FIGの観てきた!クチコミ一覧

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存在証明

存在証明

劇団俳優座

シアタートラム(東京都)

2025/11/08 (土) ~ 2025/11/15 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

数学者や物理学者を主人公にした演劇作品はいくつもあるが、これは日本人作家がイギリス人数学者の世界やその関係者を物語にして書いているので意外な印象。ゼータ関数の話はかなり難しいが聞き流せばよく、素数が何かさえ知っていれば硬派なストーリーの理解はそれほど難しくない。本筋から派生する患者ベリルに絡む話など謎解きの要素もあって楽しめる。この手の作品は時として哲学的・抽象的になりすぎることがあるが、これはそうではなく、十分芝居として楽しめる。タイトルの「証明」という言葉はこの作品全体を象徴していると感じられ、時に論理的、時に詩的な表現になる。舞台装置・背景そして演出がなかなか良く、名優揃いの劇団の実力が遺憾なく発揮され重厚な作品になっていると思う。特にハーディ教授の志村氏が秀逸。

ヴォイツェック【公演初日9月22日から23日に変更】

ヴォイツェック【公演初日9月22日から23日に変更】

パルコ・プロデュース

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2025/11/07 (金) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原作が未完なのでいろんな解釈・構成の脚本が存在するようで、本公演は近年ロンドンで上演された版の翻訳台本で、原作にはない場面や登場人物が加えられているようだ。
ベルクのオペラ版と比べると、本公演はどこが原因なのかわからないが心理的な内面の描写や不条理さの表現などが今ひとつ薄っぺらく感じられた。クライマックスに向けて狂気が緊張感を伴ってぐんぐん盛り上がっていくという印象は少なく、むしろ淡々としている。子どもと母親が絡む場面が複数回挿入され主人公の心の歪みの端緒が仄めかされているようだが脈絡がなくあまり効果は感じられない。個人的にはベルクによる十二音主義の濃厚で異様な音楽が付けられたオペラ版の構成・表現のほうが面白い。言葉を超える音楽の力か。

かもめ

かもめ

劇団 新人会

上野ストアハウス(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

実力ある俳優陣の優秀でオーソドックスな演技で安心して鑑賞できる。衣装はいささか違和感があるが、細かいところは気にしないほうがいいのだろう。生演奏が良い具合に視聴空間を埋める。本作品のクライマックス、ニーナがトレープレフに再会するシーンは、ふたりの内面を照らし出すかのような蝋燭ランプの明かりが効果的で印象に残る。

不愉快犯~別府三億円保険金殺人事件~

不愉快犯~別府三億円保険金殺人事件~

ハルベリーオフィス

小劇場B1(東京都)

2025/10/22 (水) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なかなか面白い巧みな台本と演出で、最後まで目が離せない。いしだ壱成さんは貫禄ある俳優になったもので、この作品では存在感というかキャラクター性が抜群。

白貝

白貝

やみ・あがりシアター

浅草九劇(東京都)

2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

謎解きのようなもので、かなり入り乱れた感じで類似の場面が何度も繰り返されながら少しずつストーリーが進んでいくが、設定が少々馬鹿げていても面白いし笑わされる。俳優たちは若く溌剌とした演技を見せてくれる。

マクベスに告げよー森の女たちの名前を

マクベスに告げよー森の女たちの名前を

MyrtleArts

劇場MOMO(東京都)

2025/10/09 (木) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

台本が良くできていて面白い。このテーマにマクベスを絡める着想がなかなかのものだが、原作者の本当の実感なのだろう。桟敷童子の2人の俳優がそれぞれ個性を活かした演技で活躍しているなと思ったら、演出が東憲司氏だったか。

埋められた子供

埋められた子供

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2025/10/03 (金) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

プログラムに書かれていたが、作者のサム・シェパードはベケットに傾倒した時期があったらしい。不条理で、暗くギスギスした、ショッキングな作品。
なんだか変で独特な登場人物たちを演じる俳優たちの演技は優れており、この作品のグロテスクな雰囲気を上手く伝えている。特に父親役は凄い。演出も独特で、家の中であるはずの舞台上には砂が敷きつめられ、その上で時に激しい演技をするので砂埃が舞い上がり、俳優たちは砂まみれになる。床が砂で埋まっている不自然さが汚らわしさや不気味さを高める。意図されたことと思うが、狙いどおりなのではないか。

砂漠のノーマ・ジーン

砂漠のノーマ・ジーン

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2025/09/26 (金) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

台本が非常に優れており、空想の会話で語られる物語の世界に引き込まれた。家族の複数の人物を演じる森尾舞氏の演技が実に素晴らしい。ほとんど一人芝居。この演技がなければ成り立たない作品だろう。

成り果て

成り果て

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/09/24 (水) ~ 2025/09/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

物語がとても味があってしかも面白く、良くできている。舞台装置もよく考えられている。

霧ぬけて

霧ぬけて

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2025/09/19 (金) ~ 2025/09/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

群像劇風に少々変わった人たちやメンタル病んでいる人たちが出てきていろいろ発生し、その展開自体は面白い。ただ最初、人間関係がわかりにくいままストーリーが進んでいくので、事前に配布されるプログラムの登場人物に目を通しておいたほうが良い。

柿喰う客新作本公演2025『超音波』

柿喰う客新作本公演2025『超音波』

柿喰う客

ザ・スズナリ(東京都)

2025/09/19 (金) ~ 2025/09/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この人気劇団を初めて鑑賞。自分の好みの演劇スタイルではないが、なるほど人気があるのがわかる。機関銃のように早口で連射される台詞、しかもなかなか面白い言い回し(速すぎて聞き取れないこともあったが)。活発な動きやシャープなダンスもあり、俳優たちは良く訓練されているな、という印象。90分あるかないかぐらいの時間だったと思うが、場面数が多くあれほど大量のあまり脈絡のない台詞やダンスをよく覚えられるものだと感心。

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台版としては、この作品の設定を模した別作品を何度か観たことがあるが、オリジナルは初めて観た。ヘンリーフォンダ主演の映画も良いが、観客が視点を自由に選んで見たいキャラクターを見ることができる点で映画より演劇のほうが向いている作品と思う。B1独特の客席配置は、座席位置による見る角度の違いによる異なる印象を観客にもたらすだろうと思われ、この点も演劇の面白さと言える。原作についての知識がなく映画しか見たことがないが、本公演は奇を衒わないオーソドックスな台本と演出と思われる。幕切れのしかたは映画版よりこのハツビロコウ版のほうが明らかに良い。客演の桟敷童子の俳優さんは所属劇団でも性格俳優的というかあのような特徴的な役を演じられることが多い気がするが、本作でも重要な役に見事に塡まっている。

さまよえるオランダ人

さまよえるオランダ人

東京二期会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

9/13(土)を鑑賞。音楽的には高水準だったと思う。ゼンタ鈴木氏の声・歌唱ともにすばらしいし、エリック、ダーランドもその役に絶妙なふさわしさ。マイクの助けもあるのだろうが、大規模なホールでの上演である以上、やむを得ない面がある。上岡指揮のオーケストラもきびきびした緊張感ある音楽を奏でる。
オペラでは非常にしばしば読み替えの演出が鑑賞の妨げとなるのだが、これはそういう変なのではない。しかし、いろいろ意図がわからない点はある。舞台後景は険しい岩場のような場所で、通常あるような海や船が見えなかった。これほど船や海を強調しない演出は初めて見た。オランダ人はこれまで見た中でもっとも不気味な風体というか、まるで幽霊船の怨霊のよう。ホラーであり、あんなのに惚れ込み救済しようとするゼンタはやはり頭がぶっ飛んでいると確信した(エリック助かった)。糸車のシーンでは、舞台上には糸車はなく女たちは舞台袖から延びたロープを引っ張るのだが、あれではオランダの風車のような巨大な糸車の化け物があることになる。オランダ人の船の乗組員とおぼしきカラフルなハイカーたちはあまりにも場違い。いったいなんでこんな恰好をさせたのだろう。終幕のシーンは、オランダ人とゼンタがめでたく結ばれ救済が成就した、とでも暗示しているのだろうか。

野良豚 Wild Boar

野良豚 Wild Boar

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2025/09/09 (火) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

無機質なシルバーの机と丸椅子、天井の金網、新聞紙など、シンプルだが印象的な舞台装置で展開する物語は香港の劇作家によるものだが、舞台となる街や登場人物たちの名前は何処とも限定されず一般化されている。中盤の編集長とウェイトレス、終盤の編集長と記者の間の激しい議論がこの作品の本質と思われるが、作者の今の香港を見る冷徹な目が感じられる。最後の2つのシーンも象徴的。決して体制批判一辺倒というような単純な作品ではないのだが、あちらではこの作家の作品の上演が可能な状況ではないらしい。なんと未成熟で浅はかなことか。

Belleville

Belleville

spacenoid

すみだパークシアター倉(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/09 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

本がイマイチ。原作、日本語台本、演出、の何が悪いのか、そのへんはわからないが、前半に無駄があってだれてしまい、場面が同じパターンの繰り返しに感じられ、100分の上演が長く感じる。俳優たちは良く演じているが、台本の浅さのせいかワンパターンに見えてしまう。

CRIMES OF THE HEART

CRIMES OF THE HEART

サカバンバスピス

シアター風姿花伝(東京都)

2025/08/27 (水) ~ 2025/09/01 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三姉妹役が息ピッタリという感じで、3女優の間で年齢差が少々ありそうだが本当の姉妹のように数歳しか離れていないかのような自然さは目を見張る。長女役が一番難しそうに思えるが、コミカルな仕草もわざとらしくならず、素晴らしい演技。それにしても、チェーホフは後生の作家に強い影響を与えたのだな、と。

ボーイ・オーバーボード

ボーイ・オーバーボード

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2025/08/07 (木) ~ 2025/08/15 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

某原理主義勢力が過酷な支配を行う国で迫害を受けた家族の苦難が描かれ、悲惨というか希望がまったく持てない状況のストーリーなのだが、元気盛りの子どもたちが主人公で、暗く沈まず、むしろカラッと明るい感じの芝居になっている。ヘタに悲惨、悲惨で同情を誘おうとする趣向のものよりずっと好ましい。俳優たちも役柄を楽しんで演じている印象。

帰還の虹

帰還の虹

タカハ劇団

座・高円寺1(東京都)

2025/08/07 (木) ~ 2025/08/13 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

優れた台本で単純でない人物像が良い。この物語の画家は芥川龍之介の「地獄変」を思わせる。

キャプテン・アメイジング

キャプテン・アメイジング

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2025/07/26 (土) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

最初は場面と登場人物がうまく区別できず戸惑った。ある程度ストーリーというか設定が頭に入っていたほうが把握しやすいかも。物語自体はシンプルでそれなりに面白いが、なぜ一人芝居でやるのかを含め作品の解釈は少々難解となるのではないか。3人の演者を全部観たらそのあたりの答えが浮かび上がってくるのだろうか?

家畜追いの妻

家畜追いの妻

劇団俳小

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/07/20 (日) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今春の「血の婚礼」に続いての翻訳劇で、前回同様に、日本人には少し想像しにくい他国の社会背景が強く顕れたストーリーで、上演する上で難しいところもあると思われるが、また、うまく構成された物語という感じでもない台本かなとも思うが、うまく雰囲気を創り出していた。劇中の歌は、オーストラリア的なものなのかどうか不明だが、ストーリーにうまく絡む良い歌であったし、斧を切り株に刺したり、ちょっとだけ出てくる役柄も手抜き無くインパクトがあって、演劇として楽しめる演出が施されていると感じられた。

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