満足度★★★★
表情だけの演技
久しぶりにバレエを観ました。しかも千秋楽です。シェイクスピアものは芝居でいくつかの作品を観ていますが、「リア王」は初めてでした。最前列の上手側中央寄りの席にて観劇しました。
バレエは内容を知っていた方が理解が深まるので、開演前にパンフレットのあらすじをしっかり読んでおきました。「リア王」は読んだことないと思っていましたが、この話だったのですね。
最初は数人の配役を把握するのに手間取り、ついていけるかな?と少し心配しましたが、徐々に内容にのめり込んでいきました。
踊りも話も良かったのですが、気になったのが音楽です。洋楽のような曲ですが、開演前に派手な音が流れては止まるということが何度か繰り替えされていたので気になっていたのですが、本番でその音楽が使われているシーンもありました。開演前に時どき流れていた時は音漏れかなと思うような途切れとぎれのかけ方で耳障りでしたが、これは作品のイメージではなく浮いて聴こえたので、そこが残念でした。
この作品はわずかですが「リア王」のセリフが登場しましたが、あとは全てバレリーナやダンサー踊りと表情のみでの芝居です。次女と影子の悪女ぶりや長女との違い、三女の想いなどがしっかりと伝わってきました。悪であっても感情移入ができるので観ていて楽しめました。
カーテンコールの最後に代表の卯埜賀寿江さんが登場し、出演者が卯埜さんに拍手をおくり、卯埜さんは出演者に拍手をしていましたが、身内同士での褒め合いだなとちょっと白けてしまいました。その後卯埜さんは、おそらく団員の中堅メンバーであろう数人を前に呼び、さらに拍手して抱き合っていたので、観客にはまったく関係のないパフォーマンスが残念でした。千秋楽とはいえ、関係者だけで感動しないでほしいです。
バレエは良かったけれど、ただ過去にルジマトフや熊川さんの素晴らしい舞台を観ているので、それと比べてしまい、しかもカーテンコールでの姿に、次回は観に行かなくてもいいなと思いました。