クラゲの観てきた!クチコミ一覧

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SO SHOW 天国

SO SHOW 天国

劇屋いっぷく堂

劇場HOPE(東京都)

2009/11/21 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

「謎」と「解答」
ひまわり・きく両サイドに知人が出演するので、セット券を購入しました。話としても、両方観た方が面白そうでしたし。どうせなら1日でまとめて観たほうがいいと思い、28日にきく・ひまわり両方観劇しました。

私は先にきく(検事)サイドを観ましたが、タイトルとチラシのイメージとは違う真面目な内容でした。もちろんコメディ部分も散りばめられていてそこはとても面白かったです。私は前で観るのが好きなので今回も1番前に座っていましたが、ステージと客席との距離が近いので役者さんが目の前です。上手側と下手側を交互に見せる演出が多かったので、首が大忙しでした。きくを観終わり、とても面白かったけれど、最後の笑みや、検事たちのやり取りで謎の部分が残り、夜からのひまわりサイドがますます楽しみになりました。

夜からはひまわり(弁護士)を観劇しました。検事側で話題に出ていた人物たちが登場しました。検事サイドの推理で唐突に名前が登場していた梅林ですが、ひまわりではその経緯が分かり、気になっていた部分が解決されてモヤモヤがスッキリし、弁護士サイドの視点で動いていく物語にも惹きこまれました。さゆりさんの弁護士も悪だけどカッコ良かったし、観ていて楽しかったです。
他の部分もそうですが、友哉の行動に対しても、両方観ることで理解が深まりました。「借りを返す」や電話のシーン、そして弁護士サイドと検事サイドで共通のシーン。面白さが増して、両方観ることができてよかったです。
物語としてはひまわりの方が分かりやすかったのと、後から観たということもあって、きくは「謎」でひまわりは「解答」という印象でした。それぞれ一方でもちゃんと物語として観ることができますけど。最後はきく以上にゾッとするラストでした。きくで見たあの笑みはこれだったのかと。

ただ残念だったのは、昼公演隣に座っていた男性が客伝が落ちても携帯でネット画面を見ていたことと、電源を切らなかったことです。公演中に着信があり、倍部の音が響いてジャマでした。チラシをガサガサ鳴らすし、せっかくの時間が彼のせいで不愉快になりました。夜公演でも後ろのほうで倍部の音が響いていましたし。最低限のルールは守って欲しいと思います。
あと、たまたま読んだある方の感想で、ひまわりサイドのありえない弁護士に対して不愉快に感じていたことを思い出してしまいました。

1つの作品としてそれぞれまとまっているので、「謎」と「解答」と表現することに少しためらいがありましたが、私と逆できく・ひまわりの順で観た方は「基礎編」「応用編」と感じたと教えてくれました。

メリッサのゆりかご ジルの監獄

メリッサのゆりかご ジルの監獄

メガバックスコレクション

あうるすぽっと(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/23 (月)公演終了

満足度★★★★

歌とダンスが良かった
なんとなく想像はしていたけれど、キャストに子供が多く、内容もファミリーミュージカル的でした。
最初の子供たちのセリフが聞き取りにくくて、途中でもそういう場面があり残念でした。でも歌もダンスも良かったし、物語も驚きの展開というのはなかったけれど楽しかったです。メリッサとジルはもちろん、海賊たちが魅力的でしたし、開演15分前と休憩15分のミシュランとボージそれぞれの芝居も楽しめました。
素敵な歌もたくさんあったし、とても楽しい気分で観ることができました。気持ち的には☆5つにしたいところですが、やはりちょっと引っかかるところがあったので1つ減らしました。

8/3~8/8「ON THE WAY HOME」(深谷明大演出)

8/3~8/8「ON THE WAY HOME」(深谷明大演出)

(株)喝采企画

シアターKASSAI(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

涙で拍手ができない…
久間さんの作品ですが未見作なので、シリアスのようだし戦争を扱っているということもあり、多少の緊張を感じながら観に行きました。

序盤でけっこう役者さんがセリフを噛んでいたのと、迫田とハイマのキャラに馴染めなかったのでちょっと物語りに入り込むのに時間がかかりましたけど、徐々にのめり込んでいきました。いつの間にかハイマがとても好きになっていましたし。

桜木の目的が明らかになる辺りから観ていて辛くて涙がこぼれていましたが、ラストのハイマに残された希望の光からもう涙がとまらなくて、タオルが放せませんでした。そのせいでカーテンコールではあまり拍手ができませんでした。だって涙で顔がグシャグシャになってしまっていたから、顔をおさえながら拍手をしていたのですもの。

次は「傷心館の幽霊」ですね。こちらも期待しています。

『CHORIKO』 チョリ子

『CHORIKO』 チョリ子

anarchy film

新宿アシベ会館B1(東京都)

2010/08/12 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

演じるパワー
前回はダブルキャストだったので2回観ましたが、今回は「ミミクリ」で気に入った役者さんが出演している☆キャストを観に行きました。主役のチョリコを演じた、東京サギまがいの田中あっこさん、「ミミクリ」で萌え声DJ…そして衝撃の事件を起こした少女を演じた五つ子ニコさん、高橋孝輔さん、名雪佳代さんが出演しています。

やはりすごい世界観でした。演じている役者さんたちは、役が役だけにものすごい精神力もいるように思うのですが、ああいう特殊な役を長時間ブレることなく演じるパワーは素晴らしいと思います。

ただ、「ミミクリ」と違って今回はかなり観ていて辛いシーンが長く続いたので、重かったですね。登場人物の多さも同じだけれど、「ミミクリ」の時は存在理由がハッキリと理解できたけれど、「CHORIKO」ではこの人はなぜここにいるのかな?と思ってしまう人物が数名いました。もちろん全てをセリフ等で説明してほしいとは思っていませんが、ちょっと分かりにくかったです。

それにしても、anarchy filmさんの作品は誰かを誘って観るのには向かない作品ですね。でも1人で観るのもキツイけれど。衝撃度も話としても「ミミクリ」の方が好きだけれど、今後も作品はチェックしたいと思います。

『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』 再演

『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』 再演

ACTOR’S TRASH ASSH

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

両キャストとも観て来ました
馴染みの役者さんが何人も出演するし、物語にも惹かれて観ました。両キャストとも観るかどうかは悩んだけれど、目当ての役者さんが別チームだし、PVで観るだけでも同じ役の雰囲気がかなり違うので、両方とも1日で観てきました。

PVで観た時は百狐丸の笑顔に馴染めなかったけれど、舞台で観ると白狐丸に合っているなと思えたので逆に魅力的に見えました。静とのやり取りも、ピュアな恋で素敵でした。特に月の音のくだりがとても良かったです。何度か月の音について触れられていましたが、2人だけの特別な音というのが伝わるし、明日になれば自分のことを忘れてしまう静に覚えておいてもらう為にとった白狐丸の行動も、それによって思い出す静のやり取りも切なくて。

最初に観た我チームは中央寄りだけど後ろの方の席だったので赤い目が分からなかったけど、刻チームの時は前だったのでよく見えました。やっぱり前で観た方が殺陣も迫力が全然違いますね。

白狐丸を鬼として追いかけている鵺たちの側も、郭の女将も、それぞれの心の内面が描かれているので良かったです。
ダブルキャストそれぞれのカラーを楽しめましたし、クライマックスは涙腺がゆるみました。DVDがほしくなってしまいました。

それにしても、藤堂さん演じる盲の男、普段演じている役とはかなり違うので意外だったけど素敵でした。新しい魅力ですね。

テノヒラサイズの人生大車輪

テノヒラサイズの人生大車輪

テノヒラサイズ

池袋小劇場(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

来年の東京公演も楽しみ
監禁パフォーマンスコメディって、それだけでワクワクしてきますよね。テノヒラサイズは大阪の劇団で、この作品が初の東京公演ということです。客演に柿食う客の村上さんが出演するというのも魅力でした。といっても、私は柿食う客の舞台はまだ一度も観たことはありませんが。

期待を裏切らない面白さでした。明るい笑いがたくさんあって、とてもいい作品でした。レビューでみんなが口々に「パイプ椅子の使い方が良かった」と言っていたので、どう使うのかなと思っていましたが、まさかあの椅子が各シーンであんなにバリエーション豊かに使われるとは驚きです。出演者は全員赤のつなぎで、舞台にあるのはパイプ椅子とロープだけなのに、見事に空間を作っていました。

客演さんも含めて魅力的な役者さんたちが集まっていました。柿食う客の村上さんはやっぱり素敵な味を出していました。…初めて観たのですが、柿食う客の芝居もいつか観たいと思います。
作品が面白くて役者さんも素敵なだけに、ミスが多かったのとセリフをとちった時の誤魔化しが上手く出来ていなかったのが残念でした

コメディ部分はちょっとついていけない箇所もありましたけど、でも面白かったです。登場人物それぞれの秘密と嘘、それぞれのキャラがしっかりとしていたし、1人10役という多さもきちんと見せてくれていました。ありえない占いからUFO話まで飛び出し、犯人の目的と登場人物たちのつながりが意外な形で明かされるラストまで飽きずに観ることができました。

楽しい時間を過ごすことができて満足です。テノヒラサイズは来年の3月にも東京公演があるそうなので、また観たいと思います。

ペーパーカンパニーゴーストカンパニー

ペーパーカンパニーゴーストカンパニー

劇団6番シード

萬劇場(東京都)

2010/10/07 (木) ~ 2010/10/11 (月)公演終了

満足度★★★★

想いを伝えること
念願の再演を観てきました。楽しみすぎていつも以上に宣伝に力が入りました。キャスティングについては、イメージ通りの方、意外な方といましたけれど、初演との違いも含めて期待していました。

1番前の席だったので、ステージに近すぎてちょっと緊張しましたけど、目の前で繰り広げられるスピード感のあるコメディに笑い、最後には切なくて涙が溢れました。

大好きな作品なので、どうまとめればいいのか困ってしまいます…。開演時間になって客電が落ちた時に、実は感極まって涙が滲んでしまいました。まだ物語は始まっていないのに。

どうしても初演との違いなども見てしまいましたけれど、春子と陵の想いに涙が止まりませんでした。遠くで見つめているだけじゃなくて、伝えたい想い、そばにいたいという願い。想い合う2人におきた奇跡にまた泣きました。

大阪公演では、初演のことは頭からなくして、新生ペパカンを改めて観たいと思います。

俺の屍を越えていけ【無事に終了しました】

俺の屍を越えていけ【無事に終了しました】

七里ガ浜オールスターズ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2010/11/01 (月) ~ 2010/11/07 (日)公演終了

満足度★★★★

コメディかと思いきや
劇団初見です。フライヤーを読んだ時から、これは面白そうだから観に行こうと思っていました。
最初は上演時間が短いのでちょっと気になりましたが、全然短くなかったしちょうどいいですね。脚本が良かったし、6人の役者さんがそれぞれ魅力的でした。

コの字型の客席に最初はどこに座ろうか迷いました。一番観やすいかなと思って座ったのに、最初にいきなり机の位置を変えられてしまったので、これじゃ背中しか見えない役者さんが出るなと心配していましたけれど、スタッフさんが言っていた通り、どの席からでもよく見えるように演出されていました。物語が進む中でさまざまな動きがあり、ちゃんと6人の役者さんを観ることができました。

コメディ要素もあったけれど、最後の展開では泣きました。ハッピーエンドにはなりにくい設定ですけど、最後は少し救われました。

この脚本はオリジナルではないのですね。七里ガ浜オールスターズのオリジナル作品だとどんな感じの舞台なのか気になります。

ネタバレBOX

最初に登場した三沢役の佐藤さん。今回は出演者の方たちも知らない方ばかりだったので、てっきりスタッフかと思いました(笑)コーヒーの準備を始めるので、え、今からやるの?最初にやっておこうよ…と心の中で突っ込みを入れていました。観ているうちにどうやら芝居が始まっているみたいと気付きました。
乱歩の恋文

乱歩の恋文

てがみ座

王子小劇場(東京都)

2010/11/03 (水) ~ 2010/11/10 (水)公演終了

満足度★★★★

世界観を堪能
「ミミクリ」で好きになった和田真季乃さんが出演ということで公演をチェックしていました。妖しげで幻想的な雰囲気にも惹かれてチケットを確保しました。
和田さんは傀儡で乱歩の妻、隆を演じていました。

傀儡たちが観(魅)せる芝居は、その舞台美術も相俟って、予想していた以上の世界を創り上げていました。
所々にはさまれるコメディ要素も悪くなかったけれど、後半の隆子が想いを必死に訴える場面ではないほうが良かったなとは思います。そこが少し残念でした。一切コメディ要素のないバージョンというものを観てみたいなと思いました。

隆子と太郎(乱歩)の関係は、観ていて苦しく哀しくもありましたが、出演者たちの生きた芝居に浸りました。

ネタバレBOX

最後、太郎からの手紙を受け取った隆に、「読むのはやめなさい。その手紙はあなたを遠くへ連れて行くから」と制止する隆子のシーンは、同じ気持ちで観ていました。遠くへ行くならいいこともたくさんあるはずと答えて読む隆。そしてその恋文を読んで笑顔を見せるラストシーンは心に残りました。
匣の中【公演終了致しました。ご来場ありがとうございます!】

匣の中【公演終了致しました。ご来場ありがとうございます!】

集団as if~

萬劇場(東京都)

2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

満足度★★★★

ネガティブコメディって…。
亜音さんが出演ということでチケットを予約したので、劇団のことはまったく知らずに観に行きました。今までインプロって観たことがなかったので、劇中にあるインプロシーンに期待していました。

ネガティブコメディってなんだろう?って思っていましたが、前半と後半の落差にビックリです。コメディは好きなので、その部分はたっぷり笑って大満足。そしてインプロ部分も爆笑でした。自分が書いたセリフが読まれて、しかもけっこう芝居の内容に合う場面で使われていたのでうれしかったです。
大まかな設定は決まっているのかな…と思ったけれど、本当にまったくの即興なのですね。以前から興味はありましたけど、インプロのみの舞台を観に行きたいなと思いました。

ただ、物語にはいろんな過程や結末があっていいとは思うけれど、やっぱり辛いシーンが続くとキツイですね。

ネタバレBOX

ネガティブの部分は、ここまで落としてしまうの?いや、何か救いがあるでしょうと半分信じながら観ていましたけれど、絶望のままなので驚きました。ネガティブコメディというのがこの劇団の売りで、毎回そうだと教えてもらいました。もうちょっと軽い暗さだと思っていたので衝撃は大きかったです。
『共犯者』公演終了 ご来場ありがとうございました。

『共犯者』公演終了 ご来場ありがとうございました。

津田記念日

OFF OFFシアター(東京都)

2010/12/10 (金) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

満足度★★★★

本当の共犯者
劇団初見でした。こういうワンシチュエーションでの謎解きが好きなので、フライヤーを読んで観に行きたいと思っていました。でも同時に、似たような設定は見かけるので、期待半分、不安半分でした。
でも実際に劇場に入り舞台美術を目にし、音楽を聴いて期待感が高まり、閉じ込められた4人の感情や行動がどんどんヒートアップしていく展開にドキドキしました。音楽や音が怖かったです。

閉じ込められた4人と、事情聴取を受ける犯人。この見せ方が秀逸でした。想像していたよりもずっと怖くて、そして心に重く響く作品でした。
私は出版社に勤めていて、最近、ある事件に関係したのですが、マスコミの伝播力を改めて身近に感じたので、犯人が受けたであろう世間の厳しい目には同情もしました。
次回公演も観に行きたいと思います。

ネタバレBOX

ただ、最初はちょっと登場人物たちに感情移入がしにくかったです。特殊な状況だからという訳ではなく、性格の方が。特に警察官は、ああいう状況だったら頼りになりそうなのに、むしろ一番嫌な人に見えました。それに後半はともかく、最初にロッカーの鍵を開けるのは彼がやりそうに思えたので。

ロッカーの仕掛けや銃や流血と、見終わってからも心臓がドキドキしていました。取調べを受ける犯人と事件現場が、同じ出来事を語っているようなのに微妙な違和感を覚えていましたが、その謎が明かされた時は見せ方も含めすごいと思いました。

そして石丸が過去に起こした事故のシーンでは見事に騙されました。面白かったですし、タイトルの「共犯者」が示すものが分かって気持ちが沈みました。
この作品を観に行くことができてよかったと思います。
「ファニー☆マネー~FUNNY MONEY~」

「ファニー☆マネー~FUNNY MONEY~」

ファルスシアター

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/12/23 (木) ~ 2010/12/26 (日)公演終了

満足度★★★★

クリスマスは笑いとお金を
劇団初見でした。フライヤーを観た時から面白そうだと期待していました。
ひと言で言えば面白かったです。ひとつの嘘がどんどんどんどん大きくなって複雑になっていき、必死になって誤魔化そうとするヘンリーたちのドタバタに笑いました。

どんどん話が複雑になり、暴走していく展開は好きですが、2時間はちょっと長いかなと思いました。私が観た回は、けっこうセリフのミスが多かったですし。楽しく観ていたけれど、途中何度か、あの複雑な名前や人間関係が入ったセリフをよく覚えられたなぁって感心してしまいました。

先週観た芝居もクリスマスものでしたが、あちらは後ろ向きな話だったので、犯罪が絡んでいるとはいえ、こういう笑って観れる作品はクリスマス向きでいいですね。

それにしても、あの刑事はいかにも…な感じでしたが、それが逆に盲点で、ラストの男が登場してからの3連発ネタに吹き出しちゃいました。

この劇団は次回作も観てみたいと思いました。

ネタバレBOX

最後の札束の雨は、最前列中央で観ていたので楽しかったです。
結局どういうオチになるのかと思いましたが、大金が手に入ってハッピーという展開も、クリスマスだからいいですよね。
崩壊-女たちの生涯-

崩壊-女たちの生涯-

ABC・FACTORY

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/08 (土)公演終了

満足度★★★★

表情だけの演技
久しぶりにバレエを観ました。しかも千秋楽です。シェイクスピアものは芝居でいくつかの作品を観ていますが、「リア王」は初めてでした。最前列の上手側中央寄りの席にて観劇しました。
バレエは内容を知っていた方が理解が深まるので、開演前にパンフレットのあらすじをしっかり読んでおきました。「リア王」は読んだことないと思っていましたが、この話だったのですね。
最初は数人の配役を把握するのに手間取り、ついていけるかな?と少し心配しましたが、徐々に内容にのめり込んでいきました。

踊りも話も良かったのですが、気になったのが音楽です。洋楽のような曲ですが、開演前に派手な音が流れては止まるということが何度か繰り替えされていたので気になっていたのですが、本番でその音楽が使われているシーンもありました。開演前に時どき流れていた時は音漏れかなと思うような途切れとぎれのかけ方で耳障りでしたが、これは作品のイメージではなく浮いて聴こえたので、そこが残念でした。

この作品はわずかですが「リア王」のセリフが登場しましたが、あとは全てバレリーナやダンサー踊りと表情のみでの芝居です。次女と影子の悪女ぶりや長女との違い、三女の想いなどがしっかりと伝わってきました。悪であっても感情移入ができるので観ていて楽しめました。

カーテンコールの最後に代表の卯埜賀寿江さんが登場し、出演者が卯埜さんに拍手をおくり、卯埜さんは出演者に拍手をしていましたが、身内同士での褒め合いだなとちょっと白けてしまいました。その後卯埜さんは、おそらく団員の中堅メンバーであろう数人を前に呼び、さらに拍手して抱き合っていたので、観客にはまったく関係のないパフォーマンスが残念でした。千秋楽とはいえ、関係者だけで感動しないでほしいです。

バレエは良かったけれど、ただ過去にルジマトフや熊川さんの素晴らしい舞台を観ているので、それと比べてしまい、しかもカーテンコールでの姿に、次回は観に行かなくてもいいなと思いました。

無伴奏

無伴奏

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/01/12 (水) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

クラシック演劇
あらすじと、「演劇とクラシックの融合」というコピーに惹かれて観ました。
チェロ奏者の貴子に一途な愛を捧げる圭の物語は美しく詩的でした。
ヒロインである貴子の高慢な言動に馴染むのには時間がかかりましたが、カメラマン及川のエキセントリックなキャラクターやアルバイトの花などは魅力的でした。
主人公の昔の友人である夫婦や、近所に住む農家の姉弟は少し話のカラーに合わないように思えました。特に、話の本筋には関係ありませんが、「殺す」「死んだ方がいい」といった発言を簡単に口にさせてほしくなかったですね。
回想シーンの父親との話は、圭の年齢設定がいまいち分かりませんでした。演技はやたら幼いのに数学の話題が出て、首を傾げてしまいました。物語の合間に入る回想シーンのつなぎ方がちょっと不自然に感じましたが、でも父と子の話はよかったです。

舞台音楽はクラシックだし、話の雰囲気も展開も好きでしたが、クラシックと演劇の「融合」とまではいってないかなとも思います。コメディパートは及川だけで充分でした。ニュースでの外国人やその他の登場人物が笑いをとろうとするのが必要ないように思えました。そんなに面白くなかったですし。せっかくの空気が壊れてしまいます。それがなければもっと素敵でした。

コイツらありき。

コイツらありき。

電動夏子安置システム

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ファン感謝祭
「シャハマーチ」池袋盤を観てファンになったばかりですし、まだその1作しか観ていません。なので今回が2回目の観劇です。どうやらちょっと普段の公演とは違うみたいだけれど、外部から脚本参加している方にも興味がありましたし、博覧会というのを楽しみにしてきました。

入るとすでに劇団員の方たちがいていろいろと話しかけてくれるし、スクリーンでは映像が流れていました。元々買うつもりだったので、私はさっそくDVDのセット購入しました。その時もお話できて楽しかったです。これはファン感謝祭みたいですね。道井さんのトークが面白かったです。

演目の中で私が特に好きだったのは、「動きとれず」と「あの女」です。でもインプロの「夏の夜の夢」も「彼らは蚊帳の外で~」も「痛み、忍ぶ。」も面白かったし…とにかく楽しかったです。

終演後は道井さんとお話して写真も撮ってもらいました。次回公演も楽しみです。DVDゆっくり観させてもらいます。

らんでぶ~

らんでぶ~

LIVELIKELIFE

シアターKASSAI(東京都)

2011/02/08 (火) ~ 2011/02/13 (日)公演終了

満足度★★★★

黒バージョン観劇
白バージョンのマチネを観たあと、黒バージョンのソワレを観て来ました。
コメディ要素は白の方が面白かったですが、白と黒ではけっこうキャラ設定や内容に違いがあったので、それも含めて楽しめました。
次回公演がいつになるか分かりませんが、これからも観たいと思います。

ネタバレBOX

白バージョンのラストが救いがなくて切なかったので、後から観た黒バージョンでは、被害者が身勝手な理由で殺されてしまっていたことに変わりはないけれど、まだ救いがあるし、友達や恋人を想う人たちの気持ちが伝わってきたので、ラストは黒の方が好きでした。
金と銀の鬼2011

金と銀の鬼2011

X-QUEST

THEATRE1010 ミニシアター 日時:2011年3月2日(水)~6日(日)(東京都)

2011/03/02 (水) ~ 2011/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★

急遽観に行きました
震災後ちょっと落ち込んでいた時期から、ずっと更新が滞っていました。観劇には復帰しているので、徐々にレビューを書いていきます。

X-QUESTさんの作品だし、出演者に知っている方が何人かいるので気になっていましたが、予約しないままでいました。でも、怪我人の代役で急遽藤堂さんが出演するということで、これは応援しに行かないと…とチケットを予約しました。

稽古期間が少ししかなかったのに、藤堂さん頑張っていました。ライト良かったです。藤堂さんは大変だったと思いますけど、私は前回の舞台からすぐにまた活躍を観ることができてうれしかったです。

これが2回目の観劇ですが、X-QUESTさんの作品は面白いし、殺陣がとても美しくてカッコイイですよね。見惚れてしまいました。
お目当ての役者さんの1人だったイヌ役の大野さんは、想像以上の可愛さでした。もちろん他の役者さんたちも素敵だったし、たくさん笑わせてもらいました。

観ていてちょっと疑問に思っていた部分がいくつかあったのですが、それが終盤で真相が明らかになってまとまりました。でも見逃しているところもあると思うので、DVDが届いたらしっかりと観たいと思います。

関ヶ原でダンス

関ヶ原でダンス

劇団6番シード

吉祥寺シアター(東京都)

2011/05/25 (水) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

名もなき百姓たちの戦
有名な関ヶ原の戦いを舞台にしながら、メインは足軽百姓たち、何か大きな手柄をたてて活躍するわけでもなく、情けない男たちが右往左往して、最後は自分の大切な人の為に踊る小さな物語っていうのもいいですよね。ただ、無助たちがあまりにも情けないので、しっかりしなよと思いましたけど。嫁たちは大変ですよね。

登場人物たちの年齢設定がよく分からなかったけど、きっと想像しているよりは若いのかなと思いながら観ていました。後で購入して読んだパンフレットに1部キャストの年齢が出ていましたけど、老け役だと思っていた方も若かったと知って驚きました。

足軽百姓にその母や嫁、武将に盗賊と20名を越す役者さんたちが出演していました。大人数での作品も好きですが、普段は大勢出ていてもメインで観ている人物がいて、さらに好きな役や役者さんを観る感じなのですけど、今回はちょっと視点をどこに定めていいのか分からず戸惑うシーンもありました。

6C作品は毎回美術も衣裳も音楽も素敵ですし、役者さんの芝居で関ヶ原の世界がきちんと描かれていました。客演さんたちも初めての方がほとんどでしたけどカッコ良かったです。殺陣もありましたしね。人が死ぬシーンは観ると辛いけれど殺陣は好きです。

イメージしていたのと違う雰囲気の話でしたけど、誘って一緒に観に行った方がまた観たいと言ってくれたのでうれしかったです。

ネタバレBOX

劇団HPの特設サイトで事前に役の詳細を見ていましたが、一番気になっていた役が藤堂瞬さん演じる多念でした。盗賊チームで頭領の椿を演じていた椎名亜音さんの弟という設定でしたが、未熟児という役をどう演じるのかなと思っていました。客演先では殺陣をカッコ良くやる役を観ることが多かったので、盗賊チームになったと知った時は殺陣の見せ場とかある役なのかなと思っていたので意外でした。でもASSHに客演した時の盲の男も意外な役だったけれどとてもハマっていたので、多念もきっと素敵だろうなと期待していました。それに、亜音さんの頭領は絶対にカッコイイはずですし、2人が演じる姉弟を観るのがとても楽しみでした。

ただ、楽しみではありましたけど、設定を読んでいたので多念が事件を起こすらしいと心の準備もして行きました。舞台で人が死ぬのを観るのは、映画やドラマで観るよりも衝撃が大きいですから。でも、あの流れで多念が人を殺してしまったのは、心の準備とか意味がなかったほどの残酷なシーンでした。

それ以外は椿を「姉ちゃん」って追いかけるところとか、荷車(?)の引き手にいる無助の所へ行って、中に入り込んで無助を体で押して追い出して自分が引き手になるシーンとか可愛くて好きでした。
天守物語

天守物語

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2011/06/03 (金) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鷹の見せ方が秀逸
少年社中の「天守物語」を観に行ってきました。劇団名は以前から知っていて、いつか観たいと思っていました。チラシの雰囲気が素敵だったし、会場が吉祥寺シアターだということもありチケットを予約しました。予約は遅かったのですが、座席番号は D列12番と良席でした。

原作は泉鏡花の「天守物語」です。妖怪と人間の恋とそれぞれの種族の悲哀が描かれています。
泉鏡花原作の舞台は、芸術集団れんこんきすたの「外科室」を観たことがあります。特に鏡花が好きという訳ではありませんが、縁の地である金沢へ旅行してきたばかりですし興味がありました。

力を持ちながら、人を殺すと鳥になってしまう妖怪。その妖怪たちを束ねる美しい富姫と殿様の鷹匠、図書之助。二人の出会いと恋、そして二人を取り巻く妖怪と人間の争いが、絵巻物のように展開していきました。

世界観はとても素晴らしかったです。衣裳やメイク、演技で作り上げられた世界を楽しみました。ただ、開演後すぐに退出した人に前をぶつかって横切られたり、両隣の人が何度もカバンをガサガサあさる音がうるさかったり肘が当たったりで、集中が途切れたのが残念でした。座席はとても良かったのに、まわりが悪かったです。

話も素敵でしたが、残念だったのは富姫と図書之助がお互いを想う気持ちがあまり伝わってこなかったことでした。富姫の美しさに心を奪われた図書之助と、かつて恋人を裏切り愛して合った為に殺されてしまった樫之助にそっくりの息子。出会って惹かれたというのは分かりますけど、妖怪と人間が自分の世界を捨ててもいいと思えるほど深くお互いを愛してしまうというところまでは理解できませんでした。納得できていないのは私だけかなと思いましたが、コレビューを読んでみたら同じように感じている方がいました。

とても素敵だったので、これで主役2人の内面がもっと舞台で表現されていたら大好きな作品でした。少年社中さんの舞台は、また気になる作品があったら観に行きたいと思います。

ネタバレBOX

天変地異で人が大勢死んだのは妖怪のせいだと滅ぼそうとする人間と、獅子頭によって弱い人間を助ける為に力を与えられて生まれた妖怪。いわれのない理由で仲間を殺されながら、鳥になってしまう為人間を殺せずに苦しむ妖怪の憎しみと葛藤は悲しかったです。

全体的に素敵でしたが、特に見せ方が良かったのは富姫の恋人だった鷹ですね。
富姫と愛し合った樫之助を殺して鳥になってしまった彼は本当に鳥に見えました。かつては同じ妖怪でありながら鷹の言葉は富姫には分からないというのも、時が経ち、かつて殺した恋敵の息子が富姫と出会い恋に落ちていく姿を、そしてその結末を見届けようとする彼の姿は素敵でした。
鷹と妖怪や人間の対比は、昔観たゴジラと少女の恋愛物語でも同じような方法がとられていました。鷹は衣裳もそれらしく作ってありますが、ゴジラは上半身裸で特殊メイクもなし、効果音と役者の動きだけでリアルに表現していました。こういうのは演出の力ですね。役者さんの表現力ももちろんですが。
『Every Day』公演終了いたしました。ありがとうございました。

『Every Day』公演終了いたしました。ありがとうございました。

津田記念日

OFF OFFシアター(東京都)

2011/06/23 (木) ~ 2011/06/27 (月)公演終了

満足度★★★★

いちばん切ない7日間
招待券をいただいて観た前回公演「共犯者」がとても良かったので、また観に行きたいと思っていました。届いた公演案内に主宰の方がメッセージを添えてくれいていたのには感激しました。
恋人との別れを受け止めるまでの7日間を描いた物語にも惹かれてチケットを予約しました。

恋人なのに空気がよそよそしいし敬語を使っているし、二人の噛み合わない雰囲気が気になったけれど、最初から彼女はここにいてはいけない存在だったからなのですね。
だけど彼女は目の前にいて、笑って、しゃべって、ご飯を作ってくれる。今までと同じような時間なのに決して同じではない、限られた時間…。

最初から切なくて涙腺がゆるんでいたけれど、2人で植物園に行ったシーンでこらえきれずに涙が溢れました。

お話も良かったけれど、舞台セットが素敵でした。「共犯者」の時もセットと演出にドキドキしたけれど、今回はとても可愛いセットで、場面転換の仕方もいいアイデアでした。水や時計の使い方も良かったです。

今回は開演前の挨拶に主宰の津田さんが登場したので、どんな人か分かってうれしかったです。同年代なのですね。急いでいたから終演後はアンケートを走り書きしてすぐに帰ってしまったけれど、次に機会があれば声をかけてみようと思います。

ネタバレBOX

7日あるのだから食べたいものを食べて見たいものを見て、一緒に過ごそうと前向きな彼女と、なかなか受け入れられず、自責の念にかられる彼。そんな2人のやり取りが悲しかったです。

「7日ってなんだよ。7日って1週間だよ。それが過ぎたらどうなるんだよ」
「どうなるんだろうね?」

じっと彼女を見つめて、嫌がる彼女に、
「1週間時間もらったんだからさ、30秒くらい俺にくれてもいいじゃない」

こういう会話に何度も泣きました。

別れの時間までの猶予を与えられて、離れかけていた気持ちが戻って、でも7日目に永遠の別れがきて。現実にはこんなこと起きないから、大切な人には伝えられるうちに気持ちを伝えておかないといけないですね。普段からそう思っていますけれど。

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