満足度★★★★★
からのー
イライラ系、面白かったです。
ネタバレBOX
大学近くの一軒家に住めることになり、入学したら学生生活を大いに楽しもうと考えていたのに、実際はヤンキーの溜まり場になってしまい計画が狂わされた大学生の転落人生。
衝撃の冒頭シーンが妄想だったと思わせておいて、からの理不尽な展開、意味不明な登場人物もいましたが大学生は鬱状態だったこともありそのせいか、そして抗鬱剤が原因となっての転落へととても興味深く観、さらにはテンションの低い一気飲みなど、知らない世界を垣間見ることができました。
満足度★★★★★
すんばらしい!!
よくもまあ、いろんなことが起こって最高でした!
ネタバレBOX
いかにも嘘ついて生きてますといった目付きの主役の男が堪らない!!
全員が個性的で、適度に関係性があって、あんなにたくさんごちゃごちゃさせて最高でした!
ナイフ女のぶっ飛んだ表情も良かったです!
新しい彼女があれだってことは何となく分かり、彼女の兄に兄貴ーって叫んだところで確信しましたが、彼女が打ち明けた時には客席内でどよめきが起こり、してやったりだったでしょうね。
ところで、もてないアフロ髪の友人が、髪のことには触れないでほしいと切れていましたが、その後そのことで特別発展したわけでもなく、あれはいったいなんだったんだろうと思いました。
満足度★★★★★
素敵なSF作品
エンターテイメント性溢れるストーリー、大迫力で臨場感もありました。
ネタバレBOX
紛れ込んでいたミュータントによって裏切り者とされた結果、敵の攻撃を前にコロニーの仲間と一緒に地球へ旅立つことが叶わず死んでいった夫を、タイムマシーンを使って50年後に助けに行った妻と孫の話。
ロケットが飛び立つときなどは舞台から客席に向かって風が吹いてきたりして臨場感がありました。戦闘ロケットによる戦闘シーンなども迫力があり、真の裏切り者は誰かを探る一連のシーンはハラハラドキドキの緊迫感がありました。こんなことを言うのも変ですが、大の大人が何の照れもなく、真剣にSF作品を演じきっていることに感動しました。
一方では変な宇宙人の姫も登場したりして、なんじゃこれーって感じで可笑しくて笑いました。
若い夫と若い妻をタイムマシーンに乗せて地球へ送りクリスマスツリーを見させてあげて、70代の妻と孫は敵の攻撃を受けて死んでいく…、若い二人の夢が叶ったのだから自分はどうなってもいい、悲しい美談で終了…
かと思ったら、タイムマシーンは便利です。
パラレルワールド物は何でもありに陥り易く注意が必要ですが、今度は若い二人がタイムマシーンを使って70代の妻と孫を助けに戻っての大団円。ハッピーエンドだもの、これくらいは許します!
満足度★★★★★
緻密な構成があり、
とにかく、役者さんたちが乗っていて素晴らしいの一言でした。
バカバカしく、ちょっと怖く、お色気があって、面白かったです!
ネタバレBOX
何にでも応用が利いて、高性能を発揮するトゲムという小型電子機器を軸に、要らないものはゴミ箱に捨てて行くということをテーマに展開されるオムニバス作品。
トゲム工場、カップルとその友人、女性二人のパジャマパーティ、大家さんと業界紙の記者の話など、一つが終わる度に清掃員が掃除して(小道具を片付けて)次に進みますが、舞台にはゴミ箱だけは残されたままです。それぞれは一見何も関係ないようなコント風お芝居ですが、最後に全てが繋がるというもの。
トゲムのストラップが携帯電話だとか、電力会社に恥をかかせるほどの太陽光発電ができるトゲムだとか、いいですねえ、早く見てみたいものです!
テレビとビデオを繋ぐと亀甲縛りになるなんて、そんなのありえねーと思いながら、ほんとにそうなるんだと納得したり、そういうの私好きなんですって感じで両手を上に挙げてうっとりされると、バカバカしくもドキドキして笑ってしまいます。
男を手に入れるには胸を利用する、これも納得です。で、調子こいて知り合いの彼氏を奪い取ると殺されてしまって、場面一転おおコワ!借り手のなくなったマンションに韓国人留学生を住まわせてロンダリングする、これもなるほどです。そしてここにテレビとビデオを繋ぐこともできないカップルが入居することになったのか、フムフム。
役者さんたち素晴らしかったです!安藤理樹さんの軽さと志水衿子さんのお馬鹿っぽいお色気が印象的でした。ゴミ箱に捨てた写真は、彼女の整形前の写真だったのでしょうか。
そして、最後の挨拶が終わった後にもう一話、小憎らしい演出でした。ただ、なくても話は繋がっていたように思えました。
満足度★★★★★
覆水
大馬鹿野郎な二人でした。
ネタバレBOX
最初何となく冗長で、耕平の婚約者から電話があったときにかつての恋人シンコが声を上げて騒ぐなどあり得ない光景もあってちょっと引き気味だったのですが、長い半同棲生活を経ての別れの真相、婚約者の肉じゃががシンコの味に似ていた理由、そもそも彼女が突然来たのは単なる偶然ではなかったことなどが会話から明らかになっていく過程が素晴らしく、次第に引き込まれて行きました。
真相の内容自体はちょっとベタな漫画風でした。
IT企業を立ち上げた耕平らしくスーパーシンコというゲームを作ってプロポーズ、シンコは最後までたどり着けずゲームオーバーを別れの言葉と誤解して去っていく…、その後耕平は思いをDVDにして送付するも会社の封筒に入れて送ったため企業のPRと誤解してろくに見てももらえなく捨てられた…。詮なきことですが、やはり会話が大事なのであって、ゲームは二人でいるときにさせなくっちゃですし、ラブレターも会社の封筒に入れて送る人はいないでしょうって。
肉じゃがはシンコが作り直したってのは驚きの新事実でした。その後婚約者の肉じゃがは食べてないんでしょうね。食ったら分かるって。
結婚式場担当者の予定表を偶然見て次の日に耕平の結婚式があることを知り、マリッジブルーだったシンコに火が付いたのが今回の騒動の発端でした。
お互い愛し合っていたのに誤解から別れたことが分かったものの、思い出の当事者は過去に留まっているわけではなく、現在を生きていて未来もあるということで、耕平は結婚式に向かいました。一年半後の未来に富士山でお互いに今は幸せだと言えたらいいですね。
満足度★★★★★
濃密
全ての人に濃密なドラマがある群像劇でした。
ネタバレBOX
気難しい90過ぎの大地主である父親と、父親の死を待つ商才の無い子どもたち、そして彼らを取り巻く人々の話。
ラストを見れば老いた人が尊厳ある死を選択する終活の話として帰結しましたが、全体としては全ての登場人物に濃密なドラマを設定した群像劇でした。
父親が急にまだらボケになったのには唐突感がありました。正常な意識の時に実行しなければならないとはいえ、いくら南方で辛い経験をしてきた元軍人だからといって、そして他に手段が無かったからといって、包丁で首を切りつける方法で自殺するものかなと思いました。
イケメンは罪作りです。三男と付き合い妊娠した看護師に嫉妬して、三男に好意を寄せていた高級マンションの男性職員は看護師を階段から突き落としました。でも赤ちゃんは無事でした。
老人には自殺させ、赤ちゃんには命を与えました。長田さんは、ここ最近実在の人物ばかり扱ってきたため歴史上の制約を受けてきましたが、今回初めて人を殺したり生かしたり、人の命を自由に弄んだなと思いました。やりたい放題は大好きです。
様々な相続を巡る悲喜劇がありました。地主の北澤家も相続破産すると言っていました。資産が不動産に偏重し過ぎて流動性が乏しいとそうなるのかなと思いました。
同じ高級老人ホームの階下に父が住む息子の話では、105歳のおばあさんよりも先に父が死ぬと、家が叔母のものになってしまうとのことでした。この息子は死にそうな父を生かそうと延命措置を取りましたが、おばあさんの死後今度は植物状態で生き続ける父が重荷になり苦しんでいます。
そのようなことも起こるのだろうと長寿社会の皮肉な現実に素直に驚嘆しましたが、良く考えてみると、子どものいない未亡人であれば義理の親の死後起こり得ることも考えられますが、このケースでは父が死んでも息子は代襲相続ができるので特にそのようなことにはならないのではないかと思い直しました。
客層には高齢者が多く、これらの演劇ファンが他の小劇場にも足を運んでくれたらなと思いました。
満足度★★★★★
落差が大きい
何の前知識も無く観るのも面白いですね。
ネタバレBOX
当日パンフレットにB級ホラーサイコ青春活劇?とありましたが、これも無くても良かったと思います。
冷酷な少女の嫌がらせによって教師が退職に追い込まれたり、家庭が崩壊する話ではあるものの、母親殺害の陰に彼女のことが大好きな知的障害者のいとこの男子が関わっていたことが判明するサイコホラー。
怖くて不気味で、女子高生メイ役の磯部莉菜子さんが小悪魔的で可愛くて、素晴らしかったです。磯部さんの赤ちゃんは最高でした。
シュウマイに人肉が入ってなくて良かったです。
演出面や舞台装置次第でもっともっといい作品になるのではないかと思います。
満足度★★★★★
紅一点も嬉しい
メインテーマそっちのけで楽しかったです。
ネタバレBOX
車が突き刺さった美しいセット、以前観た船のような飛行機のセットの原点とも言えるものでした。
先行きに自信を失くした人気イケメン俳優が、地底人との交渉を行うことで自信を取り戻す、即ち、就職か演劇かで悩んでいた10年前の学生演劇当時の劇団員さんたちが方向性を決めたというメインテーマの印象はあまり残りませんでしたが、とにかく終始楽しくバカバカしいナンセンスSFコメディでした。
最後の七人が助かるところで八人いて、ロシアンルーレットで決めるために別の潜水艦の彼はロシア人だったわけで、何とも安直。全員が助かる方法は色々あるだろうにあっさり一人が決まったりと、何ともシュール。
10年前よりも原発事故で更に海底を汚染したことについては、地底人に申し訳ないとみんなと一緒に思いました。
満足度★★★★★
チャレンジ!大成功!
バカバカしくてめっちゃくちゃ面白かったです!
ネタバレBOX
自分の子供を病気にして、看病する姿を見てもらって満足する性癖のお母さんが実際にいましたが、この作品の主人公葵は自分が虐められたりして不幸を感じることで喜ぶタイプの女性でした。
そんな病気があったなとか小難しいことを考えていましたが、探偵が葵のことを変態と言った一言で、ストーリー全体が物凄く分かり易くなりました。
不幸な目に遭う度にニヤッとする葵、そして、その変態を治すための荒療治ですが、友人たちに連れられて舞浜で遊んだり、ハッピーの押し売りとその困惑振りのまあ面白いこと、面白いこと。
全員が女性、それぞれキャラが立っていて、しかもヘタウマなところがストーリーとマッチしていて最高でした。
満足度★★★★★
『凝り性のサンタ、苦労する』観劇
明るく楽しかったです。
ネタバレBOX
子供の欲しいプレゼントを調べ上げ、父母に伝えるお仕事をしているサンタクロースが、一人の男の子の本当に欲しいものが分からず、苦労するミュージカル。
みんな可愛く、明るく、素敵な一時間。そして、次の30分は即興劇によるお楽しみイベント会でした。
追っ掛けも存在するくらいのアイドル性の高さでした。
満足度★★★★★
美しい!
鷹の羽の動きがとても綺麗でした。役者の妖しげな美しさと表現力に感服!
ネタバレBOX
あやかしは人を殺すと鳥になると云う。あやかしを恨む弟によってあやかしはあらかた殺され、今では絶滅してしまい見ることはできない。そして人は、悩みながら、協力しながら黙々と生き続けている。
それにしても、少年社中のビジュアルは素敵です。色合いといい、容赦なく傷つけ、容赦なく殺す、歌舞伎の世界のような美しさを堪能しました。
満足度★★★★★
Aプログラム『定や、定』観劇
阿部定の一生が生き生きと描かれていました。
ネタバレBOX
黒子であり、アンサンブル役である二人が加わることで、岡田あがささんと寺十吾(ジツナシサトル)さんの二人芝居が冴え渡っていました。約1時間15分というのもちょうど良かったと思います。
吉さんが、名古屋の先生や腐れ縁のおじさんとは別腹だと言うのが可笑しかったです。事件はセンセーショナルだったものの、考えてみれば懲役6年の事件に過ぎませんでした。本当に惚れたのが吉さんだけだったとすれば彼女の余生は長過ぎました。最後は失踪していたなんて知りませんでした。
阿部定本人が出演した劇中劇の後の舞台挨拶はちょっと真面目過ぎてテンションが下がりました。前後の話から吉さんの名誉を守ろうとした気持ちは十分伝わってきたので舞台挨拶は特に無くても良かったのではないかと思いました。
寺十さんのショボさもあり、岡田さんの魅力が引き立っていました。ただ、色々なアクシデントは良しとして、阿部定が自分の名前を噛むのだけは基本ご法度だと思いました。
ところで、黒子のお二人がBプログラムに刑事役として登場するらしいのですが、どんな風に二つの話を繋げてくれるのか楽しみです。
満足度★★★★★
Bプログラム『昭和十一年五月十八日の犯罪』観劇
ハマカワフミエさん、キリッとしていて素敵でした!
ネタバレBOX
ずーっと鎮座まします阿部定。いい設定でした。捕まってすぐの取調室における僅かな時間の話。
阿部定事件とは、心底惚れた男との隠遁中に金が尽き、現実世界に戻るのが鬱陶しくなったことと、首を絞めて快楽を楽しむプレイが盛り上がり過ぎたことが重なって死に至らしめた事件性のある事故であるとともに、男を忘れがたく身と残り香を持ち去ろうとした死体損壊、下着窃盗事件であったということが良く分かりました。
ハマカワフミエさんのスムーズな着付けは眼を見張るものでした。彼女の女優力は大したものです。
ウィキペディアで定本人と警察関係者の写真を見たとき、なぜみんなが笑っているのかと不思議に思いましたが、そんな写真から彼女をヒロインに仕立て上げることにより226事件など他の重大事件から世間の目を外らそうとする内務省の陰謀だったとする発想が生まれてくるとは、虚か実かは分かりませんが、素晴らしいことだと感服しました。
椎茸とお刺身の件は何のことかと思いましたが、ググって分かりました。便利な時代ですね。
満足度★★★★★
素晴らしい!
一つのことをテーマに議論して、こんなに真面目でこんなに面白い作品ができるなんて、まるで『十二人の怒れる男』を観ているようでした。
そして、各人が持つ心の傷までえぐり出すとは、よくもここまで練り上げたものだと感心しました!
ネタバレBOX
キッザニアで採り上げられている職業などに就いている父兄を呼べば波風が立たないのでしょうが、キャバ嬢だとあれっと思う感覚って何でしょうか。
私も最初は会計事務所で働く女性と同じように、キャバ嬢を呼ぶ必要はないと思いました。アンケートも参考にこそすれ縛られる必要はないと思いましたが、キャバクラで働くお母さんの、事務職員だって会計士先生の手伝いをしているに過ぎない発言にドキッとさせられました。
そして、そんな議論を通して、みんなは社会の構成員で誰かの役に立って報酬を得ていることを再認識するとともに、職業には貴賎はありませんが、各自が各々の職業の意義を自覚して我こそはという自信を持つことができるようになりました。素晴らしいと思います。
頑張って勉強しても誰でも公認会計士になれるわけではありません。しかし、学んだことを活かして専門職として事務面では先生以上に実践的に働いているでしょう。キャバクラで働く女性の「女の喧嘩には負けたことが無い」、凄いインパクトがありました。
二人の授業対決が見物ですね。
そして、大工の奥さんの洞察力も良かったし、若い男性教師の本音はありつつもきっちりと仕事するところも良かったです。
セクハラ攻撃や卒業文集を読むことになる伏線の張り方も素晴らしかったと思いました。
議論が白熱して全員が硬直するシーンなども、動かない演技に緊張感が感じられました。
本当に素晴らしかったです!
満足度★★★★★
役者魂!
熱かったです!!
そして、中高年はよくキレます。
ネタバレBOX
みぽちって本当にみぽちって言うんですね、今知りました。
役者さんの本音、心の声が聞けました。役者は当然の如く熱く、役者をクビになった人もこの世界にしがみついていたい、そしてもし機会があればと窺っている、そんな熱い気持ちが伝わって来ました。
更に、キレる中高年という側面も見せてもらいました。性格的な面もありますが、何らかの組織に属していると、他人に注意することによって面倒に巻き込まれ、約束の時間に遅れたり組織に連絡が来たりしたら嫌だなーとか思って言いたいことも言えないことがありますが、組織の中での存在感が強くなったり、あるいは組織を離れたりすると結構平気で言えるものです。良く分かるわー。
そして、最近の刺青の流行にも吠えていました。確かに、社会に出る前からアウトローで生きていきますというようなもんもんの若い優男を最近良く見掛けます。ホント会社勤めもできないようなもんもんを良く入れますよねーって思います。で、一応、現在のところ、芸能界ももんもん禁止が原則のようでした。
満足度★★★★★
面白かった!!!
最初、くさい仕草が鼻に付くかなと思いましたが、役者さんたちがべたなツッコミを入れたりしてとことん徹していたので、すぐに馴染みました。
西村雅彦似のAKKYさん、周りから浮いたようなところがそっくりでした!
皆さん、個性的で、それぞれの役にぴったりはまっていて、素晴らしかったです。
満足度★★★★★
やはり凄い!
終始音楽に乗せての台詞回し、改めて凄いと思いました。
ネタバレBOX
橋本さとしさんのバルジャンの許にコゼットとマリウスが集い、周りにファンテーヌとエポニーヌ、それに学生たちが見つめているシーンは、やはり感動的でした。
満足度★★★★★
面白くて、考えて、
こまばアゴラ劇場近くのキッチン南海の話ではなくて、南海亭というお蕎麦屋さんの話。
ネタバレBOX
死刑を認めるか認めないかの問題と、少年院などを出所した人たちを支援することについての本音と建前をぶつけ合う話を、お蕎麦屋さんにおけるシチュエーションコメディの形をとりながら行われたため、楽しくまた色々考えさせられました。
父親を殺した少年に対する考え方は、南海亭を継いだ長女は死刑に反対、痴漢に苦しみ犯罪を憎む次女は死刑に賛成、蕎麦アレルギーでヘビメタフォークグループをやっている長男は真相は知りたいが死刑についてはどちらともいえない感じ。近所の人は概ね賛成。
長女は誤判の恐れがあることもあって反対していました。
個人的には、恨みの連鎖は断ち切ろうという考え方で、死刑制度反対、終身刑の新設が良いと考えています。
埼京線は次女が痴漢に遭った路線でした。
満足度★★★★★
晩夏
懐かしい感情と切ない気持ちが溢れてきました。
ネタバレBOX
子供の頃に一週間ほど一人で親戚の家に泊まったことを思い出していました。
出版社でちょっと疲れて実家に帰省した陽子(子どものようこ)は、佐賀の親戚から送られてきた果物箱の中に入っていた写真を見て、不登校だった、なりかけた頃に、佐賀の親戚の家に行って、二つ年上のハトコのあいちゃん(今の愛さん)と過ごしたことで気持ちが切り替わり、学校に行けるようになったことを思い出し、また会いに行くという話。
10代から20代への十数年の変化、成長の大きさには今更ながら驚かされます。寂しいことですが、40代からへ50代の変化とは大違いです。だからドラマになるのですが…。
ようこにとってのあいちゃんは颯爽として可愛らしく見えていましたが、少し憂いを含んだ愛さんの様子からも窺えるとおり、あの当時、両親の離婚問題や都会からの転校生ということなどもあり、実際は明るいだけではありませんでした。颯爽とした相楽樹さんと、しっとりとした冬月ちきさんを配置した意図が理解できます。
ようこと陽子は、とても良く似ていました。李そじんさんと松本みゆきさんが似ていることもありますが、心境が当時と今とで似ていることにも因るのでしょう。
また来年もの約束は、あいちゃんのアドバイスにより、学校の外で友だちを見つけようとしてダンスを習い、それが忙しくなって夏合宿があったりして、またそうした過程で友だちができて元気になってあいちゃんのことを次第に忘れていったことにより実現しませんでした。
子どもはそれでいいのですが、子どもの興味の示し方はある意味残酷さも持っています。いつの間にかピーターパンが見えなくなっていたことにすら気づかないのですね。大人の立場から見ると本当に切なくなってきます。
ところで、愛さんの婚約者は、もしかして野球のショート君だったりして…。
満足度★★★★★
前向きであったかい!
あと一週間で取り壊しとなるお化け屋敷ですが、従業員、アルバイトとも前向きで素敵でした。
ラストはジーンときて、とても素晴らしいコメディでした!
ネタバレBOX
乗り物酔いする電車の運転手、あがり症のお笑い芸人、エレクトリカルパレードに憧れた女性など落ちこぼれっぽい人たちも、一週間を通して次のステップへ向けての新しい生き方を見つけることができました。
父母の来園を待っていた自縛霊も、最後に来園したその妹から話を聞き、お互いに誤解していたところが分かり、二人とも嫉妬心を捨てて穏やかになれました。妹の子に生まれ変わる、複雑な人間関係で悩ましいと言い切るところが面白かったです。
電車でGO!のシーン、一線が越えられないカップル、指差し確認する教官などちょっとしたシーンも良くできていました。
全体に楽しく、前向きなところが良かったです!