ゴンドラ 公演情報 マチルダアパルトマン「ゴンドラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    白に続いて赤も鑑賞。もしかすると内容が異なるかと思ったが同じだった。でも俳優さんによって受ける印象はまるで違う。白の兄は細身で昔の自分に同化できたが赤の兄は頑丈な体躯でずっと他人のままだった。続いて青も観た。さすがに3つも観ると細かなエピソードがあったりなかったり微妙に違っていることがよく分かる(*)。この青の兄は寝て起きたばかりの隣のあんちゃんという感じで感情移入までには至らなかった。満足度は 白:星5つ、赤:星4つ、青:星3つ。観た順番が大きく影響する。

    (*)青では妹が兄にコップの水をかける、赤では兄が使っていた食器をヘルパーさんに渡す、パソコンが最初からあるか、兄が買い物から帰って来た時に手ぶらかとかは分かった。立っている場所が異なるのは多数。

    池亀三太さんはワンルーム、登場人物3人の話を書く魔術師である。よくもまあこんな物理的にも精神的にも狭い世界から人前に供するに値する80分の作品をひねり出すものだと感心する。そして我々はわずかな想像力を発揮するだけでその世界に安心して浸りこむことができる。そんな作品群をこれからはアパルトマンシリーズと名付けて世に出して行くという。これはその第一弾である。あれ、何かYouTubeでいうところの案件くさいなあ(笑)

    さてゴンドラそして観覧車は何を意味しているのだろうか。段々と非日常に昇って行き期待に胸が高まり頂点に達してまた段々と降りて来る他では味わえない世界というのがこの舞台で語られることである。この表設定に関して、私は真に驚くべき裏設定を見つけたが、ここはそれを書くには恥ずかしすぎる。

    ネタバレBOX


    ではこちらでこっそりと。クレームは受け付けない(笑)
    電車には両端があるけれど観覧車に端はないということ。
    舞台は客席から見ると
    (理屈っぽい)兄ーー(常識派の)妹ーー(何にも知らない)ヘルパーさん
    という一直線の電車構造になっている。
    しかし、これを上から見ると3人は観覧車のような輪になっている。兄とヘルパーさんは妹という常識の壁で隔てられているように見えて実はこちら側からつながっているのだ。それを確認するように最後、ヘルパーさんの「時間は腐らない」という主張は現代の宇宙論に一致すると兄は驚き、妹は全く理解できないのだがヘルパーさんは確信を持って「ハイ」と2回答えるのであった。
    「宇宙論の先には素粒子論があり、人生を極めると何も知らなかった赤子の精神に戻る。そんなことを教えてくれた。ありがとう池亀三太さん(NOBU塾風に読んでね)」

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    2022/06/19 22:20

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