WARRIOR~唄い続ける侍ロマン 公演情報 TEAM NACS「WARRIOR~唄い続ける侍ロマン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    3年ぶりの新作は満足しました!
    前作「下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム」から3年。
    各方面でソロでの活躍著しいTEAM NACSの新作となれば期待も最高潮です。

    本命を「東京公演」、保険として「大阪公演」を予約したところ、両方ともチケットがとれたので、無事に2回、行ってきました。

    時は戦国時代。
    かの有名な桶狭間の戦いから始まる。
    本来、史実に基づけば、今川軍に徳川家康も明智光秀もいないのだが、森崎さんがアイデアを出したことで、同時代に活躍していないはずの武将を同じ時代に生かすことで、物語に深みとストーリー性が生まれた。

    ネタバレBOX

    桶狭間の戦いで、殺された家康。織田信長に捕らえられた光秀。
    家康は、そのまま葬られたが、和睦を結びたい信長は、家康と同じ顔をした又兵衛という絵師を家康の影武者に仕立て、光秀は自分の軍師にする。
    又兵衛は、自信がないこともあり断るが、信長はそれを許さず、結局、又兵衛は、不安を抱えながらも家康としての道を歩み始める。
    一方、家来も殺され、生きる理由も見つけられない光秀は、死のうとするが、信長の野望により、死ぬことさえも選べない状況に追い込まれる。
    信長の忠実な家来には柴田勝家、豊臣秀吉がいる。
    ある日、武田軍が攻めてきたことで、家康は突然、武将として戦わなくてはいけなくなる。
    しかし、一介の絵師がそんなことできるわけでもなく、家康はただひたすら逃げる。
    そのため、秀吉が殿(しんがり)を務めることになるが、死にたくない秀吉は家康に自分の気持ちを吐露する。
    生きることを説得するが、秀吉は「武士」としての勤めを選ぶことにしていた。しかし、光秀の登場により、秀吉は生き延びることができる。
    信長は、無事に武田軍を追い払った光秀、殿を勤めた秀吉に褒美として、妻の濃に酒を注がせるが、もともと自分の妻だった濃にそんなことをしてもらうことに光秀は抵抗があった。
    一方、武田軍が動いたのは、家康の妻、築山御前の策略と知った信長は、家康に妻子を殺すように命ずる。
    「影ゆえに本物になりきろうとした」家康は、2人を守ろうとするが、逆に築山に諭され、2人を殺すことになってしまう。
    大切な人を失う自分を省み、本当に守るべき時は闘うことを誓った家康は、気持ちを入れ替える。
    そんな時、毛利征伐のために、信長は、一時、本能寺へ行くことにするが・・・・


    アイデアを森崎さんが出し、それを元にpeople purpleの宇田学さんが脚本をするという、私にとっては最高のコンビだと思った。
    今までのNACSの作品は「パワー・勢い・テンション」という言葉に代表されるように、とてもパワフルで勢いがあった。
    本来、森崎さんが脚本をするのが理想だが、森崎さん以外の人がNACSの脚本をするとなると・・・?と思うと、宇田さんの感動を紡ぎ出す言葉の数々は、理想とするところだ。
    すでに舞台が始まる前から期待は高まっていた。

    そして、実際に大阪公演を観たとき、5人が揃った姿を見た瞬間、とめどなく涙があふれた。
    3年前、「下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム」以来、楽しみにしていた瞬間だった。
    お芝居の内容は、史実に基づいてはいないものの、アイデアが満載で、とても面白かった。
    NACS独自の笑いのシーンもふんだんに盛り込まれ、さらに、泣かせるところは泣かせる内容には、十分満足した。
    戸次さんは、一見非情ではあるものの、実は愛する人のことを思う信長を艶やかに演じ、音尾さんは、農民から信長の右腕にまでに登り詰めた実力があるものの実は、一番野望を秘めた秀吉を器用に演じていた。
    さらに、森崎さんはそのご自身の持つパブリックイメージ通りの豪快でワイルドな柴田勝家を大らかな雰囲気を持って演じていた。
    1人の女性をただひたすら愛する光秀を演じた大泉さんは、TVで見るイメージとは違っていたが、逆にその一途な姿に目を奪われた。
    そして、安田さんは、このお芝居の核になる「生きる」ということをひたすらに感じ、考え、伝える役目を演じていたが、安田さん独自の笑いのシーンもあり、本当に感動した。

    5人がそれぞれにキャラクターが確立し、さらに、そのキャラクターに甘んじることなく、多岐にわたる役を演じられるTEAM NACSの凄さには毎回驚かされるが、今回も、十分に満足することができた。

    次回作が、何年後になるかわからないが、楽しみに待っていたいと思う。

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    2012/06/10 23:30

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