満足度★★★★★
大人な軽口テイスト
テーマは本来深刻であるところを、ライトな切り口と構成で、と言って悪ふざけや薄っぺらさを感じさせない熟成度が見事。
俳優さんもベテランの方が多く、それぞれの役者さんの持ち味が重なっても雑味を生じない構成が巧い。
三本目の「サヨウナラなら何度でも」は、政治家秘書の男色のオジサンが、冷静に考えると首尾一貫していないし自殺を考える動機もその後の行動もどこかしらずれているはずなのだけれど、そのせいで逆にほかの人たちがしっくりまとまるというか、リーダーシップをとってかき乱しながら場をまとめている説得力。
価値観は逆転していないのにアプローチを変えただけで、いい人と悪い人のとらえ方が過剰に変わってしまうような、渋い面白さがありました。