15 minutes made vol.2 公演情報 Mrs.fictions「15 minutes made vol.2」の観てきた!クチコミとコメント

  • 多種多様な味のプチケーキ。
    そしてそれを味見する客席。自団体を目的とした客と他団体を目的とした客層が混在する、どの団体にとってもアウェーでホームな不思議な空間でしたね。それぞれの特色は充分に味わえました。本格的に味わいたい人は各団体の公演に足を運ぶ事でしょう。
    2度目の企画であるからか制作スタッフの動きも良かったです。どんなに内容が良くてもその前後で嫌な思いをしては結果的にマイナスになりますから。

    ネタバレBOX

    演目全体的に言えるのは演出が舞台の高さを自覚していたかという点。前方の席だと役者を見上げる位置取りだったので、場所によって見易さに結構な違いがありました。


    ●虎のこ「三途の川の手前で」
    印象としてはかなりの薄味。人物の決心が曖昧なまま、口先でアドリブっぽく笑いを誘おうとする。移入出来ませんでした。これがそのまま2時間芝居になったらちょっと厳しい気が。あえて15分という時間に合わせて普段とは異なる作風でこれを作ったのであればその冒険心は評価しますが。

    ●多少婦人「嘘→lie」
    演目を前後に分けて作・演出の担当が変わる手法は面白い。人物像の変化は否めませんが、各作風の違いを見せるにはこだわるべき部分ではなかったかと。前半は録音した心の声を流した事で、演技を場の空気に関係なくそっちに合わせたのが勿体無い。後半は個人的に結構好き。電動夏子安置システムっぽいとは思いました。

    ●ろりえ「アイスコーヒー」
    「なんだこれ?」が第一印象。「なんだこれーーー!?」が第二印象。間が続いたと思ったら急加速して急停止。先がどうなるか興味を惹かれます。そうか、こういうのもあるのか。ただ、人物の心情が読みにくかったです。あの曲が流れるまで2人の関係が分からなかったし、流れてからもなかなか腑に落ちなかった。最後のコーヒーシャワーはどうなんだろ、と。最前列で私の顔にもかかりました(笑)。いや、それに対しての嫌悪感はないです。女性に浴びせる事への拒否感だったのかも。潔癖な気持ちを抱くと受け止めきれない。逆に言うとそれだけ印象は強いです。

    ●圧力団体イクチヲステガ「『昇華』奔流の果て、静謐の畔」
    誰が何をしたいのかが上手くお互いに繋がっていない様に感じました。その分、物語を進める鍵が何処にあるのかもよく見えなかった。ダンスが同じ振りの繰り返しにするのであれば、それに気付かせない工夫が欲しかったです。カレーの臭気を使う演出は客に視覚と聴覚以外で芝居を見せていて○。ただ、ろりえにコーヒーで先にやられちゃったのが惜しい。

    ●M.O.E Project「天使のオシゴト」
    同じ事に挑んで大ゴケした団体をいくつか観た事がありますが、ここは成功でしょうか。異種交流イベントなので「こういうのもあるのか」という目で見る客席の温かさもありました。とはいえ失敗した団体と決定的に違うのは演技が出来ているという点。オタクがオタク芝居をがやるとどうしてもコミュニケーションに難が出るものの、彼らはそれをクリアしています。本公演はどれだけの時間でやっているのか気になります。

    ●柿喰う客「傷は浅いぞ(未放送版)」
    15分でも普段通り。ハイリズム&ハイテンションの絶対的なインパクト。初めは警戒していた客席がやがて本公演と似た反応になっていくのは面白かった。まゆ味さんの役が仲を取り持つ形式が「性癖優秀」と被る印象もありましたが、未見の新規客にとっては知らぬ事。完全版ではまた別となっているのを期待します。

    ●Mrs.fictions「秋にまたない」
    個人的にはブラックホースでした。前身団体である劇団バーククーヘンの公演を観てちょっと微妙に思えたので。しかし台詞上の語りと会話が入れ替わりながら遣り取りが進む手法で、少人数でもしっかりとした芝居を観せてくれました。役者側の集中力が2時間ほどになっても保たれるのであれば本公演も期待出来るのでは。

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    2007/10/22 02:05

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