葬送の教室 公演情報 葬送の教室」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-20件 / 30件中
  • 満足度★★★★★

    緊迫。
    引き込まれた。あの打ち合わせ現場に居るような気分になり、なんだかいたたまれなくなったにゃあ

  • 無題
     不覚にも号泣した。この作品は実際の事故を題材にしているけれどフィクションだという。しかし下手なドキュメンタリーよりずっと伝わってくるものがあったと思う。

     私も理系でかつて研究職にあった人間だから、この作品の主人公に感情移入するのは容易だ。いつまでもクヨクヨしていても仕方ないし、死んだ者は帰ってこないのだから、事故の原因究明や生存率向上を図るための努力をしていくべきだと考える。そして、ヒステリックに泣きわめき続けるような人を愚かだと見下してしまう。この作品を観るまでは、そんな自分は冷静で正しいと思っていた。

     しかしこの作品を観て初めて、泣き続ける人の気持が理解できた気がする。合理的に割り切ることができない心情が“見えた”気がする。共感できるかどうかはわからないが、合理的に割り切ることだけが正しい姿勢ではないということはわかった。

     嗚咽が漏れるほど泣いた芝居は初めてだ。なぜそんなに涙が溢れたのかわからないが、多分、凄まじい悲劇が語られているのに悪者が一人も登場しないからだと思う。

  • 満足度★★★★

    どれもが合っている
    どの役者が吐く台詞も、どの役者が演じたキャラの心情も、どれもが間違ってないと感じさせられる。
    役者陣に関しては、演技など相当苦労したと思われるが、客席まできちんと、気持ち・心情・痛みなど伝わってくるように作り上げた、詩森さんと各役者陣に脱帽です。
    素晴らしい舞台でした。

  • 舞台と想像
    舞台を観ながら想像していた。それはその事故のことであったり、自分の中にある何かであったり。痛みを感じられる質の高い舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    期待どおりの力作でした
    出版物、映像などを通してもこの事件については関心を持ってきただけに、今回の舞台化には強くひかれた。
    演劇ならではの魅力を実感。
    場内の嗚咽と、終演後の鳴り止まない拍手が印象に残った。
    演技ということを忘れるほど、俳優がすばらしかった。特に佐藤、根津、岡森さん。
    1時間40分という上演時間内に見事に凝縮している点を高く評価したい。こういうテーマだと、いくらでも長く書きたくなるものだと思うが、さすが詩森ろばさんだ。「秘すれば花」といった矜持さえ感じた。
    演劇愛好家で観劇なれしている人はあまり気にならないかもしれないが、関係者との付き合いで観にいく知人・友人など一般客の間では、昨今の小劇場の長時間作品への風当たりはけっこう強いのだ。


    ネタバレBOX

    事故直後、本作のモデルとなった事故機の航空会社の社員のかたから、社内の空気や、殺到した苦情電話の対応マニュアルをめぐり、社員間の人間関係もギクシャクしたことなどを伺っていたので、いっそう、うなずけるものがあった。
    1人旅させた9歳の息子を失った夫婦と、妻を失い、子供のいない鉄工所経営者、娘を失い、遺族会のイニシアチブをとる技術者の紳士たちの、あえて互いの反発を語る場面に胸えぐられる思いだった。
    劇化するにあたり、短絡的な誤解や批判も出るのは百も承知のうえだと思うだけに、詩森さんの挨拶文には、毅然とした崇高な姿勢の中にも深い哀切と愛情を感じた。
  • 満足度★★★

    みた
    チラシ写真やタイトルとは違う内容で、少し肩透かしを食った。そうした作品はたくさんあるけれども、実話をもとにした物語だから、そのぶん変化球を期待する気持ちがあったのかも知れない。

    人物同士の気持ちのぶつかり合いはわかる気がする。だから、、

    ネタバレBOX

    だから終盤、航空会社の2人が去った後に突然やってくる和やかな空気に違和感を感じた。緊張感を緩和させたどさくさで風呂敷を包んだなという印象。
    あまり気持ちが入り込めず、なぜいまこの題材で、さらに舞台にしようとしたのか、そればかり気になった。
  • 泣きすぎた
    息が詰まるほどの密度で、何度も自分のからだをたしかめては震え、泣いた。
    取り返しのつかないもの達を扱いながら、未来へ向いている。
    素晴らしかった。

  • 満足度★★★★★

     
    観劇

  • 満足度★★★

    スキがない…
    ストーリーにスキなし、役者にスキなし、セリフにもスキなく…「ここ、聞かせどころです、泣き所です」というのがハッキリと示されてくる。客席の周りからは、タイミングよく嗚咽さえ聞こえてきました。作品としてのひとつの成功でしょう。…ただ、個人的には、ちょっと逆に引いてしまいました。

    ネタバレBOX

    日航機墜落事故といえば、翌年に劇団・離風霊船が発表した作品『赤い鳥逃げた』のことが忘れられません (もっとも、自分は再演でしか観ていませんが)。ユーモアとヒネリがたっぷりに効いた中に、メッセージを潜ませられていて圧倒されました。

    また、ノンフィクション作品としては吉岡忍の『墜落の夏』という、メーカーの責任とその「逃げ」までもを浮かび上がらせた鋭い切り込みの作品がありましたし、ほかにも自衛隊陰謀説からさまざまな書かれた作品があったと記憶しています。

    これらと比較すると、今回の『葬送の教室』は、演劇としては観客サイドの想像の遊びがゼロに近くて、まるで学校教育用の芝居を見ている気がしてしまいました。  一方、これを「航空会社だけでなく、国・遺族を巻き込んだ安全対策へ!」という新たなメッセージと読みとるのであれば、演劇という手法は、その精密さにおいてやや情報不足気味で、情緒的すぎる気がします。

    ま、簡単にいうと、CoRich!のみなさんの書込みの盛り上がりのせいで、「期待値」が2段階くらい上がって見てしまった…というだけですけどね。観る前の高評価というのも、両刃の刃です…という意味で、厳しめの評価、ご容赦下さい。
  • 満足度★★★★★

    『hg』の感動ふたたび
    理路整然とした語り口でありながらも序盤から各人物の心情が直接こちらの心に伝わって来るよう。
    違いはありながらそれぞれ前向きでなおかつ少しだけ遠慮もしている各人物たちもきっちり役割を担って的確に描き分けられているし、そんな内容をさりげなくしかしシッカリ際立たせる照明もイイ。
    で、最大のヤマ場を何とか乗り切った、と油断していたらまんまと罠にかかってエピローグ直前に涙…。
    そんなところも含めて『hg』の感動ふたたび…いや、上回ったかも?

  • 満足度★★★★★

    くっきりと強く深く
    舞台に
    くっきりと、
    役者たちの秀逸なお芝居が重なり合って・・・。

    気がつけばしっかりと命を背負った
    想いたちの歩みに
    深く浸潤されていました。

    類稀な傑作だと思います。

    ネタバレBOX

    最初のシーンがシンプルに
    物語に観客を引き入れ、
    道標を観る側に置いて。

    シーンが移り
    枠組みの内側の物語がゆっくり立ち上がっていく。
    その場に人が集うごとに
    急ぐことなく、でも冗長になることもなく
    的確に、空気が醸成されていきます。

    遺族、航空会社の関係者、当時の検察医、新聞記者・・・、
    それぞれに想いがあって。
    理性で抑制された想いも
    理性から溢れだした想いも
    不要なバイアスがかけられることなく
    秀逸な解像度で描き出されていきます。
    役者達から伝わってくる想いに
    観る側が信じることができるだけの
    実存間があるのです。

    立場は違っても、
    その修羅場に立会った心情や
    その事故で失われた命に対する
    それぞれの想いの真摯さがしっかりと伝わってくるから
    立場が交錯し、
    躊躇が生まれ、
    貫かれ、
    或いは揺らぐ姿に曇りがない。
    立場の差こそあれ
    それぞれのキャラクターが、
    あの日の修羅に立会い
    失われた命を抱えて過ごした姿が、
    冷徹なほどクリアに伝わってくる。

    そして、その重さが、個々の立場に絡み合って、
    様々な軋轢が舞台を満たしていきます。
    纏うものと事故の修羅の間に挟まれて
    キャラクターたちから滲み出して来る
    それぞれの想いが
    怒りや苛立ちや痛みとともに
    観る側を巻き込んでいく。
    その中でも歩みを進め、
    冷徹に事故の再発へと向かう娘を失った男の姿に
    息を呑む。
    ひとりずつの事故への思いに加えて
    感傷でも美談でも括られることのない
    背負った命の重さに支えられたような
    執念のあからさまさに
    強く心を打たれる。

    舞台上にステレオタイプの正しさなどはなくて
    それでも、その場の人々は、
    その男の歩みに連れられるように
    それぞれの一歩を踏み出していきます。
    検察医も新聞記者も、
    殉職した姉を持つ女性も
    個々の遺族たちも、
    ・・・そして航空会社の職員たちも
    それぞれの形で歩みを進める。

    男の歩みはやがて、冒頭のシーンに行き着く。
    それは、物語の場面から
    長い時間をかけての
    達成の姿なのだと思う。
    でも、2度目のそのシーンには
    冒頭とは異なった、
    単なる達成感に留まらない
    修羅の時に身を置いたものたちへの
    深い鎮魂の思いを感じて。

    そこには残されたもの、
    そしてその事故を背負いつづけたものたちの
    質感がしっかりと宿っていました。

    観終わってから、時間がたっても
    舞台の印象がさらに様々に解けて
    心を満たす。

    作劇のすばらしさに加えて
    役者達の安定感や作り出す圧倒的な密度に支えられ
    舞台美術や照明にも
    しっかりと捉えられて。

    この舞台、
    再見するというよりは、
    時間を置いて再び観たいと思う・・・。

    本当に秀逸な舞台だったと思います。
  • 満足度★★★★

    お、
    考えてしまう。雰囲気よし。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    内容のことを考えると、劇場へ向かうのも足が重かったのだけど、
    これは本当に素晴らしい舞台だった。観に行って良かった。
    観たいけど重そうな話だし・・・と悩んでいる方、
    (空席があるかわかりませんが)観に行かれることをお薦めします。

  • 満足度★★★★★

    ドラマの力
    わたしが、演劇のちからを信じたくなるのは、こういうときだ、と思う。
    ひと一人の身体や心のサイズをこえて、何か大きなもののために作品が存在し
    観客が立ち会っている、このとき。そのことを感じられただけで、心ふるえるような時間を過ごせました。

    ネタバレBOX

    ポストパフォーマンストークのゲストは、実際の事故で遺体引き渡しを
    4か月にわたって担当された、当時群馬県警にいらした、飯塚訓さん。
    単なる作品の話にとどまらない、講演のようなお話しを
    伺うことができました。
  • 満足度★★★★★

    志の高い作品
    あの事件を題材に、なかなか、ここまで力強く未来は語れない。あんなにも背筋が伸びた人間たちは描けない。その志の高さに、頭が下がる。

    ネタバレBOX

    劇中でも触れられていた、乗務員の遺族がCAになる、というのは実話らしい…。すごい…。

    あと、もし興味(と覚悟?)があれば、どうぞ。【JAL123ボイスレコーダー】http://www.youtube.com/watch?v=Xfh9-ogUgSQ&feature=related
  • 満足度★★★★★

    ストレートに伝わる
    モチーフになった事故のあと、いろんな立場からの手記や文を読んだが、
    これほど伝わってきたのは初めてかもしれない。
    凄惨を極めた事故の様子もそうだが、遺族のやり場のない悲しみや怒りが
    ひしひしと伝わってきた。そして自分へ置き換えてみた。
    自分だったらどの立場をとるだろうか。
    偏りのないバランスのいい作品でした。
    すごい・・・

  • 満足度★★★★★

    今年のいちばん
    あの事故から25年。ずいぶんと年月が経ったのだと思いますが、25年経ったからこそできた舞台なのかもしれません。いくつかの小説になり、それを原作にいくつかの映画が作られましたが、そのどれも読んだり観たりしていませんでしたが、この舞台ひとつで、私は満足です。「天皇と接吻」の衝撃と同じ衝撃を感じました。恐るべしスズナリ。

  • 満足度★★★★★

    すごい
    面白いとかそういう言葉ではチープになってしまうと思うほどすごかった。
    観劇中にあんなに周りですすり泣く音を聴いた劇はありません。

    当日券で飛び込みだったんですが
    見逃さなくてよかったと思えるクオリティー!

    ネタバレBOX

    ちょいちょい女性のセリフにでてくる「…ですわ」口調が
    なんだか不自然に聞こえてしまって
    そこだけフッと冷めてしまった…
  • 満足度★★★★★

    おもしろかったです。
    脚本の作りこみが見事すぎる。
    NHKもこんな番組をもっと作ってください。
    東京なんちゃらも、いいけどさ。

  • 満足度★★★★★

    良い緊張感
    実際にあった飛行機事故を題材にした、残されたひとたちの話。
    はじまりのゆるりとしたところから、緊迫した空気までを描き出す展開が素晴らしいです。

    鳥肌が立つほどゾクりとする。
    演劇の力を見せつける傑作でした。映像ではなかなかこうはいかない。実際に役者が、生きた人間が目の前にいる事の力を感じました。
    約100分。

    ネタバレBOX

    事故発生から5年後が舞台だけど、事故によって人生を確実に狂わされた人たち。
    集まるのは遺族だけでなく加害者側の航空会社の社員や記者、検死に立ち会った医師等など。
    遺族も立場は様々で、亡くなった息子をいつまでもひきずって生きている母親や、娘を亡くした事で今後同じような事故を起こさせないために必死に調査や活動を行ってゆく父親、妻を失ったが健気に周りを暖かい気分にさせてくれる男性等など。
    そして、事故では加害者側の航空会社職員も亡くなっている。
    姉が事故機でスチュワーデスをしていて亡くしたが、他の遺族から見れば事故を起こした会社の職員というだけで冷たく見られる女性。

    舞台は様々な立場の人たちが、遺族の企画した講演会の準備ために集まった一室で展開するほぼ一幕もの。

    様々な立場がぶつかり合う中で、「お世話係」をしていた男がこらえきれず「申し訳ありませんでした!」と土下座するシーンで鳥肌が立ちました。
    自分が起こした事故ではないのに、その会社の職員としてお世話係を務めたばかりに謝ることしかできない男の姿は哀れだけど救われるものがありました。

    緊迫した場面で取材に来ていた記者が「パシャリ!」と写真を撮る。無神経な行為に激怒する人々だけど、「あなた達が写真に残したいのはこの瞬間かと思いましたけど、どうやら違ったようです」と言って記者はフィルムを抜き出す。
    真実の現場を残したいという冷静な気持ちだけでの行動だったけど、冷酷なようだけど真実を射抜いたシーンでした。
    あの場で必要だったのは記念写真のような集合写真ではなかったのは確かだと感じました。

    どんどんと緊張が高まり、人と人とが本音でぶつかり合う。答えなんてないのは分かっている。

    自分が見た風琴工房さんの舞台では間違いなく最高傑作でした。

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