latticeの観てきた!クチコミ一覧

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お國と五平

お國と五平

Nakayubi.

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/11/17 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

このお話は1952年に成瀬巳喜男監督で映画化されている。お國役は当時33歳の木暮実千代で、相当にエロかったという評判だ。本来は3人のみの登場だが映画ではそれまでのいきさつをお國の回想シーンとし、闇討ちにあった主人なども登場する。そういう展開にしたくなるような普通のエンタメ作品なのである。

ところが、この舞台のお國は仮面を着け、黒一色のたっぷり衣装で見た目にはエロとは無縁である。それどころか(経費節減のためか)全体に非日常的な表現で、アフタートークで佐々木敦さんが指摘したように五平に鎖を付けて連れているところはまるで「ゴドーを待ちながら」のような雰囲気さえある。ただし、主宰の神田真直さんはベケットとは関係ないと答えられたのが意外だった。あくまで歌舞伎や能の世界感らしい。一本の木の代わりにドラム缶を置いたと勝手に納得したのだが。

もちろんストーリーは不条理なところは全くなく、分かりすぎて身も蓋もないものである。3人の俗物のしょうもない争いなのだ。アフタートークでは悪人と呼んでいたが、まあ皆さん(含私)こういう立場になればこんなものでしょう。

コンクール用の演出なので極端なものだが不思議な世界観は十分楽しめた。

イヌの仇討

イヌの仇討

こまつ座

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/12 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

井上ひさし作品は「明治女図鑑」的なものを続けて見てちょっとげんなりしていたが本作では全く違う自由奔放で爽快な井上ワールドが展開される。討ち入り当日、吉良が討たれるまでどうしていたのかは誰もが非常に気になるところだが真相は知るすべもない。作者はそこを利用して我々を引きずり込み、吉良の立場を借りて討ち入りの意味・意義を深読みする。

会場は当然ながらお年寄りばかりだ。昔のように忠臣蔵が毎年どこかのTV局でやっているということが無くなったので若い人はこの話に入り込めないだろう。どんどん共通の話題が失われて行く。

吉良役の大谷亮介さんの振れ幅の大きい演技に心を揺さぶられた。
泥棒役の原口健太郎さんは私の観た「獣唄」で(村井國夫さんの代役で)主役の繁蔵を演じていた人のはずなのだけれど、ああいう硬派の役どころと本舞台のコミカルな演技は私の頭の中で全然結びつかない。おそろしいくらいだ。

私の一ヶ月

私の一ヶ月

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/11/02 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日英の数年にわたる劇作家ワークショップの成果ということで、通常の舞台とは一味違った仕掛けが楽しめる。お勉強と割り切って観ても良いが、素晴らしい役者さんのおかげでしんみりとストーリーに浸ることもできる。
そういうわけで不満はないのだが大満足というにはもうひとつ。

レオポルトシュタット

レオポルトシュタット

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2022/10/14 (金) ~ 2022/10/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★


2時間20分休憩なし。お尻が限界に達したところで終幕になり助かった。

中劇場なので舞台が広く映画でいえばシネマスコープである。見慣れた小劇場より目線の移動距離が大きい。そして舞台の至る所でそれぞれの人の営みが丁寧に展開されている。
舞台美術と衣装が素晴らしく写真に残したい場面がたくさん出て来るがもちろん撮影禁止である。ああもったいない。一瞬一瞬が西洋名画である。
トム・ストッパードの最近日本で上演された作品に「ほんとうのハウンド警部」があり、あんなわけの分からないものは嫌だとなったのか空席が結構ある。今回は四世代に渡る大作であるということで腰が引けてしまった人も多そうだ。しかし実はそんな大層な主義主張がある作品ではなく、リラックスして全体を眺め、気に入った細部を楽しむものなので安心して観に行こう。家系図も一番下にあるレオが作者らしいということを知っていれば良いのではないだろうか。

意外性がほとんとないのが不満で星4つ。

超無機的なあらすじはネタバレBOXへ。

ネタバレBOX


WikiPedia英語版Leopoldstadt (play)をGoogle翻訳したものを元にして作成した。

ウィーンのユダヤ人家族の物語
第1幕1899年 エミリア・メルツ(那須佐代子)の元に家族が集まって優雅なパーティーを開いている。ユダヤ教とキリスト教の微妙な会話がいろいろ交わされる。長男ヘルマン(浜中光一)とその妻グレートル(音月桂)および親戚でピアノを弾いているハンナ(岡本玲)そしてまだ登場しないがハンナが恋焦れる将校フリッツ(木村了)あたりが分かれば十分。
第2幕1900年 ハンナに頼まれてフリッツに会ったグレートルはあろうことか不倫に走ってしまう。ヘルマンはあるパーティーでフリッツとトラブルになり、彼の家に乗り込んで妻の不貞を知る。ユダヤ人であることで格下に扱われる屈辱を受けるもその場は収まる。
第3幕1924年 割礼でのドタバタが続くがストーリー的にはヘルマンとグレートルの子のヤーコブ(鈴木勝大/根本葵空/三田一颯)に家業を譲る手続きの相談をすることがメインのようだ。ヤーコブは戦争で片腕を失っている。
第4幕1938年 ナチスによる屋敷財産の接収が行われる。ヘルマンは家業放棄の書類にサインさせられるがすでに権利はヤーコブに移っていて、更にヘルマンの深謀でヤーコブはグレートルとフリッツの子としていたのでアーリア人であり接収は無効なのであった。この後一家は収容所へ向かう。
第5幕1955年 過酷な時代を生き延びた若者3人が再びウィーンの屋敷に集まり、犠牲者を偲び、当時を思い出す。
黄金のコメディフェスティバル2022

黄金のコメディフェスティバル2022

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2022/10/21 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了

実演鑑賞

・コヒツジズ『先生、黄色い線の内側ってどこですか?』
・放課後ビアタイム『常夏ブライダル』
の二つを観劇。
更に
・劇想からまわりえっちゃん『黄金時代』
・東京ハイビーム『ゴーストよ、こんにちわ』
を観劇。

「コメフェスは沢山の新しい劇団、沢山の俳優を知る絶好の出会いの場」
という言葉に違わず新鮮な体験ができた。感想は全6劇団を観てから書く予定。
音楽とダンスを皆さん取り入れていて巧拙いろいろだが楽しい。
芝居全体としてはパワーで押し切るか丁寧にストーリーを展開するか。

・劇団ラパン雑貨ゝ(てん)『コマドリのコマドリ』
・演人の夜『もしも生殺与奪の権を私が握ったら』
も観劇。
こちらは二つとも音楽も踊りもなかった。そういう点では期待は大きかったのだが。

受賞者一覧は以下にあります。
https://www.come-fes.net/award2022.html

ネタバレBOX

お笑いはミルクボーイ以来見ていない。お笑い偏差値は10くらいの私なので頓珍漢なのは笑って許して。

・劇想からまわりえっちゃん『黄金時代』
若い人が野球の話をするのが意外だった。そのパワハラ応援団が昭和の象徴で、変化した団長が令和の今を表しているのだろうか。「Vの字踊り」の破壊力に圧倒される。まあその分他の印象が薄れてしまうのだけれど。
トロンボーンの迫力が凄い。

・東京ハイビーム『ゴーストよ、こんにちわ』
新人はいかにもぎこちなく、ベテランは実にうまい。最初の二人は何なのとかの疑問がどんどん回収されて行くのは気持ちいい。アニーが実はお母さんだったということを受け入れられない娘のところがツボだった。いやあ私も拒絶するよ(笑)。それまで滑り気味だったアニーの意味が一気に理解できた。涙もろい人の鼻水音が結構聞こえていた。
バイオリンが効果的。うますぎたかもしれない。

・劇団ラパン雑貨ゝ(てん)『コマドリのコマドリ』
アイディアの枯渇した漫画家の様子が平凡だった。もっと取材して大変さに驚くようなものにしてほしい。まあでも編集者に詰められて苦しむ展開ならコメディでなくなるわね。子供向けのファンタジーと思って観るべきだったのかも。

・演人の夜『もしも生殺与奪の権を私が握ったら』
最初の反ワクチンの話はどこへ行ったのか。言い出した以上はもっと何かを語ってほしい。本編はアホウ総理が出て来たところで低俗さに観る気を無くした。

・コヒツジズ『先生、黄色い線の内側ってどこですか?』
6団体の最初に観て印象が薄かったのだが、全部を観たあとでは、ここの俳優さんが一番しっかりとした演技をしていたと思う。エンディングは実はこの「先生」が一番悪い奴なのだと言いたいのだろうけれどよく分からない。観る人の想像に任せたということか。私が想像したのは、彼が犯人なのだが他の人を犯人に見せかけて籠城させる工作をしていた、ということなのだがちょっとギャップが大きい。
ギターがセリフの邪魔をすることが多かった。こういうのにアコギは向いていない気がする。

・放課後ビアタイム『常夏ブライダル』
大変だ大変だと言っているけれど伝わらない。最後は歌って踊って10分はまあ良いとして何の工夫もない花嫁の両親へのお礼の言葉で5分を使うのはないわ。「しんぷがこない」を「新婦がこない」と聞き間違ってしばらく混乱した。これ実際の結婚式場ではどう区別しているのでしょうね。私なら「神父さん」とさん付けにするかな。新郎、新婦にはあまり「さん」は付けないですよね。…と考えていると分からなくなってきた。
燃ゆる暗闇にて

燃ゆる暗闇にて

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/10/18 (火) ~ 2022/10/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

幸せに暮らしていたグループが新しく入ったメンバーによってかき乱されるという定番の物語。今回は場所が盲学校なのでその特異性が演技の訓練になるので選定されたのだろう。視線を動かさず、表情もあまり変えない、といういわば大リーグボール養成ギプスを身に付けて、どこまで演劇を作り上げることができるだろうか。この設定ではまた、黙っていると同じ部屋にいても分からないということがまるで透明人間のSFのようで面白い。休憩なし105分。

ストーリーは連続TVドラマにもできる愛憎劇なのだが、直接的な表現は少なく上品な薄味仕立てで進んで行く。「目が見えない」ということは「何かが分からない」ことの一つの例示にすぎないので、哲学的な雰囲気を持たせているのかもしれない。曖昧な方が普遍的な意味を感じられるということもあるだろう。それにしても結末はもう少しなんとかしてほしかった。

演技はやはりぎこちない。そのハンデを乗り超えて魅力を発揮する役者さんも残念ながらいなかった。この珍しい集団特殊演技を見てみたい人にはお勧め。もちろん研修生を暖かく見守りたいという人にも。

クランク・イン!

クランク・イン!

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2022/10/07 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

岩松作品はピースの欠けたジグゾーパズルを組み立てる過程を見せるものだということが2作目にして腑に落ちた。前作でも薄々気が付いていたのだが、でき上がる絵が見えなかったのだった。どうも過大評価してはるか上空に目を向けていたようだ。実体は地上にあったのに。今回分かったのは要するに平凡な絵ができあがるだけということだ。

大好きな吉高由里子さんも見せ場がなく、秋山菜津子さんも報われない熱演だ。

CoRichの「あらすじ」に書いてあることは実際の舞台からほとんど分からない。こんな裏設定を書かねばならないほど舞台は破綻している。

アルキメデスの大戦

アルキメデスの大戦

東宝

シアタークリエ(東京都)

2022/10/01 (土) ~ 2022/10/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

原作は『ドラゴン桜』で有名な三田紀房の漫画である。「ヤングマガジン」において2015年から連載中であり、単行本も29巻が出たばかりである。昭和8年から始まって今は昭和16年末の真珠湾攻撃直後であり、まだまだ終わる様子はない。

その超長編を映画では単行本の3巻くらいまでを取り出しかなり改編して、冒頭5分間の実写+CGによるド派手な戦艦大和の沈没シーンと最後の大和の就航シーンではさんでいる。アマゾンプライムビデオで『映画を早送りで観る人たち』になってチェックした限りではエンタメ映画である。

この舞台は映画をもとにしているが、もちろん大和の沈没シーンなんてその欠片も再現することはできない。それを逆手に取ったのかエンタメ性よりもメッセージ性に重きを置いた作りになっている。冒頭には代わりに大和が沈没したときに設計者に「これがあなたの望んだことか」と問い詰めるシーンを置いている。このシーンは最後にまた繰り返されて、この舞台の主題が反戦であることを鮮明にしている。また山本五十六がいかにも非戦論者のように振舞って主人公を欺いていることが映画より強調されているのもその流れだ。まあしかし、そんなところを丁寧に見て行ってもそもそもこのストーリーが丸ごと嘘八百なので深く考えずに「ああ、面白かった」で寝て起きたら忘れている、そんなところが正しい観劇態度なのだろう。それなら星4つ。

映画がもとになっているせいか場面転換のための暗転が多く、眠気を吹き飛ばすために結構派手な音楽が流される。ここは安易というかエンタメ方向。65分+25分休憩+90分

きっとこれもリハーサル

きっとこれもリハーサル

エイベックス・エンタテインメント

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/13 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

分かっていたこととはいえ余に不自然な設定に「無理のある芝居だなあ」と観に来たことを少し後悔したが、終わってみれば王道の泣かせる喜劇だった。最初のうちの居心地の悪さも作者の仕掛けの一部なのだ。今から振り返れば「葬式の練習をしたい妻」という設定から流れは読めたのではないかとちょっと残念。まあそう思わせるのも作者の計算の内なのだろう。

石野真子さんが素晴らしい。出だしから気持ちをすっかり持っていかれてしまった。

アフタートークの司会をした吉本ピン芸人の あべこうじ さん、こんな仕事は初めてではないかと思うが中々うまく回していた。そして、娘に葬儀屋がきつめに当たる理由がこのトークで分かったのだが、あべさんも(私も)その伏線をすっかり忘れていたというか気にしていなかった。葬儀屋役の しゅはまはるみ さんが残念そうに裏設定がしっかりあることを説明してくれたのが印象に残った。

『やってきたゴドー』『ああ、それなのに、それなのに』『病気』

『やってきたゴドー』『ああ、それなのに、それなのに』『病気』

名取事務所

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/23 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『病気』
特に何もしていないサラリーマンが周りの屁理屈、珍理屈、謎理屈によってどんどん窮地に陥って行く不条理劇。まあでも、ただのコントであって久し振りに大いに笑ってしまった。満足度星5つ。

『ああ、それなのに、それなのに』
いやあもう全然分からない。本を1ページ飛ばしで読んでいるかのようだ。まあでも、そういう正統な不条理劇であって、ただ暴れているだけで演劇かどうかもよく分からないという不条理さではないのが救い(?)ではある。こちらは満足度判定不能。

かもめ

かもめ

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/09/20 (火) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ぽっちゃりのコースチャと低音のニーナ、いきなり主役二人のイメージを壊されてしまう。これはこの舞台が二人だけの物語ではないのだよという宣言なのだろう。元々恋人どうしに限らない色々な組み合わせの二人の対話の場面が多いのだから原作の正しい実現ではある。

意外性もあるが分かりやすい楽しめる舞台だった。しかし、私の芝居理解力の問題なのだが、相変わらずシンボルとしての「かもめ」の意味するところが腹落ちしなくて困る。あと何回観たらすっきりするのだろうか。

ネタバレBOX

ややハスキーなニーナの声は知性を感じさせ(我ながら偏見だなあ)トリゴーリンにホイホイとついて行くのがちょっと不思議である。そして後半の境遇の悲惨さが増している気がする。私の(というか普通の)ニーナのイメージはアホっぽい(これは余計か)女の子がどん底に落ちながらも耐えることを学び力強く生きて行こうとするもので、変わることのできないコースチャと対比されている。この舞台ではそんなあからさまな違いを嫌ったのかこの後のニーナには不安しか感じない作りになっている。

コースチャ作の劇はラゾーナ川崎版と同じくニーナの踊りとしている。本来は普通の芝居でニーナのセリフが当然あるのだがここではコースチャが読み上げる。音楽はラゾーナ版の「リベルタンゴ」に対してベートーベンの「月光」を持ってきた。これは二つの舞台共に全体の雰囲気を表す看板なのである。
*「リベルタンゴ」は完全に演出家の好みだろうが「月光」はコースチャが最後の自分の原稿を読みながらトリゴーリンと比較するときの表現の対象ということで根拠のあるものである。

他にも特徴的な場面があった。
まずあげるべきはラストである。原作ではニーナが帰ったあとアルカージナらが再び居間に戻って騒いでいるときにコースチャの寝室から銃声が聞こえるのだが本作では一行が戻ってくる前にコースチャが居間でピストルを取り出すと舞台は暗転して銃声となる。これは非常に印象的で星が一つ増えてしまった。

次に、マーシャがトリゴーリンに依頼した本のサインは
神西清訳「身もとも不明、なんのためにこの世に生きるかも知らぬマリヤへ」
原卓也訳「素性不明、何のためにこの世に生きるかも知らぬマリヤへ」
となっているのだが今作では
ハツビロコウ訳「誰が親かも分からない、何のためにこの世に生きるかも知らぬマーシャへ」
となっていた(と思う)。マーシャはマリヤのニックネームなのでそこはいいのだが「マーシャの父親はドールンじゃないか」問題を考えるとき原作では80%くらい正しく思えるが今作のこのセリフはハツビロコウは100%断定した(と私は捉えた)。…と書いていると段々皆同じにも思えてきた(汗)。「親」という単語に過剰反応しただけかもしれない。

そして意図的に「芝居じみた」演出を入れている。
トリゴーリンが机を叩くのは良しとして、まあそれもかなり激しいのだが。アルカージナも机をつかみ椅子を投げつける。そしてアルカージナがトリゴーリンにケチをつけたコースチャを激しく貶すところは原作以上に長く激しく攻撃したように思えた。…原作を読み返してみたがもう舞台の方を忘れている(汗)。
異邦人の庭

異邦人の庭

O企画

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

舞台には長机が向かい合わせに置いてあり、そこに一脚ずつ椅子が付けられている。それらの二組はアクリル板(仮想)で遮られている。ここは死刑囚を収容する拘置所の面会室である。60分休憩なし。

登場人物
火口 詞葉(ひぐち ことは):死刑囚
一 春(にのまえ はる):劇作家

<あらすじはネタバレBOXに>

下敷きの下敷きとなっているのは座間市の9遺体遺棄事件である。この事件では犯人は男で精神的な問題を除けば疑問の余地のない殺人事件であって本作とはかなり違う。もっとも本作でも事件の全貌が語られることはないので実はよく分からないのだが犯人が女に変えられているので性的な犯行がないことは担保されている。しかしそのために小柄な女性に犯行が可能だったのか遺体の処理はどうしたのかなど疑問が生まれても来る。また普通なら怒るはずの春が見た目の柔らかさ優しさからむしろ親近感を増していったのは罪を憎んで人を憎まず的な主張の現れなのだろうが、綺麗ごとにまとめようとする安易さ、不自然さを感じる。いかにも凶悪に見える男を扱う方が本質的だろう。

狭い舞台での二人芝居なので大きな声も身振りも必要ないがそれでも映画とは違った芝居らしい演技が必要とされる。詞葉役の都築香弥子さんは地声と裏声を駆使して可愛い自分と強かな自分とをはっきりと使い分ける。春役の荻野貴継さんは要所要所での背景説明のナレーションは安定感があって良いものの時折見せるオーバーでリズムが崩れた言葉や動きがどうにも気になった。本当の意図を隠している心の動揺を表しているのだろうとは思うものの違和感が残る。

内容は「死刑囚豆知識」と「死刑制度豆知識」をちりばめて「自分の命は自分だけのものではない」と言いたいらしい。そういうわけで、この未来の死刑執行制度も本人の意志だけでは決められない仕組みになっている。私はこの考えにはずっと反対で「自分の命くらい自分で決めさせてくれよ」と考えていたが、日々体力の衰えを感じる今となっては、自分に関しては、自然なのか神なのかは知らないが大いなる力が適切に決めてくれるのだろうと悟りの境地である。

戯曲は以下で無料で読むことができる。
戯曲デジタルアーカイブ『異邦人の庭』
https://playtextdigitalarchive.com/drama/detail/387

ネタバレBOX

***あらすじここから***
令和6年の法律改正で死刑囚には死刑確定から5年間限定の執行日選択権が与えられることになったという近未来のお話。ただし、選択は本人の意志だけでは決められず父母あるいは配偶者の同意が必要となっているという。

火口詞葉(ひぐちことは)は、自殺願望を持つ7人の女性を殺害した罪で死刑判決を受け、この拘置所に収容されている。警察から逃れようとして事故に遭い当時の記憶を失っているが完璧な証拠により自分の犯行であることを認め、死刑を受け入れている。そこに劇作家の一春(にのまえはる)が取材のために面会に訪れる。詞葉は父母からは刑の執行の同意が得られずにいたため取材を受ける代わりに春に自分との結婚と死刑執行への同意を求める。春は求めに応じ取材がスタートする。

ほとんどの面会を断っていた詞葉が春の面会を受け入れたのは以前に観た演劇の作者としてその特異な名字を記憶していたからであった。二人の会話で春はバツイチであり、元妻はその劇に出演していた女優であることが分かる。

夫となった春の過去が気になったのかあるいは最初から動機に納得していなかったのか、詞葉は支援者に春の芝居の資料を集めてもらうと、そこには公判中に何度も見た被害者の一人の顔があった。春にとっては事件当時はすでに元妻だったが自殺をするような人ではなかったので何とも腑に落ちず事情を確かめるという目的もこの面会にはあったのだった。

しばらく経ったある日、死刑執行の同意書を求められた春は同時に離婚届も持参して詞葉に決定をゆだねる。これが最後の面会であろうと察した詞葉は教誨師から聞いた何人も隔たりもなく集う場所である「異邦人の庭」が、もしあの世にあったなら罪人の私にも会ってほしいと願い、春は同意する。
***あらすじここまで***
頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

樋口一葉を主人公にしているが、登場人物は母親と妹以外は創作であり幽霊まで出て来る。作者の頭に浮かんだ彼女の同時代の女性を描いた『明治女性図鑑』であり、それは別の井上作品「貧乏物語」と同様である。樋口一葉と聞くと「たけくらべ」「にごりえ」と反射的に答える受験知識しかない私でも十分に楽しめた。上手すぎる6人の女優さんによる素晴らしいエンターテインメントである。
ただし、明治時代の話なので前半40分くらいは話に入れずに困ってしまった。

ミス・サイゴン【7月24日~28日、8月22日~24日公演中止】

ミス・サイゴン【7月24日~28日、8月22日~24日公演中止】

東宝

帝国劇場(東京都)

2022/07/24 (日) ~ 2022/08/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

素晴らしい音楽と困惑するストーリー。

あらすじは「蝶々夫人」とほぼ同じで、背景をベトナム戦争にしただけである。「蝶々夫人」は相当な問題作でそれを下敷きにして新たな物語を作るというのがそもそも間違いだ。もっともクリスは戦争の混乱が原因でキムと離れざるを得なかったと理由が付いているし、蝶々さんが自死する理由がやや弱い点はトゥイを殺した罪の意識も加えて納得できるものになっている。そこはさすがに見過ごせなかったのだろう。しかしその代わりに作者のベトナム戦争感が明らかになり、トゥイのあまりに酷で雑な扱いはアジア人感をも想像させるという副作用をもたらした。

世界4大ミュージカル(*)の未観の最後のものだったが、欧米の作品を盲目的に有難がるのはもう止めようと今更ながら反省した。(*)他の3つは『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』と『キャッツ』

ネタバレBOX

高橋雄一郎『ミス・サイゴンと日本』東京医科歯科大学教養部研究紀要25(1995)21-31
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyoyobukiyo/25/0/25_66/_pdf
が非常に興味深い。
ザ・ウェルキン【7月21日~24日公演中止】

ザ・ウェルキン【7月21日~24日公演中止】

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

演出の加藤拓也さんはパンフレットで
 「この作品は『十二人の怒れる男』を彷彿とさせる裁判劇であると同時に、」
と書いているが「十二人の…」とは全く違うし、本質的には裁判劇ですらない。リスペクトしている部分はあるけれど「彷彿とさせる」ことはない。

加藤さんは続けて
 「妊娠や出産、家事労働の一切を強いられる女性たち、その存在と人生に焦点を当てた作品です。」
と書いている。こちらが適切でそういう作品なのだ。宣伝文もそちらで書くのがまともな商売だと思う。そのうちこの方面にもコンプライアンス問題が出てくるかもしれない。

お芝居そのものは「どうしてそんな人がここに」とか「何でこの人がこんなことをするの」とかの疑問が後半で回収されて行くのは結構楽しい。俳優さんでは長谷川稀世さんの独特の雰囲気はとても心地良かった。一方で最初の暗い場面は目が疲れるだけであり、次の光る宣誓台は違和感しかない。

ネタバレBOX

最初の段落に補足すると
論理的に事態が進展することはなく、ほとんどの人物は最初の直感にこだわるばかりである。
abc♢赤坂ビーンズクラブ

abc♢赤坂ビーンズクラブ

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コントに歌とダンスそしてクラリネットとアルトサックスまで出て来てこれはもう令和の「シャボン玉ホリデー」だ。まあでも曲は懐メロではなくオリジナルで昭和の番組と一緒にしては叱られるかも。いやでもギターの弾き語りはあいみょんよりは山崎ハコに近かったなあ、でも恨み節ではないから吉田拓郎か。休憩なしの85分。

出演は17歳から30歳までの10人の粒ぞろいの美女群団。芝居の発声もしっかりしていてダンスもキレッキレッ。私の守備範囲では全く見かけたことのない方々で素晴らしい才能に出会えてとても嬉しい。*私が知らないだけで結構有名な方々らしい。

まだ2ステージ目でこなれていないところもあるがどんどん改善されて行くことだろう。
点数をつけるならコントは80点、歌は75点、ダンスは85点、そして大野まりかさんのクラリネットは120点である。芝居全体の満足度はこれからの期待も込めて星5つ。

拍手のするしないが難しいのでもっと分かりやすい演出にしてほしい。お客さんの拍手を引き出すのも演出の技術だ。前に観た韓国発のミュージカルではどんなに短い曲でもド派手にジャジャジャーンと終わるので拍手せざるを得なかった。まあそれはちょっとやりすぎ感があったけれど。

ラインダンスがあれば更に良いのだけれど衣装代で大赤字確実だ。あとは誰かキーボードの基礎のある人を特訓してキーボード+クラリネット+アルトサックスのインストルメンタルとコーラスを入れたものも欲しい…きりがないね(笑)

昭和のおじさんが大好きな「シャボン玉ホリデー」はこちら
「すずかけの道 鈴木章治、ザ・ピーナツ、安田伸」
https://www.youtube.com/watch?v=Rhk6ah-x-90

おまけ:「説明」でプロデューサーである難波利幸さんが
『キャスティングは昔から好きな彼女たち。ライザ・ミネリ、ゴールディ・ホーン、 ヴィヴィアン・リー、ベッド・ミドラー、 フェイダナウェイ、ミア・ファロー、モンロー…に、一番近いところにいる日本の女優。』
と書いている。この「一番近いところにいる」の意味が分からなかったがどうやら見た目のことらしい。彼の眼にはそう見えるということなのだ。10人対7人で数が合わないが重複可ということで考えながら観るのも一興かも。「…」を独自に補うのもありだ。

ディグ・ディグ・フレイミング!

ディグ・ディグ・フレイミング!

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/06/25 (土) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

席はすべて自由席でチケットの番号順に開演30分前から呼び出される。私は60番台だったが最前列にはまだいくつも空きがあった。なんか皆さんガツガツと良席に殺到するということはないみたいだ。

インターネットの炎上というとあの女子プロレスラーの事件がまず頭に浮かぶ。その話かと思っていたがこの劇は4人組のYouTuberが加害者にも被害者にもなる話で途中でこちらの頭を切り替えた。外の暑さのせいか、会場の冷房が効きすぎていたせいか、はたまた私の知らない隠喩が沢山あったのか、何とも理解できていない気分である。

満足度は私が受け取れた限りではテーマは常識的で星3つ、演劇としてはバラエティに富んでいて星4つというところ。村岡希美さんのストレートな怪演が嬉しい。

ネタバレBOX

観終わってから散々頭を働かせて理解できたことは以下の通り。

あらすじ:
「4人組のYouTuberが謝罪を求められ、過去の番組を振り返ってみるが思い当たるものはない。とうとう被害者の母親なる人物が登場するが調べてみると彼女の受け取り方が間違っていただけであった。その炎上の過程で4人組は誹謗中傷を受けて登録者がゼロになり、ノイローゼから死を意識するメンバーも出て来る。そして「死」は全員を巻き込みすべてを終わらせるように見えたが善意の視聴者のおかげで寸前で助かることになる。」

「ロボットじゃない私」というのは誹謗中傷を受ける私も誹謗中傷を行う私もどちらも血も涙もある存在だということなのだろう。

受け止めることができたことをまとめると
・コミュニケーションにおいてお互いの受け取り方に違いから混乱が生じる。とくに文字によるもので顕著である。
・その混乱は人々の肉体も精神も傷つける。
・適切な治療や援助が必要であり、その主体になりたいものだ。
となる。まあこの辺が私の限界だ。

あの「死」のオブジェは文字通りの意味ではなく心や体を蝕むすべてのものを代表していると受け止めている。
夏芙蓉/ふぶきのあした

夏芙蓉/ふぶきのあした

くじら座なごや

スタジオ空洞(東京都)

2022/06/17 (金) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

高校演劇のスタンダードを作り続けている越智優の作品2本を休憩なしに続けて上演する。どちらも60分(高校演劇大会の規定らしい)。

『夏芙蓉』
はるか昔、私の高校の文化祭ではよく分からない抽象劇をやっていた。あれがもし本作のような美しいファンタジーだったならその後の私の演劇に対する態度も違っていたかもしれない、と言いたいところだがガサツな男子高校生は1ミリも共感できなかっただっただろう(遠い目)。そしてまた今となっては共感するには年をとりすぎている。このように観る側にも適齢期があるのだ。ましてや演じる側をや。今回の女優の皆さんはこれがギリギリの賞味(演技)期限だろう。

千鶴役の竹田百花さん:真面目でドンくさい表現が絶品だ。一緒に観た友人が「普段からこういうしゃべり方なんでしょうね」というくらいうまい。あれ?もしかして友人が正しいのか?
由利役の西田真実子さん:こういうアホっぽくて憎めない娘が確かにいた。こちらもうますぎて普段からこういう人なのだろう疑惑が出る。
舞子役の東出薫さん:美しい瞳はマスク着用の今回なお一層輝いていた。
サエ役の利藤早紀さん:急遽代役で台本を持っての演技だったが全く不安を感じるところはなかった。

『ふぶきのあした』
「大吹雪と大寒波で孤立した学校内に取り残された学年もバラバラな10数人の高校生たち。外に出て死にそうになる者も出て地球の最後ではないかと大混乱に陥る」
という点ではパニックもののようであり、
「タイトルロールである女子高生「ふぶき」が現実感のない行動や挑戦的な発言を繰り返す」
という点ではファンタジーもののようでもあり、
「実は目的があって残っていた人もいて突然の告白を始める」
という点では秘めた純愛ものでもある。
つまりは高校生活あるある集にいろいろ盛ってみましたということなのだろう。

というのが一応の私の結論なのだが「自殺しようとしている吉沢君を「ふぶき」が見守っていた」というエピソードは大きな柱のはずで二人だけのシーンが3回もあるのだが印象が薄い。実は「ふぶき」は雪女で吹雪を起こして彼の自殺を阻止したという話とも思えるが、結局「ふぶき」は現実の存在(ですよね?)ということなのでそれはない。何とも消化不良が残っている。…そういう狙いだとすると意地が悪い。

ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

白に続いて赤も鑑賞。もしかすると内容が異なるかと思ったが同じだった。でも俳優さんによって受ける印象はまるで違う。白の兄は細身で昔の自分に同化できたが赤の兄は頑丈な体躯でずっと他人のままだった。続いて青も観た。さすがに3つも観ると細かなエピソードがあったりなかったり微妙に違っていることがよく分かる(*)。この青の兄は寝て起きたばかりの隣のあんちゃんという感じで感情移入までには至らなかった。満足度は 白:星5つ、赤:星4つ、青:星3つ。観た順番が大きく影響する。

(*)青では妹が兄にコップの水をかける、赤では兄が使っていた食器をヘルパーさんに渡す、パソコンが最初からあるか、兄が買い物から帰って来た時に手ぶらかとかは分かった。立っている場所が異なるのは多数。

池亀三太さんはワンルーム、登場人物3人の話を書く魔術師である。よくもまあこんな物理的にも精神的にも狭い世界から人前に供するに値する80分の作品をひねり出すものだと感心する。そして我々はわずかな想像力を発揮するだけでその世界に安心して浸りこむことができる。そんな作品群をこれからはアパルトマンシリーズと名付けて世に出して行くという。これはその第一弾である。あれ、何かYouTubeでいうところの案件くさいなあ(笑)

さてゴンドラそして観覧車は何を意味しているのだろうか。段々と非日常に昇って行き期待に胸が高まり頂点に達してまた段々と降りて来る他では味わえない世界というのがこの舞台で語られることである。この表設定に関して、私は真に驚くべき裏設定を見つけたが、ここはそれを書くには恥ずかしすぎる。

ネタバレBOX


ではこちらでこっそりと。クレームは受け付けない(笑)
電車には両端があるけれど観覧車に端はないということ。
舞台は客席から見ると
(理屈っぽい)兄ーー(常識派の)妹ーー(何にも知らない)ヘルパーさん
という一直線の電車構造になっている。
しかし、これを上から見ると3人は観覧車のような輪になっている。兄とヘルパーさんは妹という常識の壁で隔てられているように見えて実はこちら側からつながっているのだ。それを確認するように最後、ヘルパーさんの「時間は腐らない」という主張は現代の宇宙論に一致すると兄は驚き、妹は全く理解できないのだがヘルパーさんは確信を持って「ハイ」と2回答えるのであった。
「宇宙論の先には素粒子論があり、人生を極めると何も知らなかった赤子の精神に戻る。そんなことを教えてくれた。ありがとう池亀三太さん(NOBU塾風に読んでね)」
パンドラの鐘

パンドラの鐘

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/06/06 (月) ~ 2022/06/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原爆投下と天皇の戦争責任がテーマらしい。まあしかし観客の多くはそんなことは無視してバラエティとして楽しんでいるようだ。それが正解だね。140分休みなし。
前田敦子さんのはずんだ演技が心地良い。

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