中古少年漂流記の観てきた!クチコミ一覧

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冬に舞う蚊

冬に舞う蚊

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2011/01/05 (水) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

新聞の社会面の記事を
ドキュメントできっちりと見せられたような内容だった。物語そのものは、どこかで実際にありそうな、あるいはあると言われているのを聞いたことがあるようなというものであり、展開も想像の範囲を超えてはいない。この作品ではそれらの状況をどこまで描けるかとか、その中の人間をどこまで掘り下げられるかに重きがあるのだろう。個人的には、哀しいかな、どの人物の中にも自分がいるような気がして気が重かった。遠からず崩壊の道を辿るであろう会社と、亡くなった社員の妻が訴訟に勝利しそうなことを予想させる展開が多少の希望(?)を感じさせる一方で、その妻の自責の念が永遠の泥沼に向かってしまいそうで、また気が重かった。しっかりとそんな気分にさせてくれ、考えさせてくれるということは、とてもよくできたいい芝居なのだと思う。

ネタバレBOX

演劇的表現だとはわかっていても、オフィスの人がみんな大きな箱に座っているのを意識すると、なんだかおかしくて……。西田課長代理にも、その役をやった大塚秀記さんにも、健康のために少し体重を減らしてくださいと言いたくなった(ただし、自分のことは棚にあげて)。どうぞご自愛ください。
カルナバリート伯爵の約束

カルナバリート伯爵の約束

メガバックスコレクション

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2011/01/15 (土) ~ 2011/02/06 (日)公演終了

ビルの階段を降りたら
そこは列車事故の現場! 小劇場の狭い空間いっぱいのへし折れ、ひしゃげた列車の美術が素晴らしい。なんか、チラシを読むと下山事件を思い起こさせる印象もあって、勝手に社会派サスペンスかとも思っていたけど、全然ちがっていて、全然違っていたけど面白かった。何人もの人が死んだ悲惨な事故現場が舞台なのに、最後は元気をもらって劇場を後にした。

ネタバレBOX

上官はどこまで知っていて命令をしているのか、霊たちは本当にあきらめられるのか、など疑問点がないではないけど、2人の若い兵士に思い入れていると、あまり気にならなくなってしまう。前半のゆるい感じの芝居が、後半の怖い場面を盛り上げてくれるし。子役も登場し、小学生でも楽しめる内容なのに、大人にも充分面白い。ただ、場内のヒーターを消されると、足元が寒くて、リアル真夜中の事故現場に居る気分だった(もしや、あの寒さは霊たちのせい?)。
底抜けカンガルー

底抜けカンガルー

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

危うく脳味噌が…
最初はシュールで脳味噌の底が抜けそうでしたが、キャラクターが立ってくると、個性的な登場人物の会話の中に筋が見え始め、やがて霧の中から姿を現したその筋が二転三転する感じで面白かったです。特に、“不気味ふてぶてし怖いキャラ”(?)のモモンガの謎の可愛さには惚れちゃいそう!?(えっ、あれは神戸アキコさんの演技じゃなくて、素?)

万福ラバーソウル

万福ラバーソウル

劇団一の会

ワンズスタジオ(東京都)

2010/11/23 (火) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

ジョン・レノン
を中心に、ビートルズナンバーやダイアナ・ロス&シュープリームス、レターメンなんて曲がかかりまくり、熱い青春&後期青春(?)のドラマが繰り広げられる。軽快に物語は進み、笑いあり、涙あり(私の隣の席の女性は、“先生の件”から後はずっと泣いていた)。笑いも、ごく素直に吹き出しちゃう感じのものなので、観劇後はほんわかで気分もスッキリって感じ。“ベリカード”なんて言葉も出てきて、その世代モノとしては参りました。

ネタバレBOX

でも、正直言うと、キーパースンである滝沢がどうしているのか、あいまいなままで終わるわけで、ある意味そこが味わい深いところなんだけど、どこか物語の結末が宙ぶらりんな感も否めなかった。だって、彼が出てきただけで、全てが大きく変わってしまう余地が残されているから。もっと言うなら、滝沢が魅力的過ぎるということだろうか。その情熱で長部と森田の2人の人生に影響を与え、顧問の先生の人生に影響を与え、アメリカに渡り子供にピストルで撃たれてしまった先生の遺志を継ごうと、恋人の森田と別れてまで自分もアメリカに渡った滝沢。その消息・人生こそが、観客の大きな興味の対象になり、主役2人が少し色あせて見えちゃった上、滝沢はどうしてるんだろうと結末にもややモヤモヤ感が残りました。
マレビトの会『HIROSHIMAーHAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』

マレビトの会『HIROSHIMAーHAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

自由学園明日館 講堂(東京都)

2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

落ち葉が舞う季節の
明日館講堂もいいよねー。夕暮れのだんだん暗くなる中、ステージにボンヤリと座っていても全然ジャマされないで済むパフォーマンスだったなあ。建物が堪能できたなあ。でも、内容はどうなんだろう。正直言って、雰囲気はいいけど、内容が物足りないって気がしてしまったなあ。なにしろ「ヒロシマ」っていったら、ハンパじゃないテーマだからなあ。

ネタバレBOX

勝手に2回のテラスに出たりして、冷たい空気が気持ちよかったなあ(って、私は何を観に行ったんだ!?)。
柔らかいモザイクの街

柔らかいモザイクの街

サラダボール

アトリエ春風舎(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了

ありきたりな寄木細工
主人公の、言ってしまえばありきたりな人生の断片だと思う。その断片をいくら寄木細工のように(あえてモザイク避けてみました!)つなぎ合わせても、やっぱりありきたりな人生にしか成らない。そんな、ありきたりな人生を描いているのに、もっと観ていたかった。場面転換・気分転換・リラックスタイムのシーンよりも、ありきたりでいいから、もっと彼女の人生のかけらを見ていたかった。

HOLE

HOLE

Logiz Game(劇団ギルガメっす♂改め)

高田馬場ラビネスト(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/14 (日)公演終了

チラシの●の正体が知りたくて
行ってみまた(どんな理由じゃ)。もしやただのモザイク消し代わりか? 前説でいきなり「“次回から”シモネタは封印します」なんて言いだしたので、「間に合った!」と俄然気分が盛り上がった(おいおい)。答えはすぐにわかった。舞台正面の壁にでっかい●が空いているんだもの。やがて床にも1つ。それは、時には幼い頃の夢の象徴だったり、心にポッカリあいた穴だったり、遠くの様子を映し出す水晶玉のようだったり、肛門だったり(え、そう思ったのは私だけ? そんなはずはないよねっ、ねっ!?)色々なものに見えてくるのだけど、最後はラファエロの母子像かなんか描かれた円形のキャンバスのようにさえ見えてきた。舞台美術と衣装が独特(キッチュでポップ?)で、それだけ見ていると面白いデザイン。ただ、あれだけ個性が強いと、特に舞台美術は、想像の邪魔をして、違う場面になっても場面が変わった気がしないのですよ。ごく一般的なことを表現したい場面では、ことさら足を引っ張っている気がしたなあ、残念ながら。

ネタバレBOX

内容的にさほど過激なシーンがあるわけでもないけど、婚約指輪代わりに、いきなりアナル・バイブレーター出されても……って書くと、シッチャカメッチャカっぽく聞こえるけど、なかなか面白い話でした。実際には登場しないおばあちゃんの話とか好き。
銀河系ホームレス

銀河系ホームレス

宇宙食堂

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/11/10 (水) ~ 2010/11/14 (日)公演終了

決して宇宙レストランではない!
SF調ではあるけれど、物語の内容は、ごくオーソドックスな「頑張りましたよ、そしたら上手く行きましたよ、おかげでナゾも解けましたよ、良かったね」系。時代設定は2071年というが、そのファッションはどこか1970年代風(いや、1960年代かな)。それでも衣装はまだデザインがオシャレ。SF的小道具に至っては、宇宙モノにありがちなメタル感や新素材感なんて皆無で、ダイソー感満点(!?)だもの。そして「叙情的ノスタルジック物語」というだけあって……(以下、ちょっとネタバレ)

ネタバレBOX

……第二国際宇宙ステーションがある時代に、ほうきとちりとりで掃除やってるわ、ポップコーンの売り子はいるわ(しかも人気のないテーマパークで)、お母さんは娘にオハギ届けるわ、半纏みたいの着たオジサンは出てくるわ、ヒロインが悔しさの表現に道に転がってる空き缶蹴るわ……。つまり、気取らずに、SF調の設定を裏切って遊んでいるところが楽しい。これは、決して宇宙レストランや宇宙カフェではなく、まさに宇宙食堂の“スペース大衆食堂演劇”であったのだ。あっ、しまった! 帰りに飴くれると言ってたのにもらい忘れた、くそーっ!!!(こら、それのどこがネタバレじゃ!)
のら猫たちは麗しの島をめざす

のら猫たちは麗しの島をめざす

榴華殿(RUKADEN)

タイニイアリス(東京都)

2010/11/20 (土) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

日本語、韓国語、中国語が飛び交う
3カ国合同公演。言語の違いをその手で乗り越えましたか。台本でも工夫してたし。笑えるネタもツッコみたいところもすし詰め状態で楽しめました。鯖子やゴロツキ(特に台湾の!?)や支配人の「ひろこ」さんのキャラなんか好きだなあ(中でも「ひろこ」さんの体のサイズと態度のサイズ(?)の反比例ぶりが光る!)。ただ、多言語の分、同じ事やるのにも時間がかかるじゃないですか。そのことの対策の意味でも、もう少し舞台装置があって、直感的に居場所が判断できたら良かったと思う(ちょっと舞台上が寂しいし)。韓国・台湾の役者と、日本の役者の絡む場面ではどうしてもタイミングを探っている感じのギクシャク感を感じるので、もっと馴れ馴れしい雰囲気が出ると良かった。ミケ、探偵の助手、支配人は喋りがいいからセリフ以外にも、もっとツッコミ入れたり、呟いたりすれば、潤滑油的な役割を果たすのでは、と辛い何かを食べながら思いました(またそれかい!)。

ネタバレBOX

日本語を話せない外国人役者のセリフの対策として、通訳入れる、わからないまま放っておく、片言の日本語をしゃべらせる、しゃべらせない……って、字幕以外なんでもやってるやん(笑)。しかも、日本語わからない外国人が日本で探偵稼業してるって、設定が強引過ぎやろ(笑)。劇場に取り付いている霊の鯖子を海外に連れてくし(笑)。芝居前に鯖子がやっていたのは、てっきり観客サービスくらいに思っていたら、本番になっても本質的に変わらなかったし(笑)。ついでにパンフに載ってる他の公演の情報の会場は「東京より8時間45分」なんて書いてある外国だし、と辛い何かを……。 
ブリテリ・マイルーラ GOLD

ブリテリ・マイルーラ GOLD

はちみつシアター

劇場MOMO(東京都)

2010/10/13 (水) ~ 2010/10/17 (日)公演終了

女、女……女!?
出演するのは素敵な女性から……素敵な女性まで(ゴホッ、ゴホッ、すみません風邪気味で)。男以上に男前の男役から、女以上に……(ゴホッ、ゴホッ、すみません)……まあ、そういうことで、正直、ストーリーもセリフも演技も緩い印象でした。でも、この劇団の場合、芝居はショータイムへ突入するための“前座”かも。ショータイムは気合の入り方や一体感が違うもの。それに、男性客にとってはビジュアル的サービス度が高いので、ストーリーなんてもうどうでもいいや気分で楽しんじゃいました(おいおい!)。それでも、芝居がもう少しキリッとすると、ショーもより良く見えると思うなあ。

ネタバレBOX

セクシーなシャチホコガール(?)にはクラクラしました(いろんな意味で)。
新おとぎ夜話

新おとぎ夜話

Jungle Bell Theater

ART SPOT LADO(東京都)

2010/11/03 (水) ~ 2010/11/09 (火)公演終了

狭いスペース、質素な舞台は
町内会の児童劇でも始まりそうなムード。「これは本公演とは違って、私が好きでやってます。内容も難しかったら印刷物の方読んでください。ゴメンナサイ」みたいな演出家の謝罪挨拶(?)で始まった時はどうしようかと思った。上演中、出番ではない出演者なんか隠れきれないで、客から見えるとこに座って待機してんですから(笑)。照明も、照明というより終始同じ「部屋の明かり」。稽古場か、ここは!? でも、テンポのいい会話と、小難しいことを丁寧に説明した脚本と、こんな舞台でも手を抜くことなく、それでいて楽しんでもいるような演技がよくてとてもいい感じで、次第に劣悪な舞台環境と座席環境を忘れた。決してブワーッ!と圧倒されるような感じではないけれど、あの環境とシンプルさで、あんなに客を楽しませることが出来るんだと感心。劇中劇が3つとも面白かった(それでいて1時間20分とコンパクトに収まっているのも良かった。でも、お尻はやっぱり痛かった……)

ネタバレBOX

豚、蛇、猿の役が良かった。特にキャスティング!(って、役者誉めてることになってるか、これ???)
空気ノ機械ノ尾ッポvol.16

空気ノ機械ノ尾ッポvol.16

空気ノ機械ノ尾ッポ

テアトルBONBON(東京都)

2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

パフォーマンスと呼ぶには演劇すぎるし
……みたいな感じ。もちろん、パフォーマンスの定義も演劇の定義もよくわからない素人の私が言うのもなんだけど、それが私的には一番ぴったり来る表現だったりする。オーソドックスな演劇ではないけれど、問題作って言うようなものではない。ちょっと新鮮で、ちょっと安全で、ちょっとコントで、ちょっと演劇で、かなり元気で、ちょっと難解だけど、ちょっと分かりやすい。コレがこの劇団のオリジナルのブレンドというべきなんでしょう。こどもの観客を受け入れようとしているのも特徴的だし、そういえば子供番組みたいな内容だとも言える。もちろん好き嫌いはあるだろうなあ。私なんかには割と新鮮だったけど、私の隣の席の人なんか、開始5分でため息、10分であくび、15分で爆睡だったもの。

ネタバレBOX

観客に手拍子を求めたりする場面も、嫌いな人は嫌いだろうなあ。私はいい年して笑顔でやっちゃいますけど(子どもっぽいだけか?)。箱を投げ落とすところなんか好きだし。そういえば、「箱」を「運ぶ」から「ハコーボ」というタイトルだったと聞いて、面白いと思うかどうかあたりがこの公演を楽しめるかどうかの境い目か!?
SHINOBU’s Brain in the soup  weekly1  EGO-WRAPPIN'とメス豚の太股

SHINOBU’s Brain in the soup  weekly1 EGO-WRAPPIN'とメス豚の太股

アヴァンセ プロデュース

シアター711(東京都)

2010/12/02 (木) ~ 2010/12/07 (火)公演終了

登場人物がなぜか、話しだすと皆同様にキレて
怒り叫ぶ繰り返しというのが、観ていて疲れたし、登場人物をみな同じ印象にしてしまっていたと思う。物語の内容が、どこへ進むのかというようなものではなく、人間関係やそれぞれの心理を見せるはずのものだったと思うので、なおさらその点が気になった。劇中3回歌われる歌は、正直どうなんだろう……。

ネタバレBOX

結局、会話で表現しようとし過ぎなのかも。キレ会話ばかりがずっと続いた後、女性が女性の太ももをナメる場面では、他に音もなく、妙に深遠に感じたもの!? 白で統一された舞台の飾りは面白かった。
follow the arrows フォロー・ジ・アローズ

follow the arrows フォロー・ジ・アローズ

いいむろなおきマイムカンパニー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/11/05 (金) ~ 2010/11/09 (火)公演終了

←や↑や→や↓も活躍!
肩の凝らない、とても楽しいステージでした。セリフがない、いや、“ほとんど”ない(ここ重要!)のに体の動きが饒舌に語る。とってもしゃれていて、それなのにいいむろなおきさんの人柄のせいなのか、あるいは風貌のせいなのか(こら!)、ひょっとすると体型のせいなのか(こらこら!)気取った感じがしない。とても親しみやすい雰囲気なんですね。次から次へと展開され、間延びしたところもなく、他の出演者の方との息もぴったり。それをこの小屋の距離で見られたんだからいいよね。

ネタバレBOX

ちなみに、私は頭に矢印が突き刺さっている“矢印ガール”(正式名知りません!)と、出演者のところに名前の出ていない“出演者”(哀愁があるし、フットワークもある!?)がお気に入り↑↑↑、じゃなかった、お気に入り!!!
ハコモノ

ハコモノ

劇団お座敷コブラ

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2010/11/03 (水) ~ 2010/11/07 (日)公演終了

ハコモノハハハコモノデナクチチコモノ!?
「ハコモノ」の着想とか、個性的な登場人物とか、場面構成の複雑なところとか面白かったんだけど、脚本がそれを生かしきれていない感じ。また、場面が変わったとき、いったいどこの出来事なのかしばらく判断がつかない感じのところが何箇所かあったりして「ここはいったいどこ!?」って、ストーリーに関係なくナゾ解き状態でした。これは個性の強いデザインのセットを使って、色々な場面を表現していることも足を引っ張っているのかなあ? もう少し整理して、ストーリーの幹の部分をまとめてほしい感じでした。

ネタバレBOX

物語中、「ハコモノ」という“兵器”の威力を見せられ続けていたのに、最後の方で、普通の銃持ったオジサン1人に何人もの「ハコモノ」所持者が制圧されちゃうのはいかがなものか(笑)。「ハコモノじゃなくてバッタモノかい!」気分でした。どうやら、「ハコモノ」の本当の凄さには、思いついた脚本家も気づいていないらしい……(おいおい!)。ラストの「愛のハコモノ」は、もっと感動させてくれる演出があってもいい良いアイデアですよ。あっ、 しまった、投稿タイトルがネタバレだった!?
三十女

三十女

ペテカン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/10/13 (水) ~ 2010/10/21 (木)公演終了

台本がないせいなのかはわからないけど
(というか、すべてがアドリブとかではない場合の「台本がない」とはどういうことか? 多人数が参加した“脳内台本”作りをしたのとは違うのか? 印刷物がないと台本はないといえるのか? そもそも台本って……? うーん、私が制作現場をまるで知らない素人なせいか、奥が深い……)とにかく、セリフそのもので説明するのではなく、セリフとセリフの間や呼吸で、言いたい事を表現する場面が多くて、気持ちがよかったです。

ネタバレBOX

婚活ツアーの結果ではなく、その前の3人の会話で終わるのもスマートでした。でも、参加女性の一人が、実は取材に来ていたのだと明かす部分があまり意味が無いように思えたんですよ。そのことで、解き明かされるナゾがあるわけでもなく(直前に言った「私、結婚願望ないんです」があるけど、その理由にはならないし)真剣にツアーに参加していた人とひと波乱あるわけでもなく、「そうだったの、あなたも大変ね」みたいに言われるだけで、今までとは違う取材者の視点からの意見を語るわけでもなく、それまで3人の女性の間にあったちょっといい感じの連帯感を少し傷つけて終わるだけみたいな、微妙なもやもや感が残っちゃった感じでした。ふんどしは、夢に見そうです。
ブードゥー

ブードゥー

Oi-SCALE

駅前劇場(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/17 (水)公演終了

……見ない方がいいですよ……
……この芝居を観る気があるのなら、「観てきた!」の投稿も、チラシも見ない方が。いや、ネタバレもなにも、ストーリー的にはみんなチラシに書いてあるも同然ですから知ってもどうってこと無いと思いますが。なら、なぜ読まないほうがいいのかというと、この芝居の最大の見所、いや、感じ所は、全体を包む雰囲気だと思うんですよ。何とも言えないその雰囲気を少しでも多く感じたかったら、あまり情報を抱えずに見たほうが間違いなく楽しめます。「封印」されて渡される配布物の「演出ノート」も必読ですね、もちろん観劇後に……。

ネタバレBOX

観客席で見ている自分も仲間に入れてもらいたくなるような楽しい病室がいつの間にか恐怖の場に……結局、最後まで謎が解けるわけでも、悩みがなくなるわけでもないのなら、主人公が抱えた恐怖はどうなるのか……そりゃ、きっと客が持ち帰るわけですね。だってそれは、突き詰めれば、人間の根源的なものからくる恐怖だもの……。
火蝶於七

火蝶於七

快楽のまばたき

タイニイアリス(東京都)

2010/10/08 (金) ~ 2010/10/11 (月)公演終了

若いのぉ(老人・談)
全体的に“若い”感じ。物語の内容には“爛熟”が合っているけど、実際の芝居はまだ熟しきれずに随所に固い部分を残している果実のような印象でした。台本や役者もそうですが、例えば舞台に使われていた簾(?)なんかも、もう一押しして味のあるものになっていれば、芝居そのものがずっといい感じになるのに、というもったいなさを感じました。ただ……(以下は、ネタバレになっちゃうかな)。

ネタバレBOX

場内に「メモリー」が流れたとき、あっ、曲の素晴らしさに芝居が食われちゃう、と不安になったのです……が、実はそこからが素晴らしかった! 私はかつて、あのように“不気味グロ美しい”「メモリー」を聴いた(観た)ことがない!!! その美しさは、まさにこの芝居最大の喜劇でもあったと思う。たった1発の打ち上げ花火のあまりの美しさに、それまでのことはどうでも良くなってしまった夜でした。
さようならがいえなくて

さようならがいえなくて

劇団グスタフ

シアターグスタフ(東京都)

2010/12/23 (木) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

劇団名はスウェーデン国王の名前からとった
とかで、同じ名前のついた劇団所有の劇場で上演。これがなかなか味のある劇場で、結構舞台が広い。舞台上の家も、天井もそれなりの高さがある4部屋と隣の建物の一部で立派なもの。話は両親を亡くし、助け合って生きている3人姉兄妹と家族同様の従業員、それを取り巻くおせっかいで気さくな街の人たち……という、いわば王道的設定。でも、家の2階なんて、ビジュアル的には室内が見えて面白いけど、物語的には見える必要全くないんです。でもそこに部屋が見えてるから、物語のスポットが当たっていないときにもそこにいる人は動きだけで演技しなきゃいけません。他にもにもそんな場面が多い。そのせいもあってか、なんだか舞台上の時間がゆったり流れている感じ(ちなみに、上演時間2時間30分で休憩もあり)。自前の劇場だけに終演時間を気にする気配なんて微塵もなし!? 芝居が、毎年恒例の出し物で、続き物になっていることもあり、「大河ホームドラマ」って感じでした。

ネタバレBOX

銭湯に通うなんていう昭和テイストもありました。最後はお約束の雪もちゃんと降りました。ところで、10年以上にわたって続いているシリーズで、この回がPart9なんだそうだけど、登場人物はどのように年をとっているのだろう?
真説・ウラハラ海峡

真説・ウラハラ海峡

のりしろチップス

pit北/区域(東京都)

2010/11/05 (金) ~ 2010/11/07 (日)公演終了

うーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーん。「説明不足で、しかも論理的ではない展開をする物語」と「登場人物の性格の一貫性の無さ」と「たまに出るあまり面白くないギャグ」がデススパイラル!!! これは作者の思いとはウラハラのデキなのか、そうでもないのか? 3つのうち1つでも改善してくれれば、海峡の霧のむこうに行きたい場所の影が見えてきそうな気もするが……。

ネタバレBOX

脚本家さん頑張って下さいよ。シモネタやらされて全くウケずに場内が静まり返っている(客の表情まで見えるんだもん)ときの役者さんの顔見てたら、世界の恵まれない子のドキュメント見ているくらい泣けてきました(ふ、不謹慎ですみません!)。

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