忍守シン(しのもり しん)の観てきた!クチコミ一覧

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くちびるぱんつ

くちびるぱんつ

ぬいぐるみハンター

王子小劇場(東京都)

2011/01/27 (木) ~ 2011/01/31 (月)公演終了

満足度★★★

驚異的な体力
確かにがちゃがちゃしています。
大部分は勢いに任せての速いセリフ、走りまわり、踊って歌って、ギャグの応酬と、何やら昔の小劇場演劇を思い出させるようなお芝居でした。
役者さん達の体力には脱帽です。あれだけ動き回り、台詞を喋って歌い踊っても息があがる素振りが見えないというのは驚きです。
話の内容は、ほぼ無意味。その無意味さをどう受け取るかは、観る人によって分かれるでしょう。無意味さ加減が許容範囲内に収まらないと、笑えない所が出てきます。

ネタバレBOX

話の流れから致し方無いのですが、【30XX年】の登場人物たちの会話が何を言っているのかさっぱりわからず、次第に興味が引かれなくなってしまったのが残念です。(これは観ている私の側の問題でしょうが)
タイトルに含まれる「ぱんつ」も、物語に深く結びついていないようでした。
13人のスピード!

13人のスピード!

マグズサムズ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/01/26 (水) ~ 2011/01/31 (月)公演終了

満足度★★★★★

見事でした
面白い、と素直に言える作品です。
スピード感溢れるコメディと聞くと、ただ勢いに任せて突っ走るという印象を受けがちですが、リズムとテンポが絶妙で最後まで飽きがきませんでした。
これは間とか台詞のタイミングが相当難しいはずで、少しでもズレれば笑える所も笑えなくなるはず。少なくとも私が観た回は、ほぼ完璧だったと思います。
登場人物のキャラクターもきちんと描き分けられていて、役者さんも皆さんよく声が出てきっちり演じられているという印象です。

ネタバレBOX

バスガイドさんの冒頭の芝居がしっかりしていたおかげで、物語の流れをきちんと作っていけたのではないかと思います。文字通り、ガイドになったわけです。
桜の園の裏の園

桜の園の裏の園

SKY SOART ψ WINGS

シアターX(東京都)

2011/01/18 (火) ~ 2011/01/20 (木)公演終了

満足度★★

真剣だから喜劇的
「桜の園」は未見ですが、解説にもある通り、並行する3つのエピソード自体を楽しめる作品となっています。
登場人物達の真剣な、でもどこか喜劇的な振る舞いに、時代や場所を越えた普遍性を描く試みとなっており、工夫の跡が伺えます。
役者陣の中では、シャルロッタ役の方の安定感が全体を引き締めている感があります。
少し理解しづらかったのは、登場人物の背景や立場、仕事の内容が説明されなかった点です。”桜の園”と呼ばれる屋敷に何故彼らは居るのか、どのような立場で複数の家族がそこに居るのか、あらかじめ解説を読まず原作も知らない身にとってはわからなかったので、パリから帰って云々のくだりがほぼ理解できず、感情移入が阻まれてしまいました。

繋がらない世界の話【終演しました!たくさんのご来場ありがとうございました】

繋がらない世界の話【終演しました!たくさんのご来場ありがとうございました】

ソテツトンネル

RAFT(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★

面白くなる要素
30分一幕の芝居×2本のオムニバス。
2本の作品の間に関連は無く、「繋がらない」話として構成しているとのこと。

「谷間!やわらかい!お願い!触らせて!」
病院という舞台に異質の者を紛れ込ませるとどうなるか、その発想からくる物語の展開としては無理なく見られました。ただ、巨乳のくだりはさすがに唐突で、それが笑いにつながるか、面白くなるかというところは紙一重というところです。
笑いの要素はあるのですが、全体的に"間"の取り方、空気感の作り方がもう一歩で、もっと面白くなるはずだったのが残念です。面白くなる要素はありました。

「2010年家族の旅」
こういう日常SF的なものは昔よくあったな、という感じで、ある種の懐かしさを覚えながら観させていただきました。父親役の方の演技の安定感で、作品全体がうまくまとまったかと思います。
子供達の年齢設定がよくわからず、しばらく戸惑いました。30分という短い枠なので、観る者が迷う時間が少なくなるような表現を望みます。

ネタバレBOX

「谷間!やわらかい!お願い!触らせて!」
おそらくキーとなる役は次女かと思います。他の3人のバラバラな方向性を一手に受ける役柄なので、作品全体の流れに大きな影響を及ぼすものと思います。
"ゆうか"のボソボソ喋りは確かにそのようなキャラクターなのでしょうが、さすがに単調で聞くのが辛かったです。

「2010年家族の旅」
妹の遊び方から最初は幼児かと思ったのですが、話が進むにつれ小学生か中学生?かと、迷っているうちに最後まで進み・・・
どこかである程度確定させないと、後半の「セックス」云々というセリフが生きないのではと思います。
あなたの部品 リライト

あなたの部品 リライト

北京蝶々

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/12/14 (火) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★

全体と個々
改訂再演、でも改訂前とは全く異なる作品との説明を受けましたが、改訂前は観ていないので先入観なしで観させていただきました。
全編ほぼ出ずっぱりの西村役の役者さんによって、1本の芯が通った作品になっています。
高度な義肢によって障害者の体と心を直すことを一種の美学とする男が、自分自身の歪な精神を映し出したかのような登場人物たちと相対し、やがて疑問を持つようになる。個々の登場人物たちの背景や痛みは描かれており、それが主人公の行動を無理なく引き出すことにはなっています。
ただ、どの登場人物にしてもそのキャラクターの特異性から、感情移入がしやすいかという点については疑問符がつきます。

ネタバレBOX

二人の"上原"の描き方がわかりにくく、全体との絡め方がなんとも中途半端になってしまった感があり、残念です。時折垣間見えるシュールさが、物語全体のわかりやすさと乖離しているためか、その意図を汲み取ることができませんでした。
あと、さすがに至近距離でお尻を見せられた観客は可哀想かと・・・
空にはあのひこうき雲

空にはあのひこうき雲

リブレセン 劇団離風霊船

吉祥寺シアター(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/11 (土)公演終了

満足度★★★

さすがの安定感。ただし・・・
映画の撮影現場を舞台にしたドタバタ劇とほんの少しのミステリー。
こう書くと凡庸に聞こえてしまいそうですが、そこはこの劇団得意技の時事ネタスパイスで見事に乗り切り、まさに鉄板と言えます。
いつものことながら達者な役者さん達の技量に支えられて、本作品も安心して観ていられます。

ネタバレBOX

惜しかったのは、せっかくドリー・カメラをレールに乗せて動くという大仕掛けを用意したのに、動いたのは冒頭1回だけだったこと。
また、クライマックス・シーンで役者の動きがほとんど無くなってしまったのが残念です。
吉永役の方の靴の裏が舞台にこすれる音が気になったのも、集中力を欠くことになってしまいました。すいません。
天国レイン

天国レイン

Bobjack Theater

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2010/11/10 (水) ~ 2010/11/14 (日)公演終了

満足度★★

役者に左右
おそらく観る人によって意見は分かれるのでしょうが、役者さんの演技や魅力に大きく左右されたという印象でした。
脚本としては自信作という感じがみなぎっており、プロットがしっかりしているため安心して観ていられます。その分、演技の自由度が狭められたのでしょうか。笑えるはずの台詞が上滑りになってしまった感があり、残念です。
役者さん一人一人はとても魅力的なのですが、魅力がありすぎるせいで全体としてのバランスが崩れたのかもしれません。

ネタバレBOX

登場人物たちはそれぞれに不幸な境遇のはずなのに、なぜかそうは見えなかったのも役者の魅力がありすぎたからなのかもしれません。それが感情移入を妨げるとしたら、なんとも矛盾した話です。
必ず訪れる日~石鹸工場~

必ず訪れる日~石鹸工場~

かもねぎショット

ザ・スズナリ(東京都)

2010/11/03 (水) ~ 2010/11/09 (火)公演終了

満足度★★★

不思議な感覚
不思議な魅力に覆われた作品。芝居として、こんなアプローチもあるのかと感心しきりでした。
ややレトロな工場を舞台に、特に変わったことが起こる風でもなく始まった物語は、やがてほんの少しシュールな展開とともに意外な秘密が語られる、と字で書くと凡庸な表現になってしまいますが、それでもこの作品が持つ不思議な魅力は変わりません。
役者さん達の自然な演技、良い意味で全く力が入っていないかのように見える芝居は、そうそう簡単にはできないと思います。それでも退屈さを感じさせないというのは、不思議でなりません。

ネタバレBOX

少し残念だったのが、フィルムの件が社長にバレた理由がわかるところの展開が急すぎて、わかりにくかったところです。
とはいえ、全編通してクールな班長のキャラクターが良いです。
パチョリの、「安心して。結婚はしないから」という一言に、女の残酷さを見た思いです。
起て、飢えたる者よ

起て、飢えたる者よ

劇団チョコレートケーキ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了

満足度★★★★

今の時代にも見せられる工夫
まずは今の時代に、この題材をまともにとりあげようという勇気に感服します。
連合赤軍については何度も映画やドラマ等で描かれ、普通に描いたのでは暗くやりきれない話でうんざりするだけに終始するか、或いは映画「光の雨」のように劇中劇という変化球によって今の時代の観客にも見せられるようにするか、となるところですが、この作品はほんの少しの工夫をすることで見事に解決しています。
冒頭からインターナショナルやら”新左翼”用語やらで時代の空気を表現するという、あまりに正攻法なやり方に若干不安を感じましたが、役者さんたちの力技で1時間40分という上演時間を最後まで引っ張っていったことに感銘すら覚えます。何か特別な舞台装置であるとか、派手な演出など一切無しに、役者の力量だけであそこまで見せることが出来るというのは並大抵ではありません。
ただ、予備知識の無い人が”総括”や”自己批判”を見るとどう感じるのかは気になるところです。

ネタバレBOX

寒さと飢えに苦しんだ、というところが見えるともっとよかったです。
革命戦士たちは少し血色が良すぎました。
ケイジ/LIFE SHARE

ケイジ/LIFE SHARE

EgofiLter

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2010/10/21 (木) ~ 2010/10/24 (日)公演終了

満足度★★★

伝えようという意思
最初ははっきりしない人間関係が徐々に明らかにされ、それとともにある人物の目的が見えてくる、少しミステリー色の入った作品。コミュニケーションとディスコミュニケーションという主題を象徴するような登場人物で物語をひっぱり、伝えたいことを明確に伝えようとしています。その思いに、役者の方々も懸命に応えようという意欲が垣間見れます。
初日だったせいか、最初はなんとなく探り探りの演技という感じでしたが、中盤以降は生き生きとお芝居をされていたという印象です。
1時間50分ほどの上演時間は若干長く感じましたが、じゃあどこか余分なところがあったかと問われると特に無いとしか答えようがないので、致し方ないのでしょう。
座席の配置の関係で、花道での演技がよく見えなかったのが残念。
また、舞台ツラに座り込んでの芝居もあり、おそらく後ろの席の観客からは見えなかったのではと思います。

箱入り彼女博覧会

箱入り彼女博覧会

NICE STALKER

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★

もう一歩の踏み込み
日曜日昼の回を見てきました。
4話のオムニバスで、全体で1時間半。
各話ほぼ二人の芝居なのですが、役者の方々の頑張りで成立していました。
ただ、女性キャラクターがしっかり作っていたのに比べて、それを助ける男性キャラクターのバリエーションが乏しいように見えるのが残念です。
女性が主役の舞台なので仕方がないという面はありますが、もう一歩、男性側にも踏み込めたなら、全体に深みを増すと思います。
1時間半は若干長く感じました。ほんの少し冗長な部分を削ればもっとテンポ良く観られると思います。

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