ふりつけされたえんげき『君の知らない転び方』
ホナガヨウコ企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/02/16 (土) ~ 2013/02/25 (月)公演終了
満足度★★★
飾らない
凛として生きる、そのなんでもない佇まいがキレイだなと思いました。でも飾らない生き方はキレイ過ぎて自分の葛藤とは違うなぁと共感は少なかったです。動きの面白さ、ラストの盛り上がり、音楽、舞台美術、総合してダンスって良いなぁと思いました。
【無事に終演しました】タイトル、拒絶【ご来場本当にありがとうございます】
ロ字ック
サンモールスタジオ(東京都)
2013/02/09 (土) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
悪循環
アクセル踏み抜いて爆走する自虐エンターテイメント。破壊力のある公演タイトルに負けない、ロックな作品でした。男の面倒くさくてだらしないのは見慣れているけれど、女のこじらせているのを見るのは新鮮でした。特に女性キャストの体を張った演技には、頭がさがりました。千秋楽まで怪我がないと良いなと思います。エロくてバイオレンスで、観客は物語を昇華させるためにももっと笑い飛ばすべきだなと思いました。そうでないと救われない。そう言う自分も、産む性と欲望の性の両方を引き受ける女性の生きざまに、色々考えさせられ、笑いどころであんまり笑えなかったのは残念でした。
あくしゃもん
田上パル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/02/06 (水) ~ 2013/02/13 (水)公演終了
満足度★★★★★
ヘンでいい!
あくしゃん達の愛らしさ、人間は変でいいじゃないかと思わせる良質のコメディでした。突拍子もないシチュエーションにクスクス笑いながら見入り、ラストでジーンとなってすごく幸せな気持ちになりました。ここまで勘違いするのっっっって展開も、見事にハモっている合唱も、個々のキャラクターの人間臭さもとても良かったです。以前に2人芝居の「タイトな車」も拝見していますが、登場人物が増えて格段に物語に厚みが増して、笑いも感動も深まった物語になったなぁと思いました。
Anamorphosis アナモルフォーシス
青年団国際演劇交流プロジェクト
アトリエ春風舎(東京都)
2013/02/07 (木) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★
世界初演!
まだ見た事がない世界の片鱗にそっと触れてみるような感動。すごく繊細で、物語らしい物語はないのに何が起こるかわからないので飽きずに見ていられました。世界で初めて上演される作品に触れる瞬間、この喜びは何にも変えがたい体験ですね。
地下室
サンプル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/01/24 (木) ~ 2013/02/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
閉じた世界
これは他人事ではなくて、誰しもに起こりうる悲しい風景だなと思いました。あまりにも自然に表現されているから、つい笑ってしまうシーンも多かったけれど本当は笑えないようなものすごい怖い風景が繰り広げられている。つながりたい、救われたいという切実な欲求から集まっているのに、どうしてより困窮しなければならないのか。暗鬱とした息苦しい世界が繰り広げられて、ゾッとしました。
祈りと怪物 〜ウィルヴィルの三姉妹~
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/01/12 (土) ~ 2013/02/03 (日)公演終了
満足度★★★★
壮大っっ
ダークファンタジーもこの位スケールが大きい見ていて気持ちいいなぁ、と浸りました。休憩込みで4時間半も全然平気な内容でした。さすが蜷川演出という感じ、重厚な雰囲気と見応えのある空間でワクワクしました。でも見れなかったKERA演出版の方が、人間くさくて面白かったのではと後悔しても遅いんだよなぁ。
演劇集団 砂地 『Disk』
演劇集団 砂地
シアタートラム(東京都)
2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
この世代感
6人の俳優でどえらい世界を創ってしまったんじゃないか。自分が受けた衝撃があまりに大きくて観劇後の帰り道にボーっとしてしまった。でも頭からこの公演についての情報がひとかけらもこぼれないようにと必死で思い返して味わいました。ヒリヒリして息苦しい空間が刺激的で、哲学的に感情的に悶え悩む登場人物達に胸をうたれ、ラストまで興奮が持続し続けました。繰り広げられる普遍的な問いのレパートリーは幅広く、それに対する答えの片鱗は交錯して、「現代のわれわれの世代とは」について突き詰めて考えられてるなと感じました。でもその言葉1つ1つが新鮮さを引き立たせる演出、劇空間が美しくて、楽しくて、洗練されてるなぁと思いました。
少女仮面
新宿梁山泊
芝居砦・満天星(東京都)
2013/01/18 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
包まれる
劇場に飲み込まれるようにして見たアングラ劇。芝居砦満天星の雰囲気すごい。アパートの地下に劇場を作って、壁一面のチラシ・劇場は作りこまれた舞台美術・満員の観客。ただただ圧倒される。唐十郎の作品も初めてだし、ビクビクしながら観劇。でも、開演すると想像以上にわかりやすいし、周りのお客さんが結構笑ってるの感じて、そ~か~、この不条理さは笑っていいんだ、繰り広げられる世界に身を委ねて物語に包まれたらいいんだとわかると楽しい。独特の世界観、でも一瞬たりとも飽きさせることのない物語、驚きの場面転換や演出も多かった。1度見ると忘れられない観劇体験だなと思いました。
発表~いま、ここ。~
趣向ワカヌ
BAR COREDO(東京都)
2013/01/17 (木) ~ 2013/01/21 (月)公演終了
満足度★★★★
充実の発表会
正直に隠さずに上演される「いま」「ここ」での瞬間の短編4作発表。作演出のお2人共、自分の思いに誠実に、演劇を信じて作品を創ってるんだとビシビシ伝わってくる内容で刺激的でした。どの短編も、静かに、でも確実に心の痛い所を突かれました。
東京ノート
東京デスロック
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/01/10 (木) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
斬新っっ
神の視点で見る東京ノート。鳥瞰的に世界を眺める新鮮な感覚。上演時間2時間半と長めだけど、魅せられて堪能。どうやって見ると体勢を楽に見れたのかな、立って見てる人もいて、なるほどと思いました。
グルリル
sunday
パルテノン多摩【旧情報】(東京都)
2013/01/11 (金) ~ 2013/01/12 (土)公演終了
満足度★★★★★
キラキラした世界
ずーーーっと見ていたい、壮大な物語空間!!ものすごく期待して見に行って、それを上回る驚きと感動をもらいました。まだ1月上旬にも関わらず、2013年のマイベスト舞台なんじゃないかと思うほど見とれて、あぁ永遠に見てたいと思いました。10の世界が少しずつずれながら並行世界として表現される物語のスケールにはただただ圧倒されます。本当に10人で演じ分けているのかと思うほどのたくさんのキャラクターが登場しているのに、瞬間、瞬間で別のキャラクターに切り替わっているのが目に見えて分かり、徐々に世界同士の連関が見えてくるのが本当に楽しいです。そして、美術や音楽や照明と合間って、その瞬間、瞬間が美しい。この世界を体現出来る役者さん達は本当にすごいし、舞台でしか見れない至福の時間でした。もう、ただただ楽しかったです。しばらくはパンフレット見ながら余韻にひたります。
初雪の味
青☆組
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/12/28 (金) ~ 2013/01/06 (日)公演終了
満足度★★★★
特別な日
「会津編」観劇。愛しい100分の大晦日。描かれない364日がギュっと詰まった特別な時間と感情。一年が終わる大晦日は他の一日と同じ一日なのに、特別だなぁ。繰り広げられる物語は他愛ない日常なのに、年を重ねていく事の情感が込もっている。我々を取り囲む環境も、この肉体もこの瞬間も滅びていくのだけれど、この日常の一瞬一瞬はかけがえが無いなぁと思いました。
バナナ学園大大大大大卒業式
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2012/12/28 (金) ~ 2012/12/31 (月)公演終了
満足度★★★★★
バナナらぶ
B列5番で観戦、たくさん役者さんに絡んでいただいて嬉しかった、でも客観視は出来なかった、解散だから。見て体感して大満足、でも最後だと思うと寂しい。同時多発パフォーマンス、爆音と映像、統制されたダンス&シャウト、オタ芸、降りしきる液体と小道具と食べ物、差し出される役者の手、見ることに集中させないような雑音と雑事、それらに思考停止して身を委ねるだけで楽しかった。過去公演でも使われていたテーマやモチーフや小道具が繰り返されるのは、二階堂さんが大事にしてるメッセージなのかなと推測して、その意図を必死に汲み取ろうとして、やっぱりうまくいかない体験は今回も新鮮だった。(もしくは解散公演ということで総集編的な意味合いでの構成だったのかな)高度に情報化された現実を、こんなに楽しく体感出来る空間なんてこの先無いだろうと思う。劇場中を独自世界に変えてしまうこの圧倒的な攻撃なコミュニケーションに、個人的にどれだけ救われたか。自分が世界に存在する意味なんて考えるだけでぼんやりしてしまうけれど、このバナナ観劇中は無条件に受け入れられてる錯覚を感じられた。だから、今回もつい手渡されたずぶぬれのわかめおにぎりも食べてしまったのだけど。何とかこの空間とこの瞬間と1ミリでも近くに肉薄したいと感じてしまうのだ。おはぎライブに底知れぬパワーをもらった人はたくさんいると思う。真冬にずぶぬれで全力で31日まで爆走する出演者の方達が最後まで体調を崩さずに駆け抜けられるよう祈りたい。もう1回、というか年末の年越しイベント行きたかったなぁ。残念。
「俺とあがさと彬と酒と」第1回公演『ふたりマクベス、マボロシ兄妹、ほか短編』
DULL-COLORED POP
アトリエ春風舎(東京都)
2012/12/27 (木) ~ 2012/12/31 (月)公演終了
満足度★★★★★
演劇ラブ
年の瀬にものすごいものが見れた!!まだ間に合う、千秋楽の見バラシ公演(これ、無料で見れるの?!)見れる方はうらやましいなぁ!!「マボロシ兄妹」は観念論的不条理劇で、もう何が現実で何が幻覚かわからなくなる、まさに脳みそぐんにゃり系物語。「ふたりマクベス」は直球過ぎる正統派古典劇で、でも新鮮な驚きとマクベス愛に溢れる物語。今の流行とか関係なく、やりたいことをやりきるという公演コンセプトが潔く、実際成功していると思いました。どちらも2人芝居なのにものすごい濃密で、刺激的で、洗練されていて、とても1ヶ月足らずで製作したとは思えない完成度だった。両方出てるあがささんの佇まいは凄まじい、ラブコール受けて出演するだけあるなぁ、妖艶な色気で稀有な存在感。こんな衝撃的で意欲的な作品を作演しながら、出演してもきっちり役者もこなせる男性2人には脱帽する。そしてそして、豪華な豪華なパンフレット。もう詰め込まれまくったパンフレット読むと、共感も感動も多くて、この公演の魅力がより深まり、あぁ演劇はまだまだ楽しくて驚きに溢れてるなと思いました。
虫
Q
アトリエ春風舎(東京都)
2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★
新鮮な驚きあふれる
この、つかみどころがなくて、何考えてるかわからなくて、突拍子もない非現実的な行動を取るかと思うと、すごいシビアで、寄る辺なく立っている感じが儚く危なっかしいのに、とてつもない生命感に満ちてもいる。何より、とてつもなく魅力的な存在感。これが女性かぁ、という新鮮な驚き。正直、他の方達の劇評を見て劇中の構成を理解した口なので、観劇後の素直な感想は「よくわかんないけどスゴイもの見たな」という感じ。映像と独白と踊るような動きの妙。言葉のセンスが秀逸。これを体現できる女優さん達すごすぎるっっ!
『サンタクロース会議』『サンタクロース会議 アダルト編』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/12/14 (金) ~ 2012/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
すごく近しい問題意識
子供参加型は子供も大人も楽しめる作品。もちろん演出の巧みに計算され尽くした自然さはありつつもコミカルなキャラクターや、わかりやすい笑いも多くて、青年団はこういう物語も作れるんだなぁと思いました。子供参加型もアダルト版も両方観劇しましたが、個人的好みとしては子供参加型です、サンタクロースについて精微に調べて書き上げた物語も、子供の感性には追いつかないんだなぁと思ったし、役者さんのタジタジ具合も、子供の生の反応も楽しい。でも可能な限りの現実に即したサンタクロース会議への反証をアダルト版で消化していて納得もさせられました。基本の物語は同じなのに、見え方の違う2バージョンを是非多くの人に満喫してほしいなと思いました。
見渡すかぎりの卑怯者
ジェットラグ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/12/08 (土) ~ 2012/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
普通に(正しく)生きるとは
物語が動き出す中盤以降は、まさにタイトルに合ったテーマが語られ、ただただ圧倒、ただただ納得、ただし序盤は我慢が必要だったな、というのが個人的な感想です。僕は最後の台詞までオチがわからなかったので、序盤の一定の事実が伏せられたままの物語は疑問が多く素直に入っていけませんでした。観劇後の感想としてはテーマとエンタメ感が絶妙にうまい!でも共感の多いテーマで、とても豊かな演技で魅了された役者さんばかりだった公演だけに、作演の古川さんが敢えて一歩踏み込まずに留めているであろうテーマのその先が見たいなぁ、などと勝手に思ってしまいました。HPの室井さんや又吉さんとの対談も刺激的だったし、創り手の思いをもっともっと垣間見たかったなぁ。
図書館の自由に関する戦線 ~北の大地・クマ死闘編~
ENBUゼミナール
シアター風姿花伝(東京都)
2012/12/11 (火) ~ 2012/12/12 (水)公演終了
満足度★★★★
図書館に熊っっ!!
「図書館の自由に関する宣言」を知っているか?色々なことを考えさせてくれる、充実の60分。ENBUゼミの在校生公演とのことで、演出の求める事と役者の技量とのギャップでフワフワした部分は目につくものの、物語の中身はすこぶる刺激的。作・演出の谷さん目当てに見に行って間違いなかったなと思いました。役者として生き残るのは大変厳しい世界だと思いますが、多くの方が末永く活躍されると良いなと思いました。
テロルとそのほか
工場の出口
アトリエ春風舎(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/07 (金)公演終了
満足度★★★★★
いまを描く
2012年、いま現在を描き、日本社会への閉塞感を鋭く切り取る、闘ってる演劇だった。思考を共有化しようとする創作の動機が非常に刺激的だし、上演された内容もとても濃くてあっという間の二時間だった。なんというか、我々はもっと調べて学んで疑って、怒らないといけないんだなという内容だった。知れば知るほど、諦めさせられる、どうせ変わらないと思わされる現実だからこそだ。俳優に提出されたテーマに即し、2つずつ作品を書き下ろし、なおかつ1つにまとめる。この4つの全く異なるテーマが並列的に語られるが、個々のテーマ(作品)が面白いから全く飽きずに見れる。硬質で膨大な独白をきちんと伝える俳優も魅力的でした。1つの物語にまとめる事で対話が生まれ、問題意識への反証や発展が起こる。「わかりたいけどわかりあえないこと」、作品内でも葛藤しているし、この作品を創ってる制作者たちも葛藤されたのだと思う。そうして観ると一層味わい深い。声に出して読みたいような言葉の重さの1つ1つを観劇後に反芻しています。
お母さんの十八番
アジア舞台芸術祭制作オフィス
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
日常が崩れる瞬間を
誰しもに起こりうる、当たり前な風景。でも情感あふれ、時にコミカルに、でも要所でものすごく激しく描かれる風景にとても共感しました。「母がいる」というあたりまえの日常が、突然無くなった時の感情。受け入れがたいその生々しさ。韓国の演出家の描く日本の物語ということで、言葉や国籍を超えて、人としての普遍的な感情を共有出きるんだな、という当たり前の発見を改めて感じて、ラストはジーンとしてしまいました。ロビートーク聞いてから観劇したので、見所も広がったように思いました。これを無料で見れるのだからありがたすぎる。