満足度★★★★
祝
東京芸術劇場改装工事完了後初観劇。
ネタバレBOX
改装工事は完了したものと思いきや、舞台にはロッカーや板切れ、手押し車が散乱していました。フムと思っていると、劇場案内係の野田さんが、工事が間に合わなかったとおっしゃってあっさりシャンシャン。
卵の殻を割らずに白身と黄身を分離して取り出すエッグというスポーツのバックヤードの様子、さらには東京オリンピックの種目にしようというところからスタート。話はどんどん変化していき、オリンピックも1964年のことかと思っていると1940年のオリンピックのことだったことが判明し、最終的には満州における細菌兵器開発やワクチン開発をする医療施設の話でした。
首謀者たちは敗戦が決まると生体実験で得た研究成果を米国に売り渡し、責任は東北出身の三男坊に押し付けて殺害し、日本に戻ってからは医療研究者として活躍する…、特に目新しい話ではありませんでしたが、真相が明らかになる過程、解決編はスピード感があって楽しめました。
踊らされて満州へ渡った人々のその後は、死んだり、日本に戻る途中で子供を亡くしたり、幸運にも長生きした人もいたりする…、悲しい走馬灯のような光景は印象に残りました。
備忘録として、今回のダジャレは、ロッカーがロッカーから出て来た的なフレーズでした。深津絵里さんが言い、大倉孝二さんが念を押したという感じでした。
大きな医療用カーテンを下手から上手、あるいは上手から下手へ素早く移動させる間に、人やベッドが入れ替わったりするのは見事で、見ていて気持ち良かったです!
ところで、スポーツを題材にしたこともあり、何回ものカーテンコールを役者さんたちは全員が大舞台を走って応えていましたが、年配者には結構大変だったろうと思いました。
満足度★★★★★
うわぁ~
まさかこんな展開だとは思いも寄りませんでした。素敵です!
ネタバレBOX
夏の甲子園の決勝戦で完全試合を達成した投手が、プロ野球球団からの大学進学を経ての入団という裏取引や金銭授受問題に巻き込まれ、こりゃ大変だと思っていると、まさかのタイムトリップ、驚きました。
そして、過去に残されてしまった大親友の捕手が戦後の野球を支えてくれたお陰で今こうして野球界が発展してきたことを知り、精神的にも立ち直っていくという感動的なストーリーでした。
戦時中の手榴弾の投げ過ぎで肩を壊した沢村栄治の苦しみも知りました。
身寄りのない捕手が、タイムトリップしてお世話になった家のボケた爺ちゃんに好かれたこと、もうすぐこの家の長男が沢村とともに戦死することなどからこの家の家族になる…、全てが必然のような形で回り始めたことが素敵でした。
現在に戻ったら、この捕手は元々存在していないパラレルワールドになっていたことも良かったです。
満足度★★★★
ベテラン勢がいい!
戦争の影を引きずるところもあって、リアルで好感が持てました。
ネタバレBOX
部長と交渉相手の副社長、このベテラン俳優さんたちのお陰で笑いが際立ち、引き締まっていました。
ホステスを人身御供に差し出すことを拒否して純愛に生きた課長がいたり、這い上がろうとする若者の裏切りがあったりして、ライバル会社に敗れるという、単純な成功物語でなかったところも良かったです。
ただ、ヌードボールペンを巡る商談、これだけで2時間15分は少し長い気がしました。
ところで、白洲次郎のような策士、面白かったですけど本当にいたんでしょうかねえ。因みに私は白洲次郎さんを目の前で見たことがあります。
満足度★★★
本当に
母親と娘は似ていました。
ネタバレBOX
22歳前後で亡くなった母親とその年頃になった娘、二人はそっくりで、だからこそ過去と現在をスピード感を持って転換させながら表現したいという狙いは分かりますが、やはり特に最初のうちはどちらのシーンか分かりづらかったです。
夫とお父さんは少し差を付けていたようには感じましたが、妹と叔母さんは全く区別が付きませんでした。
脇の樹木の描かれた板を回転させる度に、田舎と都会、屋外と室内、もしかして母の時代か娘の時代かなどと考えながら見ていましたが、途中どうでも良くなり、むしろ微妙な隙間が生じることにちゃちっぽさを感じ、無い方がマシだ思いました。
母親の方はカメラマンへの勉強の道を諦めるに当たって、生まれてくる子どものために撮り溜めた写真を整理しましたが、捨てる方向ではなく見せるために残すという整理法でした。そぶりとしてはカメラマンへの執着心は見せていませんでしたが、未練や悔しさが隠れていたのでしょうか。微妙な心理と言ってしまえば簡単ですが、夫を愛しているというだけで、全く執着心を表現していないのも変かなとは思いました。
満足度★★★★★
優しさと厳しさのある世界
個性豊かな俳優陣、面白くてジーンと来ます。
ネタバレBOX
新宿西口公園に住まいするホームレスたちの話。孤独を防止するための気配りや優しさがある反面、信頼を裏切った場合には追放されるなど、厳しい掟が存在する世界をコミカルに人情味溢れる形で描いていました。
食当たりしてトイレで死にかけていたところを助けてもらった恩義から、年寄りの面倒を見る若手の二人の関係は親子のようにも見えますが、過去をほじくりだしたりすることもなければ、未来を拘束することもありません。君子の交わりは淡きこと水の如しです。
でも、自分のことを話したいのもこれまた人情、酒の勢いで失敗自慢を何度も何度も話すのが可笑しいです。
世話焼きで商才に長けた男はあからさまに商売をしたため、目立ち過ぎて新宿のヤクザに襲われました。税金払ってない奴が仕切るな、儲かっているならどっちも税金払えと言いたくもなります。
こんな世界ですが、人が固定されている訳ではなく、亡くなる人、仕事を紹介されて出ていくも、仕事先で金を盗み、ここからも追放される男がいたり、実のところ夫婦喧嘩して飛び出していただけみたいな男は帰ったり、震災で親を亡くしたため故郷へ戻っていく者、原発事故の現場で働き金を稼ごうとする者がいたり、新しくホームレスになる者もいて、世代交代が起こります。ただし、優しさと厳しさの精神は引き継がれていきます。
そして何より、取材と称してここに出入りしていた男ですが、今は牛丼屋でバイトしていてルポライターになる夢を諦めているのですが、みんなと接触することで得られたものがあるはずで、絶対に夢を叶えてほしい、頑張ってーって思いました。
皆さんいい味出していましたが、おしっこチビったりする酒飲みの老人役の喰始さん、良かったです。
冒頭の缶コーヒーのプルトップを開けるという行為だけであれだけ笑いが取れるのも凄いと思いました。
満足度★★★★
不条理
気持ちが萎えてからの行動が単純じゃないところが秀逸でした。
ネタバレBOX
独占欲、母性本能、犯罪者をかくまって芽生えた喜びが、犯罪者の自首したいの一言であっさり崩れ去ってしまったのでしょうか。
彼女は隣の女を引き込み、なぜこんなことをするのかと疑問に思っているところに、殺された男の弟が犯人の家をようやく見つけて闖入。
そして、あーあ、彼女はこんな形で終わりにしちゃったんだなあと思った瞬間、一つの終焉は新しい不条理劇の始まりでした。
彼女が隣人を引き込んだ意図が理解できました。犯罪者と新しい女との逃避行、人間の業の深いこと、深いこと。
満足度★★★★
ここにも影響が
各人さまざまな背景があります。
ネタバレBOX
道州制の目的は何か、東京一極集中を各地域中核都市に集中させることなのか、すると田舎はやっぱり田舎のままなのか…。同じ州になるところだって、現在の違う県についてはあまり知らず、どうしても県単位でひいきしてしまうのが現実で、でも慣れれば別か…。
外交、安全保障など、国と地域の役割分担などの言葉は出てきませんでしたが、道州制推進フェスティバルを盛り上げるための企画を議論していました。広告代理店の人やイベントの小物を企画する所謂関係者や、自治労に属する公務員が混じっていることが判明したりしてややこしくなりましたが、突然核心部分へ…。
原発事故以来差別を受けることもあり、福島という言葉、名称を消すために道州制を推進したいとする女性の発言で、一気に雰囲気が変わりました。
広島県出身者と結婚した新潟女性、長崎県の漁協から来た男性の話など、さあ真剣に議論しましょうというところで終了。
続編があってもなくても、この後重要なポイントは議論されていたのだと思います。ただ、福島という言葉が南東北という言葉に置き換わるようではダメですね。
満足度★★★
思い出は美しすぎて
舞台はちょっと高めに作られていて、三列目で丁度良かったです。
ネタバレBOX
働けなくなって、引きこもって餓死した男の話。
汚い。汚いのが悪いわけではありませんが、やっぱり汚れていると言うよりは汚いという印象でした。
思い出の家族は優しくて、現実の家族は厳しい。食事も十分に摂れず朦朧とした意識の中で子供の頃の楽しい思い出に浸りながら衰弱していく…。一つの防衛本能かもしれませんね。しかし、同じような回想シーンが多く、単調でした。
生へ引き止めようとする優しい娘も思い出の娘でした。実際の娘は金髪女子高生。養育費も払わない父親がいて、成人になってから親を扶養せよと言われるとしたら、そりゃぁザケンナヨーだよねー。同じ役者さんが演じていたとは思えないほどの違いにはビックリしました。
電気、ガスも止められ、あのひげもじゃの状態で明日ハローワークに行けと言うのも酷な話ですが、役所の人の立場も理解できました。
満足度★★★★
優しい、優しすぎる…
土田英生さんとのトークショーも面白かったです。
記念公演だからといって急に素晴らしい物が書ける訳でもなく、役者にしても急に上手くなる訳でもなく、常に崖っぷちなのですから、日頃から一生懸命、あるいはそこそこやっているということが分かりました。
ネタバレBOX
優しい、優しすぎる…。芝居をやめようとする役者さんを思い止めさせるために一芝居打つなんて。
役者をやりたくなったら施設を出てやればいいなんて、耳を疑いました。もちろん生活保障はなくなりますが、こんな都合のいい施設があるはずもなく、そう簡単に出られないなどのもう少し厳しい入所条件に縛られているはずだと思いました。
怪我が簡単に治るのも、そして誰もいなくなったくらいの大芝居で、客席も含めてもっと徹底的に騙してほしかったと思いました。
全てが優しいフルタ丸という感じで、この中途半端さも優しさの表れかなと思いました。
ところで、もし本当にあのまま暮らし続けていたらどうするんでしょう。働かずに金もらって…、ああ羨ましい。
満足度★★★★
熱演
自分を見つめる彼女の姿、熱演でした。
ネタバレBOX
自分だけが生き残ってのフレーズで何となく震災関連だとは思いました。
彼女は現在埼玉県志木市で一人暮らしとのことでしたが、本当に演劇をやっているのか、何かの治療を受けているのかなどと考えながら観ていました。
劇団員たちも、埼玉の近辺に住む人たちであれば震災とは関係のない生きた人たちであり、治療であれば医者とかナースなのかと思ったり、いわき市に住んでいたときにも演劇をやっていたとしたら、彼らは津波で死んで妄想の中にだけ生き続ける友人たちなのかとか、色々考えました。
いずれにせよ、これからを生きていくために、彼女にはもうしばらく演劇ロールプレイングが必要なのでしょう。
満足度★★★★★
晩夏
懐かしい感情と切ない気持ちが溢れてきました。
ネタバレBOX
子供の頃に一週間ほど一人で親戚の家に泊まったことを思い出していました。
出版社でちょっと疲れて実家に帰省した陽子(子どものようこ)は、佐賀の親戚から送られてきた果物箱の中に入っていた写真を見て、不登校だった、なりかけた頃に、佐賀の親戚の家に行って、二つ年上のハトコのあいちゃん(今の愛さん)と過ごしたことで気持ちが切り替わり、学校に行けるようになったことを思い出し、また会いに行くという話。
10代から20代への十数年の変化、成長の大きさには今更ながら驚かされます。寂しいことですが、40代からへ50代の変化とは大違いです。だからドラマになるのですが…。
ようこにとってのあいちゃんは颯爽として可愛らしく見えていましたが、少し憂いを含んだ愛さんの様子からも窺えるとおり、あの当時、両親の離婚問題や都会からの転校生ということなどもあり、実際は明るいだけではありませんでした。颯爽とした相楽樹さんと、しっとりとした冬月ちきさんを配置した意図が理解できます。
ようこと陽子は、とても良く似ていました。李そじんさんと松本みゆきさんが似ていることもありますが、心境が当時と今とで似ていることにも因るのでしょう。
また来年もの約束は、あいちゃんのアドバイスにより、学校の外で友だちを見つけようとしてダンスを習い、それが忙しくなって夏合宿があったりして、またそうした過程で友だちができて元気になってあいちゃんのことを次第に忘れていったことにより実現しませんでした。
子どもはそれでいいのですが、子どもの興味の示し方はある意味残酷さも持っています。いつの間にかピーターパンが見えなくなっていたことにすら気づかないのですね。大人の立場から見ると本当に切なくなってきます。
ところで、愛さんの婚約者は、もしかして野球のショート君だったりして…。
満足度★★★★★
やってくれました!
これまでの概念を覆す問題作、ホンマかいな。
ネタバレBOX
性犯罪者も開き直って屁理屈こねりゃあ粋な人に見えてきて、真っ正直に生きている人は人生の酸いも甘いも知らない野暮ったい人種に見えてくる、というお話。
純愛がダサく、変態が、戦後押し付けられた戦わないで解決を図るのが良いとされる道徳に対抗する主義主張かと思えるくらい、格好良く思えてきました。
思春期ゆえの過ち、林間学校でどのような暴行事件が発生したのかなと思っていると、えっ、女子トイレの覗き!ってことで肩すかし。しかし、単純な覗きかと思えた事件は藪の中のような奥深さがあり、真っ正直な人にとっては性犯罪に見え、告げ口することが正当化されるのでしょうが、覗き覗かれるという静かな行為は好いた者同士にとっては耽美譚であり、心の中は燃え上がっています。そこが分からないのは粋じゃない、変態万歳です。
校長は今回も校長でヘタウマ、愛人の女先生の性行為を徹底的に覗きまくるド変態男でした。
警察に訴えた愛人の夫の男先生が、男と女を知らない野暮な男に見えてくるのはさすがです。でも、変態でしょ!の一言で一瞬我に返りそうにもなりますが、痴漢王子の格好良さなどもあり、また変態万歳の流れに乗っかります。
ラストの、ある女子生徒に彼氏ができて、別の男子生徒にいつまでも友だちでいようという純愛路線にありがちな言動が、本当にダサく見えました。
そして、この男子生徒もまた一人、粋な道に進んで行くのでありましょう。変態万歳!
満足度★★★
いきなり
あることが分かってしまいました。
ネタバレBOX
パジャマ姿の女性を囲む五人の男女…、スタートした瞬間に多重人格物と分かってしまいました。
そもそも解離性同一性障害に懐疑的なので、もうがっかり。そして、各人格が勝手に殺し合ったり、果ては圭が自殺することで霜月キリエが生き残るなんて、何て安直な方法なのかと思いました。
ラストで医者が病室に入ってきて、「昨日は混乱していましたね、真王子圭さん。」と言っていましたが、彼女の表面に出ている人格は分からないのではないでしょうか。誰なのか確認するような語りかけをしても良かったのではないかと思いました。
満足度★★★★★
考えた!
『狂おしき怠惰』の形式の原点。形式は慣れました。二本分堪能。
ネタバレBOX
序で電力が如何に必要かを謳い、前半で東日本大震災から数ヶ月後の被災地の人間ドラマを描き、後半は前半の人々の十数年後の話で、テロに怯えながらも原発再建設に進む国の中枢部署における近未来サスペンスSF話。
国内製造業の空洞化を防止するには安い電力が必要ですが、新たに頑丈な原発を建設するには海外向けの高金利円建て国債を発行せざるを得なくなり、その結果外国に公債市場を握られ、いずれ中国により日本の金利の安定が大切か尖閣諸島の領有権が大切かを迫られ、どちらの形にせよ侵略されると説いています。
もう既に超経済大国ではないのだから、少なくとも中国による支配は防止しよう、そして、効率の良い太陽光パネル、樹木の葉っぱが光を受けるのに一番効率が良いのですから、樹木型の太陽光発電装置を道路脇や公園などの公共の土地に設置して、起死回生を図ろうと主張しています。
このような海外向け国債とまで言わなくても、現在だって国債残高は国民の金融資産残高ぎりぎりのところまで来ているのですから、同じ発想が求められる訳ですね。
原子爆弾のような大掛かりのものは必要なく、原発事故で生じた放射性物質を拡散させるための爆発装置だけでテロができるというありそうな現実に恐ろしさを感じました。これからの事故処理で生じる高レベル廃棄物の厳重な管理が最重要課題だと思い知りました。
大災害発生時における緊急避難的な対応の是非、被災地の現況を報道するマスコミのあり方などを考えさせる前半部分と、日本の方向性を真剣に戦略的に考える後半部分、どちらも良かった3時間20分でした。
それにしても、高校生、お姉さん、ボランティアの女子大生等々、彼らの十数年後の変貌振りには、役者さんって凄いなあと感心しきりでした!
満足度★★★
ざんねーん!
なぜ芸能人による新春かくし芸大会が終わったか、よく考えてほしいと思いました。
ネタバレBOX
全員で包丁トントン、お鍋カンカン、リズミカルで心地良いと思っているのでしょうが、ああいうのが一番つまらなく、新春かくし芸大会を見なくなり、番組自体も終了しました。業界の学習効果が活きていないと思いました。
初っ端、支配人が調理台に手をついて両足を思いっ切り高く上げていましたが、埃を立てる行為に食欲が減退しました。ヤクザが厨房に出入りするのも嫌でした。調理器具に触っているのもゾーッとしました。ワンシチュエーションには無理がありました。
シェフの今と若いときのエピソードが重なった話でしたが、顔かたち、髪の毛の変化といった自虐的ネタの可笑しみ、立場が人を作り上げると思いながらも、「ざんねーん!」に象徴されるマイナスオーラの面白さが印象に残りました。
もっと前向きな笑いを強調してほしいと思いました。
満足度★★★
微妙
バンラバンラな役柄の人が出てきて、脈絡のあるような無いような…、文学に絡んだ、男と女にまつわるコント集ということでした。
ネタバレBOX
そもそも題名そのものが読めません。口コミすら出来ません、です。
布団の中の男がイケメンから丸坊主の男に変わっていたなどとのオチは面白かったですが、全体としては繋がりとか、間が悪いように感じました。
小説を書き続け、友人、知人、男に振り回され、歳を取っていく…、趣向は良いと思いますが、あの変身はどうなんでしょう。笑いましたけど微妙でした。
ロ字ック山田佳奈さんのゲスト出演は嬉しかったです。
満足度★★★★★
驚きました。
単にロボットという言葉が生まれただけの作品ではありませんでした。
なぜ奥の深いストーリーが一般に広まっていなかったのか不思議です。
ネタバレBOX
原作はSF小説かと思っていましたが、元々が戯曲だったのですね。そして何より、てっきり鉄製のロボットの話だとばかり思っていましたからタンパク質的なものと知って驚きました。
ゲノムが分かっても生命体が作れないように、反乱後のロボット(人造人間)たちは工場内の肉のラインなど部品部品のラインを確保しましたが、ロボット、即ち子孫が作れませんでした。ゲノムと生命体の関係に触れた先進性に感心します。
部品を組み合わせる方法は、それを発見した科学者の書類が燃やされてしまったので誰にも分かりませんし、そもそも人間は殺戮され、建築家として手に職を持った一人が生かされていただけでした。
それでも、愛を認識した進歩型の男ロボットと女ロボットにとっては彼が創造主の種族であり、唯一の人間です。なるほどね、こういう形で人間とロボット、神と人間、創造主と知的生命体の関係が繰り返されていくのですね。
新しいロボットは人間と呼ばれ繁栄し、古い人間は神と呼ばれ死滅していきます。我々は何回目のロボットなんでしょう、そして今はどのあたりに存在しているのでしょう、考えさせられました。
10分間の休憩を入れて2時間40分の熱演でした。
満足度★★★★★
役者魂!
熱かったです!!
そして、中高年はよくキレます。
ネタバレBOX
みぽちって本当にみぽちって言うんですね、今知りました。
役者さんの本音、心の声が聞けました。役者は当然の如く熱く、役者をクビになった人もこの世界にしがみついていたい、そしてもし機会があればと窺っている、そんな熱い気持ちが伝わって来ました。
更に、キレる中高年という側面も見せてもらいました。性格的な面もありますが、何らかの組織に属していると、他人に注意することによって面倒に巻き込まれ、約束の時間に遅れたり組織に連絡が来たりしたら嫌だなーとか思って言いたいことも言えないことがありますが、組織の中での存在感が強くなったり、あるいは組織を離れたりすると結構平気で言えるものです。良く分かるわー。
そして、最近の刺青の流行にも吠えていました。確かに、社会に出る前からアウトローで生きていきますというようなもんもんの若い優男を最近良く見掛けます。ホント会社勤めもできないようなもんもんを良く入れますよねーって思います。で、一応、現在のところ、芸能界ももんもん禁止が原則のようでした。
満足度★★★★★
紅一点も嬉しい
メインテーマそっちのけで楽しかったです。
ネタバレBOX
車が突き刺さった美しいセット、以前観た船のような飛行機のセットの原点とも言えるものでした。
先行きに自信を失くした人気イケメン俳優が、地底人との交渉を行うことで自信を取り戻す、即ち、就職か演劇かで悩んでいた10年前の学生演劇当時の劇団員さんたちが方向性を決めたというメインテーマの印象はあまり残りませんでしたが、とにかく終始楽しくバカバカしいナンセンスSFコメディでした。
最後の七人が助かるところで八人いて、ロシアンルーレットで決めるために別の潜水艦の彼はロシア人だったわけで、何とも安直。全員が助かる方法は色々あるだろうにあっさり一人が決まったりと、何ともシュール。
10年前よりも原発事故で更に海底を汚染したことについては、地底人に申し訳ないとみんなと一緒に思いました。
満足度★★★★★
こういう長編が観たい!
短編の内容が適度に飛んでいて、美味しく絡んで、イライラ、本音があって楽しかったです。
ネタバレBOX
お笑いにハマった女友達のこと、クズな芸人、派遣先の女子仲間、結婚できないサラリーマンたち、結婚できるかもしれない男女…。
やはり結婚できないであろう男たちの酔っ払い方が半端でありませんでした。靴を片方失くし、脱いだワイシャツをタスキのようにして斜めに結んだ姿は初めて見ました。
そして、私の一生を決めた食べ物は杏仁豆腐でした、みたいな優しいエピソードもあって、とっても素敵でした。
美しい女優さんの存在も嬉しかったです。CM中ドキドキしていました。