ササロックの観てきた!クチコミ一覧

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サヨウナラなら何度でも

サヨウナラなら何度でも

試験管ベビー

王子小劇場(東京都)

2015/11/06 (金) ~ 2015/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

大人な軽口テイスト
テーマは本来深刻であるところを、ライトな切り口と構成で、と言って悪ふざけや薄っぺらさを感じさせない熟成度が見事。

俳優さんもベテランの方が多く、それぞれの役者さんの持ち味が重なっても雑味を生じない構成が巧い。

三本目の「サヨウナラなら何度でも」は、政治家秘書の男色のオジサンが、冷静に考えると首尾一貫していないし自殺を考える動機もその後の行動もどこかしらずれているはずなのだけれど、そのせいで逆にほかの人たちがしっくりまとまるというか、リーダーシップをとってかき乱しながら場をまとめている説得力。

価値観は逆転していないのにアプローチを変えただけで、いい人と悪い人のとらえ方が過剰に変わってしまうような、渋い面白さがありました。

【ご来場ありがとうございました】諍わなければならないいくつかのこと

【ご来場ありがとうございました】諍わなければならないいくつかのこと

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

pit北/区域(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

幅広く
事件と人物が織り成す模様が、コメディチックでもあり、シリアス風でもあり、狂気を孕んでいたり、無垢であったり。

根底を流れるテーマは本公演と同じでありながら、それを一歩引いて茶化したり振り回したり、遊び心とも実験的アプローチとも取れるような演出な気がするけれど、それをスタイリッシュにまとめ切った作風は、諸々が凝縮された均整な彫刻のよう。

個人的には「面白い」と言い切るのに、いささかの躊躇もない。欲を言えば、会場の臨場感はよかったけれど、もう少し広い劇場で、全体を見渡しやすくなってると良かった。

組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

圧巻
前作と方向性とテイストは変わったものの、圧倒的な空間支配力は変わらず。

多様な雰囲気の短編が1まとまりの芝居として修練している、色とりどりの模様の広がり方が面白い。言葉の使い方や動きなど細かな演出の一つ一つが、センスの鋭さをかもし出していて、細かいところに注目しても楽しめるし、対極的な物語としてストーリーも楽しめる。

役者が役ごとに個性も出しつつ、役ごとに違った人間に見える物語りの奥行きも圧巻で、器の大きさに飲み込まれて、舞台との距離が心理的にほとんどなくなるような臨場感。

好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、”好き”なら圧倒的に飲み込まれる作品。

うさぎレストラン

うさぎレストラン

CLIE

六行会ホール(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

濃縮
一つの本の解釈を軸に物語をあれだけ広げる細やかさが見事。ノリがいいアップテンポな展開なのに、いつの間にかキャラクターの一人一人にそれぞれの物語が刻まれていて、語らなくても滲みだせる雰囲気が素敵。

組曲『回廊』

組曲『回廊』

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

ダブルカーテンコール率90%
拝見したうち、カーテンコールが拍手喝さいで、ダブルカーテンコールになったのが90%でした。もう、どう言い表そうとしても、言葉が追いつきません。

【吸血木】 は幻想的に毒々しく美しく、

【LEVEL9】 は勢いで押しまくる楽しさ、

【どひゃあ】 は、気心知れた友人との安心した笑い

【グレイス夫人の晩餐】 は、わかっているオチにいつどう来るかというスリル

【作家たちの語らい】 は作中作をトークで魅せる落語風面白さ

【スイーツ・シスターズ】 は根源的な不安をあおるホラー

【恋愛論、りょうの】 は、軽いノリの口上でじっくり魅せる芸

【真夜中のゲーム】 は、乾いたリアルを徹底したショートサスペンス

【グレイス夫人の晩餐】 は、猟奇的なのにどこかほのぼのとした純粋さ

【ブラザーズ・フェスタ】 は、激しい動きで魅せるほのぼの家族

と、これだけ日替わり短編ががらりとイメージが違うのに、毎回芯がぶれない、のに、日々少しずつ芝居の表情が違って見えて、それが毎回好評を博しているという、少しどころではない不思議。

深海のカンパネルラ

深海のカンパネルラ

空想組曲

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/04/15 (日) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

今さら言うまでもないですが
二時間経ったとはとても思えないくらいの、濃縮された、それでいてまろやかで負担のない幻想的な時間。

最初とてつもなく嫌な顔に見えた主人公の顔に、最後にはどうしようもないくらいの愛着を感じる不思議。

主演級の役者があちこちで諸々のエピソードを紡いでるのに、違和感のない一体感。予想の一歩先を斜め上にいかれる展開の安定感と爽快感。

マンネリ化の気配も衰える気配もみじんもない。。。

ドロシーの帰還

ドロシーの帰還

空想組曲

赤坂RED/THEATER(東京都)

2011/02/23 (水) ~ 2011/02/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

観るごとに深みが
あれだけたくさんのエピソードを盛り込んで、場面転換が著しいスピードなのに、分かりやすく観れることこの上ない。それにも関わらず、繰り返して観ると、前に気付けていなかった新たな発見が常にあって、分かりやすくも底が見えない深みを感じる。

毎度思うけれど、批評はおろか、感想でさえ言葉が追い付かない。
最初見たときにインパクトがあるけれど、時間がたつと益々襲いかかってくるような凄味を感じる。

組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

一日目と二日目
軸はぶれていないものの舞台の顔がちょっと変わって見えるところが秀逸。昨日見た物語が今日見て全く飽きない。

ネタバレBOX

一日目の日替わり短編は、ライトな笑いを誘うオチのあるサクサク感。
二日目の日替わり短編は、『僕らの声の届かない場所』でも出てきた「奥様と橘」のアナザーストーリー(?)。

二日目の方が一日目よりしっとりしてたせいか、舞台全体の芝居の顔が、最後に涙を誘いやすかった気がする。
リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!

リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!

演劇ソリッドアトラクションLINX’S

上野ストアハウス(東京都)

2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

確かに厳選されてる
ABチーム両方とも確かに圧倒的な12団体。しかも、ジャンルは色とりどりで、こういった短編祭り的企画の中でも、ハズレもなくしかも個性があって抜群に面白かった。

大阪の劇団はあまり拝見する機会がないけれど、個人的には「テノヒラサイズ」と「彗星マジック」が特に好きになりまして。

あと、個人的な話で申し訳ないのですが、主催の石田1967さんからご案内のメールいただいてたのに、今の今まで見てなかったので気付いてませんでした。いまさらメールお返しするのも面映ゆいので、この場にて謝意を。

次回以降のますますのご活躍期待してます。

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

微塵も飽きない("Recover編")
甘く美しく華々しい悪意が心地よい綺麗な短編集。狂気の表し方が、物語りそれぞれに個性があって、見事。正直、途中休憩なしで最後までたたみかけて欲しかった。狂気の中にところどころ散りばめられた、シュールな笑いが話を盛り上げる見事な演出。冗長さを全く感じない、飽きる瞬間が微塵もない、やりきった爽快感がこの上ない好印象。

午後の銀河

午後の銀河

劇団東京イボンヌ

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/14 (土)公演終了

満足度★★★★★

予想以上に
場所柄のどことなく高級感が、作品世界と合っていたと思う。過去公演の抜粋など、エッセンスを凝縮して魅せてきたにも関わらず、背後の全体のストーリーがすぐにイメージできるところが、一本筋が通っていて秀逸。

大掛かりな舞台装置はないものの、音と光で舞台演出がシンプルになされているところが、逆に色々な想像力をかき立てるようで、非常に楽しい。

前作から推して期待していたよりも面白い仕上がりで、余韻が綺麗で良かった。

悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

不思議
夫々場面の各々の言動は非常にわかりやすく共感しやすいのに、全体としてみると構成はわかるのに本質がつかみきれないイメージが、“解らない”というよりも“不思議”で綺譚の名に相応しい物語。舞台装置も役者も物語りもチラシの美術も華やかなのに、どこかしら本質的なストイックさがついて回るのも不思議。

今回は、場面転換や演出の端々に解りやすい劇的な雰囲気が散りばめられていて、過去のカナリヤ派より解り易く見える第一印象が、本質を捉えきれない不思議さ加減を尚いっそう引き立てている。舞台装置もすごい。

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

見事
今まで見た 15 Minutes Made の中では、一番自分的に盛り上がった。

とくに「梅棒」のパフォーマンスは圧巻、Mrs. fictions のセリフや間の取り方で笑わせる魅せ方は絶妙、あやめ十八番の表現力は感動。

それぞれの団体の方向性はまったくバラバラなのに、どこかに軸があるような全体としての統一感が、今回は強く感じられた。

「ギブミーテンエン~昭和29年のクリスマス~」(6月)

「ギブミーテンエン~昭和29年のクリスマス~」(6月)

劇団6番シード

シアターKASSAI(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

リアルさが好い
予定調和的でなく、不条理で理屈の通らない現実をリアルに描き出しつつ、筋に違和感を持たせない構成は見事。

個人的には、面白い芝居は数あれど、脚本が面白いという芝居はなかなか見当たらない中、元々の脚本が面白くできていて、それに役者や美術や衣装や音楽が肉付けをして出来上がった、リアルな本物の面白さを感じる力強い作風。

個人的にはラスト一点だけ、登場人物の言動に気に入らないところがあったけれど、厚みと深みがありながら乾いた作風が好き。

虚言の城の王子

虚言の城の王子

空想組曲

吉祥寺シアター(東京都)

2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

言葉が追い付けない
前回・前々回・それ以前からずっと、次作に対する期待のハードルを上げては乗り越え続けているのに、今回もまた予想をはるかに越えられるという事実が、ただただ不思議。

そりゃぁまあ、トリプルカーテンコールにもなりますわ。

2分でかいつまんで説明はできない濃密さなのに、のめりこんだままラストまでスピーディで一瞬たりともだれないのに、余韻はゆったりとして、作中で泣いたのに、後から後から回想が追いかけてくる。

夕焼けとベル

夕焼けとベル

カムヰヤッセン

王子小劇場(東京都)

2010/04/03 (土) ~ 2010/04/11 (日)公演終了

満足度★★★★

予想と違って
チラシでみて予想したイメージと芝居のイメージがだいぶ違ったけれど、個人的にはかなり良いほうに予想を裏切られた感。

スピード感がいい。あと、面白そうな設定を贅沢にふんだんに取り込みながら、それを踏み台にして本筋をのど元に突き刺すような、脚本が小気味いい。個人的には舞台空間の使い方も好き。

ヒールのブーツ

ヒールのブーツ

オーストラ・マコンドー

JORDI TOKYO(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

センスがいい
観客が室内にいて、ガラス越しに役者の演技を見るようなシーンがあるなど、魅せ方は創意に富んでいて面白い。

物語自体は、ありがちな青春が素材ではあるけれど、それを役者が色濃く味付けしていて、見ごたえのある物語になっている。美男美女の集まりとは違って、土臭い素朴などこにでもいるような容姿の若者を濃くした感じの若い男たちが、良い味を出していた。

ダサさを上手く演出して味付けしたところが一番の魅力。

Zyklon B (再演)

Zyklon B (再演)

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2010/06/02 (水) ~ 2010/06/07 (月)公演終了

満足度★★★★

骨太な物語
人物造形が、フィクションのそれよりもドキュメンタリーのそれのような、多々唐突で整合性がないようなところが見られるけれど、それがリアリティの欠如ではなく、よりリアルに感じられる、骨っぽい作品。

人物が多くて舞台が賑やかなのだけれど、シンプルで解りやすい構成がいい。状況と物語りの設定は見事。ラストは一歩手前で終わってもいいかとも思うけれど、蛇足の感も中だるみの感もない、濃密なストーリーが面白い。

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKY

王子小劇場(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

勢いのある混沌
「ワイルドオタッキー」。ヌキバカという団体名(?)が、最後に当意即妙の面白さ。

真下かおるさんのライトなアホっぽさが、引きもせず乗り遅れもしないちょうどいいリズムを作ってて、5分間にエピソードが上手く入り組んでいる。ネタの肝は誰でも思いつきそうな駄洒落に近いノリながら、それを見事に仕立てあげた演出が楽しい。

司会がかなり狭いもどかしさをウマク使ってる感もなかなか。

Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しい
物語の展開やキャラクターの造形に多少ご都合主義な感はありつつ、それを上回るウィットやリズムや笑いを散りばめた、楽しい人間模様。

劇団競泳水着は作品によって好き嫌いが分かれるけど、今回のは今迄で一番好き。

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