ITOYAの観てきた!クチコミ一覧

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聖地 X

聖地 X

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2015/05/10 (日) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回の公演の2度目の鑑賞です。
今回の公演2度目の鑑賞です。
前回公演時(も鑑賞。「プランクトンの踊り場」)のDVDまで買っちゃいました。

コメディではないのですが、笑える会話が多く、そこにハマりました!

早速DVDを観て思い出したところ、今回は、前回に比べて、
主要なストーリーや会話はほぼ同じなのですが、
起きた「事象」の人物や出来事をわかりやすく整理されていました。

ほんと面白かった!
テンポ良くで、笑えます。

恋する剥製

恋する剥製

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

初クロムモリブデンは大正解!パワフル、カラフル、ダンサブル、爆笑、文句なしに面白かった!
私にとっての初クロムモリブデンです!
キャラメルボックス「さよならノーチラス号」に森下亮さん、
久保貫太郎さんが客演されていたのと、キャラメルの成井さんか
加藤さんがクロムモリブデンのパワーをパンフレットで高く
評価されていたので、ずっと気になってました。

結果、大正解!文句なしに面白かった!

「デタラメ占い・人生相談」をマンションの一室でするために
集まった男女。
そこに若い女が新たに入ってから、そのグループはしだいに
新興宗教の集団のようになっていって…。
そのころ隣室の「恋愛代行業」のオフィスでは、
新たな相談者のための計画が、実行されようとしていた。

パワフルで、カラフルで、ダンスもあって、そのうえ大爆笑。
めまぐるしく次々に変わる舞台。
独特のリズム感とユーモアと勢いに包まれていたものは…
どっちに転んでもいいような占い師のことば、
新興宗教とテロ、恋愛相談所、別れさせ屋、恋バナが苦手な人。
中身は深い…かもしれないのに、
とにかくいちいち笑えて最高でした。

せっかく初めて観たクロムモリブデンでしたが、
次の公演は来年!
遠い!

流れ姉妹 たつことかつこ 〜エンド・オブ・バイオレンス〜

流れ姉妹 たつことかつこ 〜エンド・オブ・バイオレンス〜

真心一座 身も心も

本多劇場(東京都)

2011/01/27 (木) ~ 2011/02/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

これでファイナル!姉妹の旅も決着!古田X池田の客演も豪華!昭和レトロな世界観に笑いあり涙あり。
大衆演劇と東映バイオレンス映画、
そして4人という小劇団・小劇場の良さをあわせた
昭和レトロなロードムービー演劇。

第二章、三章、一章再演、と観てきて、
ついに今回ファイナルを迎えてしまいました。

シリーズ物ならではのお約束もできてきて、
例えば… 冒頭の夢、オープニング映像、
すれ違う姉妹とそれぞれの落ち着き先での仮の生活、
「やくざ、元やくざ」言葉の応酬、
二人と親しくなる男たち、がや四人衆の早変わり、
かつこ凌辱シーン、たつこの戦闘服バスタオル姿、
たつこVS動物・着ぐるみ対決…。

確かにシリーズが一番面白いときにサッと終わるにはいいタイミングか。

ゲストラバー池田成志は強烈なインパクト、
ゲストレイパー古田新太は終始おねぇ言葉という
”外し方”が見事にはまってます。
古田さんは軽妙な面白さがイイ。
普段やってるのと全く違う、この配役が見事です。

終わりかと思うとさびしいけれど、
穏やかなエピローグ、ハッピーエンドなのも
またうれしい。

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

アトリエ・ダンカン

吉祥寺シアター(東京都)

2009/05/15 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

京都を舞台にした爽やか青春群像+ホルモーとは?
映画版での異様なTVCMを先に観ていたので、あの変なのは何なのだろうと思い、とっても期待(心配)してましたが…
京都と京大を舞台にした、さわやかな青春群像でした。
中心になる京大生の登場人物は、素直で普通の主人公男子、コメディイリリーフ男子、モテモテのイケメン男子、マドンナ女子、メガネ女子…と、よく考えると昔から変わらないステレオタイプの組み合わせ。
これに京都の祭りと、オニを使った摩訶不思議な試合や儀式という「味付け」が強烈で、このため、普通の学園ものとは明らかに違う個性的な味わいの作品になってます。
オニの存在が、”京都”のもつイメージによって、単なる恐怖ではなく、彼らと共存しているような雰囲気が独特で面白い。
いがいなところで出てくる「レナウン娘」の歌とダンスが驚きで、思いっきりの良さも青春!
(今の人には「レナウン娘」は変な存在なのね。)

同じくアトリエ・ダンカンプロデュースの本屋大賞の舞台、「夜は短し歩けよ乙女」と似た雰囲気があって、若手俳優さんたちのこういう舞台で、単なる青春ものではない、個性的な雰囲気のあるお芝居は好きです。

ネタバレBOX

そう、裸踊りも、堂々としていて勢いがあって良かったですよ。
X day

X day

地球ゴージャス

天王洲 銀河劇場(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

出演者それぞれの挑戦。森さんシリアス・ストレートな芝居観たい!藤林さん中国人,中川さんカリスマ美容師,good!
前作の大掛かりな総合エンターテインメント劇から
一変して、俳優6人の手作り感のある凝縮された作品に。

出演者6人がそれぞれ、演技だけでなく、歌、踊り、
パフォーマンス、楽器演奏など、新しい役、新しいことに
挑戦する舞台は、「私自分自身ももっと挑戦しなくては」
と思うほどにまっすぐな熱意が伝わった!

一番印象的だったのが、藤林美沙さんの中国人です。
喋りまくる中国語なまりの日本語のイントネーションがほんとに見事!
そしてそのバイタリティ!
観ていて自然で、すんなり入ってきました。

同じくらい森クミさんの精神科医もシリアスで良かった!
プロフェッショナルで孤独で、ひんやりとした感触が。
特に最初のACTのとき。
終盤はギャグに引っ張られすぎてしまって、ちょっと残念。
今後、もっとシリアス・ストレートな芝居が観たい!

中川晃教さんのカリスマ美容師のはじけっぷりもさすがです。
歌とダンスはもちろんすごいですが、
それより役柄の、楽しい中にも(けど実は複雑)
男気で変わり者のスタッフを集めて美容院をしている
という背景が、ちょっといいです。

最終ACTのカウンターバーでみんなの人生が
交錯するという構成も、面白いけれども、
無理やりで都合良すぎてありがちな感じもしましたが、
その日をX-dayとして、それぞれの人生を歩き出すシーンは、
やっぱり、グッと来ました。

悪趣味

悪趣味

柿喰う客

シアタートラム(東京都)

2009/09/04 (金) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

初柿喰う客。超B級アダルトXオカルトXサスペンス!!勢い、悪ノリ、ギャグ、コント、アドリブ、てんこ盛り!
初めて見る劇団「柿喰う客」です。
Jホラー好きとして、今回の「悪趣味」の
チラシの「怖さ」不気味さに惹かれての鑑賞。

まず舞台上は、村はずれのさびれた神社の鳥居、
井戸、などいかにも怖い。
そしてお客入れ時のBGMも、悲鳴、足音、赤ん坊の
泣き声などおどろおどろしい効果音で開演前から
雰囲気満点。
開演前のアナウンスも電波が乱れて途切れるという
念の入れよう。
チラシのイメージもあって結構普通の芝居か?
と思いきや…。

始まると、役者はみなハイテンションで客席に
向かって叫ぶ、キャラクターの演技も衣装も
デフォルメされている、ギャグや下ネタも時々交えて。

そして、休憩なしと言いながら、突然前編の終了、
数秒の休憩時間、再開するとミニコントコーナー…
なるほどこういう劇団だったか!
ある意味私の「小劇団」のイメージです。

村の狐伝説を調べにきた学者と女子大生、
男優が女装した自殺願望OL、
ナタをふりまわす女子高生、時々発作を起こす
不気味な母親と家族たち、
ゾンビの村長、「車椅子のコスプレ」の長老老婆、
ジェイソン風、メガネのメイド、ゲイの家庭教師、
飼い犬、河童…出演俳優は26人。
ホラー的なあらゆる要素をぶち込んだごった煮状態は、
多少ありがちな遊びが目立たなくもないですが…。

私のツボは、片桐はづき嬢。
ぼたん丸が実にキュート。
あの棒演技と、せりふとびリピートに大受けでした。

演劇集団キャラメルボックスの渡邊安理さんの客演にびっくり。
普段と違う面を楽しみました。

最後に代表の挨拶、
「ひたすら自分たちの好きなことだけをやるので、
好きなお客さんは観に来てください」という
言葉には納得。
スタンスがはっきりしていて気持ちいい。(^^)

シリアスなホラー劇も観たくなりました。
思いっきり怖いやつ。

「柿喰う客」の次回公演も観たくなりました。

はじめての食卓

はじめての食卓

むーとぴあ

駅前劇場(東京都)

2010/01/08 (金) ~ 2010/01/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

おっかー共演!全編,武藤さんの「ほっこりとしたあったかさ」が心地いい!
武藤晃子さん1人のユニット「むーとぴあ」第2弾!
第1弾の西川さんに続き、今回はキャラメルボックス岡田さん、
そして、あの濃~いナイロン100の廣川さん、と、
個性的メンバーが集合、わかぎゑふさんが脚本を描いた
「家族三世代物語」。

武藤さん演じる主人公が、岡田さん演じる夫の家族に
お嫁入り、引っ越してくるところから始まる、
家族の歴史・ホームドラマです。

ある意味、外から見ればありふれた、しかしその家族
にとっては大切な大切な、日常のエピソードが
年を追って積み重ねられていき、小さな笑い、ユーモアに
笑いながらも、大いに泣かされちゃいます。

全編から伝わってくる武藤さんの「ほっこりとしたあったかさ」
が、とっても心地良くて、改めて観てよかったなと思いました。

今から次回作が楽しみ!

罪と、罪なき罪

罪と、罪なき罪

リリパットアーミーⅡ

座・高円寺1(東京都)

2010/06/05 (土) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

女中役の谷川未佳さんと福井千夏さんが光る!!リリパットアーミーII 25周年記念公演・再演。
明治24年司法の夜明けを告げるある”事件”の話。

2008年スズナリでの初演を観て、それがリリパットアーミーII
・ラックシステムとの出会いでした。
今回はその再演。

関西の劇団ですが、わかぎゑふさんとをコング桑田さんを
中心に、笑いに包まれ楽しく観ながら、急にシリアスに
泣かせる展開がとっても意外で、この劇団の懐の深さを感じます。

いつもながらコングさんの強烈なキャラクターと、ぐだぐだな
アドリブには、ヤラレてしまいます。
シリアスな泣かせの部分に対する照れ隠しにも観て取れます。

今回も、女中を演じた谷川未佳さん、福井千夏さんが光ってます。
出番は少なくとも、谷川さんの野田さんとの信頼感、
後輩を諭す様子や、誰にも話せない秘めた想い、
福井千夏さんの方言丸出しでぶっきらぼうな物言いと、
終始怒った表情が、なんとも素朴でかわいらしくいじらしく、
素敵です。

この時代にして、女中に読み書き・英語を教えるという、
その主人を演じる野田さんとのやり取りもとっても
微笑ましくて温かい気持ちになれます。

初演のスズナリでは、狭い中でも立体的に工夫された
舞台装置で、その狭さがとっても良かったのですが、
今回の座・高円寺の舞台は、ちょっと広過ぎた感じが
しました。

その男

その男

キョードーファクトリー

大阪新歌舞伎座(大阪府)

2009/05/02 (土) ~ 2009/05/27 (水)公演終了

満足度★★★★★

主演:上川隆也 原作:池波正太郎!の4時間に渡る娯楽時代劇!
池波正太郎の原作、上川隆也、平幹二朗の顔合わせ、殺陣も楽しめた4時間にもわたる本格的な娯楽時代劇!
ラサール石井の演出で、誰でも楽しめる内容がいい。
上川隆也演じる主人公は、動乱の時代も川の流れにたとえ、父代りの恩師の言葉に従って、生き抜きます。
キムラ緑子、池田成志、六平直政の芸達者な面々が脇を抑え、内山理名も好演。
波岡一喜は特撮作品では「ライオン丸G」主演、「幻星神ジャスティライザー」悪役レギュラー、他ゲスト多数の人です。

ネタバレBOX

幕末から始まった物語は、終盤は大正時代にいたり、最後は、にぎやかできらびやかだった江戸の町を思い起こす。
客席に向かってまかれた大量の桜吹雪とともに、華やかに幕を閉じるエンディングも見事。
上川さんが、次々と出演者を送り出すカーテンコールにも、一部殺陣を盛り込むなど、サービス満点で十分楽しんだ舞台でした。
明日の幸福論

明日の幸福論

劇団HOBO

テアトルBONBON(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

落語のような貧乏長屋の人情話。中年男優6人と高橋由美子さんという構成も面白い。
劇団HOBOの第2回公演。
太宰治「貧の意地」をモチーフにしたそうですが、
まるで落語のような、貧乏長屋の人情話。
人情長屋もただ居心地がいいだけの、そこを
抜け出せない者たちの場所でしかないのか…
笑いの中にもドキッとするようなセリフが
突然出てきたりして凄いです。

中年男優6人と女優1人が出る芝居という構成
の話というのも珍しく、劇団員全員がすでに
実績のある俳優さんたちなので、安定した演技
を安心して楽しめます。

特に、高橋由美子さんは今回のような100人の
小劇場から、ミュージカルの大舞台まで、
本当にさまざまなスタイルの芝居に次々に
出演されていて、そのバイタリティと
各作品での的確な演技、何よりその笑顔。
本当に、勇気づけられるし、尊敬してしまいます。

レベッカ

レベッカ

東宝

帝国劇場(東京都)

2010/04/07 (水) ~ 2010/05/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

今度は初演時に好評だったシルビア・グラブ版を観賞!自然な怖さがよみがえりました!
先日、涼風真世さんバージョンを観ましたが、
今度は初演時に好評だったシルビア・グラブ版を観賞!
しかも帝劇初の最前列!
生フル・オーケストラの音が床から響いてきて、感激です。

涼風真世さんは、どちらかと言うとオーバー気味な
感じでしたが(カテコの最後の最後で少し笑った^^)、
シルビア・グラブさんは自然にこわい感じ。
(カテコでも自然に薄笑い…。
声量は涼風さんのほうがあったかも。)

大塚ちひろ さん演じる”わたし”は、
最初のほうでは自身がなくて、よく爪を噛んでましたね。
恥ずかしながら初めて気が付きました。

改めて考えると、全体に静かな暗い歌が多いなか、
「親戚の歌」?と「自由の女神」の歌?が明るく楽しい
貴重な存在でした。

ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

メジャーリーグ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/07/08 (水) ~ 2009/07/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!面白い!100年以上前の作品と思えない!主演:小沢真珠イメージの役で、他人の人生を弄ぶ危険な女性。
小沢真珠さんがドラマで演じたような役柄、
危険を求めていながらも、そうなってしまったら
対処できなくなる、危なっかしさにどきどきしてしまう。

かたや、町田マリーのエルヴステード夫人も
何不自由ない平凡な毎日に嫌気が差して思い切った行動をとる。

この劇の女性たちは2人とも非常に行動的。

女性が抑圧されていた時代、よくもイプセンはこういう内容の
劇をの書けたものだと驚きます。

この狭い空間で6人の役者だけで、その時代その場所各人の人生を、
役者の演技とそれを観る観客の想像力で形にする、
客に観られて想像されることによって完成する・・・演劇は面白いですね。

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

東宝

帝国劇場(東京都)

2011/04/12 (火) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

「列に入れよ!われらの味方に!われら夢見た明日が来ると!明日が!」
ついに観た!
ロンドンオリジナルバージョンではこれが最後という、レ・ミゼです!
(…ということは違うバージョンが観れる日が近いということか。
それも楽しみ。)

しかし、何度観ても感動に涙してしまう。
本当にバランスが良くて、よくできた作品なのでしょう。
ミュージカルは偉大です。


今回の公演では合計3回チケットゲット。
仕事の合間を縫って、まずは1回目が観れて幸せです。

キャストでは、前回はデカレンジャー・スーパー戦隊出身の
菊地美香さんの「幼く可愛らしい」コゼットが
個人的には最大のイベントでしたが
今回は欠席で残念。(代わりに神田    が出演)
今日は中山エミリ、確かに幼いかわいさとは言えるかも?

山口祐一郎バルジャンは、さすがの安定度。
(人によっては癖のある歌い方が気になるかも。)
三波豊和テナルディエは検討していますが、
ご自身の人の良さや優しさ、丸さが出てしまって、
役独特の「アク」が無くて、いまひとつ。

ガス人間第1号

ガス人間第1号

東宝

シアタークリエ(東京都)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/31 (土)公演終了

満足度★★★★★

超傑作SFモダンホラー・ラブストーリー誕生!後藤ひろひと氏は真面目な東宝特撮映画マニアだった。
後藤氏の舞台はいずれも劇団piperでの「ひーはー」「恐竜と隣人のポルカ」
しか観ておらず、そして【お笑い芸人を配した】キャスティングに、
かなり心配でしたが、実際は…【素晴らしい出来でした!】感激です!

異形の者と孤独な歌手の悲恋・純愛物語として、最高の完成度です。
映画版のテーマをより「純化させている」ともいえます。
その意味では「ガス人間第一号」というそっけないタイトルに、物悲しい特別の意味を感じてしまう。
これだけある意味誰よりも人間的なのに、実験対象の名称が。

また、SFモダン・ホラーでも犯罪ものとしても楽しめる。
そのまま舞台となる劇場を、実際の客席ごと演技空間にしたのもうまい。
(唯一、唯一ラストはもっと盛り上げてほしかった気はしますが。)
映画当時のノスタルジーに頼らず、現代の日本の話である点もいい。
映画では能狂言だったのを、ポップスにしたのも正解。
時代に合わせるとこの方がよりしっくりときます。

そして問題の、ガス人間の特殊効果が巧み!
体からまさに噴出すガスの表現は、決してドライアイスや
普通のスモークではない、最高の効果。
そして、ガス人間からほかの人間に対して、腕から
「ガスのリング」(ぜんじろうの実験の空気砲に似てる)を発射、
それが当たった人間(役者)が、体から煙を出して苦しむという表現が見事!

俳優さんたちもよかった!
特に中村中さんの存在感が光ってます。
音楽も中村中さんが担当、都会波ミステリー+ホラーの雰囲気。
映画版の宮内國郎氏に似たフレーズも聴かせてくれました。

高橋一生さんは静かな愛情を表現、クライマックスでは「体形も崩れていくような」様子は、まさに異形の者の演技で見事でした。
また、重く暗くなりすぎない中山エミリさんの配役。
伊原剛志さんの、劇中の登場人物の物まねがとても可笑しい。
飄々としながらも的確に話を進めていくポジションとして、普通の部分をちゃんと進める枠組みは非常に重要です。

そして、三谷昇さん!いつもは怪演が多いのですが、今回は名演というのがふさわしいと思う。
水野久美さんは出番少な目でしたが、やっぱり只者ではない役で!
何より意外だったのは、南海キャンディーズの山チャンのコメディ演技が、とっても笑えて良かったことです。
違和感がなくなじんでました。後藤さんのキャスティングの妙でしょうか。
(ただし水野さんのほうは予想通りか…)
(悠木千帆さんは、樹木希林さんの名前を買った人から名前を譲ってもらったという…。)

後藤ひろひと氏は真面目な東宝特撮映画マニアだった!
先ほどのBGMだけでなく、本編にも【適度に】(これが最も難しい。センスが問われる!)
リスペクトがあり、東宝特撮映画を本当に愛しているのだなと。

バンデラスと憂鬱な珈琲

バンデラスと憂鬱な珈琲

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2009/11/02 (月) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

コントの連続に歌とダンスで楽しめる!広い舞台でスケールが拡大。
世界勃発を未然に防ぐため奔走するネゴシエーター、
バンデラスの活躍を描くコメディー。

福田雄一・マギーによる作・演出作品は、今はなき
新宿シアターTOPSでU-1グランプリ公演第2作である
「厨房」を観ました。

今回は、その面白さを保ったままで大きな劇場、
有名な俳優さんたちにより、スケールアップ。
ストーリーは13のコントのシーンに分かれていて、
それぞれのシーンはそれだけでも可笑しくて、
しかもそれらはつながっていて、クライマックスに
突入するという面白さ。

その上、伏線まであって、オチまであるという
構成が実にうまい!

やはり笑いに、歌とダンスをプラスして、
とにかく皆で楽しもうという心意気は、
U-1グランプリと変わりません。

福田雄一さんもマギーさんも本当に生真面目に
笑いに取り組んでる感じが伝わってきました。

パンフレットの座談会で、なれないコメディ、
コントの演技に戸惑う堤さん、段田さんらの
話も楽しいです。ほんとに悩んでたみたいで。

関数ドミノ

関数ドミノ

イキウメ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/05/08 (金) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

SFファンタジー風味で描く,日常に潜む人の悪意が怖い。
SFやファンタジーの世界を借りて、人の心に迫る独特の世界が得意な、前川知大さんと彼の主催するイキウメの再演作。

「ドミノ幻想」では、世界はある特定の人間を中心にして回っていると考える。
本人が意識しなくても、周囲の人間の運命はその人物が思ったように回り始めるという…。

話の冒頭から、日常生活に「人の悪意」が静かに迫ってくるジリジリとした恐怖が感じられて、観ていて気が気ではありません。
これがあまり強いと、わざわざ観るのも嫌になってしまうところ、それでも好きになって次が観たくなるのは、そこに”救い”が用意されているからか。
意外なラストもまた面白い。
この話は、やはり舞台でしか、イキウメでしか、味わえない独特の感動です。

今回は、ともさと衣さんの狂信的な信念を持つ役が印象に残りました。
鴻上尚史主催の虚構の劇団所属・大久保綾乃さんも好演でした。

上海バンスキング

上海バンスキング

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

上海の夢は、そのまま舞台の夢に。最高です!伝説の舞台が16年ぶりにコクーンで復活!
ふらっと客席に入ってきた笹野さんのバクマツが、トランペットでおなじみのメロディを吹き始めて、一人また一人が舞台に。
そこからはあっという間に舞台は戦前の上海、夢の世界へ。

やっと観ました!伝説の舞台!
私は深作版映画しか観たことがなかったんです。
ですからストーリーはわかってたのですが、
もう期待以上の感動でした。

決して楽しいだけの話ではないのに
これだけ愛され続けたのは、
やはり、歌とバンド生演奏の音楽の力と、
上海の夢のせい。

話自体は10年くらいの間の話。
そのなかでも楽しかったのは上海に初めて着いたときから、
ほんの2,3年くらい、混乱していても自由があった楽しい上海の夢。

そのときの上海は、そのままこの芝居の夢の時間、そして16年前の夢の時間につながっている気がします。


みなさんお歳は召していても、
串田和美さんは、声がかれて聞きにくかったりしても、
舞台の魔術でそんな細かいことは吹っ飛びました。
それにしても吉田日出子さんの個性は凄い。
コケティッシュな雰囲気は、そのまま、お嬢様。
しかし、歌いだすと声が違う。
さすがに長年歌われてきただけのことはあって、
他の女優さんたちとは格段の違いがあります。
そして、男優さんたちのバンド演奏は、
とにかくカッコイイ。


カーテンコール後、役者さんたちはロビーへ!
これが噂のお見送りか!
今では、皆終わるまでそのまま聞いていますが。
「林檎の木の下で」「上海バンスキング」が
歌われて終演となりました。


観終わったそばから、もう観たい!
2公演申し込んだのですが、さすが人気の舞台だけあって、今日1回分のチケットを買うだけで精いっぱいでした。
これでまた、しばらくは見れないんでしょうかねぇ…。

広島に原爆を落とす日

広島に原爆を落とす日

RUP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

愛する人の頭上に原爆を。逆説的に唱える平和。演劇で歴史をねじ伏せてみせる。
にわか演劇ファンの私ですが、つかさんがもういないと思うと、超涙もろくもある私は最初っから泣きっぱなしでした。
パンフレットにあった「歴史をねじ伏せる演劇」という表現そのままに、開戦から原爆投下までの、様々な歴史と実在の人物が、不謹慎などという言葉は飛び越えて、見事に荒唐無稽に再構築されて猛スピードで駆け抜ける。
原爆投下も、ナチスドイツも、第二次世界大戦のすべてが、ただ2人の愛のために動いているかのように。
こんな物語は、つかさんにしか書くことができないのではないか。

それにしても、筧利夫、武田義晴、山本亨 らと若手勢の歴然としたパワーの差。
この差に全く気づくことのなかった「飛龍伝2010」に、遠く及ばない距離を感じる。
容貌からも黒木メイサを思わせる仲間リサは、まだまだ磨き足りない、出し切ってない。
まさかここで出会うとは思わなんだリア・ディゾンの声量の無さはさておき。

カーテンコールでは、無人の舞台中央に、スポットライトが当てられて、つかさんに拍手を。
終演後、パンフレットの追悼の言葉を読んで、また泣いた。
しかし、周囲の観客の反応は普通にみえたのが、とってもさびしかった。

蜉蝣峠

蜉蝣峠

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/03/11 (水) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

アウトロー古田がシブイ。笑い、涙、歌、殺陣と満腹の3時間。
「古田主演で、チャンバラがあって人間ドラマなら何でもいい」という、いのうえ さんの注文でクドカンが書いたという。
確かに、黒沢「用心棒」の二つの組が対立した宿場町を舞台に、記憶を失った流れ者の巻き起こす騒動の物語。

主役の記憶を失ったアウトロー古田がシブイ、カッコイイ。
セリフが少ないのがまたいい。少ないセリフでもしっかり笑わせる。

笑いに、歌を交えて、泣かせる話。

そして、なによりもクライマックスの、活劇、殺陣がダイナミックで素晴らしかった!
古田さんもうまいが、特に、堤真一さんの長身が舞う大きな身振りが気持ちいい。
これまでも殺陣のある舞台がいくつかありましたが、これだけ動きのスケールが大きいのも珍しいです。
いや(私の少ない観劇のなかでは)、これまでで一番だと思います。

さまざまな構成要素がうまく詰まっていて、満腹の3時間でした。

アウェーインザライフ

アウェーインザライフ

プロペラ犬

赤坂BLITZ(東京都)

2010/06/04 (金) ~ 2010/06/18 (金)公演終了

満足度★★★★★

コメディエンヌ水野美紀、ソニン大活躍!
「どこに行ってもアウェーなら、ここをホームに変えてやる!」

水野美紀×楠野一郎のユニット「プロペラ犬」の特別企画!!

見事に織り込まれた「筋肉少女帯」の歌の数々にのせて
繰り広げられるガールズ・ロックバンドの苦闘と復活の物語!

プロペラ犬は全部観てますが、さすが水野美紀さん。
小劇場、2人の演劇(コント)ユニットが、
今回は、ロックで『赤坂BLITZ』に進出!
いい根性してます!
やっぱり体育会系は違います。

コメディ演技の水野さんは輝いてて、
いつも観ていて楽しくて仕方ない。
そして、ソニンちゃんがヴォーカル(と影マイク?)と、
ドラムに挑戦して大活躍!
木野花さんは決して動じないキャラで貫禄の演技。

そんな多彩な俳優さんたちと筋少のロックナンバーと
生演奏を見事にまとめあげてしまう演出の河原雅彦さんの
手腕は凄い!!

もう1回観ます!

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