満足度★★★★
義経ものは5割増で観てしまいます
2時間半の長丁場、わたしは飽きることなく観劇しました。が、それは"源義経"に思い入れがあるからで、普通に観に来ていたら、たぶん長く感じたと思います。
お話は基本的に義経の生涯を追っていました。見せ場になるはずの合戦シーンがほぼ描かれないのは、そこを見せたいわけじゃない、のだろうと思いました。若干、予備知識がないとつらいかも、とは感じましたが、焦点をあてているのがあくまで各人の思案・欲求なので、そこさえ追えればいいということだと思います。
弁慶がなぜ義経のバックについたのか、新解釈で面白かったです。義経・弁慶・影武者たちの内面を描く脚本の筆力に感嘆しました。対して鎌倉方の描写はあまり厚くなく、まぁそこまで追ったら3時間超えてしまいますよね(^^;)
そしてとにかく義経役の方をはじめ、表現力のある役者さんが何人もいて、そこが素晴らしかったです。お芝居のつくり自体にアマチュア臭さがなく、「観客に提供する」ことが当たり前になされていることに、さすが老舗の力を感じました。
女性の描き方にちょっと共感できなかったのが残念です。昭和っぽい表現の仕方のせいか、全員いっしょくたに見えました。