公演情報
パルコ・プロデュース「ヴォイツェック【公演初日9月22日から23日に変更】」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★
原作が未完なのでいろんな解釈・構成の脚本が存在するようで、本公演は近年ロンドンで上演された版の翻訳台本で、原作にはない場面や登場人物が加えられているようだ。
ベルクのオペラ版と比べると、本公演はどこが原因なのかわからないが心理的な内面の描写や不条理さの表現などが今ひとつ薄っぺらく感じられた。クライマックスに向けて狂気が緊張感を伴ってぐんぐん盛り上がっていくという印象は少なく、むしろ淡々としている。子どもと母親が絡む場面が複数回挿入され主人公の心の歪みの端緒が仄めかされているようだが脈絡がなくあまり効果は感じられない。個人的にはベルクによる十二音主義の濃厚で異様な音楽が付けられたオペラ版の構成・表現のほうが面白い。言葉を超える音楽の力か。