G-kunの観てきた!クチコミ一覧

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Starting Over

Starting Over

“STRAYDOG”

ワーサルシアター(東京都)

2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

軽快なコメディにわかりやすい展開、歌にダンスと盛りだくさんのエンターテインメント。
個性溢れる役者さんもそろい楽しいステージを展開。
物語は多少の無理やり感とご都合主義的なところもあるものの、コメディとしての展開には支障なしで全編笑える展開は秀逸。

ネタバレBOX

美術セットは良く出来ていて物語を効果的に演出しテンポアップする作りは面白い。
ただ、一番上手で観ていましたが、玄関が死角になり、
玄関先で展開される件の演技や表情が伺えないのは残念。シートレイアウトの一考を。
役者さん的には、小菅さん、満ちるさん、花子さんの演技に惹かれる。他の舞台でも見てみたいところ。
失楽園 前編・後編

失楽園 前編・後編

Performing Arts Theater Company GEKI-kisyuryuri

KISYURYURI THEATER(東京都)

2018/04/24 (火) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

初めて歩く綾瀬の地。
整然と並ぶ住居は都心へのベッドタウンとして平穏な日常を想起させる安心感。
駅前のスーパーの店員さんは最悪でしたが…。
そんな住宅街を縫うように流れる小川のせせらぎに惹かれ、軽い足取りで進むと町工場のようなアトリエが現れる。ロビーの2階に上がると乱雑に置かれたキャンバス。これから開かれる失楽園の扉の様に様々な想いが廻り始める。

ネタバレBOX

ステージは3階。屋根裏部屋の秘密基地へ向かうようでドキドキする。質素な木のベンチシートの向こうに広がるステージの中央に置かれたオブジェのような木々。
パントマイムやコンテンポラリーダンス、アバンギャルドな作品は観たことがあるものの、パフォーミング・アートには初めて接する。
パントマイムのように身体表現で様々な情景を描き出す。まるで落語の様であるが小道具なども無く、在るのは身体と衣装と言葉だけ。
様々に入れ替わる場面が浮かび上がるような表現力に惹きこまれるが、時空を超えて行き交う物語に少々おいていかれた感じがする。
怪事街~ミス・サンフラワーの逃走

怪事街~ミス・サンフラワーの逃走

夜光堂

シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)

2018/04/21 (土) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議な異世界の探偵物語。
推理よりホームズとワトスンの関係性が主な愛情?友情のストーリーは、上手い構成で面白い物語。
本の力、魅力が伝わってくる感じの脚本。
しかしながら、怪事街という世界観の共通認識が、観客と演じる側とで差異が大きかった様に思う。
怪事街はもちろん、助手の留意、本の修理屋さんなど登場人物のキャラクターなど、
送り手が構築したファンタジー世界に、すんなり入れる共通認識を持てる導入や説明的事象などを
上手くちりばめていただけると良かったと思う。
素敵な物語、そして個性あふれる魅力的な二夜ノ先生と留意、また別の話の扉を開いてみたいと感じる。

組曲~touch 2 you~

組曲~touch 2 you~

touch my brassiere? company

上野ストアハウス(東京都)

2018/04/13 (金) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★

作者の熱い想いが凝縮された飛礫の様に投げつけられる舞台。
観る者の精神状態で受け方も大きく変わるとは思うが、総じて欠けた心のピースを探し求め相手の傷を埋めようとする優しさにあふれた物語。
傷追い人が普通でいられる特殊な街、新宿歌舞伎町の存在意義をあらためて感じさせられた。
花火みたいな人生。  そうなのかもしれない。

ネタバレBOX

後半から怒涛の様に展開する感情の嵐が結構気持ちよい。
晒される傷と、そっと撫でる様に覆う言葉に涙をこらえる。
何の情報も持たずに観ると、人間関係を把握するまでに時間を要するのが少々残念。
しかしそれ以上に心を素手でつかむ物語は切なくも面白い。
春の花びら3回転!!

春の花びら3回転!!

チームまん○(まんまる)

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/04/11 (水) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★

過激な団体名の「まん〇」は、ツッコミ待ちの欲しがり君の様で可愛げを感じる。
開演前のフリートーク大喜利で、自虐的にかまってちゃんを更に発揮。
しかし、物語は相反して結構まじめな内容に驚かされる。
下ネタといえばそうかもしれないが、
現代社会の過剰労働と過度依存。永遠のテーマである母と息子の攻防。人体の不思議さと個のアイデンティティ。などなど目を見張る秀逸な物語が展開される。
ショートストーリー3本立てと贅沢な構成なれど、やっぱり少々長くなるのは判る気がする。
幕間で身体伸ばしタイムを設けるなど優しさにあふれるところも魅力。
(でもその前に桟敷の狭さは一考お願いします。昭和の天幕興行のよう…)

誰も寝てはならぬ

誰も寝てはならぬ

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/18 (水)公演終了

満足度★★★★★

幕があけると現実と虚構の境界線が引かれた世界が現れる。
演劇が絶滅した世界。
設定自体も面白いが、物語が進むにつれ露になる現実と衝撃の真実。
短い時間ながらも見ごたえのある秀逸な作品。
作品自体も面白いが、feblaboプロデュースの魅力は魅力ある若手役者にあると思う。

ネタバレBOX

個性あふれるみなさんがそろい物語を一層面白くしてくれる。
透明感あふれるドSの研究員、ツンデレなスキルの高いJK、全力で粗暴な中卒ヤンキー、
普通を装う金欠、認めて欲しい知ったかぶりなどの俳優さんが気になるメンバー。
出来れば終演後の挨拶で一言名前など言っていただけると判りやすい。
ピヨピヨレボリューション公演『Gliese』

ピヨピヨレボリューション公演『Gliese』

オフィス上の空

ザ・ポケット(東京都)

2018/04/03 (火) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ドリーミーな不思議物語。
ファッション誌をめくる感覚で展開されるポップな物語とカラフルな世界観。
綺麗なりたい、可愛くなりたい、女子の多くが想起する心内を見せられた感じ。
ミュージカルの要素も含みポップなオペレッタのようで心地よいステージ。
小中学生の子どもたちに是非見て欲しい作品。

現っ、

現っ、

中野坂上デーモンズ

王子小劇場(東京都)

2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり楽しい世界観ですね、アナーキーさは控えめになりましたが。
様々な意味合いで目の離せない展開。
SFでは良く描かれる平行世界が目の前で見せられると心がはやる。
二つの世界が次第にずれてゆき相互に行き来し始めると物語が動き始める。
演出はもちろんだかが、このハードルを乗り越えた役者さんたちに敬服。

小栗上野介忠順

小栗上野介忠順

劇団め組

劇場MOMO(東京都)

2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

男たちの熱い台詞の塊が客席に放たれ、熱量の高い芝居が展開される中、
一筋の清流の様に軽やかな女性の声がこだまする。
そんな人間くさい舞台が清々しく感じた。
軽快さと単なる軽さが紙一重な舞台が多い中で、一本筋が通ったような実直な物語りも面白い。
歴史上の人物であるから、様々な見方も解釈も出来るが、
一つの物語として楽しめる痛快な作品でした。
しかし幻の軍資金は本当に存在しないのであろうか。

漂流

漂流

HitoYasuMi

ワーサルシアター(東京都)

2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

立体感のある工夫を凝らした美術セットは物語の進行を巧にサポートし演出するなど
視覚的な幅も、物語の深みも増してくれる
効果的で深みを醸し出す良いツワモノ美術。
初めて拝見する団体さんで、これまでの傾向などはわかりませんが、
人間それぞれの立場で生きることに執着するサスペンス的な展開がストレートで面白い。
そして個性あふれる役者陣も好感触。
様々な色を出せるようなので、また違ったカラーの物語を見てみたい。

ネタバレBOX

謎めいたレイコは、真由美や教祖以上にパンチのある役柄なのに、少々控えめなポジションなのは
演じたのが作・演出の大村さんだろうか…少々もったいないかな。
何も見てない考えてない素振りの教祖が最後に放った
「笑うし、話すし、一緒にいるけど、絶対に許さない。」
かなり心に響く重くて力強い言葉だった。
Yellow Fever

Yellow Fever

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

探偵もののサスペンス劇。
力の入った美術セットでクラシックなテイストと躍動感を感じられる。
野暮ったくもウイットにとんだハードボイルドなはずなのに
何だろう語彙が多いのか、カッコいい台詞が上滑り。
もっとスタイリッシュな台詞で見せてくれると良かったかも(ちょっと贅沢か?)
けっこう面白い役者さんが揃って見ごたえあるものの
台詞のテンポが自分に合わなかったのか間延びして見える。
内容が面白かっただけにちょっと残念。

ハムレットマシーン

ハムレットマシーン

OM-2

日暮里サニーホール(東京都)

2018/03/22 (木) ~ 2018/03/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

シェイクスピアの作品に触れることがそれほど無く、
どのように投影されオマージュされていたか感じることは出来なかったが
演劇という表現の枠が崩れるほど、自分の範疇に納まらない破壊力満点の作品。
物語、場面、人物、動き、道具、目に見え耳に聞こえる情報、
それぞれのつながりがあるようでないようで。
ただ目が離せない、その息遣いに耳を澄ませ、手足の運びにすいよせられる。
何に惹かれるのか判らないが、ほかの観客たちが席を立ち始めると共に
握った拳の力みが徐々にとかれていった。
客席の顔ぶれは結構年齢層が高かったように見えたが、
出来れば若いうちに中学高校の世代に観て欲しい作品。
自分もその時代に見ておきたかった。

廃墟

廃墟

ハツビロコウ

シアターシャイン(東京都)

2018/03/13 (火) ~ 2018/03/21 (水)公演終了

満足度★★★★

戦争どころか貧しさを体感したことの無い10代20代の若い人たちにはどう映ったのだろう。
私も含めて世の中のシステムが変革したしたことが無い、変わることが無いと思っている人々が大半である日本で、このような骨太な物語が上演され見続けられることが貴重で重要であるとも思う。
熱き想いが行き交う濃厚な会話劇に、たじろく人も嫌悪する人も二の足を踏む人も様々いるかと思うが
その熱量が今の日本の土台であったのだろうと感じられる舞台でした。
屋根裏部屋を上手く表現する舞台演出も、鋭く突き刺さる台詞も心に響く物語で心地よかった。
一つ残念だったのは、アンケートの記入を促すも、誰も回収しない、受付に誰もいないのはどうかと。
それならアンケートなどはやめてSNS一本にするべきでは。内容が良いだけに残念でした。

おとうふコーヒー

おとうふコーヒー

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/03/09 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

人が死ぬということが身近でなくなった昨今では、看取ることも特別なことに。
死に向かうおばあさんを縦糸に、トランスジェンダーの孫、パワハラで退職するトリマー、
前科の過去を引きずる男、ADHD気味の民生委員など訳有り人の横糸が絡み
心地よいテンポで物語が進む。
現代社会の問題を凝縮した世界を口角が緩む笑いで見せる巧みな脚本と演出。
誰しも知らず知らずに人を傷つけ、傷つかれ生きていることを認識させられる。
劇場を出て足取りが軽くなる舞台でした。

ネタバレBOX

ネタばれではまったく無いけど…
*気軽に観るには少々高い価格設定。ハードルを低くして若年層が抵抗無く足を運べるようになると
 なお良いかと。若い人たちにもっと観て欲しい物語なので。
*開演前何度も携帯電話の注意喚起がありましたが、それ以上に気になるのは紙やビニールのノイズ
 真後ろの方が2時間強終止手持ちのビニール袋をカサカサと、開演前に手にするフライヤーや
 物販の袋などの扱いも諸注意に入れてみても良いのでは。自分の耳からは遠いので無自覚ですが
 段差のある見やすい劇場ほど、前の席の耳のそばに来るので…。自分も大丈夫かと自分を振り返りました
新宿の紫のバラ

新宿の紫のバラ

めがね堂

新宿眼科画廊(東京都)

2018/03/02 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

対面スタイルの客席でクレッシェンドな導入で観客を巻き込む面白さ、いいですね。
椅子と紫のバラ以外これといった小道具もセットも無いものの、
シーンそれぞれの世界が前面に広がる感じがワクワク感を煽る。
ファンタジックで気持ちの良い舞台でした。

ネタバレBOX

白日夢とでも言うのか男の欲望になぞった物語が次第に狂い始め振り出しに引き戻される。
秀逸な脚本と見ごたえのある演出にのめり込む。
バラを抱える男と一目ぼれされた女はもちろん、周りの役者さんの巧みさに惹きこまれる。
一点残念なのは、客席への灯りが過大だったのか、
対面のお客さんが役者さん越しで結構目立ち気をそがれるときも・・・
ラストステージ

ラストステージ

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2018/03/02 (金) ~ 2018/03/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

誰も死なずに傷つけない。心地よい安心感のハートフルコメディ。
人間味あふれるドラマ展開は多少の無理と不整合性はなんのその、
面白さでカバーする巧みな演出。
歌とダンスをしっかり見せるコメディエンターテインメントは秀逸。
本物のアイドルさんと共に切れのあるダンスを見せるのは元アイドルとかじゃないですよね。
幅広い年齢層に受け入れられる楽しい物語で面白い。

ネタバレBOX

ダンスのスキルが高い役者さんを揃えたのか、全体のスケール感が広がって見ごたえあり。
みかんがリタイアするとは思わず、あのブサカワの面白さとバルキーなダンスがあまり見られず残念。
しかし新喜劇ばりのボケをかますおかみさんのキャラが超うける。
良い役者さんをそろえた作品ですね。
カチナシ!

カチナシ!

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

濃厚な人間ドラマを簡潔にテンポ良く見せる秀逸な本と演出。
シビアな勝負の世界と思いやりの介護の世界。
まったく違うようで、ともに一対一で相手を知ることが重要。
そんな二つの世界を巧に結びつけた人間味あふれる物語。
見えない部分で互いに信頼し理解している師匠と本妻の夫婦関係が素敵。
絆があるから迷惑かけても傷つけても繋がっているだろうな。
贅沢を言えば、もう少し泣かせる部分があってもよかった。
心地よい作品でした。

転生の夢

転生の夢

劇団キンダースペース

シアターX(東京都)

2018/02/28 (水) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

あらためてラフカディオ・ハーンを知ることが出来た印象的な舞台。
方言や外国語を大胆に取り入れ、世界観を上手く見せていたのは面白い。
しかしながら、微妙なニュアンスを汲み取れなかったのは少々残念。
広い舞台を贅沢に使った演出と巧みな舞台展開も良く、
説得力ある役者さんの演技も素敵でした。
終盤みんなが輪になり歌い踊る場面では、国が無くてもアイデンティテーの認識で
このように集団を形成して生きてゆくのだろうと思えました。

魔女の夜

魔女の夜

劇団キタラヅカ

本所松坂亭(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

女性は誰もが魔女なのか、そのうかがい知れない心内を表すような能面のフライヤーがカッコいい。
若女と小面だろうか。姉妹のように10年の長きを二人三脚で歩んできた女優とマネージャー。
異様な空間で淡々と進む物語は中盤からテンポを上げて迫り来る。
良く出来た構成はただのサスペンスでなく、二人の内面を抉るように人間の本性をさらけだし
目の離せない緊張感あふれる作品を作り出す。
非常に面白い作品なのに、客席が埋まらないところは残念。

ネタバレBOX

二転三転する物語の主導権は、シーソーゲームの様に2人の間を行き交う。
共依存の二人が過度な自己愛と脅迫的な存在意義の確認に走ることで
世界が崩落してゆくように感じる。まさに魔女が集う夜でした。
ゆき役の女優さん、素敵な声で良い演技でしたが、常にハイトーンボイスで
抑揚の幅が狭いのか、台詞が流れるようで少々聞きづらくもったいないところ。
歌声はきっと美しいんだろうなあと感じる。



かくしごと

かくしごと

AiRi演出・振付公演

Half Moon Hall(東京都)

2018/02/22 (木) ~ 2018/02/23 (金)公演終了

満足度★★★★

清々しく「嘘をつきません」という大人たちの様に、かくしごとはないと話す人々。
日頃は流行に乗って踊っちゃう?的な舞台しか目にして無いものにとっては
鮮烈で好奇心をくすぐるステージ。
卓越した身体表現としっかりした発声の言葉の積み重ねから、
人が何かを隠す行為は知られたくない事であるとともに
人は隠されると知りたくなる。
だからきっと「かくしごと」はないといってしまうのだろうな。
コンテンポラリーダンスという世界の門の前に立つ
大きなきっかけと勇気をくれる作品でした。
圧倒的な存在感を放った6人の表現に気持ちは熱くなったものの
この寒さの中、素足で観劇は少々ツライ。

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