僕と俺では幾らなんでも! 公演情報 THE CHAINS「僕と俺では幾らなんでも!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    翻訳物のようなコメディ
    こういう、湿っぽくないコメディを書けるのが、脚本:富田さんの強み、個性だと思います。
    かと思うと、割と下世話な話も出てくるし、単発力技ギャグも出てくるし。とにかく「笑わせるための引き出し」の多さに脱帽です。

    ただ今回は、その手数の多さに終始した感も否めません。
    手数が多い分だけ、話も少し複雑すぎたかもしれません。
    腰を据えて、じっくり観られる場面が2つぐらいあったら、もっと入り込めたかな、と思いました。

    出演者では、まず主役の川島さんがさすがの力量でした。まさに獅子奮迅、この人の力がなかったら、お話自体が成立しません。気になる点があるとすれば、この人の持つある種の「上品さ」が、吉なのか凶なのか、まだよくわからない・・・使いこなせていない?ことぐらいです。
    笑わせてくれたMVPは児玉華奈さん。「イケメン!」と「ひっこめ!」の二つしか仕事がないのに、絶妙に力が抜けた演技で、出てくる度に笑わせられました。
    他の出演者も、個性と役柄がうまく一致しており、役者さんをよく見て書かれた脚本なんだろうな、と思いました。

    「笑い」を重視したお芝居は、作るのが難しいと思います。脚本だけでなく、客席を含む演劇空間そのものを「笑いの場」に変える必要があると思うので。
    富田さんが作家としてだけでなく演出家としても活動されていくのなら、そのあたりの手腕を磨かれるよう、期待します。

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    2014/10/05 23:38

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