間をかけていて、その切なさとか苦しさが伝わってきました。
また、藤堂平助を1人のキャラとして出し、印象深い役になっていました。
後半は、討幕派の話が中心になりますが、池田屋のシーンは、緊迫感が漂い、山場として盛り上がりました。

どちらがいい?と聞かれたら、どちらも面白かったし、それぞれの良さがあると思います。
芝浦ブラウザー

芝浦ブラウザー

東京グローブ座

東京グローブ座(東京都)

2011/04/02 (土) ~ 2011/04/19 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
近未来の住宅事情をテーマにしたお芝居で、さすが上田さん!と思うようなストーリーでした。

ネタバレBOX

おもちゃのような(舞台上では「秘密基地」といっている)舞台セットで、そのセットに細々と演技する役者さんがとても面白かったです。
特に面白かったのは伊達暁さんで、もともと私が伊達さんに持っているイメージは「シャープ」な感じだったのですが、伊達さんの役はその反対といってもいい、ワイルドでちょっと天然っぽい感じでした。
また、永野宗典さんは、いつもの永野さんらしい精神的に追い込まれた感じの役で、とてもステキでした。
芦名星さんはめちゃ綺麗で、井ノ原さんと並んで演技しているときは、さすが美男美女でホーっとなってしまいました。
ラストは、ちょっと切ない感じもしたけど、全体を通して、とても面白いお芝居でした。
WARRIOR~唄い続ける侍ロマン

WARRIOR~唄い続ける侍ロマン

TEAM NACS

赤坂ACTシアター(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

3年ぶりの新作は満足しました!
前作「下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム」から3年。
各方面でソロでの活躍著しいTEAM NACSの新作となれば期待も最高潮です。

本命を「東京公演」、保険として「大阪公演」を予約したところ、両方ともチケットがとれたので、無事に2回、行ってきました。

時は戦国時代。
かの有名な桶狭間の戦いから始まる。
本来、史実に基づけば、今川軍に徳川家康も明智光秀もいないのだが、森崎さんがアイデアを出したことで、同時代に活躍していないはずの武将を同じ時代に生かすことで、物語に深みとストーリー性が生まれた。

ネタバレBOX

桶狭間の戦いで、殺された家康。織田信長に捕らえられた光秀。
家康は、そのまま葬られたが、和睦を結びたい信長は、家康と同じ顔をした又兵衛という絵師を家康の影武者に仕立て、光秀は自分の軍師にする。
又兵衛は、自信がないこともあり断るが、信長はそれを許さず、結局、又兵衛は、不安を抱えながらも家康としての道を歩み始める。
一方、家来も殺され、生きる理由も見つけられない光秀は、死のうとするが、信長の野望により、死ぬことさえも選べない状況に追い込まれる。
信長の忠実な家来には柴田勝家、豊臣秀吉がいる。
ある日、武田軍が攻めてきたことで、家康は突然、武将として戦わなくてはいけなくなる。
しかし、一介の絵師がそんなことできるわけでもなく、家康はただひたすら逃げる。
そのため、秀吉が殿(しんがり)を務めることになるが、死にたくない秀吉は家康に自分の気持ちを吐露する。
生きることを説得するが、秀吉は「武士」としての勤めを選ぶことにしていた。しかし、光秀の登場により、秀吉は生き延びることができる。
信長は、無事に武田軍を追い払った光秀、殿を勤めた秀吉に褒美として、妻の濃に酒を注がせるが、もともと自分の妻だった濃にそんなことをしてもらうことに光秀は抵抗があった。
一方、武田軍が動いたのは、家康の妻、築山御前の策略と知った信長は、家康に妻子を殺すように命ずる。
「影ゆえに本物になりきろうとした」家康は、2人を守ろうとするが、逆に築山に諭され、2人を殺すことになってしまう。
大切な人を失う自分を省み、本当に守るべき時は闘うことを誓った家康は、気持ちを入れ替える。
そんな時、毛利征伐のために、信長は、一時、本能寺へ行くことにするが・・・・


アイデアを森崎さんが出し、それを元にpeople purpleの宇田学さんが脚本をするという、私にとっては最高のコンビだと思った。
今までのNACSの作品は「パワー・勢い・テンション」という言葉に代表されるように、とてもパワフルで勢いがあった。
本来、森崎さんが脚本をするのが理想だが、森崎さん以外の人がNACSの脚本をするとなると・・・?と思うと、宇田さんの感動を紡ぎ出す言葉の数々は、理想とするところだ。
すでに舞台が始まる前から期待は高まっていた。

そして、実際に大阪公演を観たとき、5人が揃った姿を見た瞬間、とめどなく涙があふれた。
3年前、「下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム」以来、楽しみにしていた瞬間だった。
お芝居の内容は、史実に基づいてはいないものの、アイデアが満載で、とても面白かった。
NACS独自の笑いのシーンもふんだんに盛り込まれ、さらに、泣かせるところは泣かせる内容には、十分満足した。
戸次さんは、一見非情ではあるものの、実は愛する人のことを思う信長を艶やかに演じ、音尾さんは、農民から信長の右腕にまでに登り詰めた実力があるものの実は、一番野望を秘めた秀吉を器用に演じていた。
さらに、森崎さんはそのご自身の持つパブリックイメージ通りの豪快でワイルドな柴田勝家を大らかな雰囲気を持って演じていた。
1人の女性をただひたすら愛する光秀を演じた大泉さんは、TVで見るイメージとは違っていたが、逆にその一途な姿に目を奪われた。
そして、安田さんは、このお芝居の核になる「生きる」ということをひたすらに感じ、考え、伝える役目を演じていたが、安田さん独自の笑いのシーンもあり、本当に感動した。

5人がそれぞれにキャラクターが確立し、さらに、そのキャラクターに甘んじることなく、多岐にわたる役を演じられるTEAM NACSの凄さには毎回驚かされるが、今回も、十分に満足することができた。

次回作が、何年後になるかわからないが、楽しみに待っていたいと思う。
ロベルトの操縦

ロベルトの操縦

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2011/09/08 (木) ~ 2011/09/18 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しい時間を過ごせましたヽ(*´∀`)ノ
「移動コメディ」
と事前に聞いていたけれど、「移動」をコメディ化するってなんだろうと思って会場へ行った。

ネタバレBOX

会場に入ると、舞台上に大きな乗り物が1台。

スタートは、キャッチボールをする石田さんと土佐さんの会話から始まります。
砂漠の中にある駐屯地で、ラッパ(出動の呼び出し?)を待つ軍人のようでした。

そこに看護師役の山本さんが登場することで物語が動いていきます。

駐屯地から2Kmほどのところに、自動販売機があるからジャンケンで負けたものがコーラを買いに行くという話になります。

真面目な永野さんは、そんなことをしたら、ラッパが鳴るのではないかと危惧し、嫌がりますが、ロベルトという名の乗り物に乗って買いに行こうという話が出ると、自分が行くことにします。
しかし、結局はロベルトを使い、探しに行くのですが・・・・

最初は「コーラ」を買いに行くという目的だったのが、だんだん話が大きくなっていき、ついには・・・!

今回のお芝居の中では、個人的に大好きな永野宗典さんの真面目な役に共感することができました。
だから、逆に、真面目な人間が必死になっても、逆の考えを持つ人間が複数いた場合は、どういうふうな状況になるのかという恐ろしさ?みたいなものも感じたなあと思いました。
勿論、もっとラフに見れば、面白いんですがね。

次回は9月、東京の本多劇場で観ますが、また、京都公演との違いやストーリーを深く感じていきたいと思います。
恋する、プライオリティシート

恋する、プライオリティシート

コメディユニット磯川家

王子小劇場(東京都)

2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了

満足度★★★★

初磯川家
初めて観ました。
とても面白くて、でも、ホロッとくるところもあってよかったです。
また、みたいなあと思います。

HIPHOP侍vsレゲエ侍

HIPHOP侍vsレゲエ侍

男肉 du Soleil

元・立誠小学校(京都府)

2013/02/23 (土) ~ 2013/02/23 (土)公演終了

満足度★★★★

パワーと勢い
初めて男肉du Soleilを観ましたが、みなさんのパワー溢れるダンスと勢いでおしまくるストーリーにはただただ圧倒されました。

スマートモテリーマン講座VOL.3

スマートモテリーマン講座VOL.3

avex live creative

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/01/17 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

安田さんが良かったです!
ケーススタディを用いて行う「講座」という形で行われた本公演。
安田顕さんの濃いー演技が印象に残りました。
芝居あり、ダンスあり、歌あり、パロディありと、要はなんでもありのお芝居で、楽しいことこの上なしでした。
内容としてとても感動するようなものではないけれど、ただ単純に笑いたいと思ったとき、スカっとするお芝居だと思いました。
イケメン大東俊介さんが主役ではあったというのに、安田さんの濃い演技だけが心に残りました。

いないいない

いないいない

ガレキの太鼓

アトリエ春風舎(東京都)

2011/06/03 (金) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

行ってきました
初めてのガレキの太鼓でした。
とくお組の篠崎友さんが客演をするということで行ってきました!

ネタバレBOX

ある通知をもらった人間が、隠れ家に隠れて暮らしている話。
最初は楽しい話をして、みんなで仲良く過ごすけど、人数が増え、ストレスを感じたり、恋をしたり・・・そうして年月が過ぎていきます。

「通知」の話が出るまで、もしかしたらこれは、放射能から「逃げている」のかしら?と思ったのですが、「通知」の話が出てからは、現代版「アンネの日記」というような感じに思えました。

もしかしたら、あの当時のユダヤ人は、こんな生活をしていたのかな?こんなことを考えていたのかな?と・・・・

「自分」という存在が(表の)世界から消えたのに、世界がわりと普通に回っていることへの怒りや大事な人が亡くなったのに、死に目にも会えないなど、葛藤するシーンを見ていると、その人を「想う」ことの重要性をひしひしと感じ、そして、こういうことが世の中から消えて欲しいなあと思うばかりでした。

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