満足度★★★★★
四姉妹
一生物は冗長になりがちですが、母親だけの話だけではなく、三姉妹のエピソードがふんだんに含まれていて所謂四姉妹の話となっていたので飽きることがありませんでした。
ネタバレBOX
いつも前に進むだんじりのように走り続けた綾子の物語。
長女と次女は喧嘩ばかりでした。三女は下女と呼ばれ、テニスで日本一になっても母親に振り向いてもらえず、振り向いてもらうためにデザイナーになったという一部の業種の家庭にあり得るような切ないもありました。
秋吉久美子さんは若く、正司歌江さんは物凄く元気でアドリブも抜群。文化服装学院の先生役の堤大二郎さんも面白かったです。児島美ゆきさんは最初ボケをかましていましたが、小島さんと気づかず、変な女優さんが変なことをしてるとしか思わなかったのですが、ファッションショーのシーンであれって気づきました。
夫が出征するところなどの持って行き方、天から地に落ちる様子の描き方も上手く、感動的でした。
満足度★★★
なんだかなー
強烈さが感じられませんでした。
ネタバレBOX
最初の話、期待したのですが、下心に伴う心の声を聞かせてもらっても嬉しくありません。そこは行動で示してほしいところです。最後に、記者会見で嘘をついたというだけで今回のテーマはこれですと言われても面白くありませんでした。
総じて真面目な内容で、毒気がなく、物足りなく感じました。
満足度★★★
【ゲスト須貝英】の回
定食だとこの程度なのかなと思いました。
ネタバレBOX
食に関する短編集。短編と短編の合間に連ドラ風コントがあるところなど月刊小玉久仁子と同じ形式でした。
色んなお皿や小鉢が集まっての定食ですから、いくら定食という言葉が題名に入っているからといってそんなに食にこだわることもなかろうにと思いました。
コントを期待していたせいもあるのかもしれませんが、短時間で大人の男女の淡い恋心を表現しようとするような作品には押し付けがまさを感じました。
少し物足りなかったかなと思いました。
満足度★★★★★
舞台装置もすばらしい!
「最後の大芝居。」という案内文が気になって観に行きましたが、ろりえの看板女優四人のそろい踏みがいつまでもあるわけではないということだけは肝に銘じておく必要があると思うと観て良かったなと思いました。
ネタバレBOX
子供を助けたときに轢き逃げされ、奥村という名の主宰が死んだためいったん劇団を解散したものの、やはり毎年恒例の夏祭りのお芝居がやりたくて、町の人たちの協力を得て、従来の奥村のハートウォーム路線ではなく、本来自分たちがやりたかったエログロナンセンス劇を企画し演じ切った四人の劇団員アリエイ、カナコ、エリコ、ミノリの話。
徳橋みのりさんはカッコいい、梅舟惟永さんは爽やか、志水衿子は可愛い、斎藤加奈子さんはほのぼのでした。
脇も良く、中学生でスナックのママの南美櫻さんは新体操以来で特徴があって良かったです。
立体絵本のようなブック型の舞台装置による場面転換はそれだけでも見応えがありましたが、それが左三枚分、右二枚分の厚みのある舞台として舞台上に倒されたときには、そこまできちんと折りたため、しかもその上に乗ることが出来ることに本当に感心しました。素晴らしかったです。
着ぐるみ、裸もいつものようにありました。ミノリのお父さんとお母さんが女優男優が逆で、お父さんが裸になりかけるシーンもあって面白かったです。
水害に遭った子どもたちを助けようとした青年団はみんな流され、轢き逃げ犯もアンドロイドを積んだトラックの運転手のようで、アンドロイド演劇にとことんちゃちゃを入れる姿勢には笑いました。
満足度★★★★
世事に疎い
2010年の時に感じていたなんでかなーという疑問が解消できてスッキリしました。
ネタバレBOX
2010年に観たときは、軍が動いていれば戦争やクーデターを考えてしまうのは当然のことだし、その地にそこそこ滞在しているバックパッカーたちの誰もが泥祭りのことを知らなかったのは変ではないか等、緊迫感の後のお祭りでしたちゃんちゃんという終わり方が何となく解せなかったのですが、チンポコ王の即位何十周年等の記念式典の前夜祭のようなもので、恒例行事ではなかったことが分かりスッキリしました。
戦車や軍人が街に存在していたことも納得できました。
お祭り感を強調するために前回の泥から今回は赤と青のペイントに変わったようでした。
バックパッカーたちは生きる力に長けて頼もしいと思いましたが、それにしても、記念式典のポスターが街に溢れていたはずで、自分探しの旅で世事に疎いのかもしれませんが、うかつな人たちではありました。
満足度★★★★★
友人様々
家族関係が修復できて本当に良かったです。
ネタバレBOX
母との確執で東京へ行った菜々が母の葬儀のために久々に帰省。兄との関係はこじれたままでしたが、兄の友人英二の活躍もあってわだかまりが少し消えるとともに、英二のおかげで兄夫婦の危機も救われることになるという話。
家族の死は悲しいことですが、こういう親族や知人と一同に会することによって一段階飛び越えて何かが解決されることもあるということです。
兄夫婦の危機が兄嫁のちょっとした言葉から窺えるのが絶妙、英二がずっと兄嫁を好きだったことも分かって、切ない男心が心に染みました。
生存確認のためという言葉も冷たいようで暖かい言葉でした。無縁社会にならないためにも大事です。しかし、実家を取り壊した後の親のいない故郷に帰省するというのは結構ハードルが高いのも事実です。
ところで、兄の周りを凍らす寒い冗談癖を表すためかもしれませんが、ここは温泉じゃないは分かりますが、卓球台がないまで行くとしつこくてつまらなくて白けてしまいました。
満足度★★★★★
頭が混乱
モヤモヤ感に大満足でした。
ネタバレBOX
60歳で死んだ叔母さんの妄想の中の行きずりの男で忘れられない男を、成人した甥が夢の中で叔母さんがたった一度男と出会った若い頃に殺したような話。
時間と空間が全く異るのに重なっている摩訶不思議感、別々の人の妄想と夢が交錯する頭が混乱する関係性に大満足でした。
これまでの作品には全くストーリー性を感じませんでしたが、何となくのストーリーもあって良かったと思います。
叔母さんと男のセックスシーンらしきパフォーマンスは結構何か他のことを考えながらやらないと大変なことになりそうで、ご苦労なことだと思いました。
満足度★★★★★
全開!
良くやるよーってぐらい凄かったです。
ネタバレBOX
ゴスロリのクロミが心の中のゴスロリシロミと対話しながら生き様を貫く話に、それだけでは足りないとばかりに、子供の頃から下ネタに親しもうという運動を続けているクロミの兄の、男性器や女性器を主人公にした紙芝居を織り交ぜた強烈な下ネタ全開のストーリー。
凄まじき紙芝居、役者は個性的で強烈、声も大きめ。
地獄のエンマ様は隈取りが素晴らしく、ガタイも大きくて存在感がありました。シロミ役の綾乃彩さんに対する新型のダッチワイフみたいな顔というツッコミが一番受けました。
満足度★★★
【田中直樹(ココリコ)×三倉茉奈】の回
色々あり得ないと思いました。
ネタバレBOX
誤メールがきっかけで知り合った男女の10年以上に亘る出会いと別れの昼メロ的物語。
土田英生さんともあろうお方にしてはどうしたことでしょう。
なつきの友人の不倫相手が支社へ出向させられたとありましたが、子会社に転籍してから支社に出向するケースが全くないとは言いませんが、普通は支社へ左遷、子会社へ出向ではないでしょうか。
三太郎は退職しても会社時代のメールを使っていましたが、そんな管理の甘い会社は絶対に存在しないと思います。退職者が退職したことを隠してクライアントに偽情報を流すかもしれません。管理者は社員の退職日にアドレスを廃止するのが普通だと思います。
そもそも、なつきはイニシャルSの人にメールしようとしていたわけで、いくら興奮していたとしてもイニシャルDの人にメールするものかと思いました。
スペインのテロで三太郎が飛行機事故で死ぬのもベタ過ぎに感じました。
満足度★★★★
んな
無理に仰々しくしなくても良かったのではないかと思いました。
ネタバレBOX
男Aが、暴行事件に遭った当時は彼女であった女、彼女の新しい恋人である男B、刑事をしていて女の兄である男Cとの会話を経て、三人の過去を暴く話。
次第に真実が明らかになる過程は面白かったですが、心臓移植された人に対して臓器提供者が感情を支配することや、警察は一人で捜査するはずもなく、こぶしに怪我をしている男を放っておくなど考えられず、そして最後は過去を暴かれた三人が、男Bは心臓だけとも言えますが、川に飛び込んで死ぬような、あり得なさや唐突感で食傷気味になりました。
シカクという言葉の意味付もどうでもよく、別にそんなにこだわることもなかろうにと思いました。
満足度★★★★
イケメン
特製クリスマスケーキは背の高いケーキでした。
ネタバレBOX
クリスマス時期に父母を航空機事故で亡くしてクリスマスが嫌いになった洋一が、兄と兄の恋人や友人たちの誤解が誤解を呼んでの騒動を経て立ち直る話。
洋一を女優さんが演じるとは思ってもいなかったのと、その女優さんが鼻筋通ったいい男っぷりだったので、宝塚の男役を見ているようでドキドキしました。
洋一の兄と妹は血が繋がっていないような感じでしたが、そこのところの説明はありませんでした。友人がケーキ屋さんのバイトをクビになった理由も良く分かりませんでした。
兄と恋人の騒動に関しては、勘違いした恋人の方が謝ったため少ししんみりさせ過ぎたように感じました。勘違いさせるシチュエーションを作って面白くしようとしたはずです。勘違いした方が悪いわけではありません。勘違いさせた兄が誤解を解いてハッピーエンドというのがコメディとしては良かったのではないかと思いました。
満足度★★★★
楽しく
勉強になりました。
ネタバレBOX
シェイクスピアの多くの作品の名場面を引き合いに出しながら、シェイクスピアの時代の演劇は夏の昼間に飲食自由で行われていたため、客を集中させるための演出があり、特に冬場や夜の情景を浸透させるために過剰に説明したり、練習時間の少なさを補うために役者の入退出を促す台詞があったりしたことなどトリビアな話題が数多く披露され楽しく勉強できました。
だからと言って、とある作品について全てが分かったというわけでもありませんでしたが。
個性的、美男美女、役者さんは素敵でした。
満足度★★★★
ウジウジ系の
さわやか系
ネタバレBOX
通学時に自転車事故で友人が死んだのことがトラウマとなってヘルメットが外せなくなった少女を中心に、漠然と自信の持てない若者たちが朝日に向かって走って爽やかな気分になったかなという話。
ライオン・パーマ『そんなの俺の朝じゃない!』のポスターが思い浮かびました。
出会いと別れがある人生を受け入れつつ、前向きに生きていきたいと思います。
朝焼けの色があればと思いました。
満足度★★★
ファンタジー
夢か現か
ネタバレBOX
故郷で同級生を待っているサクラのところに何人かの同級生が数年振りに訪ねて来て、その中の意中の人ツキヨともう離れたくないとの気持ちから、思い余って殺してしまうような、不思議の国のアリスとゴドーを待ちながらと木綿のハンカチーフを一緒にしたような60分強のファンタジー。
ですから、本当に殺したのか、夢の話なのかは分かりません。
トランプは花札に代わっていました。いきたしとはなんぞや、行きたしのようでした。舞台に引いた斜めの線は一本道のようで、行ったきり戻ってこない、待っていても来ないという印象を受けました。
空き缶の腕、傘の片足、ペットボトルの片足、Alice to BobのBob人形は存在感がありました。
満足度★★★★
『阿倍野区松虫通りから』観劇
登場人物の背景が大阪らしかったです。
ネタバレBOX
在日韓国人姉妹が経営する喫茶店松虫における姉妹とお客さんの四年ほどに亘る話。
在日の苦労を言葉で訴えながら、大韓航空機撃墜事故で海に落ちたおっさんが戸塚ヨットスクールで指導員を務めた男に助けられるなどのスケールのでかい荒唐無稽な面白さがありました。
ということで、1979年頃から1983年頃にかけてのエピソードでした。
満足度★★★★
今回はちょっと
また活きの良いのを期待します。
ネタバレBOX
結果として大学のホビー研究会の部室にツチノコが大量発生していたという驚きの話。
みんながこっそりツチノコを換金して一儲けしようと意地汚く、小さな根性の持ち主たちの話なので、メッセージ性が無く、セコイ方向に向かうのは已むを得ない面もありますが、『火を吹くのはやめた』のときの小ネタの面白さや、『ねじまき島エレキテル』のときの活きの良さは全く感じられませんでした。
初っ端、そうめんを食べるシーンがありました。時代の鏡として当然なのでしょうが、箸の持ち方は概してダメでした。
満足度★★★
お疲れ様でした。
これくらいで丁度いいかなと思います。
ネタバレBOX
夏葉亭白萩(笹木皓太) 「橋場の雪」 小一時間掛かるという噺のほんの最初の部分、若旦那の許に太鼓持ちがやって来たというところまでで、あとは前説的役割でした。Tシャツの上から着物を着るのは如何なものかと思いました。
夏葉亭麦酒(大石憲) 「禁酒番屋」 禁酒令の出た藩の噺。酔っ払った顔が良かったです。
夏葉亭芙蓉(熊川ふみ) 「文違い」 女郎と馴染みの間で、口実をつけて金を無心し合う噺。大勢の人を演じ分けるのは大変です。夜の部の座布団をひっくり返し、めくりを返す前座さんのお役目ご苦労様でした。
仲入り
夏葉亭雛菊(永島敬三) 「紺屋高尾」 花魁高尾太夫が年季明けに嫁に来る噺。40分強やり切りました。
満足度★★★★★
私の叫び
多くの人に観てもらいたい作品でした。
ネタバレBOX
1986年のチェルノブイリ原発事故を受けて当時の西ドイツで原発事故が起きたらという前提で書かれた子供向け小説「みえない雲」の主人公ヤンナ・ベルタという少女が辿った経験を描くとともに、福島原発事故を受けて改めてこの小説に関心を持った「私」が「みえない雲」の作者に取材したりした経緯を示しながら、原発を推進してきた大人たちに対して怒りをぶちまける話。
作・演の瀬戸山美咲さんの気持ちが吐露されていました。
ラストシーンのおじいさんとおばあさんの何事もなかったかのような、何も知ろうとしないような態度が印象的でした。私は、少なくともこの二人とは違います。この日、原発再稼働を一番推進したがっている党には投票しませんでした。しかし、衆議院選挙の結果を見ると、このおじいさんとおばあさんのような日本人が如何に多かったかが分かり虚しくなってしまいます。
ところで、幼い弟ウリ役に人形を使うのはバジリコFバジオ風だとは思いましたがまあ良しとして、ヘルガ伯母さん役に男性を使ったのは、流行りなのかもしれませんが、なんでわざわざ奇をてらってオカマ風に描かなければならないのかと疑問に感じました。
満足度★★★
一強他弱
前回と同じような印象を受けました。
ネタバレBOX
とある映画監督が、妹が自殺した原因となった女性を撮影中の事故に見せかけて殺そうと画策したものの、山の神の出現もあって最悪の事態が避けられ、まーるく収まった話。
話の展開は面白かったのですが、登場人物が多く、誰々さんと誰々さんが席を外していたと言われてもピンと来ませんでした。時々写真家の誰々さんとか言ってもらえると助かります。
そのくせ、塩澤さんのツッコミが説明し過ぎだと感じたのは前回と同じです。演目が変わっても同じ印象なのは、この劇団における塩澤剛史さんの存在が大き過ぎるのが敗因なのではないかと思ってしまいます。
山ちゃん似の俳優さんは面白くて実力があってさすがの演技ですが、准教授の俳優さんと少しキャラがかぶりました。
山の神が妹の口伝えをしたところなどは安直な幽霊物そのもので、大嫌いな手法でした。
満足度★★★★
なんかハッピーエンド
本当は、現実は厳しいのでは。
ネタバレBOX
カネゴン社長と袂を分かち、新しい芸能プロダクションを立ち上げたタレントたちが、紆余曲折を経てもう一度気持ちを一つにする話。
ヒーローショーの途中で骨折し、現業を諦めた男の手腕にかかっています。頑張ってほしいですが、そんなに甘いものでもありません。
1F部分とB1部分を設定し、B1から1Fに上がるのに苦労させたりするなど王子小劇場の構造を上手く利用していました。ただ、ケンタウロスは分かりますが、フツーならテーブルに椅子を乗せますけどね。
自分探しの旅のような感じの人を雇えるほどの余裕があるはずもなく、そもそもそんなに簡単に所属事務所から独立できるのかも良く分からず、全体として想定が少し甘いかなと思いました。