
昆虫美学
角角ストロガのフ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了
満足度★★★
野心作、畳み掛ける展開
刺激的な題材に挑戦した野心作で、人間の持つ影の部分を叩き付けんばかりに提示しています。
役者の皆さんがそれぞれ個性的で、存分に各自の力を発揮しておられたようにお見受けします。特に中核となる「吉田」は、いい感じで最低の人間になっていました。
ただ展開が速いあまり、芝居に”間”がほとんど無く、演技に”タメ”が無いのが残念だったかと思います。とはいえ、じっくり芝居をしてしまうと上演時間が2時間を越えそうですが・・・。その意味では、もう少しシーンを削っても良かったのではないでしょうか。
とはいえ、ラスト近くの畳み掛けるような展開は圧巻でした。

空気ノ機械ノ尾ッポvol.18
空気ノ機械ノ尾ッポ
テアトルBONBON(東京都)
2012/01/25 (水) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★
最後まで徹底
劇団初見、かつ前提知識無しの状態で観劇したのですが、これがよもやの前衛劇。まさかこの時代に、このような芝居が打たれているとは思いませんでした。
ひとつひとつの台詞は文章として意味があり、会話にもなっているのですが、つなげてみると意味を成さない。これを最初から最後まで突き通すのですから、相当な勇気が要るでしょう。アングラ劇でもここまで徹底している例は、そうは無いと思います。
あとはこれを是とするか非とするかは、もはや好みの問題となり、万人向けに作ったものではない、ということはよくわかります。
毎回こういった作りの芝居なのか、興味そそられます。

オカエリ! 【ご来場ありがとうございました!】
劇団与太組
小劇場 楽園(東京都)
2012/01/24 (火) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
コメディというよりは
コメディということでしたが、笑いの要素より人情噺の要素が多いように感じました。
台詞の掛け合いなどで笑いを誘う試みのようでしたが、やはりそれはなかなか難しいようです。結果、セリフ先行の芝居になりがちで、感情の表現に無理が見えてしまいます。テンポ、間の取り方次第で随分印象が変わると思うので、今後が楽しみです。
上演時間が1時間50分ほどありましたから、内容とのバランスから、もう少し短くてもよかったかのではないかと思います。

【72時間演劇】前人未踏の企画にお付き合いありがとうございました!
元東京バンビ
タイニイアリス(東京都)
2011/12/27 (火) ~ 2011/12/30 (金)公演終了
満足度★★★★
やることに意義がある
観劇時間 12月30日 18:20~20:00
オープニングを2時間強、劇場で観た後は、時たまUstreamで様子を窺う。
ラストのグランドフィナーレは出演者、客席に居る者全てが肩を組んで”あの歌”を歌う。
演劇という形ではないかもしれませんが、何をもって演劇と言うのかは答えにくい質問かと思います。でも、確かにそこは”舞台”ではありました。
バラシにも参加。
改めて思いましたが、舞台監督さんは偉大です。

【72時間演劇】前人未踏の企画にお付き合いありがとうございました!
元東京バンビ
タイニイアリス(東京都)
2011/12/27 (火) ~ 2011/12/30 (金)公演終了
ゆるく開始
観劇時間:12/27 20:00~22:10
オープニングアクトから板垣さんの途中まで。電車が無くなるので退席しました。すいません。
想像通りのゆるい展開で、どうなることかという感じですが、
板垣氏のトークの力はすごいですね。特段何も無いところで場をもたせるのは見事です。

一九一一年【ご来場ありがとうございました!】
劇団チョコレートケーキ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/12/16 (金) ~ 2011/12/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
完全に参りました
いや、凄かったです。
この劇団の公演は毎回クオリティが上がっていくようで、驚異的ですらあります。
まず最初に思うのは、よくぞこれだけの役者さんを集めたな、ということです。迫力が違います。皆さん凄い存在感です。
そもそも相当難しい台本で、ただ単に演じていると非常につまらない芝居になるのではと思われるのですが、2時間という上演時間を全く飽きさせないのは、ひとえに役者さん方の力量によるものと思います。舞台装置など無いに等しく(ちょっと変わった構造はしていますが)、とにかく役者の表現力のみで勝負しています。参りました。

アラカン!
劇団テアトル・エコー
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2011/11/11 (金) ~ 2011/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
王道の喜劇
奇をてらわぬ王道の喜劇。さすがです。
達者な役者さんが集まっているので当然といえば当然ですが、自然な演技で物語に引き込むところは凄いです。本当にアラカン世代の普通の人たちが集まっているかのように見えてしまいます。対する老舗劇団”明星”側の布陣も素晴らしく、いかにもの演出家、演出助手の反応が良いです。
看板女優と演出家の何気ない会話も、思わず「上手いなあ」と唸ってしまいます。プロの芝居です。
最後は笑いながら泣いてしまい、パンフにあった作家さんの文書そのままとなりました。

ある日の出来事
リブレセン 劇団離風霊船
ザ・ポケット(東京都)
2011/11/09 (水) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★
繰り返されるもの
後悔先に立たずと昔から言われますが、それがまさに身につまされるような話です。
久々に伊東氏の脚本でしたが、繰り返される現実と妄想というと、過去作品「コーポ桜木・・・」を想起させるところがあります。今回は笑いのテイストはほとんど無く、息が詰まりそうな展開でしたが、一体どこに転がっていくのかと最後まで予想できませんでした。

「許されざる者」
劇団ギルド
TACCS1179(東京都)
2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★
強引さから来た不自然さ?
全く異なる2つの話を、かなり強引にひとつにした感じです。
甘粕の話は一貫性がありましたが、電力会社の話は、さすがに後からくっつけたという印象が拭えず、なんとも中途半端といった感じです。
役者さんは頑張っておられますが、動きに必然性が無い部分が目立ってしまい、不自然さが見えてしまいました。その点は演出の問題であろうかと思います。

いつも誰かのせいにする
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2011/11/03 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
見事と言うほかありません
お見事でした。2時間という上演時間にもかかわらず、最後までよく出来ているなと唸りっぱなしでした。テーマを伝えつつ演劇として観るべきものに仕上げるのは大変だったかと思います。
役者さん達の演技がしっかりしており、安心して観ていられます。普通に会話しているのに何故か微妙に話が噛み合わない、というのを表現出来るというのは凄いことだと思います。
奇妙な形をした舞台でしたが、最後にあれがやりたかったのかということが分かり、納得です。

『極彩夢譚(ごくさいむたん)』
東京あたふた
しもきた空間リバティ(東京都)
2011/10/15 (土) ~ 2011/10/16 (日)公演終了
満足度★★★
真摯に取り組む姿勢
話が入り組んでややわかりにくいところはありましたが、ベトナムというキーワードでなんとか時代背景を思い浮かべることはできました。現在と過去を行き来する点は観ていて問題なかったです。ただ「ヴェイシュー」というのは、耳で聞いただけではイメージがわかないですね。
役者さんが皆アクが強く、ちょっとやり過ぎかなというところは見えましたが、芝居に真摯に取り組んでいるという姿はよく見えました。

ひとよ
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
スキの無い芝居
演劇として、よくできています。
脚本もしかり、役者さんの演技もしかり。舞台装置の細かい所に至るまで。
これ以上、何を望むことがあろうかというぐらい、スキの無い芝居でした。
物語は、少し重たいものを含んでいるため、笑えるところで素直に笑えない部分はありましたが、なんというか”大人の芝居”という感じがして安心して観ていられます。
今回初見でしたが、このクオリティを常に保っているとしたら驚きです。

【東京バンビ】ピクルス ご来場ありがとうございました☆
元東京バンビ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/09/28 (水) ~ 2011/10/03 (月)公演終了

陽だまりをおぼえてる
『熊猫楼』
萬劇場(東京都)
2011/09/01 (木) ~ 2011/09/04 (日)公演終了
満足度★★★
時代を表現するのは難しい
大正時代の遊郭という、なかなか想像しづらい場を舞台にしてどうなることかと思いましたが、さほど違和感なく素直に観ることができて良かったです。
役者の方々は皆、ちゃんと声が出て台詞も聞きやすく、安心して観ることが出来ました。
難点を言えば、ところどころ時代が合わないなと感じたこと(大正のイメージと若干違う)、ラストがあの展開になる必然性がやや足りなかった点です。

一千光年の引力
LIPS*S
萬劇場(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★
やはり難しい
やはりファンタジーは難しいと感じました。リアリティをどう表現するか・・・
現実とは違う世界を構築し、その中でリアリティや物語の必然性を追求する必要があるわけですが、本作では設定に幾つかの曖昧な点が見られました(詳しくはネタバレにて)。
役者さんは皆、若い方々のようですが、演出によるものなのか、セリフをただ言っているだけのように聞こえました。感情や雰囲気に合わせて間や調子を変えるといったことをしていないようですが、それでよしとされているなら致し方ありません。
その分、殺陣はよく練習されているようでした。

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう
コーヒーカップオーケストラ
シアター711(東京都)
2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了
満足度★★★
何かが残った
なんと表現すればよいか悩むところですが、とにかくやりたいことを全てやってしまおう、という気概は立派です。くだらないことは真剣にやるからこそ価値がある。いえ、価値や意味など求めていない、ということもよくわかります。
あらん限りのネタを入れ込み貪欲に笑いを取りに行き、そしてほんの少しのせつなさを漂わせるというのは、昔よく見られた小劇場演劇のようでもあり、懐かしささえ覚えます。ただ、笑えたかというと、笑い切れなかったというのが正直なところです。あと少し何かがあればもっと笑えたはずなのですが・・・。前説では「何も残らない」と言われましたが、かえって何かがひっかかるように残りました。
また、役者さんの演技がどうしても表面的に見えてしまい、せっかく用意された刹那さが生かし切れなかったのが残念です。全体的に大声を張り上げる芝居が多く、それが続いてしまったがために単調に感じてしまいました。

不都合な四日間≪終演致しました!沢山のご来場ありがとうございます!≫
クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)
テアトルBONBON(東京都)
2011/06/29 (水) ~ 2011/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
最後には上手くまとまる
毎回、面白い台本と達者な役者さんで楽しませてもらっています。
今回は4人の作家の方々のリレー式とのことですが、異質なものを組み合わせるという試みはまずは一定の成果が得られたように思います。
4日目のエピソードはさすが定番のシチュエーション・コメディ路線の王道を行くという趣で上手くまとめ、前公演「ユー・アー・マイン」ほど複雑に入り組んでいないぶん、観やすかったです。

今 【無事に公演を終えることができました。本当にありがとうございました!】
333
東中野レンタルスペース(東京都)
2011/06/10 (金) ~ 2011/06/13 (月)公演終了
満足度★★★
なんとも色々ともやもや
オムニバスということで、沢山の短編から成る構成でしたが、どちらかといえばコント集に近いです。
統一的なテーマがあるようには見えなかったのですが、本当はどうだったのでしょう。私の読み取る力が不足していたのかもしれません。
ある部屋での出来事、という共通点はあるのですが、会場がリアルにマンションの一室なので、それはその通りとしか言いようがないです。
各話は、わかりやすいものと、そうでないものが混ざっていました。
どこからどこまでが一つの話なのか掴みにくいところがあり、この話の結末は後で出てくるのではと期待したりもしたのに結局出なかったりと、ある意味、先が読めません。
もやもやした感じは残るのですが、作品以外の部分で観客に対する配慮が多く見られたのは良かったです。

テオリ
BLUE HIPS
アドリブ小劇場(東京都)
2011/06/02 (木) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★
色々な役を演るということ
全くテイストの異なる3つの話。それぞれ台本の完成度が高く、面白い内容でした。
あとはそれを演じる役者さん達ですが、皆さんよく頑張っておられます。ただ、やや無理があるかなという印象を受けた役柄もあり、全体としてのバランスを崩している所があるように思えます。
オムニバスのため一人で複数の役を演じるわけですが、ある役では絶品だったのに、もう一つの役では微妙であったりと、なかなか難しいものだと感じました。

魚座たちの渚 / ひとしずくの殺意/FOREST ROOM~羅針~
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2011/05/28 (土) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★
企画として今後に注目
3話のオムニバス。
「魚座たちの渚」
正直、気恥ずかしくなるような内容の話ですが、若い演者さんが真剣に芝居に向き合う姿そのものが見所というべきなのでしょう。
ただ、あまりに展開が一直線であったのが残念です。
「ひとしずくの殺意」
1話とはうって変わって大人の話ですが、女の怖さを描き方にこのような方法があるとは新鮮でした。
「FOREST ROOM」
役者さんが舞台慣れしているという印象で、安心して観ることが出来ました。