無題
不覚にも号泣した。この作品は実際の事故を題材にしているけれどフィクションだという。しかし下手なドキュメンタリーよりずっと伝わってくるものがあったと思う。
私も理系でかつて研究職にあった人間だから、この作品の主人公に感情移入するのは容易だ。いつまでもクヨクヨしていても仕方ないし、死んだ者は帰ってこないのだから、事故の原因究明や生存率向上を図るための努力をしていくべきだと考える。そして、ヒステリックに泣きわめき続けるような人を愚かだと見下してしまう。この作品を観るまでは、そんな自分は冷静で正しいと思っていた。
しかしこの作品を観て初めて、泣き続ける人の気持が理解できた気がする。合理的に割り切ることができない心情が“見えた”気がする。共感できるかどうかはわからないが、合理的に割り切ることだけが正しい姿勢ではないということはわかった。
嗚咽が漏れるほど泣いた芝居は初めてだ。なぜそんなに涙が溢れたのかわからないが、多分、凄まじい悲劇が語られているのに悪者が一人も登場しないからだと思う。
満足度★★★★
どれもが合っている
どの役者が吐く台詞も、どの役者が演じたキャラの心情も、どれもが間違ってないと感じさせられる。
役者陣に関しては、演技など相当苦労したと思われるが、客席まできちんと、気持ち・心情・痛みなど伝わってくるように作り上げた、詩森さんと各役者陣に脱帽です。
素晴らしい舞台でした。
満足度★★★★★
期待どおりの力作でした
出版物、映像などを通してもこの事件については関心を持ってきただけに、今回の舞台化には強くひかれた。
演劇ならではの魅力を実感。
場内の嗚咽と、終演後の鳴り止まない拍手が印象に残った。
演技ということを忘れるほど、俳優がすばらしかった。特に佐藤、根津、岡森さん。
1時間40分という上演時間内に見事に凝縮している点を高く評価したい。こういうテーマだと、いくらでも長く書きたくなるものだと思うが、さすが詩森ろばさんだ。「秘すれば花」といった矜持さえ感じた。
演劇愛好家で観劇なれしている人はあまり気にならないかもしれないが、関係者との付き合いで観にいく知人・友人など一般客の間では、昨今の小劇場の長時間作品への風当たりはけっこう強いのだ。
満足度★★★
みた
チラシ写真やタイトルとは違う内容で、少し肩透かしを食った。そうした作品はたくさんあるけれども、実話をもとにした物語だから、そのぶん変化球を期待する気持ちがあったのかも知れない。
人物同士の気持ちのぶつかり合いはわかる気がする。だから、、
満足度★★★
スキがない…
ストーリーにスキなし、役者にスキなし、セリフにもスキなく…「ここ、聞かせどころです、泣き所です」というのがハッキリと示されてくる。客席の周りからは、タイミングよく嗚咽さえ聞こえてきました。作品としてのひとつの成功でしょう。…ただ、個人的には、ちょっと逆に引いてしまいました。
満足度★★★★★
『hg』の感動ふたたび
理路整然とした語り口でありながらも序盤から各人物の心情が直接こちらの心に伝わって来るよう。
違いはありながらそれぞれ前向きでなおかつ少しだけ遠慮もしている各人物たちもきっちり役割を担って的確に描き分けられているし、そんな内容をさりげなくしかしシッカリ際立たせる照明もイイ。
で、最大のヤマ場を何とか乗り切った、と油断していたらまんまと罠にかかってエピローグ直前に涙…。
そんなところも含めて『hg』の感動ふたたび…いや、上回ったかも?
満足度★★★★★
くっきりと強く深く
舞台に
くっきりと、
役者たちの秀逸なお芝居が重なり合って・・・。
気がつけばしっかりと命を背負った
想いたちの歩みに
深く浸潤されていました。
類稀な傑作だと思います。
満足度★★★★★
素晴らしい
内容のことを考えると、劇場へ向かうのも足が重かったのだけど、
これは本当に素晴らしい舞台だった。観に行って良かった。
観たいけど重そうな話だし・・・と悩んでいる方、
(空席があるかわかりませんが)観に行かれることをお薦めします。
満足度★★★★★
ドラマの力
わたしが、演劇のちからを信じたくなるのは、こういうときだ、と思う。
ひと一人の身体や心のサイズをこえて、何か大きなもののために作品が存在し
観客が立ち会っている、このとき。そのことを感じられただけで、心ふるえるような時間を過ごせました。
満足度★★★★★
志の高い作品
あの事件を題材に、なかなか、ここまで力強く未来は語れない。あんなにも背筋が伸びた人間たちは描けない。その志の高さに、頭が下がる。
満足度★★★★★
ストレートに伝わる
モチーフになった事故のあと、いろんな立場からの手記や文を読んだが、
これほど伝わってきたのは初めてかもしれない。
凄惨を極めた事故の様子もそうだが、遺族のやり場のない悲しみや怒りが
ひしひしと伝わってきた。そして自分へ置き換えてみた。
自分だったらどの立場をとるだろうか。
偏りのないバランスのいい作品でした。
すごい・・・
満足度★★★★★
今年のいちばん
あの事故から25年。ずいぶんと年月が経ったのだと思いますが、25年経ったからこそできた舞台なのかもしれません。いくつかの小説になり、それを原作にいくつかの映画が作られましたが、そのどれも読んだり観たりしていませんでしたが、この舞台ひとつで、私は満足です。「天皇と接吻」の衝撃と同じ衝撃を感じました。恐るべしスズナリ。
満足度★★★★★
すごい
面白いとかそういう言葉ではチープになってしまうと思うほどすごかった。
観劇中にあんなに周りですすり泣く音を聴いた劇はありません。
当日券で飛び込みだったんですが
見逃さなくてよかったと思えるクオリティー!
満足度★★★★★
良い緊張感
実際にあった飛行機事故を題材にした、残されたひとたちの話。
はじまりのゆるりとしたところから、緊迫した空気までを描き出す展開が素晴らしいです。
鳥肌が立つほどゾクりとする。
演劇の力を見せつける傑作でした。映像ではなかなかこうはいかない。実際に役者が、生きた人間が目の前にいる事の力を感じました。
約100分。