満足度★★★★★
説明いらない
初演の興奮と同じだけの興奮と感動でした。
これは見ないとわからない、演劇ならでは。
これからも、可能な限り変わらない再演をお願いします。
満足度★★★
こんなやり方があったのか・・・!
ニッポンの河川は初めてでした。
とにかく役者3人が出ずっぱりで、勢いとパワーで乗り切る50分。
話の内容とかは正直途中からどうでも良くなって、その流れに身を任せるのが楽しかったです。
ネタバレBOX
役者自らが照明と音響を操作。
照明はスイッチが床に置いてあって、役者はそれを踏む事でつけたり消したりします。
音楽も手持ちのカセットレコーダーのテープを芝居中にカチャカチャと操作して入れ替えて流す。
チープと言えばチープなのだけど、こんなやり方があったか!と感心してしまいました。あらびき団とかに出ると受けそうです。実際の話の方もあらびきな感じでしたし。
とにかく話がポンポンと脈絡なく飛びまくる。
1シーンの終わりが明確じゃなくて、誰かが役を切り替えるとシーン自体も別のシーンになるという感じの力技だ。
3人の役者さんで色々な役を担当していく。
話自体も1シーン終わったら続きの別のシーンという訳ではなくて、時間も戻るし役の繋がりがおかしかったりするけど、勢いで全てを乗切ってました。
正直話が分かりづらいのはキツいけど、試みは面白くて大好きでした。
50分でひとつの作品にしないで、10分ほどのコントのオムニバスにすればグット見やすくなると思うのだけど。。。
満足度★★★
ロボットとアンドロイドの違い
ロボット演劇「働く私」とアンドロイド演劇「さようなら」の二本立て。
まとめて見れるのはお得ま企画だなあと思い、TPAMに感謝して見てきました。
アンドロイド演劇「さようなら」が15分くらい、ロボット演劇「働く私」が30分くらい。そもそもロボットとアンドロイドは何が違うかと言えば、ロボットは明らかに機械の外見で実用重視、アンドロイドはどこまで人間に似せられるかというあたり。
で、当然内容もそれに合わせて変わっていて、アンドロイドは人間そっくりなのに機械、という存在と生命に限りある人間の交流。ロボット演劇は逆に人間に奉仕するための機械であるロボットが人間的な心の病を抱えて悩む話でした。
ネタバレBOX
まず最初がアンドロイド演劇だったのだが、とくにかくステージと観客の距離を感じる。
それは物理的な距離もあるけど、何か観客の世界とはかけ離れた距離を感じました。
アンドロイドと死期がせまる金髪の外人女性とが、イスに向かい合って語り合う。アンドロイドは女性の心理状態に適した詩を次々と喋る。
しかしアンドロイドは人間そっくりとはいえ、それ以前にほとんど動かない。目や口元、頭や状態が少しだけ動くだ。しかも声は役者の吹き替え。
これじゃあアンドロイドというよりマネキン人形劇だ。
まったくアンドロイドである必要性を感じず、内容のつまらなさもあって、何でこんなものを見に来たのか、と不満しか残らなかった。
その後、しばしインターバルがあってロボット演劇「働く私」。しかし、その前に一度舞台準備のため観客は外に出される。そして再入場となるのだが、その手際があまりにも悪くて、いつまで待ってもなかなか入れない。
この進行の悪さは作品の印象も悪くした。
でも、ロボット演劇は意外と面白くて、外見が人間的でない方が、「働きたくない」というロボットとしての存在意義すら脅かす根源的な問題を面白おかしく描いていた。
そのタケオというひきこもりのロボットが生きて人間的に見えてくるのが何だか楽しかった。
そしてそのロボットの持ち主の旦那もひきこもりで、ロボット相手にバカにしていたかと思ったら逆に論理的にやり込められたりして、ユーモアも人間性もあってロボットがとても生きているという感じだった。
満足度★★★★
強烈なトーク
初日だったのでスムーズにいってない部分やセリフミスなんかもあったりしたのだと思うけど、グダグダな雰囲気を出しつつしっかり構成されて充実した作品でした。
上演時間70分。
これ台本通りなんだよね?
と思ったけど。台本買っておけばよかった。
合わない人には生理的に全く駄目な作品だと思うけど、何が、と書くとネタばれになってしまうので書けない・・・。
女性は合わない人多いかも。
ネタバレBOX
素舞台で開場時から広い空間に並べられたイスに横並びに座る4人の女優さん。本を読んでます。
衣装は原色系。
どこの国のものとも特定できない感じの衣装。
静かに始まったなー、と思ったらいきなりダジャレと下ネタの連続!
しかも女性が話す下ネタって何だかなまなましい。実際書いてるのは男性なんですけど。
初体験の話や今の彼との夜の営みの話等を事細かに、リアルガールズトークのようにガンガン喋っていきます。
この徹底した下ネタを言わせる作演出のSっぷりと、半笑いしつつガンガン喋る女優さんたちのMな潔さがなぜかだんだん心地良くなってきてしまいました。
しかも全然性的興奮は起きてこない。
って、下ネタのことばかり書きましたが、見終っての一番大きい印象がそれだったので。っていうか、それしか頭には残らなかったです。
ミステリー的な紹介にある出来事は、書いてしまったからやむなし的に挿入されてくるけど、特に重要というわけでもなく。
途中引用される古典の戯曲や文章も、むしろ滑稽に見えました。
神里氏がチラっと登場しますが、潔いほど無意味かつ作品紹介に忠実。
川崎と横浜という土地や、世界の裏側テキサス(?)、彼氏のオバマとか、数千年、数万年という言葉がさらりと出てくるスケールの大きさを全く感じさせないセリフや演出。
「母」というキーワードで台本を読んだら実は深いのだろうなあと思ったけど、それをゲスなエンターテイメントに仕上げた舞台でした。
個人的には大好きです。
満足度★★★
お母さん以外もいた
ペピン結構設計さん、初めてみました。
評判は聞いていたのでどうかな、という感じで見てきました。
全体的な雰囲気とかテイストとか、テーマとかよかったと思います。
でも、グッと来るところがなかったかな?
ネタバレBOX
STスポットの広いとは言い難い舞台の周りには、大量の米が積まれていました。
実家の母親が、何度いらないと言っても米を送ってくるのでたまってしまってしょうがない、とグチをこぼす。
男4人が最初は男として出てくるけど、途中からトランクス姿になったかと思うとエプロンを付けてお母さんになってしまいました。
そこから誰がどの役と固定しないで、次々と役が入れ替わりつつ一家の朝食の様子が描かれます。
ただ、コレ!と言ったポイントがなくて、80分程の舞台が長く感じられてしまいました・・・。
全体的な雰囲気とか演出とかは好きなんですけど、あとは台本が良いとグッと好きな団体さんになる気がしました。
満足度★★★
高い完成度のコメディ
とにかく評判が良いので期待して見てきました。
まず、開演前のセットが凄くしっかりと出来てるのに感心しました。
と同時に、きっちりセットを作るコメディは面白いけど目新しさがない、やや古い感覚で終始する場合が多いのでどうなるかな、と思ってみていたけど、オーソドックスなコメディだったと思います。
120分でした。
ネタバレBOX
大きな窓を作って、ビルから飛び降りようとする人を見せたり、エレベーターを作ったり、空間の広がりを感じる作りはとても良かったです。
でも、どうもこのコメディセンスが少し前の小劇場的なもの、という感じであまり心が踊らなかったです。
勘違いやドタバタの連続の末、かなり強引にハッピーエンド。
でも、あれは彼女との結婚のために一生懸命働いて、倹約して1000万円貯めた彼があまりに可愛そうな気が・・・。
結婚すれば、相手が必死になって貯めたお金を全部勝手に使って良いって考え方がどうなのか・・・。
あれじゃあ、あのカップルは結婚しても幸せになれそうもないなぁ。
満足度★★
現代アート
「フリータイム」以来久々に見ました。
正直なところ、演出面では「フリータイム」とそれほど変わったという印象はなかったです。
日常会話風に話される言葉。
でも、ずっとモノローグの連続で会話はなし。
セリフを喋る役者さんは身体をゆらしたり、変わったリズムで動かしたり、フラフラさせたり。
芸術としての演劇と見るとレベルが高いのかもしれませんが、舞台上で起こること全てに興味を持てず、セリフにも全く引きつけられず。
約90分、眠気との戦いに終始しました。
チェルフィッチュは演劇ではなく現代アートのパフォーマンスと考えて見に行く心の準備が必要だと感じました。
「それを見た人がどう感じるか」が大事なようなので、漠然としたものから積極的に意味を考えるのが好きな人にはお奨めします。
ネタバレBOX
セットもシンプルと言えばそうなのだけど、単に安っぽく寂しいようにしか見えませんでした。
「世界的に評価の高い芸術作品を鑑賞しに行きたい」方々向けです。
演劇に物語や感情の揺れ動きの表現を求める人には、何のこっちゃな舞台でしょう。
劇団員の山縣太一さんの存在が逆に浮いているように感じられました。唯一人間くさい存在感を出していたからだと思うけど。
あと、チェルフィッチュは現代の日本の若者の姿を表現しているように言われる事も多いけど、岡田さんはもう若者という歳でもないので、もっと成熟したものを作らないと、段々「岡田さんの頭の中だけに作られた現代日本の若者像」になってきてしまっている気がしました。
満足度★★★
王道コメディ
ある家を舞台にしたドタバタコメディで、勘違いの連続による笑いというある意味王道パターンでした。
セットがしっかりしていて小劇場のスケールを超えてると思いました。
ただ、この内容でいくなら2時間は長いので、1時間半に収めてほしいところでした。
ネタバレBOX
毒のない、悪者のいない分かりやすいライトコメディで役者さんもうまくて、演劇を始めて見るひとにはとてもとっつきやすい作品だと思います。
ただ、逆に沢山の演劇に触れる機会のある東京では、あまり目立たない存在になってしまうかも。
2階建てのセットをフルに使い切ったのは見ていて楽しかったです。
いくつもある出ハケ口や高さ、押入れなど隠れる場所の全てを効果的に使い切ってました。
ただ、アゴラでギュウギュウ詰めされると身動きできなくて身体中痛くなって、集中を欠いてしまいました・・・。
満足度★★★★
ぎっしりのオムニバス
再演1本を含む8本の短編オムニバスでした。
シベリア少女鉄道は2回目。長編一本で大きなネタを仕込んでくるより、ショートでいちいちネタが発動するほうが向いてる気もしました。
ただ、小ネタは多分理解できていない部分が多いと思うので、分かる人にだけ分かるネタ作りは演劇としてはどうか、と感じる部分もありました。
時間は130分弱くらい。
ネタバレBOX
短編オムニバスなのだけど、それぞれの話で共通する、裏設定にされている役者のバックグラウンドが録音された音声で流れて、実際の舞台上の役者とバックグラウンドがどんどん絡み合ってゆく、メタ構造の凝った作品でした。
ネタ的にはクスクス笑いの連続。爆笑まではいかない感じで。
満足度★★★★★
まじめなお芝居
JACROW初めてでした。
前から気になってたのですけど、もっと早く見なかったことを後悔・・・。
舞台上の緊張感がハンパなかったです。
演技も内容もコッテリ。
最近の小劇場は若者向けが顕著で子供っぽい内容が多いけど、これは骨太の大人が見れるお芝居で凄く好きでした。
ネタバレBOX
最後奥さんが旦那に対して取った冷たい態度が、彼を自殺へ向けてそっと肩を押してしまったのでしょうね。
色々と調べているうちに奥さんはそれを自覚してしまって、「ゴメンね」と最後言ったのでしょう。
中堅の社会人にこそ見てほしいお芝居です。
満足度★★★★
嘘のはなし。
当日パンフにも書いてあるのでここで書いても良いと思いますが、嘘についてのお話でした。
真実味のない嘘でも、心の隙間をついてくると信じたくなってしまう、そんな嘘のおはなし。
三が日は結構暇なので、こういう気軽に楽しめる公演があると助かります。
80分。
ネタバレBOX
中東の架空の国シャリバーンの王族の妃として迎えられるという壮大な嘘を信じて金をつぎ込む30過ぎの女性。
騙す男性はやさしく、ラストまで一言も「嘘だ」と言わないまま。
本当に嘘をついているのかどうかは最後まで本人の口からは発せられない。
30過ぎて不倫を続けるが、相手との将来も見えない銀行で勤める女性の心の隙間を付いてくる。
最初はマックのコーラからおごらされ、その次は78,000円の着物、そして結婚資金300万円とエスカレート。
その男性が以前騙していたとみられる女性が散々罵倒している姿を見ても、心では騙されていると理解していてもすがるようにお金を工面して銀行のお金を着服する犯罪まで犯してしまう女性。
素舞台にテーブルひとつだけ、役者は3名だけの舞台だけど、安心してみていられました。
満足度★★★★★
三度目の観劇でも色褪せず
初演から毎回見ているので、これで三度目の「春琴」でした。
でも、何度見ても全く色褪せなくて、何度でも見たくなってしまう不思議な魅力の舞台です。
ネタバレBOX
全体的に暗くて簡素な舞台は、役者たちの演技と、小道具を鮮やかに使い倒した演出で多彩な色合いを見せていました。
レパートリーとして何度もの上演に耐えうる、目論み通りの作品が出来上がっていました。
大筋はS女とM男の物語り。
それは劇中劇として進行する春琴に関する部分もそうだし、ラジオドラマのナレーターも。
古い日本の女性像というと「つつましい」という表現が思い浮かぶけど、強くわがままな女性というのも、権力がある女性の姿として度々歴史上にも文学上にも現れているので、これはこれで純粋な日本の表現だと思います。
ラストの破壊される三味線は、やはり衝撃的で美しい。
満足度★★★
難しい・・・
量子力学を分かりやすく書いた原作を舞台化した、という作品。
興味深々で鑑劇しました。
物理の世界をなんとか描こうと、試行錯誤している作品だけど、終演後のアフタートークで専門家の先生に質問されると演出家は言葉を詰まらせてしまう辺り、この作品を舞台化するにはまだまだ勉強の余地があるのかもしれません。
というか、専門に勉強している学生でも答えられなさそうな意地の悪い質問をしていたのも確かですけど・・・。
学者さんが語りだすと段々禅問答的になってしまうのが面白かったです。
役者さんのレベルも高くて、他の作品も見たくなりました。
ネタバレBOX
先生が気にかけていた、光子が警備員にみつかったときの「あっ!」って、確かに科学的には何なんでしょう?
とか考え出すととにかく深いみたいです。
自分にはこの舞台で伝えたかった事の10%も理解できてない気がします・・・。
有料で良いので、量子力学についての簡単な補助テキストのようなものがほしかったです。
満足度★★★★★
真剣に遊んでた!
最近のデスロック、多田演出作品では久々の大当たりでした。
「渡辺源四郎商店」との合同公演ということで、元の戯曲をたっぷりと活かしつつ、多田氏が好きそうな遊びをたっぷり取り入れていて楽しかったです。
見ていて思ったのが、最近の若手、ロロとかがやりたい事って多田氏の演出に近いのかな、と言うこと。
古典が多い多田氏の最近の作品と違って、今回は元の戯曲が現代口語の戯曲で会話がしっかり書かれているから余計そう感じたのかもしれないです。
今回の公演を見る限り、やはり先輩の多田氏の方がはるか先に行っている感じ。
役者のレベルの高さもあるのかもしれないですが。
ネタバレBOX
当パンにも畑澤氏、多田氏が共にプロレス好きという共通点が書かれていましたが、最初にリングアナ風に導入があって、選手入場ならず役者入場があるのはプロレスと言うよりK-1や総合格闘技的でした。
本編は、戯曲の言葉を大切にして、そこから更にイメージを広げる遊びたっぷりの演出。
頑固な空手家の父と、娘の恋人(実際は既に結婚済み)が初めて会った時は、まるで決闘のシーンのようにお互いが距離を測って緊張感たっぷりだけど、セリフはごく普通で、手土産を渡すだけだったりとか。
役者さんが魅力的なのは、渡辺源四郎商店と組んだ事による魅力かもしれません。
パズルを組立てる痴呆の老人役、宮越さんが途中セリフを止めて、最初からリングアナとして舞台に居た間野さんがプロンプするのは演出なのかガチなのかどうか分からないけど、和やかに笑って済ませられる暖かい空気が舞台上に生まれていました。
舞台上手の出ハケは病室の中、客席の階段を使った出ハケが外界との出入りを現しているのも分かりやすかったです。
最後、カーテンコールが済んだ後も、順行性健忘症で入所している父だけは上手の出ハケから去って、他の人たちは階段を登ってハケていったのが印象的でした。
あと、例によって夏目さんの肉体をイジめ抜く演出が楽しいです。
はじめて恋人の父親に会った、というのを演じるシーンでは、空気椅子に座るすることでひとり汗まみれでつらそうなあたりが、爆笑だけど効果的でした。
次男と夏目さんが組んで、悪のレントゲン技師役の畑澤さんとプロレスをするところもおかしくて、畑澤さんのヒールっぷりがプロレスしてて楽しかったです!
客席のイスを持ち込むのはプロレスでは常套手段だけど、演劇ではなかなか見ないので斬新でした。
撃退した後、次男が非常に頭の悪い感じにヘラヘラしながらセリフを言って外へ出て行った後、夏目さんが「ああいう若い人がいる限り、日本の将来はまだまだ安心だな」と言っていたのが、セリフと舞台上の出来事にあまりにギャップありすぎて爆笑でした。
戯曲が良くて、それを元に最高に遊び倒していたこの作品は、戯曲でシミジミ、演出で爆笑の傑作だったので、もっと多くの人が見れると良いのにな、と感じました。
満足度★
客入れ要領が悪い・・・
本編の内容以外のところで色々と気分を害してしまい、まともに舞台を楽しむ余裕がなかったです。
ネタバレBOX
予約していた受付を済ませると「あちらで並んでお待ちください」と言われる。
でも、前の人が全然入場しようとしない。
客入れはイソイソと動き回っているけど客席が足りないのか、席を作りながら案内している。
で、待ってたらどんどん後から来たほかの客が先に案内されてゆく。
いつまで待てば良いんだろう?と思って聞いたら「あ、じゃあ席を作るんでお待ちください」だって。
単に受付と客入れの連携が悪いだけだと思うけど、そのために後から来た客を横目に待たされる不愉快さを考えて欲しいです。
しばらく待たされて通されたのは、無理やり作った最前列のミニチュアパイプイス席。
座るだけでつらいし、最前列でみづらいし、ケツは痛くなるし・・・。
もう、公演の内容以外のところで見る気をすっかり無くされました。
多分この団体はもう見る事はないと思います。
絶賛の書込みが多い中(うち半分は身内のサクラに思えますが)申し訳ないけど、話は引き込まれるわけでもなく、共感するわけでもなく中途半端な感じ。
あと、この小さな劇場に不釣合いな、不必要なくらい大きな芝居に興味を失いました。
ウマい役者さんたちなのかもしれないけど、こういった小さな小屋だといかにも「お芝居」しているようにしか見えなくて、見ていて恥ずかしい。
しかも2時間以上の上演時間。
更に上演後に「良かったと思ったら宣伝してください!」アピールを延々続けるのでカンベンしてください。
腰もお尻も痛いので早く立ち去りたいのに。。。
当パンの無い席だったので、普段ならスタッフに声をかけてもらうのですが、この時は客入れも席も芝居内容も不満で、初めて当パンをもらわないまま即帰宅しました。
満足度★★★
戯曲と演出がかみ合ってないかな?
谷賢一氏による緻密で繊細な戯曲。
だけど、演出がどうなのか疑問を感じてしまいました。
とにかく時間を長く感じてしまいました。
このサイズの劇場でやるなら、あれだけ大きな演技ではなくてもっと繊細で細かくてリアルな演技で見たかったです。
全体的にテンション高すぎで、戯曲と演出がかみ合ってない気がしました。
ネタバレBOX
全集出版のために、倉庫で失踪した作家の遺稿を発掘する女性編集者。
失踪した影に秘められた数々のエピソードが関係者のインタビューという形式で、時間軸を縦横無尽に使って語られてゆきます。
でも、2時間以上の時間をかけて辿り着いたわりには、真実は他愛もなかった、という感想でした。
100分にまとめれば、まだ良かったと思います。
満足度★★★★
好企画!
これだけの若手の優秀な演出家を4名も揃えて太宰に挑む。手法も解釈も様々。
これだけの演出家、役者を一気にみれるだけでも贅沢な空間でした。
ネタバレBOX
谷賢一氏の「人間失格」が全体から2歩も3歩も抜け出していた印象でした。
正直なところあるひとつのテーマに絞っての短編の競演は、演出家が趣向をこらして様々な演出を試してみてもある統一された色があるので、ちょっと見ていてダレてしまいます。
これはルデコで先日行われた「視点」を見て感じた事。
で、それなら 15 minutes made のように完全に自由に創作した方が見ていてダレることが無くて良いなと思ってました。
でもそれはやはり作品に力があれば別で、谷賢一氏の演出と主演コロさんの魅力で、「人間失格」だけはこの舞台が別空間と感じるほど劇場全体を支配していました。
他の作品も良かったのだけど、「人間失格」だけは別格でした。
評価は企画全体に。
満足度★★★★★
良い緊張感
実際にあった飛行機事故を題材にした、残されたひとたちの話。
はじまりのゆるりとしたところから、緊迫した空気までを描き出す展開が素晴らしいです。
鳥肌が立つほどゾクりとする。
演劇の力を見せつける傑作でした。映像ではなかなかこうはいかない。実際に役者が、生きた人間が目の前にいる事の力を感じました。
約100分。
ネタバレBOX
事故発生から5年後が舞台だけど、事故によって人生を確実に狂わされた人たち。
集まるのは遺族だけでなく加害者側の航空会社の社員や記者、検死に立ち会った医師等など。
遺族も立場は様々で、亡くなった息子をいつまでもひきずって生きている母親や、娘を亡くした事で今後同じような事故を起こさせないために必死に調査や活動を行ってゆく父親、妻を失ったが健気に周りを暖かい気分にさせてくれる男性等など。
そして、事故では加害者側の航空会社職員も亡くなっている。
姉が事故機でスチュワーデスをしていて亡くしたが、他の遺族から見れば事故を起こした会社の職員というだけで冷たく見られる女性。
舞台は様々な立場の人たちが、遺族の企画した講演会の準備ために集まった一室で展開するほぼ一幕もの。
様々な立場がぶつかり合う中で、「お世話係」をしていた男がこらえきれず「申し訳ありませんでした!」と土下座するシーンで鳥肌が立ちました。
自分が起こした事故ではないのに、その会社の職員としてお世話係を務めたばかりに謝ることしかできない男の姿は哀れだけど救われるものがありました。
緊迫した場面で取材に来ていた記者が「パシャリ!」と写真を撮る。無神経な行為に激怒する人々だけど、「あなた達が写真に残したいのはこの瞬間かと思いましたけど、どうやら違ったようです」と言って記者はフィルムを抜き出す。
真実の現場を残したいという冷静な気持ちだけでの行動だったけど、冷酷なようだけど真実を射抜いたシーンでした。
あの場で必要だったのは記念写真のような集合写真ではなかったのは確かだと感じました。
どんどんと緊張が高まり、人と人とが本音でぶつかり合う。答えなんてないのは分かっている。
自分が見た風琴工房さんの舞台では間違いなく最高傑作でした。
満足度★★★★
救い
ファンタジーな作風の中に現実をピリリと交えてくるこゆび侍さん。
でも、今回のファンタジーな部分は必要だったのかな?
成長した少女とある企みとがうまく噛みあっていないというか、別にまとめる必要はなかったのではないかな、と感じてしまいました。
ある企み、テロが計画され進行してゆく中、複雑に絡み合う人間関係からくる緊迫感がとても引き込まれました。
それだけでも十分成立していたと思います。
その部分が自分的には圧倒的に面白かったです。
ネタバレBOX
少女の贖罪の物語というけど、この台本の中心になっていたのかどうかはちょっと疑問。
でも、原発の爆破を計画する人々と、その一筋縄ではいかない人間関係に引き込まれました。
町おこしのためにフェスを開いて3万人の客を集め、そのフェス会場でもある原発を爆破するという大胆な計画。
原発職員や町の職員が裏で計画しているというのが悲しい。
原発反対のために大事故を起こすという計画は恐ろしい。
そんな緊張感とスピード感、メンバーの裏切りが占める後半が特に手に汗握る展開で、素晴らしかったです。
満足度★
水準には達してないかな?
話題の18歳演出家の旗揚げ公演ということですが、ここでの評判がいまいちなので期待しすぎないように見てきました。
ちょっと残念な舞台でした・・・。
まず舞台美術がイマイチ。
黒い何もない空間に白い四角の台があるだけ。
若い役者さんたちはセリフを言うので精一杯という感じで、セリフは全て同じ調子だし、身体が舞台に立てていなかったですね。
この演技でOKを出さずに、演出はもっと役者の演技を根本から変えるくらいの事をした方が良かったと思います。
作家としては頭で先行して作っている感じで、感性がついて行っていないチグハグ感がしてしまいました。
ネタバレBOX
左手首を切った、世界中から新作の絵を期待される若い高校生の女の子の苦悩。
らしいけど、その時点で既にリアリティが感じられないのが残念。一枚絵がコンクールで優秀賞を取ったからと言って世界が待ち望む画家になれるほど絵の世界は甘くないと思う。
そして精神を病んで精神病院に入院する女の子。
そんな彼女は夢を見る。ジャンヌダルクの夢。
フランスを救うため戦い英雄となったが、裏切られ死んでいった少女。
ふたつの世界を重ねるのは面白いのだけど、役者が異なる2つの世界の空気を演じ分けないといけないくて、今回の若い役者さんには損な難しい台本だったと思います。
役者陣で良かったのは、天皇とシャルルを演じた男の子と看護師を演じた女の子。
プロとしてお金を取って一般向けに演劇を作る気概は立派だし、ここまで注目を集めたセルフプロデュース能力は素晴らしかったです。
でも、それを活かせなかった、中身がついて来なかったのが残念でした。
あと5年、10年続けて結果を出すくらいの根性を見せてくれると嬉しいです。