ベンジャミン2号が投票した舞台芸術アワード!

2019年度 1-10位と総評
10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

1

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

中野劇団

ショートコントの羅列みたいなものかなと勝手に想像していたら、全く違うものだった。細かな言い間違いすら毎回完全に再現する役者さんの芝居の精度も大したものだが、1つ前のタイムリープでは笑いとして成立したセリフのやり取りが、次のタイムリープではもう笑いとして成立しなくなるというのは、観るまでは分からなかったことで、何という手の込んだホンかと感心するばかり。

アンオーダブル

2

アンオーダブル

演劇企画 heart more need

20年以上の時制を行き来しての芝居だが、簡素なセットが効果的なのと、自然な移り替わりで違和感はない。確かにあらすじに書かれていた通りの内容なのに、自分が予想していたものとは違う、濃密で温かい80分。

Butterflies in my stomach

3

Butterflies in my stomach

青☆組

7人の女優によって、77分で綴られる「ななこ」の生涯。周りの家族や友達、場面ごとの効果音までもこの7人が担当。細部にまで神経の行き届いた舞台。初日と終盤で2回観たが、その間に体調を崩してしまった影響なのか、1回目と2回目ではぐっとくるシーンが少し変わったのが自分でも驚き。

EVKK9月公演『売り言葉』

4

EVKK9月公演『売り言葉』

エレベーター企画/EVKK

「売り言葉」を観るのは初めてだし、「智恵子抄」は遥か昔に斜め読みしただけだったので、公演の前に再読してから今日の一人芝居版へ。戯曲の良さもさることながら、後半、澤井里依演じる智恵子の精神が研ぎ澄まされてというか、磨り減っていくのに、それでもどんどん綺麗に見えてくる。

山兄妹の夢

5

山兄妹の夢

桃尻犬

実際にあった事件をモチーフにしてはいるものの、いつのまにか時制が変わっていたり、過去と現在の人物が同じ空間で話したり、死者と話したり、それらがごく当たり前のように行われる、こちらの予想を全て裏切るような舞台。しかも笑える。

こっちみてるの、しょうこ

6

こっちみてるの、しょうこ

やみ・あがりシアター

説明文に書いてあった程度の情報しか知らなかったので、サスペンスっぽい話なのかなと考えていたが、こちらの予想の斜め上を行く展開。照明や音響もいいけど、選曲も、特に序盤のイタリアンの連続には(別にマニアックな曲じゃなく有名曲ばかりなのに)、個人的にグッともっていかれた。

肉体だもん・改

7

肉体だもん・改

劇団ドガドガプラス

ドガドガプラスを観て嬉しくなるのは、とにかく客に楽しんで帰ってもらおうという気概にあふれていること。華やかな女性陣も楽しかったが、今回目を引いたのは翠子役の女優さん。歌はまだまだだけど、踊る度にその姿を追いかけてしまった。

瀬戸の花嫁 再再演

8

瀬戸の花嫁 再再演

ものづくり計画

再演のときに観る予定だったのが、インフルエンザの疑いが出てキャンセルする羽目になってしまい、その評判の良さを聞いて、再再演をしてほしいなあと願っていた舞台。期待を裏切らない仕上がりに満足。

瘋癲老人日記

9

瘋癲老人日記

劇団印象-indian elephant-

劇団印象はこれが初めて。大好きな谷崎潤一郎晩年の傑作の舞台化だから期待していたが、とても楽しい舞台。しいていえば、あの足のオブジェは、もう少し美しくグロテスクなものであってほしかったけど。

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

10

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

DULL-COLORED POP

今回悩んだのがこの三部作上演。全て観ていたならこれを1位にして、他を考えようかと思ったものの、結局第一部(昨年の初演も含め)を観られずじまい。かといって、第二部と第三部のあの衝撃を選外にしてしまうのも躊躇われ、自分の記録という意味で10位に置かせてもらった。

総評

投票した10作のうち初めて観た劇団が半分以上。まだまだ自分の知らない面白い劇団がいっぱいあるのだなあと思うと、来年の新しい出会いが楽しみ。

このページのQRコードです。

拡大