サヨウナラなら何度でも 公演情報 サヨウナラなら何度でも」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    一部Wキャスト
     表題作をラストに据えて、1本目に「天使の夜2」2本目に「東京ポエマーズ」の三本立て。

    ネタバレBOX

    コメディーのオムニバスだ。名古屋の劇団なのだが、今年は8月にも東京公演を打っている。「気がつけば五・七・五」という作品で薬物依存者更生の話だった。今回もコメディーとは言いつつ扱っているテーマは、結構重い。
     「天使の夜2」は、ナース達の話である。系列病院が建て替えの為、半年ほど移ってくることになったナースは、来る早々、何と死神の噂を口にした。この病院には死神が居る、と言い出したのだ。無論、この病院の者は誰一人首を縦に振らなかったが。
     「東京ポエマーズ」は、無論、詩的テクニックを用いた作品だが、こちらは全員男性キャスト。因みにレディーファーストということか、1本目は、総て女性キャストである。また、演じられる言葉は、詩的テクニックを多く用いながら、所謂、詩人気取りの人々が作る作品とは反対の性格を持つような言葉遊びである。具体的には、観てちょ!
     「サヨウナラなら何度でも」は、樹海に集まった自殺志願者の話を中心にカルト宗教を演じて詐欺を働いているグループの金儲けの為には、信者を自殺させることなど屁とも思っていない某「国」政治屋のような連中を扱う。今作で、カルト教団の信者以外は自殺を思いとどまるのだが、その経緯が具体的に気になる方々には観て頂きたい。


  • 満足度★★★★★

    大人な軽口テイスト
    テーマは本来深刻であるところを、ライトな切り口と構成で、と言って悪ふざけや薄っぺらさを感じさせない熟成度が見事。

    俳優さんもベテランの方が多く、それぞれの役者さんの持ち味が重なっても雑味を生じない構成が巧い。

    三本目の「サヨウナラなら何度でも」は、政治家秘書の男色のオジサンが、冷静に考えると首尾一貫していないし自殺を考える動機もその後の行動もどこかしらずれているはずなのだけれど、そのせいで逆にほかの人たちがしっくりまとまるというか、リーダーシップをとってかき乱しながら場をまとめている説得力。

    価値観は逆転していないのにアプローチを変えただけで、いい人と悪い人のとらえ方が過剰に変わってしまうような、渋い面白さがありました。

  • 満足度★★★★

    それぞれに味わいが...
    3作品ともしっかり笑わせてくれるし、テンポもよく飽きさせない。
    タイトル...「サヨナラなら何度でも」は、三番目に上演されるが、その前の2作品「天使の夜2」、「東京ポエマーズ」との関連はあまり見られなかった。
    観客の好みであろうが、自分としては上演順が...。

    ネタバレBOX

    「天使の夜2」(全員女性キャスト)
    試験管大学病院に系列病院から新しい看護師が赴任してくることになった。この新任者から、この病院には死神と呼ばれている看護師がいると...そのような噂は病院にとって好くないと。実は余命が短い入院患者を好きになってしまい、その結果のあだ名だという。

    「東京ポエマーズ」(全員男性キャスト)
    続唱のような...ポエムを読むだけであるが、そこにはしっかりお題がある。力強い言葉、言い難し言葉、空気が読めない言葉、という3つのキーワード。観客としては、どこかで噛むのでは、と少し期待しだが...真面目だった。

    「サヨナラなら何度でも」(男男・女女・男女)
    樹海に自殺をしにきた人たちが偶然知り合い、会話をしているうちに自殺(死)の恐ろしさを知ることになり...。自殺という手段から死という表層を観せながら、その逆にある生の尊さを訴えるようなテーマ。それが笑いを交えてライトに描き出す。樹海に授(受)戒するカルト教団も現れて賑やかだった。少し強引な展開であるが、些細なことは気にならないテンポの良さ。この劇団は、女性同士、男性同士の組み合わせが多いような。ここでも先輩(男)と後輩(女)だけが異性アベック。演出し易いのか。

    この順番であるが、「天使の夜2」、「サヨナラなら何度でも」は物語であり、その緩い?ようなテーマも垣間見える。「東京ポエマーズ」(言葉=伝える=命?)は読みだけであり、それが間に入ることは繋がりが途切れるような気がする。もともと繋がりが直接的には見えないし感じられない。1番目にして、この公演全体の”つかみ”にしてもよかったと思う。

    個人的には、3作品に何らかの隠れテーマがあって繋がっていたら面白いと思っている。
    次回(早く東京公演を予定して)も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    三本立て
    それぞれ小気味よかったです。

    ネタバレBOX

    『天使の夜 2 ~この夜よ、明けるな!~』  好きになる人がいつも重篤な入院患者で、結果死神と噂された看護師の話。(20分くらい?)

    そういうこともあるのかもしれません。

    『東京ポエマーズ ~全員地方出身~』  ポエムの発表会のような雰囲気で、滑舌的に言いづらい言葉や周囲の空気を変にするフレーズなどを大声で唱和するしばしの時間。(15分くらい?)

    観客参加型と聞いていたので、指されても何か言えるように考えていました。

    『サヨウナラなら何度でも』  樹海に自殺しに来た人たちや身内の捜索に来た人たちが、インチキ新興宗教団体によって信者が自殺させられ財産を詐取される現場を見て、告発しようととりあえず帰っていく話。(60分くらい?)

    細かい緑と薄茶の葉が縫い付けられたような背景の幕がとても素敵で、樹海の雰囲気がよく出ていました。これさえあれば、いつでもどこでも演じることができますね。

    弘前劇場『夜のプラタナス』にも立派な糞についての件がありました。本人は健康と思いがちですが、実は病気が進行している証左でもあるのだと思います。彼の場合も単に食べ過ぎただけではなく、まさに病気が進行しているのかもしれません。で、最初の話につながっても面白かったかなとふと思いました。

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