少しはみ出て殴られた 公演情報 MONO「少しはみ出て殴られた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    自分に投げかけられた課題
    ヨーロッパ企画の諏訪さんと中川さんが客演、とくお組「雲をつかむような冒険」でアフタートークで爆笑をとっていた土田英生さん脚本・演出、そして以前から注目していた劇団MONO、ということで2月25日の夜公演を観に行きました。

    「線とは何かを巡る寓話」とチラシにあったが、まさに「線」を巡るストーリーだった。
    場所は、マナヒラ(架空の国)にある刑務所。

    ネタバレBOX

    このマナヒラが2つの国に分かれたところから始まる。
    囚人達がいる刑務所は、この2つの国の国境線上に位置し、誰かが言い出したわけでもなく、この国境線をそれぞれが意識し始める。
    そうすることで、囚人たちだけでなく、看守も含めて皆が2つに分かれた。
    でも、コチ出身のミタムラ・コニシと仲の良いヒガシマナヒラ出身のタヌキ・マサルは、その様子に疑問を投げかける。
    「どうして?変だよ」
    同じヒガシマナヒラ出身のヨコヤマ・トオルと2人で、みんなに言うが、誰も聞こうとしない。
    そうして、状況はエスカレートし・・・・

    以前、安田顕さんが出演していた「総体的浮世絵」を観たとき、この脚本を作った人は、人間の醜い部分やずるい部分を嫌味なく、でも、何か批判しているようなそんなことを上手く描く人だなあと思っていた。
    そうこうして、とくお組のお芝居のアフタートークで、芝居と全く関係ない話で爆笑をかっさらっていった土田氏が同じ人とは思えなかったけど、逆に興味を持った。
    今回の「少しはみ出て殴られた」も、やはり、人間の醜い部分やずるい部分を描いている。
    「いじめ」や「争い事」が、実は些細なことから生まれ、そしてどんどんコトが大きくなる様を見ているようであった。
    ある考えが、集団に浸透しつつある中で、それが間違っていたとき、「変だよ!」と感じる感性を持ち、それを発言できるかどうかといわれると、自分自身に「絶対する!」とは言い難い。
    タヌキが「変だ!」と言っても誰も耳をかさない、状況は悪化するばかりという場面で、彼が刺繍をしている姿は、現実逃避しているようであった。
    実際、世の中ってそんなものなのかもしれない、ふとそんなことを考え、学校の教員という立場である私に、大きく投げかけられた課題だなあと思った。
    さすが、土田さんだなぁと思った。

    ついでの話ではあるが・・・・
    MONOについて色々調べていたら、尾方宣久さんの爽やかな笑顔の写真を発見し、「めっちゃカッコイイ!」と思った。
    お芝居を観に行ったら、やっぱりかっこよくて、満足した。

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    2012/02/29 20:22

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