葬送の教室 公演情報 風琴工房「葬送の教室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    良い緊張感
    実際にあった飛行機事故を題材にした、残されたひとたちの話。
    はじまりのゆるりとしたところから、緊迫した空気までを描き出す展開が素晴らしいです。

    鳥肌が立つほどゾクりとする。
    演劇の力を見せつける傑作でした。映像ではなかなかこうはいかない。実際に役者が、生きた人間が目の前にいる事の力を感じました。
    約100分。

    ネタバレBOX

    事故発生から5年後が舞台だけど、事故によって人生を確実に狂わされた人たち。
    集まるのは遺族だけでなく加害者側の航空会社の社員や記者、検死に立ち会った医師等など。
    遺族も立場は様々で、亡くなった息子をいつまでもひきずって生きている母親や、娘を亡くした事で今後同じような事故を起こさせないために必死に調査や活動を行ってゆく父親、妻を失ったが健気に周りを暖かい気分にさせてくれる男性等など。
    そして、事故では加害者側の航空会社職員も亡くなっている。
    姉が事故機でスチュワーデスをしていて亡くしたが、他の遺族から見れば事故を起こした会社の職員というだけで冷たく見られる女性。

    舞台は様々な立場の人たちが、遺族の企画した講演会の準備ために集まった一室で展開するほぼ一幕もの。

    様々な立場がぶつかり合う中で、「お世話係」をしていた男がこらえきれず「申し訳ありませんでした!」と土下座するシーンで鳥肌が立ちました。
    自分が起こした事故ではないのに、その会社の職員としてお世話係を務めたばかりに謝ることしかできない男の姿は哀れだけど救われるものがありました。

    緊迫した場面で取材に来ていた記者が「パシャリ!」と写真を撮る。無神経な行為に激怒する人々だけど、「あなた達が写真に残したいのはこの瞬間かと思いましたけど、どうやら違ったようです」と言って記者はフィルムを抜き出す。
    真実の現場を残したいという冷静な気持ちだけでの行動だったけど、冷酷なようだけど真実を射抜いたシーンでした。
    あの場で必要だったのは記念写真のような集合写真ではなかったのは確かだと感じました。

    どんどんと緊張が高まり、人と人とが本音でぶつかり合う。答えなんてないのは分かっている。

    自分が見た風琴工房さんの舞台では間違いなく最高傑作でした。

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    2010/10/10 23:59

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