Dの観てきた!クチコミ一覧

581-600件 / 630件中
だってやりたかったんだもん公演

だってやりたかったんだもん公演

演劇集団レイマ

ひつじ座(東京都)

2007/04/21 (土) ~ 2007/04/22 (日)公演終了

旗揚げおめでとうございました。
既に過去の事なので、過去形。
方向性を探っている感がありました。まずはそれさえ定まれば今後の活動の方針も自然と見えてくるかと。

傷は浅いぞ

傷は浅いぞ

柿喰う客

王子小劇場(東京都)

2007/11/14 (水) ~ 2007/11/26 (月)公演終了

傷を更に広げに行ってみた。
【通常版】演出替えの回だけを観るのもどうかと、今度は本来のバージョンをリピート観劇。
玉置さんのノドの状態が少し回復していて安心した。やはり少人数でのロングランは個々への負担も大きい。

ネタバレBOX

上演中に客席で気だるい空気が流れたのが気になりました。狙い通りであろう箇所でちゃんとウケていたのに、客席からの反応の返りが弱かった感アリ。この日は祝日。そのマチネ公演で感覚も寝起きで不感気味だったか?
傷は浅いぞ

傷は浅いぞ

柿喰う客

王子小劇場(東京都)

2007/11/14 (水) ~ 2007/11/26 (月)公演終了

傷は浅くなんかなかった。心身ともにボロボロだ。
【濡れ場上演】役者の疲労が見えました。しかし、それでも舞台に立ち続ける姿は誇らしくさえある。やる側がそれだけダメージを負う芝居なのです。観るほうだってそれを軽視出来やしない。どうか公演が終わるまで生きていてくれ。

ネタバレBOX

「濡れ場上演」の回だったからか、客の反応が観劇をするにあたってのものとはちょっと違った。フォーマンスやショーを観る時のそれでした。無事に成功するのを祈りつつ、何処かで予想外の何かが起こる事への期待もしている様な。そもそも柿の芝居は普段も観ていてそっちに近い感覚があります。が、今回は小ネタなどのウケが過剰になっていた気も。やる側から絶えず押し出されてくるものがあるので、観る側が雰囲気に飲まれてなんかよく分からないまま笑っちゃったのもあるのでしょう。これが初の柿観劇だった場合、団体としての印象はあまり正当ではないかもしれない。それもあってかアフタートークで代表・中屋敷さんからは「演出替えの回は、そういう企画」という発言がありました。
JETS

JETS

JETS制作部

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2007/11/16 (金) ~ 2007/11/19 (月)公演終了

もの凄いMother Fxxkerどもだ。
一応、褒め言葉。なんかロックだった気がする。60分しかないけど、気付いたら手に汗をかいていました。濃い。濃過ぎる。
これから行く方は上手側の席に座るのがオススメ。劇中で出る映像が観やすいし、他の席は混むと狭くなります。

ネタバレBOX

客入れから流れている曲は知る人ぞ知るzilch。私、開演前に既にテンションが上がりました。
ろりえの奥山さんが目当てでしたが、「15 minutes made」で出演してた高木さんも出てる。というかこの公演の関係者にはろりえの旗揚げ公演に関わる人々が多数。作風も始まってしばらくは間の使い方や畳み掛ける台詞で先日のろりえを連想しました。
舞台が2つに分かれていて別場面が同時進行。人物の関係性や背景は結構曖昧。なのになんだか成立している。smartballがやってる事をもうちょっと整えたらこれになるのかもしれない。そういえば去年この劇場でアイサツを観たんだっけ。主宰の方が先日のsmartballに出てました。
あ、女優2人が可愛いです。
コントローラー

コントローラー

北京蝶々

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2007/11/16 (金) ~ 2007/11/23 (金)公演終了

ほほぅ。
自分の過去のデータを入力する事で未来を予想出来るというゲーム。そこから己を顧みる人々の物語。ちょっとSFというのもあり、台詞中に架空の言葉が出ると若干説得力に欠ける感じも。でも中盤まではその設定だけで楽しめました。

ネタバレBOX

前後で現実とゲーム内を分けた構造の舞台。時に現実の人物とゲーム内の人物がシンクロして同時進行したりもします。これが1つの舞台上で頻繁に場面が入れ替わる方式だったら、観る側もその度に気持ちを切り替えてしまって観辛かったでしょうね。そのシンクロを利用した演出で気になった点。双方の舞台にはそれぞれピアノとPCが置いてあり、現実とゲーム内の人物が同じ動きでその前に座る場面がありました。が、それをやるならもっと動きを綺麗に合わせて欲しかった。それに繋がる動きが始まった時点でそうなる事は予想出来て、期待もしました。なのであんまり綺麗に重なって見えなかったのは残念。
同一人物を演じる役者同士があまり似ていないけど、そもそも似せようとしてないのかな。現実と作り物の違いだし。
中盤までは現実とゲームとの差異を見比べながら物語が進み、それ以降は現実の人物がそして今後どうするかと動き出す。この辺から感情を見せる芝居が増えたものの、見せ過ぎてテンポが変わったからかスピードダウンを感じました。
で、ラスト。見限った同棲相手と抱き合った様に見えて実はナイフで刺している。個人的にこれがどうも頂けない。それまでに軽い暴力描写もあるとはいえ、最後の最後にそれはどうかと。ただ客の予想の裏をかきたかったんじゃないかと邪推さえします。後味が宜しくない。
ECHO

ECHO

劇団5本指ソックス

ART THEATER かもめ座(東京都)

2007/11/02 (金) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

しっかり、しっとり。
脚本がしっかりしている。悪く言えば癖がない。団体として初の書き下ろし戯曲らしいのでまずは素直な作品でもいいと思う。作風はしっとり。恋愛感情に結びついたりそうでないそれぞれの慕情が、過剰過ぎず慎ましく描かれていました。大人、な感じかな。

ネタバレBOX

気になったのは役者のタイプ。4人中3人が自身の内側で作る芝居。その分、他者との遣り取りを上手く成立させていた西原さんが浮いて見えたのが残念。客の多くは「あの人なんか上手いな」くらいにしか思っていなかっただろうけど。他3人が下手という訳ではなくて、合致性が惜しかったと言えばいいか。
ЖeHopмaN (ジェノルマ)

ЖeHopмaN (ジェノルマ)

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2007/11/03 (土) ~ 2007/11/11 (日)公演終了

1週間空いて、もう片バージョンを観る。
【Ф(エフ)バージョン】前回よりも芝居が安定していた。回数をこなしたというのもあるけど、そもそも前回は12:00開演だった。早い時間で役者がノリ切れていなかったのもあると思う。それを抜いてもこっちのバージョンのほうが面白いかな。
楽日の明日は前売りが売り切れ、当日券も少ないそうです。DVDになるらしいので、それでも見たいという方は連絡してみては。

ネタバレBOX

役者としては渡辺さん・岩田さん・なしおさんをチェック。体験版の時から安定して見えました。キャラ立ちがはっきりしているし、全体の中での位置取りも上手い。
陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>

陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>

乞局

アトリエヘリコプター(東京都)

2007/10/24 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

両バージョンとも観た。
【画廊版】やっぱり気持ち悪いなぁ。どろどろしてます。詰まりかけた排水溝みたい。そして時々詰まってた。

ネタバレBOX

当然、両バージョンをそれぞれ比べてしまった訳です。どっちのが観やすかったかと言えば、劇場版。脚本の構成でも見切れのなさでも。両方を観ると補完出来る部分もあるのですが、劇場版がオリジナルだとすれば画廊版はリミックスみたいな印象。
壁に絵が掛かってたけど、あれは舞台美術として何の意味があったのだろう?アパートの一室が舞台だったはず。むしろないほうが良かった様な。

-追記-
客席でサンプルの松井さんを発見。だからなのか、観劇翌日になって「サンプルとちょっと似てるかも?」と思う。でも、やっぱり違う。素材が似てはいるけど味付けが違う。
TAKEOFF~ライト三兄弟~(再演)

TAKEOFF~ライト三兄弟~(再演)

KKP

天王洲 銀河劇場(東京都)

2007/10/24 (水) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

ホントに再演。
初演では急な役者交代があったので今回は改めて脚本を書き直すのかと思いきや、ほとんど直していなかった。しかしアドリブ箇所の所要時間などはかなり変わっていて全体的にすんなり観られる様になっている。開演から終演まではあっという間。笑いながらも次の動向を見逃さない様にしましょう。

ЖeHopмaN (ジェノルマ)

ЖeHopмaN (ジェノルマ)

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2007/11/03 (土) ~ 2007/11/11 (日)公演終了

面白い。のに、
【С(エス)バージョン】体験版のほうがコンパクトで観やすかった。人数が増えた事によって役割が分散、尚且つ全体のボリュームは増えているので観ていて情報を処理し切れない部分があった。体験版を観た自分がそうだったという事は、初見の方々にとってはどうだったか。それでも笑いになる部分ではちゃんと受けたし、そういう掴みは上手い。演技だけでない芝居を観たい人にはオススメ。

ネタバレBOX

野口さんの存在感の強さ。劇中で物語の鍵を握るジェナーの役割をしっかりこなしている。毛色は違うけれど、本来は電夏のじょんさんが請け負ったであろう役割。その点で全体の色も少し違って感じた。これはこれでアリ。とはいえ個人的にじょんさんの不在は寂しく思います。
対して同じくジェナーである永島さんの演技が…。過去のゲームでの負けにより「笑えなくなった人」という立ち居地ですが、だからといって感情を失ってはいないはず。台詞や行動に何の温度もなかった。その上、役者自身が台詞の意味を分かっているのかさえ危うく見えた。他の人物よりも高みに居て先を見据えた視点にあるはずなのに、そもそも集団の輪の中に入れてもいない。終演後の客出しでは笑顔で可愛く大きな声で「ありがとうございました!」と言われて残念な気持ちが沸いた。舞台上でもそういう姿を観たかった。
もゆらの眠りより呼ぶは化笛

もゆらの眠りより呼ぶは化笛

立教大学演劇研究会

立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)

2007/11/01 (木) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

文化祭の出し物としては上等。
脚本・演出・役者それぞれがもう一段上を目指せたとは思います。とはいえ客席にいるのは身内を観に来ていて、尚且つ芝居に慣れていないであろう父兄ばかり。追求する事の難しさもあったでしょう。その中で冒険している部分も垣間見えた。父兄にどう思われたかは分かりませんが、私は好感を得ました。

ネタバレBOX

話の流れが変わっているのに役者がそれを表現出来ずにいた箇所がいくつか。その一言で一気に緊迫するはずなのに、その場がそうなれず前の流れを引き摺ってしまっていたり。これは演出と役者のどちらの責任でもあるかと。
役者は舞台慣れしている人から初舞台に近い人まで。どちらかといえば女性陣のほうが目を引きました。個人的には「歌い手2」の浅賀志桜里さん(だと思う)に注目。動きの切れが良かった。大人数キャストが勢揃いする場面は圧巻。これぞ人の力。笛はもうちょっと頑張って欲しかったかな。

-追記-
盛り上がりの場面で「坊っちゃん」の冒頭部分を台詞として引用。必要性があったかという点ではちょっと疑問。
シバリス

シバリス

Logiz Game(劇団ギルガメっす♂改め)

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2007/10/26 (金) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

成長を感じた。
落ちこぼれダンスチームが大会で優勝を目指す物語。
配役には然程違和感がなく、出番の少ない客演陣の扱い方も悪くない。肝心のダンスは結構上手い。充分に見世物になっている。前回公演から比べるとかなり軌道に乗った芝居が出来ていたかと。以降確実に右肩上がりで行けるかに期待。

ネタバレBOX

劇団員を平等にしたかったのであろうが、主人公が不在。それがそれぞれの人物の立ち居地をあやふやにしてしまったかと。客観的な立場で独白する人物がいるものの物語への絡みは根深くなく、逆に1人で「恋愛」と「家族との軋轢」という2つの役割を持った人物もいた。それでも脚本は前回公演より完成度が上がっていたと思います。何かテキストを手本にしたのかな。だとしても今後それが劇作の基礎力になるならいいでしょう。
Oh!電気ボーイ

Oh!電気ボーイ

劇団 兄貴の子供

シアターシャイン(東京都)

2007/11/01 (木) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

読めそうで読めなかったり読めたり読み切れなかったり。
脈絡がないのです。良くも悪くも。だからといって物語が破綻しているかといえばそうでもなく、そういう世界観に思えました。雑さが見えたのは事実。でも客席の温かさもあって見守る気持ちでいられたり。愛嬌のある芝居でした。

ネタバレBOX

「電気屋の息子がサイボーグ」とか、実は結構使い古されたネタのはず。でもそれが劇中で明かされるまでに先読み出来た人はそうそういないのでは?複線は確かにありました。とはいえまさか一気にそこまでフィクション度合いが跳ね上がると観ている側は置いていかれますね。結果それが「なんだそれーーー!?」という笑いになっていたのですが。
千葉おもちゃさん。柿喰う客「女体カーニバル」で初めてお姿を観てあまり良い印象を得ず、天然スパイラル「トワイライト王女」でちょっと印象が変わり、今回でかなりの好印象に。個人的には落ち着いた役のほうがお似合いかと。
アニマ

アニマ

創像工房 in front of.

慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)

2007/10/25 (木) ~ 2007/10/29 (月)公演終了

開演するまでは良かった。
演技以外の点においての演出はある程度の成功に達していた気がします。単に「表現」というものがしたいのであれば、演劇にこだわらない手法を取ったほうがいっそ良かったのかも。

ネタバレBOX

劇場手前で女性がガードマンの持つあの光る棒で元気のなさそうな顔で誘導していたり、劇場スタッフが何故かやたら多くて圧迫感があったり。どちらもそれでいて無機質な感じがして、自分が何かに飲み込まれた様な感覚を得ました。客入れの音楽は曲ではなく高く小さなハウリングの様な音。これもとても無機質。そこまでは期待していたのです。
いざ演目が始まると段々それが下降線へ。抽象的な場面や台詞が多いのですが結局要約すると「アイドル好きな男がその気持ちをその子に押し付けたく、それを掃除要員の女性が貶す」という遣り取りをひたすら大声でリピートしていただけ。少なくとも私の印象にはそういう風に残っています。上演時間70分弱。その間ずっと客席が静かで、あまりにも不安になって振り返ったら一様に能面の様な顔が並んでいました。何の刺激も受けていない表情でした。
月並みなはなし[07再演版]

月並みなはなし[07再演版]

時間堂

王子小劇場(東京都)

2007/10/19 (金) ~ 2007/10/29 (月)公演終了

居やすい。受け入れやすいのです。
観ていてふっと集中が途切れる事があったのですが、すぐにまた見入れました。途切れたのは芝居に飽きたからではなく、日常での会話で気休めがしたくなる時と同じ様な感じ。観劇をしていたという実感があまりなかった。あれだけ楽な気持ちで客席にいられたのは不思議な感覚でした。観劇に不慣れな人を誘って行ってもきっと大丈夫。

ネタバレBOX

各人物が改めて自己紹介と月に行きたい意気込みを語り、聞き終わると周りの人物が拍手をする場面がありました。それにつられて客席でもうっかり拍手をしそうになった方がいたのです。目の前で起きているのが劇中の事であるのを忘れてしまったのでしょうね。「…あ!」と思ったらしく、お連れの方と恥ずかしそうに笑っておられました。
劇中曲はありません。その状態で長い間が多用されているのですが、どれも有効的なので観ていられます。客席の物音で気が散る事もありませんでした。マチネに行ったからか周辺ではお腹の音が何度か。でも劇中に月でパンを焼きたいという人物がいるからか、「そうだよなー。人って生きてるもんなー」とか妙に寛容な気持ちでいられました。
スーパースターリン

スーパースターリン

活劇工房ユニット劇団仙人

明治大学和泉校舎第二学生会館地下アトリエ(東京都)

2007/10/19 (金) ~ 2007/10/22 (月)公演終了

勝手に騙された。
オムニバスのコント公演だったとは。でも、面白かったので良し。
出演者それぞれは活劇工房周辺の他団体でも目にしていました。結構な実力の持ち主達。美男美女も飛び道具も揃っている。そんな連中が思いっ切り好き勝手やっていました。身内受けもあったけれど、違う客層でも結構いい勝負が出来るのでは。

ネタバレBOX


前説の漫才で「もしかして本編の出来具合もちょっとヤバイか…?」と思いました。助走の段階で失速していた様な気が。
「猿芝居」は半裸の男優陣がテンション高めで猿を演じるただそれだけ。「仏像」もそういう格好をした役者達を順にスポットライトで浮かび上がらせてまた暗転に消えていくだけ。一発ネタをやってハズさないというのは強い。
最後にちょっと長めの「サザエさん」。マスオさんの不倫に腹を立てて家を出て行ったサザエ。しかも不倫相手は男性だった。そしてサザエもまたサブちゃんと…。カカフカカでも似たのがあったしベタだけど面白かった。
陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>

陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>

乞局

アトリエヘリコプター(東京都)

2007/10/24 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

寝汗の多い目覚めの様な気持ち。
【劇場版】どうも胸の内で何かが這いずる様な、そんな空気感。そう感じる自分の感情自体は創作物ではなく本物。感情が動くのですからこれも感動でしょう。画廊版もあるので細かい感想はそれから。あ、青年団の木引優子さん。可愛いですね。

王女のスカート

王女のスカート

核ベビ~コアベイビーズ~

タイニイアリス(東京都)

2007/10/17 (水) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

ディープで軽妙。確立した世界観の中にある曖昧さ。
かつて愛し合った同姓のあの人を忘れられず、堕ちていく女性の物語。観るのは二度目ですが、性を描くのがこの団体の作風なんでしょうかね。決して汚らわしくはないのです。でも、性器の名称とかはハッキリ言っちゃいます。主軸は完全に構築されているので突如そういった言葉が出ても許容出来るかと思います。明らかに遊びな場面も観ていられる。役者の地力が全体的に高い。それこそ見所です。

ネタバレBOX

前に観た時にも思ったのですが、暗転を使った空間作りが上手いですね。今回は基本の場面をあるバーに設定していて、舞台奥にはキープされたボトルが大量に並んでいます。それが高層マンションの場面になると、中に仕込まれた光源で容器の色彩に浮かび上がって夜景に様変わりしたり。綺麗です。役者の地力の高さの理由は、存在する上での自分の立ち居地を理解している点。のめりこみ過ぎず、かといって表面的に浅くなり過ぎず。声を荒げる時にちょっと聞き取りずらかったのは惜しいですね。役者の持つ能力にはクリア出来るだけの域にあったので、そこはちょっと感情のみで押し過ぎてしまったのかも。
あ、そうそう。劇中曲を吉田ゐさおさんが担当されていてびっくり。Jungle Smile。
「トワイライト王女」〜孤独が中途半端で困る〜

「トワイライト王女」〜孤独が中途半端で困る〜

天然スパイラル

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2007/10/18 (木) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

この席を覚えておきます。
初見の団体です。チラシや出演メンツ的にもっと毒々しいのかと思ったらそうでもなく。むしろ親子や芝居に不慣れな人でも許容範囲かも。後味も爽快。
劇場的な件。アンケートにも書いてきたのですが、前の方の頭で舞台の3分の1ほど主にセンターが見えませんでした(泣)。これは快適な観劇環境とは言えません。

ネタバレBOX

気にしていた空間的な件。上下差のある舞台を組んだり、頭上の開いた空間にも物を配置したり。ふと役者の上を見上げるともう5人くらい縦に並ぶだけの隙間はあったのですが、内容での引き付けもあって終始気にするほどではありませんでした。どちらかというと上下よりも前後の空間が埋まっていた気がします。主演の真白さんの声の通りの良さによって。役者の力で空間を支配する。それが最も正当であり、また困難で容易ではないのです。
ダンスが素晴らしかったですね。ちゃんと踊れる人ばかりだったのでそれだけで充分に見世物になっていました。尚且つ、音がいい。このホールは音楽イベント用の設備があって大音量にも堪えられるので迫力があります。
物語的には、終わってみれば終始とても優しいお話でした。誰も悪役が存在せずにそれぞれが誰かを思っている構図でした。なので親子でも安心して観られる気がするのですが、梨澤さんの役がちょっとした下ネタを連発。まぁ、でも大丈夫かな。子供は素直に雰囲気で笑えるので。むしろ梨澤さんは柿喰う客への出演を見慣れている為に下ネタが似合ってさえ見えた(苦笑)。乙女に失礼でした。
15 minutes made vol.2

15 minutes made vol.2

Mrs.fictions

ザムザ阿佐谷(東京都)

2007/10/18 (木) ~ 2007/10/21 (日)公演終了

多種多様な味のプチケーキ。
そしてそれを味見する客席。自団体を目的とした客と他団体を目的とした客層が混在する、どの団体にとってもアウェーでホームな不思議な空間でしたね。それぞれの特色は充分に味わえました。本格的に味わいたい人は各団体の公演に足を運ぶ事でしょう。
2度目の企画であるからか制作スタッフの動きも良かったです。どんなに内容が良くてもその前後で嫌な思いをしては結果的にマイナスになりますから。

ネタバレBOX

演目全体的に言えるのは演出が舞台の高さを自覚していたかという点。前方の席だと役者を見上げる位置取りだったので、場所によって見易さに結構な違いがありました。


●虎のこ「三途の川の手前で」
印象としてはかなりの薄味。人物の決心が曖昧なまま、口先でアドリブっぽく笑いを誘おうとする。移入出来ませんでした。これがそのまま2時間芝居になったらちょっと厳しい気が。あえて15分という時間に合わせて普段とは異なる作風でこれを作ったのであればその冒険心は評価しますが。

●多少婦人「嘘→lie」
演目を前後に分けて作・演出の担当が変わる手法は面白い。人物像の変化は否めませんが、各作風の違いを見せるにはこだわるべき部分ではなかったかと。前半は録音した心の声を流した事で、演技を場の空気に関係なくそっちに合わせたのが勿体無い。後半は個人的に結構好き。電動夏子安置システムっぽいとは思いました。

●ろりえ「アイスコーヒー」
「なんだこれ?」が第一印象。「なんだこれーーー!?」が第二印象。間が続いたと思ったら急加速して急停止。先がどうなるか興味を惹かれます。そうか、こういうのもあるのか。ただ、人物の心情が読みにくかったです。あの曲が流れるまで2人の関係が分からなかったし、流れてからもなかなか腑に落ちなかった。最後のコーヒーシャワーはどうなんだろ、と。最前列で私の顔にもかかりました(笑)。いや、それに対しての嫌悪感はないです。女性に浴びせる事への拒否感だったのかも。潔癖な気持ちを抱くと受け止めきれない。逆に言うとそれだけ印象は強いです。

●圧力団体イクチヲステガ「『昇華』奔流の果て、静謐の畔」
誰が何をしたいのかが上手くお互いに繋がっていない様に感じました。その分、物語を進める鍵が何処にあるのかもよく見えなかった。ダンスが同じ振りの繰り返しにするのであれば、それに気付かせない工夫が欲しかったです。カレーの臭気を使う演出は客に視覚と聴覚以外で芝居を見せていて○。ただ、ろりえにコーヒーで先にやられちゃったのが惜しい。

●M.O.E Project「天使のオシゴト」
同じ事に挑んで大ゴケした団体をいくつか観た事がありますが、ここは成功でしょうか。異種交流イベントなので「こういうのもあるのか」という目で見る客席の温かさもありました。とはいえ失敗した団体と決定的に違うのは演技が出来ているという点。オタクがオタク芝居をがやるとどうしてもコミュニケーションに難が出るものの、彼らはそれをクリアしています。本公演はどれだけの時間でやっているのか気になります。

●柿喰う客「傷は浅いぞ(未放送版)」
15分でも普段通り。ハイリズム&ハイテンションの絶対的なインパクト。初めは警戒していた客席がやがて本公演と似た反応になっていくのは面白かった。まゆ味さんの役が仲を取り持つ形式が「性癖優秀」と被る印象もありましたが、未見の新規客にとっては知らぬ事。完全版ではまた別となっているのを期待します。

●Mrs.fictions「秋にまたない」
個人的にはブラックホースでした。前身団体である劇団バーククーヘンの公演を観てちょっと微妙に思えたので。しかし台詞上の語りと会話が入れ替わりながら遣り取りが進む手法で、少人数でもしっかりとした芝居を観せてくれました。役者側の集中力が2時間ほどになっても保たれるのであれば本公演も期待出来るのでは。

このページのQRコードです。

拡大