斉藤可南子の観てきた!クチコミ一覧

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水質調査官

水質調査官

劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい2時間弱でした
こんなに惹きつけられてお芝居を観たのは久しぶりです。面白かった。面白かった。足りないので二回言いました。

ネタバレBOX

ラストが突然ぶった切られたようでびっくりしました。一瞬、拍子抜けかと思いましたが、帰途のなか「あれでよかった」と思いました。
帰り道に考えて納得する、演劇の余韻の最高のひとつです。

それでも欲を言うならば、もう2時間ぐらい、彼らの時間(の進み)を見ていたかったです。
もちろん喩えです。でも本音です。
ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

テアトルBONBON(東京都)

2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

ものすごくよかったです
とってもサイエンスファンタジー。ですが、理論を理解する必要はないので、ストーリーに入り込むのは簡単でした。
全部とってもよかったのですが、特筆するならムラマツベスさんの演技が本当によかったです。でもみんなよかったです。
11月9日追記:開始30分ぐらい?までは、レイ・ブラッドベリ『宇宙船乗組員(スペースマン)』にだいぶ似ていて、最後までこのままだったらどうしよう?と不安になりました。途中から全然違う話になって、そこからは安心してのめり込めました。書き手がこの作品を知っている(ことを隠していない)ヒントがちりばめられてはいましたが、知らない人はオリジナルだと思っちゃうかなと。ちなみに私は萩尾望都の漫画化版で知りました。

ワタシュゴ ~もののけ冒険譚~

ワタシュゴ ~もののけ冒険譚~

Creative Company Colors

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/07/06 (水) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

好みじゃなくても納得・満足させられました
面白かったです。正直に言うとエンタメ芝居も殺陣芝居も得意ではないので、自分が楽しめるものかな?と思っていたのですが、取り越し苦労でした。
商業演劇で6、7000円でやりそうなお芝居を、半ば(ほぼ?)手作りで4000円。舞台美術、演出の仕掛け、殺陣、衣装脚本もちろん演技…相当な労力と情熱がなければここまでのものは作れないだろうと、敬意すら抱きます。
二時間半近い上演時間でしたが、体感もぴったりそのぐらい。この長丁場を長いと感じさせない、飽きさせないのは素晴らしい手腕だと思います。

ジオグラフィア

ジオグラフィア

劇団バッコスの祭

ザ・ポケット(東京都)

2016/02/10 (水) ~ 2016/02/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

さすがです
バッコスの祭を観るのは二度目です。前回公演が良かったのでまた観に行きました。
期待にたがわぬ面白さ。わたし好みの「80年代感」と、2010年現代の誰にでも受け入れられるであろう整頓された感じとエンタメ感の、絶妙な融合。個人的にはもうちょっと役者の居住まいがガチャッとしている方が好きですが、万人受けならこのさじ加減だと思います。やっぱり、成長する劇団さんは違うな、と思いました。
脚本、演出とも変わらぬ高レベル。伊能忠敬とはあまり関係ないかも…ですが、面白ければいいでしょう!脚本家は、突出して頭がいいか感性が鋭いかしないと、鑑賞に堪えるものは作れない、と再確認しました。
出演者ではとにかく丹羽さん!看板役者さんのようですが、本当に素晴らしい。演技も体術も申し分なし。特に殺陣には目を見張るものがありました…と言うのは、わたしは殺陣芝居が実は苦手なのですが、この公演の殺陣、丹羽さんがからむ殺陣には見惚れてしまいました。
わたしが演劇に求めるものは、どこまで行っても「表現」で、見た目の格好良さではない…殺陣にも、役柄の人間性やその時の感情、が乗っていないと、ただの自己満足に見えてしまいがち、なのが、丹羽さんの殺陣には、苛立ちや怒りがキレッキレの動きの中に見える気がして、エンタメとしても表現としても成立している、だから「演劇」の中で殺陣をやる意味がある。
今作は見せ場として殺陣を多用されていましたが、プロデュース方法として成功しているように見え、感嘆しました。これならお金を払えます。

ネタバレBOX

ネタバレではないのですが、よく知った役者さんについて触れますと、
鈴木美穂さん>舞台上で観るのは久しぶりでした。2列目から観ていましたが、なんていうかキレイ。殺陣を学ばれて3年とのこと、特技と言えるところまで磨いて今回披露されていました。
松尾武志さん>役柄は合っているように思いました。段から降りるとき妙に乙女な動きなのは、役の「いい人」を表しているのか、単にご本人がそうとしか動けないのか?どちらにしても、そのままでいてほしい役者さんです。
あ、知人ではない方ですが、盗賊団のリーダー、この方の場合、演技ではなくご本人の不器用さ(未熟さ?)が見て取れました。演出家が上手に使っていたとは思うのですが、セリフを喋られるたびこちらがハラハラする感じでした。
BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

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劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

誰にでも薦められるお芝居
出来がとにかくいいと思いました。脚本、演出、演技、どれも小劇場で観られる演劇の最高峰、これが人気駅団なんだな、と思いました。わたしには少し端正すぎるのが難点だったのですが、これは完全に個人の好みの範疇で、普通に考えたら大満足!な観劇体験だと思います。

ネタバレBOX

これは「劇評」欄に書くことかどうか微妙なので、ネタバレに。
適正価格だと思いました。最近、チケット代が高いな・・・と思うことが多く、それが小劇場演劇離れを促進している気がしたので、なんだかホッとしました。
いえ、3200円は大金です。ですが、ここまでやってくれるなら。回収(やる側の都合)ばかりを考えた価格設定に辟易していたので・・・「自分たちの作品は面白い自信がある(だからこれぐらい頂く)」と感じさせてくれる劇団さんに、久しぶりに出会った気持ちです。
瓦礫のソフィー[See you, and thanks for all the Fishes]

瓦礫のソフィー[See you, and thanks for all the Fishes]

獣の仕業

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2015/12/05 (土) ~ 2015/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

すばらしい様式美
闇が深く、きれい。相対した光も。
様式美が確立されており、ぶれない。濃密(かつ、どこか空虚な)空間。
鍛えられた役者。
完成度の高さに頭が下がります。
脚本の「頭いい人が書いたんだろうな」感も、個性であり説得力であると感じました。
身体表現付き叙事詩、と形容したらいいでしょうか。

ただいつも「どんなに美味しい料理でも全部同じ味付けだと飽きる」とは思う・・・のですが、じゃあ改善した方がいいのかというと、そうも思いません。この劇団さんは、立夏さんの思うままに、固定も変容もしていくのが最善なのだろうという気がします。

黄金のコメディフェスティバル2015

黄金のコメディフェスティバル2015

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2015/08/20 (木) ~ 2015/08/31 (月)公演終了

満足度★★★★

チョキチーム観ました
面白かったです。

「鋼鉄村松」
お目当ての劇団さんです。スーツの男共(主におっさん)が汗流しながら全力で芝居をしている、それだけでもう満足です。紅一点の方も含め、役者さんみんな好きです。
お話もよかったです。もう少し深みがほしい気もしましたが、45分なら仕方ないかと。

「スズキプロジェクト」
お笑いの方が作られたのでしょうか、"演劇"の匂いの薄さが、物足りなさでもありながら声を出して笑いやすい空気になっている印象でした。
お巡りさん絡みの部分が面白かったです。

・・・と、書いてきましたが、観劇時のコンディションが悪く(寝不足+朝昼何も食べてない)ちゃんと楽しむことができませんでした。二団体の皆さんに申し訳なかったです。

じ・だん

じ・だん

劇団鋼鉄村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/06/23 (木) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★

やっぱり脚本がいい
こういう脚本を書ける作家さんが小劇場にいることがまず嬉しいです。言葉のひとつひとつが絹糸のようです、でしゃばらず、1ミリごとに個性があって、控えめに上品に光っている。
ただ、織って布にしたときに、全体が平板になりがちに思います。
言葉そのものを鑑賞できる人はいいのですが、そこに楽しむツボを持たない人には長い時間に感じると思います。
たぶん作者ご自身もそれは気づいていて、工夫が随所に観られました。が、対症療法的に感じました。(ボスのキャラクターが素晴らしいので、対症療法としては最大の効果をあげていたと思います)

役者さんは、廣岡さんが好きでした。うまい人もそうでない人も居るから面白い座組に、安定感を与えてくれているように感じました。

言葉に目がいきがちですが、織りあがった布によく見ると浮かび上がる模様(テーマ)も、いつも納得してきゅんとなって帰ります。このへんきゅんとさせてくれるのが、ボス作品を好きな大きな理由です。

ネタバレBOX

わたしが観た回は、役者さん音響さん(ボスご本人)ともに大きなミスがあったのですが、どちらも笑い話というかむしろ観客にとって面白い要素が増えただけだったというのが、ボスという人のすごいところです。
こんなにチャーミングな人はそうはいません。
空騒ぎ

空騒ぎ

獣の仕業

千本桜ホール(東京都)

2014/07/19 (土) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★

今更ですみません
ひと月以上前に観たものの感想を今更書いていいのか迷いながらも。
役者さんの体力?根性?に脱帽しました。開場中から終演まではけることなく出ずっぱり(そもそも袖がない)!しかも、かなりの激しい動きが全編に付いています。
喜劇悲劇の違いは終り方だ、との主宰さんの言葉に納得。確かに、演じる上では「懸命に生きる」のは同じですよね。
独特の様式美で織りなす世界に圧倒されました。
ただ、強い美意識は裏を返せば単調になりがちでもあり、ずっと同じ空気感で進行していくため、少し飽きた時間があったのも事実です。
主演のおひとり小林さん、とってもいいのに「ら」行が弱いのが残念です。
それにしても、観劇後の満足感が高いお芝居でした。お疲れさまでした。

東京22区

東京22区

劇屋いっぷく堂

テアトルBONBON(東京都)

2015/03/03 (火) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

限りなく5に近い4
☆5個を付けたいぐらい楽しかったです!脚本もよく練られ、キャストもあて書きと思うぐらい皆さんはまっており、見せ方笑わせ方、すべて的確でストレスなく楽しめました。

ネタバレBOX

惜しかったのは、最後の最後、脚本に浅さを感じてしまったことです。
一つは、終わらせ方です。伝えたいことは最後の議長の表情から(議長さん素晴らしかった!)伝わってきましたが、伝えたいことそれ自体が、観ていて少し消化不良でした。
もう一つは、最後の「なまはげみたいな顔を~」の辺りです。投票方法がなぜ脳波でなければならなかったのか、ここに集約されるのに、1時間半の積み重ねにしてはあっさりしすぎており、お芝居が終わって帰途につきながらやっと腑に落ちました。
とはいえ、面白かったです。関東圏でしか上演できないお芝居だとは思いますが、時事ネタを盛り込みながら再演しても面白いだろうなと思いました。
よく知られているものの擬人化というのは、お客さんとの距離が近くてすぐ入り込めていいなーと思いましたし、擬人化して笑うことが最終目的ではなく、その先にちゃんと表現したいものがある、ことにとても頼もしさを感じました。
僕と俺では幾らなんでも!

僕と俺では幾らなんでも!

THE CHAINS

APOCシアター(東京都)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

翻訳物のようなコメディ
こういう、湿っぽくないコメディを書けるのが、脚本:富田さんの強み、個性だと思います。
かと思うと、割と下世話な話も出てくるし、単発力技ギャグも出てくるし。とにかく「笑わせるための引き出し」の多さに脱帽です。

ただ今回は、その手数の多さに終始した感も否めません。
手数が多い分だけ、話も少し複雑すぎたかもしれません。
腰を据えて、じっくり観られる場面が2つぐらいあったら、もっと入り込めたかな、と思いました。

出演者では、まず主役の川島さんがさすがの力量でした。まさに獅子奮迅、この人の力がなかったら、お話自体が成立しません。気になる点があるとすれば、この人の持つある種の「上品さ」が、吉なのか凶なのか、まだよくわからない・・・使いこなせていない?ことぐらいです。
笑わせてくれたMVPは児玉華奈さん。「イケメン!」と「ひっこめ!」の二つしか仕事がないのに、絶妙に力が抜けた演技で、出てくる度に笑わせられました。
他の出演者も、個性と役柄がうまく一致しており、役者さんをよく見て書かれた脚本なんだろうな、と思いました。

「笑い」を重視したお芝居は、作るのが難しいと思います。脚本だけでなく、客席を含む演劇空間そのものを「笑いの場」に変える必要があると思うので。
富田さんが作家としてだけでなく演出家としても活動されていくのなら、そのあたりの手腕を磨かれるよう、期待します。

BLUE

BLUE

劇団昴

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/08/06 (水) ~ 2014/08/10 (日)公演終了

満足度★★★★

主軸のふたり
正直に言うと、お話は好きじゃありませんでした。善を強調するため悪が必要とはいえ、ホームドラマで悪役が悪いだけの人間だったので、もやもやした気持ちになりました。冒頭の自殺も必然性に欠ける気がして、気持ちが引いてしまいました。
その気持ちをぐっと引きつけてくれたのが、主軸となるふたり、人形のブルーと、ひきこもりの男の子テッドです。
びっこをひきながらも全身で喜怒哀楽をぶつけるブルーの愛らしさ、心を閉ざしているはずなのに優しさが端々からこぼれ落ちるテッド。
この二人が(元々そういう役ですが)この舞台を支え、引っ張っていました。
とはいえ、さすがにプロの劇団だけあって、周りの人形たち、家族、泥棒、みな物語の必要な役割をきっちり演じられていました。
やっぱりプロはプロだなと再確認させられる舞台でした。

スパルタクスの乱開発

スパルタクスの乱開発

劇団バッコスの祭

あうるすぽっと(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/06 (月)公演終了

満足度★★★★

安心して見られる殺陣が心地よいです
無理に時間を作って観に行ったので、わたし自身のコンディションがいまひとつだったことを踏まえつつ・・・
全体に少し散漫な気がしました。会場、特に客席の空間が大きかったからかもしれません。席がかなり後方だったこともあると思います。小さな劇場に慣れてしまっているせいか、声の圧力があまり感じられなかったのがちょっと物足りなかったです。その中で奴隷役の加藤さんはちょうどいい響きだったように思います。
殺陣はさすが!小劇場劇団の殺陣はハラハラしながら見ることが多いのですが、この劇団さんの殺陣はわくわくして見られます。

ネタバレBOX

特に、二度行われる「ブリタニア戦」の殺陣、二度同じものを見るからわかる良さがあると思いました。繰り返されるからわかる悲劇、残酷。二度目は動きよりも気持ちを追って見てしまいます。
変わり種の殺陣二種類も楽しみました!歌の方は、自分がコロッセオにいたら確実に踊っています(笑)ケルベロスも面白かったし、何度も死ぬ鈴木さんが美味しくハマっていました。

珍しく?脚本がまだ完成していない印象でした。前半のボリュームが大きすぎ、後半の、クライマックスになりうるシーンがさっと駆け抜けてしまった感じ・・・
しかし設定やその回収の仕方はさすがだと思います。「書ける脚本家」さんは実は貴重なので、ホームグラウンドでの披露がなくなってしまうのは残念です。
続・11人いる!東の地平・西の永遠

続・11人いる!東の地平・西の永遠

オデッセー

サンシャイン劇場(東京都)

2016/06/16 (木) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★

微妙な気分
原作のファン、モーニング娘。のファン、自分も演劇をやっている(のでより興味がある)。と、三拍子揃ったこのミュージカル、即チケットを取りました。

実際に観て・・・
ちょっと複雑な気持ちで帰途につきました。
決して悪かったわけではない、むしろ良かった・・・しかし、なんというか・・・まだ中庸な感じが、むずがゆいのだと思います。

原作は、漫画として傑作で、そこに「物語を短縮する」「女性のみ(しかもほぼ若年者)で演じる」「演劇初心者にも目立つ出番を与えなければならない」「原作ファンを裏切らない」を加えるとなると、しっかり立脚するものがなくなるのではないか、と。
2年前でしょうか、やはりモーニング娘。主演で上演されたミュージカル「LILIUM」が素晴らしかったのは、彼女たちのために書かれた脚本だったからかもしれません。

原作ものだと、結局のところ、彼女たちの本領発揮である”歌とダンス”に芯を求めることになるのだと思います。そして歌ダンスのシーンは素晴らしかったです。アイドルの生歌でここまでできるのはハロプロならでは。

それと、何人かのメンバーが、舞台に立つに足る演技をしていたことにも触れておきます。佐藤優樹さん、工藤遥さん、石田亜佑美さん。佐藤さんは時々セリフが聞き取りにくくなるものの、滑舌より気持ちが大事とばかりの感情の発露が観客の心に触れたと思います。工藤さんはそもそも演じる才能を感じますが、見せ場が少なく損をしているように見えました。石田さんはものすごい伸び率、普通に役者を見る目で観ていました。
譜久村さんはとにかくきれい。彼女のソロシーンは大きな見せ場でした。
牧野さんが舞台経験が少ないながら、心のこもった演技をされていて、生まれ持った可愛らしさと相まってとても魅力的でした。
小田さんはとにかく歌がうまく、ちょっと舌足らずな役作りも良かったと思います。

宝塚出身の役者さん2人が脇を締めていたのは大きかったです。このお2人のおかげで成立していた面は無視できません。

「LILIUM」「ステーシーズ」「リボンの騎士」の成功例がある以上、やりようはあるのだと思います。来年も期待しています。

11/22

11/22

劇屋いっぷく堂

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/11/10 (火) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

さすが。
少し前の観劇なので、記憶で書くのをご容赦下さい。
いっぷく堂さんは「東京22区」に続き二度目の観劇。今回も安定の面白さ、さすがでした。序盤ではこま切れのシーンが続いたため付いていけなくなりかけもしたものの、伏線が終わり本題に入ってからはするすると見入りました。
「妊婦」「産婦人科医」両方が宿泊客にいたことからラストの予想はつきましたが、ここは演出が面白かったです。ひたすら走る場面は、こんな笑わせ方(見せ方)もあったのか、と、笑いながら勉強になりました。
マルチエンディングとのことでしたが、初日に観劇した感じでは、どうマルチにするんだろう?最終シーンに各組の夫婦がエンディングの1シーンをもらっているのかな?など思いました。わたしには初日のラストで十分でしたが、やっぱりマルチの方がお得感があったのか、気になるところです。

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

劇団ギルド

座・高円寺1(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

義経ものは5割増で観てしまいます
2時間半の長丁場、わたしは飽きることなく観劇しました。が、それは"源義経"に思い入れがあるからで、普通に観に来ていたら、たぶん長く感じたと思います。
お話は基本的に義経の生涯を追っていました。見せ場になるはずの合戦シーンがほぼ描かれないのは、そこを見せたいわけじゃない、のだろうと思いました。若干、予備知識がないとつらいかも、とは感じましたが、焦点をあてているのがあくまで各人の思案・欲求なので、そこさえ追えればいいということだと思います。
弁慶がなぜ義経のバックについたのか、新解釈で面白かったです。義経・弁慶・影武者たちの内面を描く脚本の筆力に感嘆しました。対して鎌倉方の描写はあまり厚くなく、まぁそこまで追ったら3時間超えてしまいますよね(^^;)
そしてとにかく義経役の方をはじめ、表現力のある役者さんが何人もいて、そこが素晴らしかったです。お芝居のつくり自体にアマチュア臭さがなく、「観客に提供する」ことが当たり前になされていることに、さすが老舗の力を感じました。
女性の描き方にちょっと共感できなかったのが残念です。昭和っぽい表現の仕方のせいか、全員いっしょくたに見えました。

海賊屋万次郎がゆく

海賊屋万次郎がゆく

ナミチョウ関係

ワンズスタジオ(東京都)

2014/08/21 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

坂口さんが素晴らしい
大人が本気でやるエンタメ冒険譚。
このメンバーでこの値段は絶対お値打ち!と思って観に行きました。
とにかく坂口侯一さんが素晴らしい!実力もさることながら、稽古量というか献身度というか、この人はきっと芝居のことしか考えていないに違いない、骨の髄まで役者の太い背骨を感じました。
他にも何人か、出てくるだけで引き込まれた役者さんがいる反面、早割(初日から4日間は500円引)があるのも納得・・・まだ台詞が体に着いていない印象の役者さんも見受けられました。
25日からは正規の値段になりますが、2時間強引き込まれるにはこの日以降の方がいいかもしれません。

【ご来場ありがとうございました!】シシャのウタ2014

【ご来場ありがとうございました!】シシャのウタ2014

劇団CHAN’T

pit北/区域(東京都)

2014/11/28 (金) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ザ・社会人演劇
埼玉の社会人劇団CHAN'Tさんの20周年記念公演。まずは社会人劇団で20年続いていることに敬意を表します。
70年代生まれ→80年代後半~90年代前半の小劇場の味が色濃い。
何しろ、スピーディーな展開・90分の中の緩急・観客を飽きさせない呼吸、に長けているといつも感じます。
pit北/区域を実に上手に使っていると思いました。この使い方は観たことがありません。照明の組み方に相当工夫がいると思うのですが、どう解消したのでしょう。
脚本については、ラストは人それぞれ大きく感じ方が異なると思います。しかし、ありきたりな無難な言葉で終わらせないところに才気(こだわり?)を感じました。
演技的には、正直、素人くさい部分もあると感じます。どっしりはしていない。専門教育を受けたとか、技術を磨いたとか、そういう感じはしません。
ただ、これは投稿タイトルにつけた通り「社会人劇団」の在り方だと思います。演技だけでなく、美術や運営に至るまで、専門家ではない人が手作りでやっている感じ・・・これは社会人劇団を観る、ひとつの醍醐味かと思います。
発表会のつもりはない、かといってプロでもない。プロじゃない=スポンサーに左右されない、から、作りたいものを精一杯作る、という姿勢を、作品と、宣伝の文言と、チケット料金から、勝手に感じ取っています。
・・・しかし・・・いや・・・絡むシーンのエロさ・・・ある意味、特筆ものです。

THE GREEKS

THE GREEKS

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

役者さんに力があるって素晴らしい
三部構成の、第二部のみ観劇しました。
第一部の内容を引き継いでの第二部であるため、理解するのに時間がかかる部分はありましたが、これは自分のせいです。
そして、観劇に万全のコンディションではなかったので、これも自分のせいで観る楽しみを減じてしまったのが残念です・・・

古典なためか、どうしてもセリフ中心のお芝居になる…ストーリーがセリフによる”状況説明”で進んでゆくのが、難しさだと思います。出来事自体が言葉の説明で表されるなら、観客の目は何を観るのか。それは、語っている(聞いている)登場人物たちの表情(=感情)なのだな、とわかりました。
その点で、さすがに力量を感じました。1時間の一人芝居とか全然できちゃうレベルの役者さんぞろい。中でもアガメムノンさん、カッサンドラさん、アイギストスさん、エレクトラさん、クリュタイムメストラさん?(奥さん)は、さすがメインキャストを張るだけあって、なかなかこうはできないな、と素直に感心しました。

ネタバレBOX

ほかにも、ともすれば語りに偏ってしまいがちな舞台に視覚的刺激をもたらしてくれた、二段に組んだイントレ舞台や、川のような幕の演出、大量の血のり、奥行きとカーテンの開閉など、演出も楽しめました。
そういえばSEがやたらリアルでした!

そして、知人のひいき目でなく、タルテュビオスの町屋さんの溌剌とした動きが、空気をぱっと変えていました。梯子も一段飛ばしで昇っていたり、元々運動神経のいい役者さんですが、「できる」ことに価値があると思わせられました。
memory!

memory!

壱人前企画

サンモールスタジオ(東京都)

2016/07/05 (火) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

全力のパワーと暖かいストーリー
「松竹梅荘の青春」を観劇しました。

満員だったため最前列を一列足したのでしょう、足を横に逃がしてもつま先が舞台の平台につく距離(膝が平台の上にぎりぎりかかる距離)での観劇になりました。
自分は小劇場に慣れているので多少窮屈でも役者さんがめちゃめちゃ近くてもあまり気になりませんでしたが、一般の方だったら少々つらかったかもしれません。
ただ、声の大きさだけは耳がキン!となりました。終演後、後方で観ていた知人も声が大きすぎてちょっと…と言っていたので最前だからというわけでもなさそうです。おそらく、劇団さんの方針で、小屋のサイズ云々ではなく最大の声を出して届けよう、ということなのだと思います。そのやり方が成功していたところも多々あったので、善し悪しは一概には言えません。

と、どちらかと言えば難から書きましたが、青春のパワー溢れ、ストーリーにほろりとさせられ、2時間をしっかり楽しませていただきました。
役者さんたちが超楽しそう!むさくるしい(ほめ言葉です)男性陣の中で、主人公の管理人さんと唯一の女性入居者、この二人の女性登場人物が重要な役割を果たしており、脚本上も演技上も気持ちよく観ることができました。

ネタバレBOX

個人的好みだけで言うと、感動が万人向けというか、本当に深いところには触れて来ない無難さが、読後感の良さの中に一抹の不満を感じました。

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