ゆうれいを踏んだ 公演情報 突劇金魚「ゆうれいを踏んだ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    生まれながらに与えられた家族、求められてなる家族
    観劇前に大阪公演の様子をWEBで見て、
    チラシの絵が再現されてて驚きました。

    突金の作品は毎回なにかしらで笑えて
    同時にチクッと来るのですが、
    今回は今迄で一番身近な感覚だったので話に入りやすく、
    面白かったです。

    上演時間95分。

    開場中と終演後に、舞台と客席の間にある機材に
    赤いペンライト的なものを添えて目立たせていた心遣いが、
    入場時退場時に気づきやすくて優しいなぁと思いました。
    (その機材もただ機材としてでなく、
     根元にちゃんと美術が施されててセットの一部になってたのも良い)


    途中で選挙の広報カーの音が漏れ聞こえてきましたが、
    これは誰のせいでもないし、
    26日が投票なので今回以降は大丈夫かと。
    (話が面白かったので、すぐ話に意識を戻せました)

    ネタバレBOX



    幽霊を踏んで、頭に桜の木が生えてくる…
    という非現実的な設定でしたが、
    「頭に木が生えたまま、
     生きていかざるを得なくなった女性の人生」
    ということで
    桜の木が「才能」「個性」「欠点」「コンプレックス」など
    いろいろなものの象徴になっていて
    周りの登場人物がそれをどう見ているかも興味深く、
    引き込まれました。

    兄妹、依存されてるようで実は依存しているのが判明するシーンの、
    転落のハイライト感とその後のsun!!さんの反応が印象的でした。

    あと、蔓子さんの少女時代の出来事のシーンで、
    高低差を感じさせる演出と殿村さんの壮絶さに、
    絶望的なほど美しすぎる桜の木を見ました。

    年下のギターマン、タカシくんの
    ばかっぽいけど素直な物言いが好きでした。
    (お婆と蔓子さんを再会させようとする時、
     また、させた時のお婆の言葉を聞いて
     蔓子のほうを振り向いた表情に、
     彼女への想いがあふれていました)

    彼と蔓子さんの「普通の生活」会話内容と、
    片桐さんの泣きそうな笑顔に切なくなりました。


    客演さんが今回、初突劇金魚な方ばかりでしたが、
    いつものあのテイストが展開されていて面白かったです。
    有北さんのキャスティングと、その違和感の無さに衝撃をうけました。

    「家族」って呼び名を与えてしまうと
    「家族はこうあるべきだ」って縛られてしまうから
    あえてそうしない、というような彼女の結論は
    前向きでもあり臆病でもあり、
    でもちょっと理解できるような感覚でした。

    あの空間に彼も幸せを感じられる(ようになる)のかなぁ…と。




    ゆうれい以外が顔面白塗りのことについて、
    終演後トークショーにてサリngさんから解説があって、

    「頭に木が生えるという設定を
     人間の顔色でやっても入り込めなかったから
     虚構性を出すために白塗りにした」

    「人間関係でごちゃごちゃしてる彼らより、
     ただきれいなものを見たくて笑ってる
     ゆうれいのほうが生きてる感があるから」

    (↑ うろおぼえです…)

    というような2点をお話されてて、
    後者のほうは上演中に強く感じたことだったので
    意図が客席にしっかり伝わってるなぁと思いました。


    トークショーでの話し方や、
    作品内での登場人物たちの言葉遣いに、
    「言葉の意味を大切にしているからこそ
     言葉足らずに済ますことができないんだなぁ…」と
    改めて感じ、そういうところが好きなんだなぁと再認識しました。


    とても面白かったです。
    可能なら東京公演追加したかったし、
    大阪公演も観にいければよかった…!

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    2015/04/26 00:53

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