みくろの観てきた!クチコミ一覧

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Re・BIRTH-南総里見八犬伝異聞-【完結編】

Re・BIRTH-南総里見八犬伝異聞-【完結編】

super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船

ブディストホール(東京都)

2015/05/27 (水) ~ 2015/06/02 (火)公演終了

満足度★★★★

完結編にふさわしい造り
白龍チームのみ観劇。

昨年10月に前編、それを経ての後編(完結編)。
自分は前作も観劇済みなので、
今作のキーになるであろう設定は把握してました。

前作からキャストが変わっていたり、
同じ人でもビジュアルが変わっていたりしていたようで、
最初の戦いのシーンで名前を呼ばれるまで「だ、誰だ?」と
思ってしまうことも何度かありましたが、
観ているうちにだいたい把握できました。

休憩15分こみで、上演時間3時間。

休憩明けのところでコミカルなシーンを入れたことで、
あの世界にすっと戻れて良かったなぁと思いました。

ネタバレBOX

積年の恨みを抱えた女性「玉梓」と、
彼女の呪いにより、
男ながらにして玉梓と同じ容姿をもって生まれた「犬塚信乃」。
二役をこなし、さらに「玉梓に精神を乗っ取られる信乃」
…というシチュエーションも体現した
看板女優さんの演技力が抜きんでているなぁ、と思いました。

荘助のストイックで一途、熱さを秘めたたたずまい、
親兵衛の力一杯で暴走しがちな若さ溢れる所も好感が持てました。
おもわず応援してしまう魅力がありました。

八犬士を中心としたヒーロー活劇かと思わせて、その実
「戦の中で翻弄される女性」に焦点をおいた物語。
敵対しているようで、同じ事を願っていた
玉梓と伏姫の描きかたに、感情を揺さぶられました。
あと金腕大輔と伏姫の昔語り、
大角が妻の亡骸のそばで語りかけるところも好きでした。

大角と一角のビジュアルが見た瞬間「めっちゃ親子!」と
なってたところもよかったです。
大角の弟(と大角は思っている)の牙二郎の「シャッ!」という
かけ声から始まる戦い方も獣じみていて目を引きました。


昨年10月は小文吾の妹「ぬい」、
完結編で「浜路姫」役を演じていた小春さん。
(彼女が出演ということが観劇のきっかけでした)
「妙薬で記憶を消された、信乃の幼なじみの浜路」
という展開でしたが、
「彼女には昔の記憶がある」ということが
浜路の目線や表情からありありとわかり、
それが明かされる時の説得力が増して、とても良かったです。
“ … In The Attic ”

“ … In The Attic ”

まごころ18番勝負

王子小劇場(東京都)

2015/05/20 (水) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

想像以上の世界
こちらの団体の作品を観劇するのは2つめです。

11:00と13:30の回を観劇。

個室化された客席、
受付してチケット半券を手にした瞬間から始まる「体験」。
劇場ってこんなこともできるんだ! と予想を上回る面白さでした。

劇中劇のような朗読部分の趣向も各々変化があり、
主張しすぎない音楽、影を意識したような照明など、
雰囲気たっぷりでドキドキしました。

登場した原典を読みたくなったので
予約販売の原作集も買いました。
届くのが楽しみです。
原作に目をとおした後に観ることになる8月公演も楽しみにしています。

ネタバレBOX



猫の話、女優さんの明朗な調子と板の仕組みに引き込まれました。
2回で描かれる猫も違うものになっていて、飽きませんでした。

霧も、劇場内の暗さで初見では霧の正体がわからず、
魔法でもかかったのかと思いました。

劇場すべてを使ったラストシーンも「!」となりました。

あと、前説の「自己責任」のくだりで泣きそうになりました。
いま思うと、いいスパイス要素でした。


4人の会話シーンは、シーンごとに視点は変わりますが
お互い探り探りな会話の感じがもどかしく、ムズムズしてきて、
大きな動きもないので部屋の暗さと相まって、意識が薄まりそうでした。

あと顔と名前が一致しているキャストさんが一人しかいなかったので、
暗めの照明、カーテンコールなし(意図的な演出だと思いますが)だったので
劇場で名前と顔を一致させることができなかったのが個人的に心残り。
かべぎわのカレンダリオ

かべぎわのカレンダリオ

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

無駄のない造り、でも他人行儀でない距離感
Aはシリアスで100分、Bはラブコメ的な70分。

ただ、Bは日替わりゲストなので多少前後するようです。
開演前に制作さんが「ゲストの具合で多少前後します」と。
具合…観てみると確かに具合だな、と(笑


一つの言葉に複数の意味を持たせたり、
センスのよい言い回しで構築された会話は
映画を見ている気分になります。

それを目の前で生身の役者さんが演じているので、
ライブならではの温度や息づかいが感じられて、
作り込まれているのに「他人事」にならず、
のめり込めました。

登場人物たちは過剰に過去を描かれたりすることはないのに
彼らの仕草や話し方から
今までの人生や、他人への感情が透けて見えるのも見事でした。

場面転換が多めですが、暗転ではなく
薄暗がりのまま人物を中心に背景が転換するので、
集中力が削がれることがなくて良かったです。

でも小難しい訳じゃなく、1回観劇で満足できるつくり。
(回数を重ねるごとに新たなる発見があって、
 それも楽しい要素ですが
 本筋は初見でキレイに落ち着きました)


ABセット券で観劇したとき、
A観劇時に、チケットとは違う「B引換券」が一緒に渡されて、
もう片方の時もお金は払わないけど受付に行くんだなというのが
説明されなくてもわかって良かったです。
(整理番号のもらい忘れ防止)

チケットだけ2枚渡されて、
「これってもう一度受付通すのですか?」と
受付のスタッフさんに尋ねてしまう公演が多い中、
いいシステムだと思いました。
引換券にも
「もうひとつの公演の予約はお済みですか」などと書いてあり
親切な心遣いだなぁと。

ネタバレBOX

自分がAから観たからかもしれませんが
「この人にはこんなシリアスな事情が…」よりも
「この人にはこんなお茶目な面が!」のほうが好きだったので
A→Bで観てよかったかなと思いました。


Aでカレンダーをかくまっていた神父の
「7日間で外の世界はずいぶん変わった」という言葉が
旧約聖書を下敷きにしているようで、
彼の職業と相まって格好よかったです。

Bでの崖の表現は、
舞台ならではで「こういう演出が観たかった!」と興奮しました。
あとAの、「実際に戦う侵入者」と
「脳裏に浮かんだ映像」がリンクするような演出も好きでした。

地名が出てきますが、
「○○なんてすぐ近くじゃないか!」などと使われるので
地理に詳しくなくても全く問題ないのが親しみやすかったです。

Bもただのコメディで終わらせず、
ほろりとさせたり教育的だったりで胸に響きました。

中之島春の文化祭2015

中之島春の文化祭2015

ABCホールプロデュース公演

ABCホール (大阪府)

2015/05/02 (土) ~ 2015/05/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

両日観ました
いろいろな団体が一気に観れて、
名前だけ知ってる団体、
名前も知らなかった団体を知れるいい機会。

次回以降の遠征の決断材料にもなるし、
好きも苦手もいっしょくたに観れるので楽しかったです。

いいむろなおきマイムカンパニー、十三クラブ、スイス銀行、
ステージタイガー、ガバメンツ、オイスターズ、
匿名劇壇、かのうとおっさん、N-TranceFish 、
レトルト内閣、変ホ長調、MousePiece-reeが好みでした。


ネタバレBOX



各団体についての感想はブログに書きました。

http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1104.html

http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1105.html

「ラグナロク」

「ラグナロク」

BLACK★TIGHTS

近鉄アート館(大阪府)

2015/05/04 (月) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★

ど派手演出にクラクラしました
プロジェクションマッピングをうまくつかって瞬時に場所が変わる演出、
ど派手な照明と音楽、衣装、華やかでした。

ファンタジックな衣装でのお芝居はあまり積極的に観ないほうなので
作品内容とともに
役者さんたちのビジュアルを見るのも楽しめました。

初日の夜公演に、初回の「撮って出しDVD」が発売されるという
対応の速さもすごいなぁと思いました。

とても楽しい時間でした。
同時にいくつか作中で「うん…」と思ったことがあったので
それはネタバレのほうへ。


ネタバレBOX


「箱船」の、命そのものをエネルギーにするという設定が好みで、
地下深くに潜り、暴走を止めるため17年間箱船にジャンクションしていた
次女のベルダンディーが歌いつづけていたシーンで、
彼女が背を向けていて声が聞こえないのに
こちらの耳に透明な歌声が響くような景色がとても美しかったです。

クライマックスで三姉妹とその騎士たちが戦うシーンでは
生歌と魔法の演出に燃えました。

錯乱した市長とその息子トールのやりとり、
べルダンディーとウルドの歌対決、
ひそかにひとり慈愛の歌を歌う長女ウルド、
第二王子バルドルの反乱(その思考回路と表情)、
今まで基本一人だった第一王子ロキが、
シグルドをかばったり自分の身体で刃を止めてチャンスを作るところ、
血はつながってない母娘の愛情、
ベルダンディーの「少し、見えなくなるだけ」という言葉などが印象的でした。



ど派手な演出で歌ったり踊ったりするので
「エネルギーが枯渇してる世界」という世界の設定で
「これはイメージ的な演出? それとも実際に起きてること?」と
一瞬悩んでしまうことが何度かありました。

あと、上に登ってるのか下に降りてるのかも時々わからなくなりました。
(直接観劇には支障がなかったけど、
最後まで世界のビジュアル的な全貌がつかめず)

あと、17年の歳月を乗り越えてきたはずの人たちから
それを感じにくかったのも少し残念でした。
(何人か、時の流れを感じさせてくれる人もいたのですが
該当キャラクター全員がそうではなかった)



キャラクターとしては
ロキ・バルドル・ウルド・トール・ライオス・フレイヤ・アイリスが好みでした。

特にバルドル、ライオスの役者さんは
ファンタジックな世界とどう化学反応するのか
想像できなかったので世界への融合っぷりに驚きました。


赤と青の光となって散らばった箱船のエネルギーと両親の生命が、
一面の紫の花の中にあるようなラストシーンも美しかったです。



あともうひとつ思ったことで、
同団体別作品の「桜×心中」 のネタバレもあるので改行









『桜×心中』初演で、
ウルド役の女優さん(山口紗貴さん)が演じていた
氷の術式を使う人物「火垂」が、
「外道丸(今回ロキ役の俳優、野村有志さん)の力になりたい」と
渇望していたキャラクターだったので、

ロキのそばにいるウルドの姿、彼女の言葉のひとつひとつ、
氷の魔法を使う魔女であったことに繋がりを感じて
ウルドと同時に火垂も報われた気がして目が潤みました。


ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

生まれながらに与えられた家族、求められてなる家族
観劇前に大阪公演の様子をWEBで見て、
チラシの絵が再現されてて驚きました。

突金の作品は毎回なにかしらで笑えて
同時にチクッと来るのですが、
今回は今迄で一番身近な感覚だったので話に入りやすく、
面白かったです。

上演時間95分。

開場中と終演後に、舞台と客席の間にある機材に
赤いペンライト的なものを添えて目立たせていた心遣いが、
入場時退場時に気づきやすくて優しいなぁと思いました。
(その機材もただ機材としてでなく、
 根元にちゃんと美術が施されててセットの一部になってたのも良い)


途中で選挙の広報カーの音が漏れ聞こえてきましたが、
これは誰のせいでもないし、
26日が投票なので今回以降は大丈夫かと。
(話が面白かったので、すぐ話に意識を戻せました)

ネタバレBOX



幽霊を踏んで、頭に桜の木が生えてくる…
という非現実的な設定でしたが、
「頭に木が生えたまま、
 生きていかざるを得なくなった女性の人生」
ということで
桜の木が「才能」「個性」「欠点」「コンプレックス」など
いろいろなものの象徴になっていて
周りの登場人物がそれをどう見ているかも興味深く、
引き込まれました。

兄妹、依存されてるようで実は依存しているのが判明するシーンの、
転落のハイライト感とその後のsun!!さんの反応が印象的でした。

あと、蔓子さんの少女時代の出来事のシーンで、
高低差を感じさせる演出と殿村さんの壮絶さに、
絶望的なほど美しすぎる桜の木を見ました。

年下のギターマン、タカシくんの
ばかっぽいけど素直な物言いが好きでした。
(お婆と蔓子さんを再会させようとする時、
 また、させた時のお婆の言葉を聞いて
 蔓子のほうを振り向いた表情に、
 彼女への想いがあふれていました)

彼と蔓子さんの「普通の生活」会話内容と、
片桐さんの泣きそうな笑顔に切なくなりました。


客演さんが今回、初突劇金魚な方ばかりでしたが、
いつものあのテイストが展開されていて面白かったです。
有北さんのキャスティングと、その違和感の無さに衝撃をうけました。

「家族」って呼び名を与えてしまうと
「家族はこうあるべきだ」って縛られてしまうから
あえてそうしない、というような彼女の結論は
前向きでもあり臆病でもあり、
でもちょっと理解できるような感覚でした。

あの空間に彼も幸せを感じられる(ようになる)のかなぁ…と。




ゆうれい以外が顔面白塗りのことについて、
終演後トークショーにてサリngさんから解説があって、

「頭に木が生えるという設定を
 人間の顔色でやっても入り込めなかったから
 虚構性を出すために白塗りにした」

「人間関係でごちゃごちゃしてる彼らより、
 ただきれいなものを見たくて笑ってる
 ゆうれいのほうが生きてる感があるから」

(↑ うろおぼえです…)

というような2点をお話されてて、
後者のほうは上演中に強く感じたことだったので
意図が客席にしっかり伝わってるなぁと思いました。


トークショーでの話し方や、
作品内での登場人物たちの言葉遣いに、
「言葉の意味を大切にしているからこそ
 言葉足らずに済ますことができないんだなぁ…」と
改めて感じ、そういうところが好きなんだなぁと再認識しました。


とても面白かったです。
可能なら東京公演追加したかったし、
大阪公演も観にいければよかった…!

再生ミセスフィクションズ

再生ミセスフィクションズ

Mrs.fictions

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

今更ながらですが面白かったです
短編4本、すべて初見でした。
こちらの団体は何度か拝見してますが、
ほのぼのとした、
でもちょっとまどろっこしい会話のやりとりが好きです。

各々15分でしたが、無駄のないつくりで、
でもこれを長編にするのは野暮なんだろうな…と思わせる
良作たちでした。
特に2作目が心を揺さぶり、涙腺を刺激しました。

エレベーターで受付にあがったあと、
階下での並び順を再現させる為に、
数人で区切ったうちの後ろの人を先にエレベーターに乗せれば
受付の並び復元もスムーズになるかなぁと思いました。

ネタバレBOX

>ねじ式(未来篇)
同名タイトルのマンガが関係してるのかと思いきや。
会話のなかで「安藤さん」が何者なのか
いいタイミングで判明するところが巧いなぁと思いました。
人間らしくなっていく「安藤さん」に対して
人間であるはずの岡野さん(役名失念…)のほうが
ロボットに見えてしまう瞬間もあって不思議でした。
ほんのり、老人介護的な空気を感じてみたり。


>お父さんは若年性健忘症
父が忘れてしまうことが考えの中心になっている娘と、
「私を忘れても、また私と恋に落ちてくれる彼」を楽しむ妻。

結局怒っても悲しんでもお父さんの健忘症が治るわけじゃないし、
あるがままを受け入れ
そこに楽しみを見いだす生き方を見習いたいと思いました。
夫も妻も、どちらも幸せそうで。
「…マル○ツだけど」という言葉にあるように
妻も夫につきあいつつ
けして現実逃避をしているわけじゃないんだなあ、と。
そのあたたかい愛の形に号泣しました。
「健やかなるときも病めるときも」という
結婚式で誓う例の文言が私の頭の中をぐるぐるまわりました。

父と母が買い物に出たあと、
夫婦マグを「ちゅー」させる、娘の祝福の仕方も好きでした。


>東京へつれてって
ホームレスになった男性と、
彼にずっと恋し続けて今も現在進行中の「小桜」ちゃんの会話、
どれも決定打になりそうでならない感じ、
でも前進はしてるはず、という二人の距離感が
可愛らしくてキュンキュンしました。

ラスト、無人になった「あの場所」を描くことで
「東京で二人は
 贅沢ではないかもしれないけど幸せにやってる」
と、こちらに感じさせてくれるのが秀逸だと思いました。


>まだ僕を寝かさない
怪談をしていると、いつのまにか誰かが一人増えている…
というのをとっかかりに、
いつの間にか会うことがなくなってしまう
学生時代の友人達の話にシフトするのが面白かったです。
最初は「男子、バカなことばっかりやって~」と、
楽しく眺めていました。

「いつの間にか」の怖さや寂しさ、やりきれなさ等を
フッと舞台上に持ってくる「僕(岡野さん)」の表情が細やかで、
特に野口オリジナルさんとの会話シーンが好きでした。
これは過去じゃなくて思い出との語らいなんだな…と。

過去の蓄積が現在の自分をつくっているのだなと
あたたかな気持ちになりました。
Angry 12

Angry 12

ワイアールジャパン

サンモールスタジオ(東京都)

2015/04/07 (火) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

Bキャストを観劇。
元作品「12人の怒れる男」は
タイトルと陪審員の話だということしか知らずでしたが、
それ以上の予備知識は不要でした。

有罪に「合理的疑問」を持った陪審員8号の発言に対しての
ほかの陪審員達の反論を見ていて、
彼らの過去やだいたいの性格、
職業などが推測できるのが面白かったです。
同時に
「私たちは冷静に物事を見ているようで、
 実は色眼鏡越しに見ているのだなぁ」とも思わされました。
それは自分の今まで生きてきた境遇などから培われたもので、
判断基準として使えば有用だけど、
一歩間違えると偏見になるのだなぁ、と。

陪審員と裁判員は違うのでしょうが、
自分がこういう場に立ったとき、
冷静に、客観的にいられるだろうか…と考えてしまいました。

時間が有ったらもうひとつのチームも観てみたかったです。

ネタバレBOX

最初のうち、各人物が同じ声量で雑談するシーンがあって、
そこがすこし騒がしいなぁと思いました。
各々のキャラクターが分かった2回目観劇なら、
あのシーンで発言が聞き取れて
楽しく観れたのかもしれないなぁと思いました。

息子と喧嘩別れした過去があり、
その感情を(息子と同年代の?)被告人の少年にぶつけて
鬱憤はらしをしている節がある陪審員3号が、
自分の発言で墓穴を掘ったり、
人の尻馬に乗っていたりしているのが
端から見ていて滑稽で思わず笑ってしまいました。

被告を「そういう人種だから有罪」と決めつけていた
陪審員10号が、後半にわめき立てるシーンでは、
周りの人が(血の気の多そうな7号までも…)
彼女を見ないように目をそらしたり背を向けていて、
一人が激高することで周りが冷静になる、みたいで印象的でした。
彼女もその後冷静になっていて、
「感情は言葉に出すことで
 自分でも客観視できるのかな」と思いました。

激高しても丁寧な(教科書で学んだ通りの?)口調を維持して
片言っぽいしゃべり方をしていた移民(11号)。
彼女が作中で発した言葉に、人が人を裁くことの重みを感じました。
『スカイ』 次回ノーチラスは7/24(金)~29(水)

『スカイ』 次回ノーチラスは7/24(金)~29(水)

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

乾いた風が吹いているような感覚でした
「UFOを呼ぶ会」の会合の現場に
集まった人たちのやりとり。

登場人物の誰もが欠点(人間関係を壊しそうな要素)をもっていて、
会話の中で今にも破綻しそうなギリギリの空気感がありました。
どこで壊れるんだろう、何によって壊れるんだろうと
少し意地の悪い視点で観ていました。

淡々としていましたが、
ざわざわする感じをラストまで維持していて、着地点もあったのでホッとしました。

ネタバレBOX

ドクター@高島さんが、
本心を見せない、善悪の区別がない怖い人なのかなと思わせつつ、
実はいじめられっこだった過去などが明かされて、
子供の時に信じてもらえなかった「UFO目撃」を
大人になって
方法を変えて叶えているような気配を感じさせていました。
ラストシーンの、ヒロインの言葉を聞いてはっとした表情は
寂しがりの少年のようでした。

青のストライプ@木村さんの
「一人にしちゃだめな人の傍にいるだけ」という言葉に始まる
ドクターに対する微妙な感情に同調しました。

ドクターのほか、
チョークも別件のいじめの話題に関わっていましたが、
特にそこが繋がることもなく、
ほかのメンツの過去も別段繋がらなかったのが
現実的だけど「作品」としては個人的に物足りなかったかな…
(ちょっとした奇跡、みたいな展開を期待してたのです)

こちらの団体は初めて観劇なので、
そのドライな感じがウリだったのかもしれないなぁ…と考えています。
7人のテノヒラサイズ

7人のテノヒラサイズ

テノヒラサイズ

SPACE9(大阪府)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

大きなテノヒラサイズの世界
テノヒラサイズ×野村さん、しかも対面舞台ということで
どんな話が展開するのかわくわくしながら行ってきました。

90分、と紹介文にはあるけど実際は110分でした。
劇場入り口などでの掲示、開演前にスタッフからも口頭で案内あり。

オープニングから引き込まれて終演まで夢中で観ていました。
「対面舞台だから」という理由ではなく、
複数回の観劇に耐えられる作品だと思います。

本日は11:30-、15:30-、19:30-と3回公演。
正直、1日3回公演するにはボリュームありすぎです(笑
ストーリー本筋は1回で十分わかるし楽しめるのですが、
観るたびに新しい発見(伏線や見せ方の気配り、アドリブなど)があって、
それを見つけるのもとても楽しかったです。

ネタバレBOX

みなさん最初から最後まで真っ白なツナギで、
しかも一人で数役も演じるという方もいるのですが、
仕草でどんな服でその人が誰なのかがわかる
役者さんたちの演技力が素晴らしいです。
円台から降りたあとも演技を続けていたり、座ったまま「その人物」だったり、
細かく描いていました。
上野みどりさんが踊るシーンでは、
「あんなセクシーなツナギ観たことない!」と思ってしまいました(笑


ハイスピードのオープニングも、
本編のダイジェスト方式になっていて、
観てると細かい部分まで描いているのもうまく作ってるなぁと思いました。
役者さんの名前の一部の色変えであるものを浮かび上がらせるのにも脱帽。

パイプ椅子、てぬぐい、扇子、そして身体を使ってすべてを表現するのも感動的でした。
手ぬぐいのデザインも、最後まで観たあとにニヤリとしてしまうデザインで。

神様は万能だと思っていたけど、
その存在すら凌駕する人間の力を感じる作品でした。

幸せってこちらに来たり通り過ぎていくんじゃなく、
そこにあるのを「幸せを見つける目」で見つけるものなのかな、と思いました。


『山茶花』

『山茶花』

演劇人*

d-倉庫(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

Wキャストで色が違う
登場人物の愛情のベクトルがわかりやすくて、
それゆえに傷ついてしまう関係などもあって切なかったです。

パンフレットによると、夏の話だったのを冬に変更したそうで。
暗転ならぬ明転で場面が切り替わる際の、
客席に走る青い光とキーンとした音が、山の静寂を感じさせてくれました。

それによって追加されたであろう「天花(=雪)」の使い方も見事で、
想いを積もる雪になぞらえたサンサカの言葉、
降る雪の中、つばきがつぶやく言葉などが心に響きました。

花チーム→山チーム→花チームの順で観ましたが、
Wキャストになっている方々は各々でキャラを作っているようで
「へぇ、こっちのチームの○○役はこういう言い方をするのか」と、
面白く感じ、個々の役者さんの熱気を感じられる公演でした。


当日のロビースタッフのこまめな声掛け、
誘導のスムーズさ、
稽古期間中の公式ツイッターでのキャスト紹介は
開演までのテンションを上げてくれましたし、、
パンフレットやブロマイドの内容&値段設定なども
お財布のひもが緩みやすいところで良かったです。

ネタバレBOX


ストーリーは全体的にはいい流れだったのですが、
逃げたり戻ったりのやりとりが何度も繰り返されていた感じで、
「今、この子たちはどこにいるんだろう…?」と時々思ってしまいました。
つばきちゃんがまっすぐな心の年若い娘の設定なので
仕方ないとは思うのですが…命がけで逃がしてくれたのに
「やっぱり心配だから私は戻る!」とか言い出してヤキモキしました(笑

あと、一番最初のセリフが(鳴き声を除いて)やまこの長の言葉で、
オジイサン風味になるように声を加工してエコーをかけていた(?)ので
初見では何を言っているのか聞き取れず、
ちょっと出鼻をくじかれた感じで世界の仕組みにするりと入り込めずでした。
オルタソフィア -憂国の革命因子-

オルタソフィア -憂国の革命因子-

劇団ZTON

京都府立文化芸術会館(京都府)

2015/03/12 (木) ~ 2015/03/14 (土)公演終了

満足度★★★★

13,14日と観ました
ZTON作品は今まで何度か観てきましたが
そこで受け取っていた「ZTONといえば○○」を
ことごとく良い意味で裏切りつつ、世界観の細かさは相変わらずで
休憩なし2時間強、楽しみました。

新たに登場した「銃」で遠距離戦になるかと思いきや
「銃を使わせないために」懐に入る戦い方になっていて、
ストーリー上の理由で剣あり槍あり斧(?)ありで
各々のキャラクターにあった動きの「魅せる殺陣」でした。

パンフレットも値段以上の内容量で、
普段とガラッと違う役者さんたちの姿と名前を一致させるのに
一役かってくれました。

音響との兼ね合いなのか、
役者さんの声の高さがそうさせているのかわかりませんでしたが、
早口で喋られると聞き取りづらいなぁと思う場面もいくつか…
オルタソフィア世界特有の専門用語は聞きなれないので、
耳に入った音と、パンフレットで得た単語知識を結びつけるのに
ちょっとだけ戸惑いました。

セロティピアの存在感を印象付ける様々な演出が、特に好みでした。

紅白旗合戦

紅白旗合戦

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

「客観視して突き放して」を実感
開場時間中に、スタッフの方が
「お目当ての役者さんがいましたら、よく見える位置をご案内します」
と言ってくれて、
お目当てさんがいても1回しか観劇できない人に優しいなと思いました。

役者さんの名前と役名が揃えられていたので
名前を覚えるのに必死にならず、すぐに議論のほうに集中できました。
公演を観ているだけで、
初見の役者さんの名前が覚えられるのも得した気分でした。

オープニングの演出からワクワクして、
2時間があっという間、笑いっぱなしでした。
ヤジやちょっとした会話の一つ一つにも
「無駄話なんだけど、無駄じゃない感」があって、
本当に今現在起きていることを覗き見ているような感覚でした。

脚本としてこれが書かれていて、役者さんがしゃべっているのはセリフ…
とは思えないようなライブ感で、
次の回の公演をつづけて観たら
全然違う展開なんじゃないかなと思うくらい空間全体が生き生きしていました。

ネタバレBOX

特に誰が上手とか、誰の演技が…っていうのじゃなく
個性の詰まったあの空間で、
鮮やかに話が展開することそのものが面白かったです。

個人的に、淺越さんのキャラが好きでした。

全会一致でないのが、現実的でした。
オパンポン☆ナイトvol.3 曖昧模糊

オパンポン☆ナイトvol.3 曖昧模糊

オパンポン創造社

王子小劇場(東京都)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

豪快なようで、緻密につくりこまれてる!
4話オムニバスで、
どの作品も単品で楽しめつつ、
すべて観終わったあとのスッキリ感が格別でした。

「人間って、
 泣くのと笑うの同時にできるんだ!」
っていう体験ができます。

一回だけ観るのでも何の問題もないですが、
話し言葉の使い方、
登場人物達の心の動き、
それをこちらに伝える役者さん達の演技力
色々なモノが鮮やかすぎて、
何度も観たくなります。
(日曜の公演も観に行きます)

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

通常回とR18回を観劇!
普通の西部劇じゃないなーってことは
チラシ画像(特に右端)の時点でわかっていましたが、
予想を超えた楽しい作品でした。

はっきり言って手狭なあの劇場ロビーで、
終演後にストレスなく物販に行く人と出口に向かう人が進めたのも
素晴らしいと思いました。
そうなるよう常に声掛けをしていたスタッフさんたちの動きも
それを受けて焦らずに波に乗って歩いたお客さんたちを見ても
「いい公演だなぁ」と思わせてくれました。

開場時間中の本編とは関係ないパフォーマンスも面白くて、
あれを観るために
「開場時間にはすべての支度をして劇場にいよう」という気持ちになるので
劇団側も定刻開演できるし、
お客さんも楽しいしで両方得な催しなのだなぁと思いました。

後列プレミアム席で拝見しましたが、
舞台全体が見渡せて、表情もちゃんと見えるし、
前列のひとの後頭部も視界に入らないしで、快適でした。

ネタバレBOX

ヌータウとブルースが再会するところで、
ブルースが選んだ方法、
それを受けてのヌータウの発言に涙が出てきました。

2回目でヌータウとアナの行動を見ていると、
ちゃんと伏線がはってあって(「家族」の言葉を聞いた時の反応とか)、
そしてアナが結末を見届けての表情と涙が、こちらの涙腺を刺激しました。

R18回の悪ふざけもいい意味でバカバカしくて楽しく、
前説でどういうネタを仕込んでくるかいくつか教えてくれるので、
心の準備もできます。
いくつかの不意打ちR18ネタも笑えるものなので、
PMC野郎のこういう遊びっぷり、好きです。

ネタバレを避けるために当日配布パンフの人物紹介が
略されてたり伏せられていたりしていて、
そういう心遣いとセンスもステキだなぁと思います。
あんなにイケメンのナップザック、おそらく人生でここでしか出会えない(笑

物語の内容も笑いありシリアスあり感動ありで、
銃撃戦をカメラ撮影で表現したり、
馬のクオリティを利用したびっくりな仕掛けなど、楽しい時間でした。
BEAT RUNNER!

BEAT RUNNER!

ステージタイガー

松原市文化会館(大阪府)

2015/01/25 (日) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

遅くなりましたが投稿
わかりやすいストーリー、
映像や小道具に頼らず人力で表現する「THE・演劇」! でした。
芝居を初めて観る層に寄り添った作品だったと思います。

凝った仕掛けとかどんでん返しは無かったのですが、
そのぶん役者さん&ダンサーさんの動きや表情が引き立っていました。

谷屋さんと白井さんの「食べる」演技がとても上手で、
(谷屋さんはリアル、白井さんは漫画チックという、個々の魅力も印象的)
帰り道無性におなかがすきました(笑

以下は当時つぶやいたツイートの一部転載。

ネタバレBOX


大人の都合に振り回されるのは子供ばかりかと思いきや、
大人も振り回されるんだな…歳をくわないと気づけないのだが。
「やりきってないからやりきれない」にならず、
彼女が笑顔になれてよかった。
陰で見てる学年主任(ヤドカリ!?)の存在感凄い(笑

白井さんが演じてた先生はもはやエアー先生のストーカー( ´艸`)
麺の食べ方がダイナミックすぎて笑った。
妹ちゃんの「ふーん」の笑顔が、誇らしそうでイイ。
キラッキラの代表候補くんは、
エアー先生の気持ちに同調して観てたから、眩しすぎた。
おいしくご飯を食べる人は生きてる人だ。

カーテンコール恒例のステタイソングを、
みんなが踊ってくれてたのも良かった。

隣人の奏でる和音

隣人の奏でる和音

ワイアールジャパン

小劇場てあとるらぽう(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

不協和音も「和音」
101,102,103号室の個々のやりとりが、
ひとつに重なる過程が面白かったです。
観終わった後にチラシ画像(特に右下付近)を見て、ふきだしました(笑

日替わりゲストのシーンも、内輪受けネタじゃなくて楽しかったです。
(でも、ゲストさんの所属劇団作品を観たことがあったので、
彼の持ってた小道具にテンションが上がりました)


ネタバレBOX

3部屋に共通して登場する映画監督の方と、
便利屋に勘違いされた空き巣さんの演技が、個人的に好きでした。

キャスト表の、登場人物たちの名前の一部がカタカナになっているのも
作中の監督さんのセリフに呼応していて面白い仕掛けだったと思います。
お笑いサタケ道場 × オパンポン創造社

お笑いサタケ道場 × オパンポン創造社

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

良作30分x2
平日夜ということで、関東住まいにはハードルが高かったのですが
お気に入り劇団のオパンポン創造社が上演&
次の日が祝日(会社お休み)で仕事への影響も少なかったので遠征。

2作品とも良作で、行ってよかったです。
1作品30分という上演時間も手軽で、観やすかったです。


以下は自分のツイッターの転載&一部追記。

ネタバレBOX

>お笑いサタケ道場『野試合ガール』

「野試合」は初めて知ったけど、自分もサバゲーしてるから
最初の光ちゃんの戸惑いや信子さんたちの盛り上がり、
喫茶店での光ちゃんの「恥ずかしいです…!」が個人的に身近(笑
忍ちゃんの疎外感もわかりやすくて身近。
効果音&ナレーションの彼(カタリさん)の存在理由を、
後半で「そうか!」って客席に思わせるのが、巧いなぁと思いました。

彼が「ハッピーに!」セリフを信子さんと一緒に口パクしてるように見えて
「この人、もしかして全部のせりふ追ってるのか?」と思ったけど
その後そんなことなくて、見間違いだったか…と思ってたら伏線。
何で彼が光ちゃんの行動を追ってるのか判明して、
そこに見えた愛情にホロッとしました。



>オパンポン創造社『大巨人とスタンドバイミー』
夢から覚めない兄が愛らしくウザったく。
でも漂う哀愁で、翻弄されつつも憎めない。
どこまでが台本なんだろう? と思ってしまうほど、
川添さんの呼吸が自然でした。

社会人の弟の「なんのかんので兄弟」という芯も終始ブレなくて、
兄を傷付ける言葉を放つ弟を見てて胸が苦しかったです。
(あこがれていた兄を否定することで過去の自分をも否定する、
…に繋がるような弟の表情、絞り出すような言い方が印象的)

大巨人にハイキック(笑)する兄のを見届ける弟の表情から、
板の上にいない兄の姿が見える気がするのが、不思議体験でした。

野村さんの表情や行動から
「弟くんが少年時代(そして現在も)すごく兄の事を頼りにしていて
誇らしく思っていて、後をついて回ってたんだろうな」っていう
過去まで感じさせてくれました。
現実とか年月って残酷…って思わせての「兄の一撃」シーン。
弟の笑顔でお兄ちゃんのパワーが炸裂して気持ちよかったです。

オラハラ!BoyZ talk Between

オラハラ!BoyZ talk Between

劇団YAX直線

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ハラ・ハラスメントを楽しみました(笑
非モテ側からだけの視点で描かれるのかと思いきや、
いわゆる「オラオラ」している人たちの不器用さも描いていたり、
「オラオラ」側に属していないと生きていけない登場人物も描いていたり。

「非モテ」側の言葉にしづらいモヤッとした劣等感を
ウマいこと言葉にしているところ、
「非モテ」の人たちをデフォルメせず
リアルに描いているところにも好感が持てました。
(極端に不潔っぽくしたり、逆に小奇麗すぎたりしない、いい塩梅)

休憩なしで上演時間はだいたい1時間45分くらい。

ネタバレBOX


スケッチブックを使った「パイン」や人物紹介、
海辺を荒らす若者へのモザイク処理なども面白かったです。
徹底したアナログ表現の中に見えるかすかな自虐も、
YAXの魅力なのかなぁって思いました。

鈴木くんを励ます星子さんの「パイン」や、
ゆとり世代の彼の「ゆとり無いんだよ!」、
「仲良くしましょうよ。…自分と」のあたりにグッときました。

安直な「手を取り合う」展開にしなかったところも、現実的で好きです。
勇気をもらえる作品でした。


メンタルトレーナーのくせに

メンタルトレーナーのくせに

護送撃団方式

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/01/28 (水) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

初・護送撃団方式
別劇団で護送撃団方式の主宰さんが客演していて、
彼のホームが気になった &
脚本・演出が山田能龍氏(俳優としてしか観たことがなかった)
ということで観に行きました。

壁のように見えた舞台装置が実は可動式で、
そこに窓もあいたので意表を突かれました。

スモークがたかれるので…ということで
客席の希望者にマスクを渡す気遣いは
いままで出会ったことがなかったのでとても感心しました。

劇団としてコメディは初ということでしたが、
根底にはダークさがあってただのお笑いだけで終わらせず、
ラストシーンもこちらに投げかけてくるような演出で面白かったです。

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