満足度★★★★
クラシック演劇
あらすじと、「演劇とクラシックの融合」というコピーに惹かれて観ました。
チェロ奏者の貴子に一途な愛を捧げる圭の物語は美しく詩的でした。
ヒロインである貴子の高慢な言動に馴染むのには時間がかかりましたが、カメラマン及川のエキセントリックなキャラクターやアルバイトの花などは魅力的でした。
主人公の昔の友人である夫婦や、近所に住む農家の姉弟は少し話のカラーに合わないように思えました。特に、話の本筋には関係ありませんが、「殺す」「死んだ方がいい」といった発言を簡単に口にさせてほしくなかったですね。
回想シーンの父親との話は、圭の年齢設定がいまいち分かりませんでした。演技はやたら幼いのに数学の話題が出て、首を傾げてしまいました。物語の合間に入る回想シーンのつなぎ方がちょっと不自然に感じましたが、でも父と子の話はよかったです。
舞台音楽はクラシックだし、話の雰囲気も展開も好きでしたが、クラシックと演劇の「融合」とまではいってないかなとも思います。コメディパートは及川だけで充分でした。ニュースでの外国人やその他の登場人物が笑いをとろうとするのが必要ないように思えました。そんなに面白くなかったですし。せっかくの空気が壊れてしまいます。それがなければもっと素敵でした。