みくろの観てきた!クチコミ一覧

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くろねこちゃんとベージュねこちゃん

くろねこちゃんとベージュねこちゃん

DULL-COLORED POP

王子スタジオ1(東京都)

2015/08/26 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★

14時の回を観ました。
王子スタジオは初来訪。

受付&開場時間になってシャッターが開いたら、
ガラスばり&入ってすぐ座席&アクティングスペース&役者さん待機中。
一気に「劇場」感に包まれて、興奮しました。

座席は、受付を起点にして L のように2方向に広がる感じ。

会場が道に面していて、外の車の音などが多少聞こえてきましたが、
役者さんのセリフを聞き取ることに支障はなく。
むしろ、シチュエーションが「佐藤家のリビング」だったので
その音が一般家庭っぷりを増していました。


上演時間は1時間40分。

自分でも知らないうちに泣いていました。
客観視することで、自分の境遇を知る…みたいな感触。
観てよかったと思います。



パンフレット、「売り切れです」と言われたので諦めたのですが、
後日郵送で予約できたのですね…
知らなくてそのまま別のものだけ買って帰っちゃいました( ;∀;)

ネタバレBOX


開場時間中、役者さんは音楽に合わせて動きまわったり、
物販の案内板を持ってリズムをとっていたり、
ちょこちょこ遊んでいる様子もかわいらしかったです。

そんな役者さんたちが、
諸注意の唱和を経て衣装に着替え「家族」に変わる様は圧巻でした。



お話は、ふつうの一家の話。
7割は「家庭」のシーンでよくある会話、
よくある風景で構成されているのではないでしょうか。
それをリアル、かつ飽きないように見せる
役者さんたちのこまやかな演技に惹かれました。

そして、税理士だった父親が亡くなって、
脚本家を目指して家を出た息子(&その妻)と、
パソコンで仕事をしている娘が久々にリビングに揃い、
そのタイミングで父の遺言書が見つかって…という大きな山もあり。


母親の脳内に存在する2匹の「猫」が、
若き日の母親の行動をなぞり、
それを老いた母親が白昼夢として見ている…
と、いうシチュエーションが何度かありました。

動きや喋り方がとても可愛らしい2匹の猫は、
母親が今まで押し殺してきた
(…と自分は思っているけど、実はずっとだだ漏れだった)
自由気まま、マイペース、自分勝手な感情の象徴だったのかなぁ。
母親が黙り込むうしろで喚きたてる、猫2匹の姿が印象的です。

子どもの気持ちも経験済みのことなのでわかるし、
母親の気持ちもそろそろわかる年齢になった自分にとって
観ていて胸が締めつけられるような場面もありました。

母親は痴呆が入りかけているのでしょうか。
「自分は幸せだ」「私は愛されている」「あなたたちを愛してる」と
相手に向けてるようで自分に言い聞かせているようなところ、
それゆえに自分の価値観を押し付けてくるところ、
家庭内での自分の役割を守ろうと必死になるところ、
「哀れだなぁ」と思いつつ、「でも幸せそうだなぁ」とも思いつつ。

母親を男性の役者さんが演じている(しかもウィッグや化粧もしていない)、
虚構性全開のキャスティングでしたが、
観ているうちに違和感がすっかり消えてしまい、ゾクゾクしました。

「家族だから」許容している部分、
「家族だから」超えないでいる一線…などを浮き彫りにする
家政夫・長男の嫁という人物のありかたも面白かったし、
ドキドキさせられました。

水面が波立つような音、
猫たちが戯れる時の愛らしい音楽(と猫=母の暴虐っぷりのギャップ)、
もわもわと変わっていく照明の色も白昼夢らしくていいなぁと思いました。



終演後に発売される遺言書(1000円)で、
さらに深く(黒く?)ドラマを感じることができました。
公演を観るだけでもその内容はなんとなく予想はついてたけど、
実際に文章として目にすると、もう。

それ以上に、母親についての記載が…ってところが衝撃でした。
それが彼女にとって一番つらいんだろうなぁ。
読み終わって「こんなのって…」と、思わず口から出てしまいました。

誰も悪くないし、みんな家族を愛してる。
各々、ウソを愛情でくるんで抱えている食卓。
その温かさとうすら寒さ、居心地の悪さと母親のめいっぱいの笑顔、
終演後チラシの絵を見て、また胸がぎゅうっとなりました。
暁!!三國学園

暁!!三國学園

劇団ZTON

なんでもアリーナ(関西テレビ放送本社内)(大阪府)

2015/08/23 (日) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

昼A、夜B側で観劇
あんなに学園生活どっぷりやってくれたのに、
ストーリー上もまさかの一週間で、
カーテンコールでふと時計を見たら上演時間2時間なかった! という衝撃。

なんというボリュームとスピード感。

三国志知ってると笑えるパロディいっぱいだし、
パンフレットの用語集も三国志ネタいっぱいだし、
三国志以外のオマージュもあるし、
三国志知識とっぱらっても学園ものとしても楽しめるしで
まさに「エンタメストライク」。大満足でした!

各々のキャラクターが個性的で、
髪の色やビジュアルの奇抜さに負けてなかったせいか、
違和感を感じずに観ることができました。

音楽&早口でせりふが聞き取れないところもいくつかありましたが、
前後のニュアンスで内容はわかったので、ストレスにはなりませんでした。
使用音楽とシーンのニュアンスがぴったりで、
上手い選曲だなー! と感心しました。

もちろん再演希望ですが、
このまま別媒体に持っていって2次元化もありだなぁと思います。
面白かったです!

オパンポン☆ナイト番外 〜感謝勘弁〜

オパンポン☆ナイト番外 〜感謝勘弁〜

オパンポン創造社

自由表現空間 シアターカフェNyan(大阪府)

2015/08/22 (土) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

勘弁・感謝・勘弁の順で観劇。
劇場は始めていく場所でしたが、
出演者の方がブログで丁寧に案内してくださり、
曲がり角に案内板を置くなどの心配りがあって、迷わず行けました。
(「「地下鉄出口の進行方向と逆に…」の部分が、
 特にありがたかったです。そこで大体自分は方向を間違えてしまうので)

オパンポン創造社の作品を楽しむための条件はただひとつ
「あなたが人間であること」
それくらい扉が開け放たれてる感のある、
突飛な設定ながら
「あ、この人の気持ちわかるなぁ」と思わせてくれるような4作品でした。

単体でも完結しているオムニバスだけど、
すべてが少しずつ繋がっているつくりで、
悲しかったり切なかったり、嬉しかったりで目から涙が止まらないのに
口元は笑顔になってしまうという体験が、またできました。

楽しい時間をありがとうございました。

ネタバレBOX

自ツイートの転用で失礼します。

>『5mの女』(初見)
池下さんが演じるノムラさん(ユージとヨージの間みたいな発音・笑)が、
本人の姿と重なるようにと特徴をとらえていて、重なって見えました。
バイクに例えた人生を、通りすぎてく人々の見せ方。
落語風味にしてある辺りも好きで、
扇子で身長差を見せる手法も上手かったです。
彼女が大巨人だったという繋がりに驚かされました。
女の人だったのか!(笑)
彼女の母親の言葉に、泣きっぱなしでした。
音楽を流すことで、
ノムラさんを演じながら5mの女「イケシタアツコ」の姿を描いたシーン、
とても素晴らしいと思いました。


>『おやじの唄』(新作・初見)
『大巨人~』の別視点の話というつくりで、
大巨人のシーンが遠くで挟みこまれていて世界が広がりました。
ミヤモト(浅雛さん)が王様に問うシーンの表情、
特に潤んだ目と一筋流れた涙が心を揺さぶりました。
30年ぶりのミヤモトとの会話で、あだ名で呼ばれたとき、
ウエダ(川添さん)がホッとしたような顔で
「はは…っ」と笑い声を発した時の、その細やかさが印象的でした。

『王様~』を知っていたので、
第一声からこのひと(殿村さん)トパンの王様だー! って
わかるのも面白かったです。
「次がないようなつまらん人生を送るでない」
「忘れろというのではない」あたりの説得力がすごくて、震えました。

ヤス(野村さん)は、そうか、『大巨人~』の彼かとわかった瞬間
おもわず笑ってしまいました(笑) 
おやじの中に一人
「こども(設定年齢的には子供じゃないけど・笑)」がいることで
空気やストーリーが動くさま、
小さな町ならではの「どの家の子も自分の子供のように」みたいな
温かさが感じられてほっこりしました。

クライマックス、影の演出は2階の本体も影も両方見たかったので、
勘弁編2回観劇したのは個人的に正解でした。
倒れ方、しっかり『5mの女』のときと同じだ…!


>『大巨人とスタンドバイミー』(火ゲキ・30GPで観劇済)
兄の自由すぎるダンスとそこからの哀愁の見せ方に胸が苦しくなりました。
弟の表情から見える兄への尊敬の念が揺れ動く様も如実で、
自分は一人っ子だけど
「兄が好きだからこそ、尊敬の心があるからこそ
 今の現状に憤るんだろうな」と思いました。

追加された「かあちゃん【…と、父ちゃん】に報告だ!」は
おやじの唄へと繋がっていてその後の親子の姿が見えるようでした。
勘弁編を観てからの、今回の『大巨人と~』観劇だったので、
同じストーリーですがまた違うものが見えるようになっていて、
すごく楽しかったです。


>『王様大脱走』(LINX'S TOKYOで王様が別役者のものを観劇済)
「民は子供」発言を聞いたとき、
そして脱獄していく王様のくだりでの囚人(野村さん)の表情と、後ろ姿、
その後の「パーラー!!」の笑顔に涙しました。
囚人の息子と同じ「しょうがねーよ」という決まり文句は、
(今回上演されなかったけど過去に上演されて私は映像で見たことがある)
小吉くんが登場する話を思い出し、心が揺れました。

どこまでもピュアな王様(殿村さん)が、
囚人を通じて客席をも射抜くようで、
最初は王様が変だと思ってたのに
いつの間にか自分のほうが変だって思ってしまうのが、
彼のカリスマ性というか魅力というか魔力なのかなぁと思いました。
空手で戦争に挑むところのやり取りが面白かったです。


日曜の回は、知人が観ていてその話を聞き、とても驚きましたが、
夜には全員揃って上演できたとのことで本当によかったです。
その際の主宰判断と役者・スタッフの対応の早さも、すごいと思いました。

“ … In The Attic ”

“ … In The Attic ”

まごころ18番勝負

小劇場 楽園(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

王子公演を経てさらに濃密に
さらに密度が増した客席で、楽しみました。

王子公演の後、朗読作品をまとめた原作集を読み、
登場する作家さんについて少し調べていったことで、さらに楽しめました。

Wキャストを両方観たのですが、
同じ言葉でも役者さんによってニュアンスが違ったり言う場所が違ったりで、
様々な解釈が楽しめました。

ツイッターでのネタバレ会話用アカウントの作成など、
観劇前後も作品のうちであるかのようなしかけも面白かったです。

ネタバレBOX


箱(□)だらけの名前だった、
話題の中心となる作家さんの存在が…という仕掛け、驚きでした。

ごはんと宇宙

ごはんと宇宙

ごはん部

駅前劇場(東京都)

2015/08/15 (土) ~ 2015/08/16 (日)公演終了

満足度★★★★

おいしい作品食べ放題
出演者に気になってる役者さんがいるので、それがきっかけで観劇。

4作のオムニバス
+「幕間」という、作品間に挟まる作品。
(1作品目の登場人物の過去?)

休憩なし2時間20分、
長いと感じることなくあっという間に観れました。

「指定席は前方中央寄り」とのことだったので
いったいどの辺になるのだろう…と思って行ってみたら
前から4、5列目くらいのところでした。

段差はないものの、
椅子は互い違いに配置されていたようで、視界は悪くありませんでした。
役者さんが座られるとさすがに見えませんでしたが、
「〇〇さんの小指がちぎれてしまう」(→あぁ、噛んでるのかな?)等、
その後のセリフや言葉の出し方で
(ものを食べながら喋ってるから弁当食べてるのね…と想像できる)
工夫がされてあって、見えないことへのもやもやは緩和されました。

ごはんごはん食べ放題♪ が、今も頭の中に流れています。
どの作品もくすっと笑ったり「あるあるー!」と頷いたり、
少し耳に痛かったりほろっと泣けてしまったりと楽しいものばかりでした。

ネタバレBOX



『ごはんと宇宙』
バイキング店の人間模様。
間に挟まれたおじさんの存在感がスゴすぎて大笑いしました。
「席ずれましょうか?」って言わせる間のない女子二人の勢い(笑)
夫婦の「宇宙のごはん」なやりとりも笑えましたなぁ…
脊髄反射で喋っているような妻が可愛かったです。
そして後半の、それの使い方にじわっと来ました。
「ご飯を残さず食べる人は」の話も、説得力あるしなるほど、と思いました。
業の詰まった重箱の彼女は、純粋すぎて確かに怖いかも(笑)
バイキングだからこそ、好きなもの以外もつまんでみようと思いました。


『究極の選択』
場面設定が上手すぎでした。
宇宙に残された5人(夫婦2組と独身男1人)で
4つの生存機械に入る人を話し合うというストーリー。
普段着だから、山で遭難かな? と思ってたら
まさか「宇宙」という言葉が出てくるとは。

明らかに不利な独身男、
でも直で「あんた残って」とは言い難い夫婦2組、
一応「自分が」といいつつ独身男の動向をさぐる彼らが醜くもコミカル(笑) 
ラストの急展開も鮮やか。わたし、完全に信じてました。
ほんのりブラックな感じなのも印象的。


『なれずし』
マンネリ夫婦、料理苦手な妻が
「一生懸命つくるよ、何たべたい? 最後の食事だと思って考えて」
と言い出してからの夫の葛藤、そして妻側の理由。

心象風景と現実に相対する夫婦の演技の切り替えっぷりと、
現実への影響力(風が吹いた・等)に、
いったいどうなるんだろうとゾクゾクしましたが、
着地点がほのぼのとしていて温かい気持ちになりました。
タイトルコールがどの作品にも無いので、
あとになって当日パンフレットのタイトルを見て「あぁ!」となりました。
妻のバイト先の男性が超いい声で、ドキドキしました。


『さかなへんによわい』
料理(おそらく想像するに他のことも)にこだわり過ぎてしまう元カノ、
料理を作ることを知らない今カノ。
彼氏の現在と、元カノの現在が重なってる見せ方が面白かったです。
視線が合ってるように見せかけて実は、の緩急も好きでした。

今カノも悪い子じゃないし、どっちがいいとかじゃなくて、
今の幸せを見て前の幸せを思い知った、みたいな。
別れてしばらくしてから自分の本当の気持ちに気づいた二人
(でも、よりを戻すとかそういうんじゃなく)とか、
遠まわしかつ自然かつあまり狙いすぎてなかったプロポーズとか、
文字や映像効果では表現できないだろう、繊細な感覚を味わえました。


『幕間』
地階がヤクザの事務所な俳優養成所に通う柳田さんの話。
濃いメンツでハチャメチャだけど、
各々に抱えてるモノが後半に判明していく感触に引き込まれました。
「ごはんの奴隷」って表現の
つかめるようでギリギリつかめないようなムズムズ感が好きです。
社長の息子を見てたら、あまりに●●●を連発するので
「ごはんのときに●●●の話をするな」と親によく言われるであろう言葉の
前後が逆になった感覚を覚えました(笑
リズムをとりながら去っていく時の声の震えに見えた子供なりの強がりが、
切なかったです。

ごはん部の手ぬぐいを物販で買ったとき、
色落ちのことについて案内してくれたのもうれしかったです。

舞台の背景にかいてある絵がきれいで、
あの絵の手ぬぐいも、あれば良かったなぁと思いました。
(上手側のハケポイントにあった男性の絵のインパクトがすごかったけれど、
あれはハルミさん役の方の似顔絵だったのかしら…?)

また公演やってほしいです。
ぜひぜひ、本多劇場で!
そしてテーマソングのCD発売やデータ配信もしてもらいたいです。

核の信託

核の信託

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

新宿村LIVE(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

プレ公演観てきました
本公演を観る前に、
ムーブ町屋にて行われた、リーディング形式のプレ公演も観ました。

史実を基にしたフィクション。
リーディング形式といいつつも、
座っているばかりではなく、移動や照明効果が入っていて
物語に集中できました。
地名などが出てくるとき、地図が欲しいな…と思ってしまいました。

上演時間の告知は休憩なしで2時間5分。

本公演では、演技や演出が入るにあたって
多少のびるのかなぁと、なんとなく思っています。

上演時間の告知、
サイトなどで事前に発表されていたらと良かったなと思いました。

来月の本公演にも期待しています。

ネタバレBOX

こういう言い方をするとアレなのですが、
アメリカ側の立場でいいわけをしたり、
思想をぐいぐい押し付けてくる系の話ではなく、
こちらに考えさせるような展開で安心しました。

原爆完成間近のアメリカ内部の話で、
様々な立場からの意見が飛び交い、
ほぼ目指すところは似てるのに
その立場によってアプローチがぜんぜん違い、
同じような言葉を逆の思想の人が放ったりするのにドキッとしました。

何人かの役者さんは、既に「登場人物」になって演技していて、
でもリーディングだから手にしている本に目線をやるせいで
それで口ごもってしまっている印象を受けました。
(逆に、まだ「読んでる」段階なのかな…って見えた人もいました)

サンギエに対するヘレンの「もっと早くに撃てばよかった」は、
すごく同意なのですが、
それってつまり「先制攻撃がものをいう戦争の時代」の縮図なのかもな…
と思ってしまい、気持ちは複雑でした。

小道具としては無かったし、手も動かさなかったのに、
彼が銃をつきつける姿やタイミング、
ヘレンの最後の行動の絵などが
立っている演者に重なって見えるようだった雰囲気づくりも良かったです。

舞台上にいるけど気配を消している科学者達や、
歩き方で身分がわかる軍部の人間たち、
死んでしまう人物の消え方など
本公演とはまた別の見せ方としてつくってあるようで、
くいいるように観ていました。

ユータラスボンボン

ユータラスボンボン

演劇組織KIMYO

王子小劇場(東京都)

2015/07/31 (金) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★

チラシにひかれて、観劇しました。

上演時間、約2時間。

感想は長くなったのでブログに書きました。

ネタバレBOX



http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1120.html

ヘルメスの媚薬

ヘルメスの媚薬

BELGANAL

新宿眼科画廊(東京都)

2015/07/31 (金) ~ 2015/08/05 (水)公演終了

満足度★★★★★

17時の回と20時の回を観ました

上演時間60分。

上手側壁際、下手側壁際、手前の3面客席。
壁際席に座ったら冷房の風を強めに感じました。

台本は、終演後に800円で販売してました。

ひび割れていくような展開と、音楽がマッチしていて
1回でも震えたし、2度観たら伏線探しが楽しめました。
角度によって新しい発見があって
登場人物それぞれの「時間」を感じられて楽しいです。

小道具のひと手間もセンスがよかったです。

挟み込まれているパンフレットの設問があまり見かけないタイプのもので、
この結果は関係者じゃないけど私も知りたいと思いました(笑

ネタバレBOX

医療ドラマでよく見かける
隠蔽や治験結果の改竄、
血のつながりによる経営の腐敗など「ですよね!」が盛りだくさんでした。

大きなどんでん返しというより、じわじわと恐ろしくなるような展開、
そして大爆発。

登場人物たちの隠し事が末弟に明かされ、
内科医によって真相と方便が暴かれ蹂躙されていくシーンは
中でもかなりゾクゾクしました。

門野さんのKY(実は読めてる部分もある)と、もの知らず加減が、
いい感じに流れを切ってくれて、
第3者視点になったり客側のサポートになってくれて
漢字の多い会話にもついていきやすかったです。

柳井さん脚本の、別作品とのちょっとしたつながりも、
先週上演したものと、同じ劇場で昨年上演したものとで、2つ見つけました。

2回観て、登場人物同士のちょっとした掛け合いが
まったく同じというわけではなく、
役者に委ねているのか演出を毎回変えているのかわかりかねましたが
閉塞した空間ながらキャラクターが生き生きとしていて楽しかったです。

壁をなでる兵藤さんのうっとりとした表情や、
愕然とし、小さくなっておびえる百合さんの登場時とのギャップ、
嘘をついている人の表情の隠し方や
隠し事をしている人が共犯者や崩壊のスイッチになりそうな相手にに対し
抑止力としてて異様に接近したり話をさえぎったり
目線を配ったりしているところも細かくて見ごたえがありました。

15年前の話も、いつか作品として観てみたいです。

Phantom Form, Invisible Move

Phantom Form, Invisible Move

Arcairo

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

感覚を刺激されました
「我々は何もしません」
「…でも、そうしようとしたら制作に怒られました」←(笑)

てな感じから、マイムの歴史等を語り始め、
最初のうちは講義なのかなーと思っていたのですが、
敷居の高さは全く感じませんでした。

自分が不勉強なせいか、
チラシからどんな内容になるのかさっぱり読み取れず。
でも、観たことがあるお二人が組んで東京に来ているということで
これは観にいこう、と。

上演時間はおよそ75分。

ネタバレBOX


いいむろさんの精度の高いマイムに、
マイムを阻害する要素をあえてくっつけて繰り返し見せたり、
背後のスクリーン文字を映して想像力の補完をしたり、
時には、その文字によって「思い込み」をつくって
こちらの思考を狭めてみたり…
「伝える」というより「考えさせる」表現を見た気がしました。

同じポーズのようでも、希望・絶望という切り替えで印象が変わるとか、
何をしてるかよくわからないマイムを見て
長谷川さんが「○○をしてるところ!」と言うことで
一気に背景までクリアに見えたり、
遠近感を利用したマイム映像、ラジコンのマイム(!?)など、
「観る」に、想像力がどれだけ影響を与えているのかを学びました。

途中に長谷川さんが「パス」したマイムは何の表現だったのかが
気になります。


「想像してください」という呼びかけ、
マイムに対してだけでなく、観劇をする行為そのものについて
あらためて姿勢を正す機会をいただいたような公演でした。

ズーキーパーズ

ズーキーパーズ

ファルスシアター

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

どたばた動物園
主人公が「やる気のない新米園長」らしいけど、
物語にどうかかわるのかな…? と思っていたら、そういうことでしたか(笑

上演時間 1時間40分程度。


舞台の上のキャストは飼育員でツナギ、場内スタッフは前掛けで、
まさに動物園の場内キャストのようで面白いなと思いました。

ネタバレBOX

時事ねたというかパロディというか関連用語がナチュラルに入っていて、
あぁ現代日本だなぁというのを感じました。
登場人物の心情に寄り添う感じも、
コメディだけどただのアハハで終わらせてなくて、涙ぐみました。

当日パンフのキャスト紹介がイラストなのですが、
まず見て自分が名前と顔を把握している役者さんの
森田さん、佐藤さん、濱崎さん、矢吹さん、がそっくりで感動しました。

観終えてからイラスト見直したら、全員そっくり!

あと、ブラインドが透けてるなぁ、あれハケていく人が丸見えだなぁ…
と思っていたら、
終盤、それが必要なことだったのだと気づいて感動しました。

動物役を出さずに動物を出演させる技がさすがでした。

当日パンフに書いてあるけど、声の出演…? と思い返して、
「あ! あの声か!」と
終演後にクスッとしてしまったのも、作品のうちかなと思っています。

グッド 騎士(KNIGHT) ベイビー

グッド 騎士(KNIGHT) ベイビー

無頼組合

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

シリーズ途中参加でも問題なし!
ハー「ト」ボイルドの言葉通り、
男が惚れる男、私立探偵「風吹淳平」と
彼をとりまく人々のおりなす活劇に
笑ったり見とれたりちょっと涙ぐんだりしました。

特にコミカルなシーン、
笑いのベクトルが好みで、めちゃめちゃ笑ってしまいました。

シアター・ミラクルの空間を左右に広く使っていて、
それによる視線の左右移動が
スピーディな展開をさらに早く感じさせていました。

上演時間はだいたい2時間。

ネタバレBOX

「ハードボイルド」という言葉から思い出せるものが
大概作中に含まれていて、
それを変にひねらず、
ど真ん中ストレートで大マジにやってるところが面白かったです。

出てきそうで出てこなかったのはタバコくらいですかね。
キリコさんがキセルを吸っていましたが、
それも実際火はついてませんでした。
(でも、タバコが出てこなくても皆さん渋みもあったし、
 アウトローな感じでかっこよかったです)
タバコの煙はなかったけど、
演出効果のスモークが前列にわりと影響きてました。

シリーズものということで、
いくつか過去が気になる関係性や発言があったりしましたが、
今回の話を見ている上で必要なことは作中で描かれているので
なんの問題もなく、楽しめました。

ニューハーフや聞き込み対象の男たちなど、
2役やっている役者さんたちの演じかたの違いと、
いっそそれをネタにした「間に合わなかった」発言など、
面白いやり方だなと思いました。

あと、アドリブと思われるやりたい放題っぷりに
オチがつくのも良かったです。
複数回観るので、どこまでが本当のアドリブで、
どこまでアドリブの「ふり」なのか確かめるのも楽しみです(笑

公式サイトにもこりっちページにも
事前情報として上演時間が告知されてなかったのが
ちょっと、不満といえば不満でした。

ほぼ初見の役者さんたちだらけでしたが、キャラが立っていたので
顔面認識能力の低い自分でも
混同することなくストーリーと登場人物を追うことができました。

風吹さんのまとう「THE・ハードボイルド」な空気とアクション、
紅ちゃんのマイペースっぷりやオハラ氏の過去を感じさせるオーラ、
泊さんのシリアス天然、会田くんのキレキレチンピラ風味、
花岡さんのいい女感と銃の構え方、
菊池さんの見せた数種類の笑顔などが印象的です。
(すべて役名)


※20日追記※
タバコ出てこないって書きましたが、
花岡さん(ウノアケミ)がしっかり持ってました…
あと瀬古(あごの人)が葉巻持ってましたね。失礼しました。

15 Minutes Made Volume12

15 Minutes Made Volume12

Mrs.fictions

王子小劇場(東京都)

2015/07/08 (水) ~ 2015/07/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

六者六様
好みもそうでないものも15分なので、観やすいです。
5団体が初見でしたが、どれも楽しかったです。

3団体上演で10分休憩。
合計で2時間くらい。 
(後日ネタバレ追記予定)

「月暈とメスシリンダ」(公演終了 ご来場ありがとうございました)

「月暈とメスシリンダ」(公演終了 ご来場ありがとうございました)

Sky Theater PROJECT

小劇場B1(東京都)

2015/07/07 (火) ~ 2015/07/14 (火)公演終了

満足度★★★★

小さな波を丁寧に
田舎の小さな会社の話。
一つ一つは小さいけど、波のある展開。

そして一本の芯がある観やすい話。

特殊能力の彼女の描きかたが好きでした。
1時間40分。

(20150831:追記…というかツイート転載)

ネタバレBOX

登場人物一覧見て「同じ名字だらけで区別がつかぬ!」と思ったけど
観てたらいい感じにみんな個性描かれてて
早期予約(リピーター予約でももらえる)のスピンオフドラマCD聞くの楽しみ。

ツグオの友人の眼鏡くん。仕草ひとつで気持ちわからせるの上手かった。

森山くんが珍しく、静かなお芝居。
彼の声の爽やかさが役柄に似合ってた。
ドスの効いた声も出せる役者さんだけど、
こういう実際にいそうな人物の何気ない喜怒哀楽の表情も好きだ。
相手役の気持ちに寄って観てたから、
煮え切らない態度に「ぬぁー!」ってなった(笑) 
彼は何着、衣装着たんだろう…

母親役の方と、社長役の方の演技が自然で演技じゃないみたいで、
彼女たちに観客は自分のなかの「母親」を重ねるのかなーって。
逆に、娘の部下がやたらキャラが立ってて動くたび面白かった。
立場を思うと、どうやら彼なりの思惑がありそう。
駄菓子がいっぱい登場してノスタルジック。

「人間生まれたら、必ず一回は死ぬんですから」という言葉と、
「これからの人生で飲むコーヒーの量」のエピソードが好き。

特典ドラマCDは、過去の話とか、後日談。
本編でしてたふとした会話が
「あーこういう繋がりになるんだ!」 って新たな発見に。
作中の彼らが動いて思い浮かべられる。
特に中村くん(役名)が超生き生きしてる(笑) 
ラストの話、思わず朝から泣いたヽ(;▽;)ノ

映日果-アンジール

映日果-アンジール

XZM

遊空間がざびぃ(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

生気のオンオフで魅せる
観終えて「ほんとうに公演時間90分だったの?」と思うくらい
濃い話でした。

とても、面白かったです。
スピンオフ作品などもいつか観てみたいです。

ネタバレBOX


全員に長所と短所、清い部分とそうでない部分があって
今から数年後の設定の、
地続きな世界観をリアルに感じることができました。

事務所での占い師の挙動や曽根さんの死に方など、
緊迫したシーンでもどこか滑稽な要素が入っているのも
映画のようで観ていて楽しかったです。
(それでも本筋の緊張感を失わない匙加減が、とても好み)

死んだ少年や根路銘さん等、
回想と実際に生きている状態が
(衣装など変えてないのに)すぐに見分けられる演技力と演出も
素晴らしいと思いました。
兄が弟のことを思い出しているシーンは特に画として美しかったです。
特殊効果などを使わず生の人間でも、
生気のオンオフができる達者な役者さんがいれば
このような画も作れるのか…! と驚きました。


繁華街や線路沿い、クラブを表現する際の照明の使い方が見事でした。

日数や登場人物が全く変わる風な完全暗転と
舞台上の登場人物が「舞台上に生きた」状態を維持したまま
場面を変えるような青い暗転を使い分けていて、
そこも面白かったです。


受付が開演の60分前、開場が30分前で、
早めに受付したらコンビニでも行こうかと思っていたのですが
特に整理番号も渡されず、
そのまま開場まで劇場前に並んでいる流れができていて、
なんとなく自分も劇場前から離れずにおりました。
雨だったらちょっとツラかったかもなぁ…と思いました。

邪教

邪教

劇団YAX直線

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/07/02 (木) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

目の付け所が好きなのです
相変わらず当日リーフレットの文字数が半端ないです。

各登場人物の
バックホーンも(作中では語られない情報すら)書いてあるので、
読んでから観ると彼らの思考が受け入れやすくなります。

受付は開演の1時間前、開場は15分前。
上演時間は90分強。

ネタバレBOX

脳内会議の話があらすじにあったので
「あっちもこっちもタイムリーだな」と思って観劇に臨みましたら
当日リーフレットでそこに触れていました(笑

この物語の登場人物のような不毛な脳内会議は自分もやりがちなので
あのあたりの感情移入度は半端なかったです。

「小劇場でよくあるシリーズ」は、
特定の団体を指してるわけじゃないのでしょうけど
思い当たるような景色をあちこちの劇団で観たなぁ…と、
脚本家さんの観察眼に思わず笑ってしまいました。

劇中劇のプロジュエクト〇ックスと、
某時代劇がツボにはまって大笑いしました。
作中に出てくる「ご当地グルメ」「お茶」「たこ焼き器」のたとえも
親しみやすく、かつ分かりやすくて着眼点と言葉選びが見事だなぁ、と。

演技としては特に
星子役の須賀さんの
写真が流れていくような表情の変え方(りんごの話)や
三垣役のれんださんの堕天使の妖艶さ、
飛来矢役のChiRiさんの
「ヒモ力(ひもりょく)」トークの説得力と安定の体幹、
丹波役の冨岡さんの色気(まさに「ヒモ力」では…と思うほど)、
心平役の二川くんのくそまじめな熱さが印象的でした。


スケッチブックの使い方もここならでは…で、
書いてある言葉(彼らの発言)に心を揺さぶられます。
二者の発言を交互に見せるところでは、
一瞬どっちを観ればいいのか悩むので、
スケッチブックを掲げたり一歩前に出るとかの
視線誘導が欲しいかなと思いました。
(音楽に合わせる関係上、難しいのかもしれないなぁと思いつつ)


実はタイトルの「邪教」とチラシの空模様に
脳内で宗教的な話になるんだろうか…とドキドキしていたのですが、
「とにかく進もう」と思える力に変えてくれる使い方だったので
安心しつつ、元気になれました。

熱唱する原さんがカッコよかったです。
小さくこぶしを握りました。

虚言癖倶楽部

虚言癖倶楽部

smokers

ギャラリーLE DECO(東京都)

2015/06/23 (火) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

ウェルカムボード毎回手描き!?
何の変哲もない普通の一室で行われている会合、ということで
会場の照明(蛍光灯)が効果的だなあと思いました。

週ごとに席配置が変わるので、
登場人物がほぼ全員見れるので良かったです。

嘘つき、そばにいられると困った彼らですが、
この距離感で観てるとチャーミングで面白かったです。

ネタバレBOX


ウソが大嫌いだけど受け入れようとする先生の、
ギリギリの表情が秀逸でした。
奥様との話し合いを想定したロールプレイ、
必死なのはわかるけど面白かった…!

各々の虚言癖さんたちが騙そうとしてるのは
他人じゃなく自分なんだなぁとつくづく思ってしまいました。
衝撃的なチラシ(笑)でしたが、
大なり小なり人間見せられない部分はあるよな、と思ったりしました。
でも嘘つきも正直も、極端なのはだめだな、とも(笑

週を重ねるごとに、
報告と拍手の雰囲気が変わっていくのが感じられて
(自慢・戦果のような雰囲気から、自戒・反省などへ変化)
(共犯・いいぞもっとやれな拍手から、本当の「よくやった」へ変化)
役者さんたちの細かな演技が組み合わさって
とても自然な空間になっていたと思いました。

観に行くきっかけになった森尾さんが
「40歳の伝説の丘サーファー(週3深夜コンビニバイト)」という
おそらく他の芝居では観られないような役柄で、
服装や動きもチャラかったり顔に塗りものをしたりでいいもの見れました。
(次の週の場面には顔色が元通りになってて、早業におどろき)


台本販売してくれたのもうれしかったです。
用語集のセンスに大ウケしました(笑
競馬がらみの用語と、ファミマ、ロールプレイ、ステージ4が特に好きです。

ラストにほろりとさせてくれたのも、良かったです。
やぶれた虹のなおしかた

やぶれた虹のなおしかた

こゆび侍

駅前劇場(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

感情移入しまくりました
奥側で観ました。

特殊なシチュエーションでも
「きっと自分もそう思ってしまうかもしれない」
「自分もこういう状況になったらそうするかもしれない」
と思わせるリアルな内容でした。

叶うならもう一度、手前側から観たかったです。

ネタバレBOX

詳しくはブログに書きました。

http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1107.html
金と銀の鬼─チェインソウル─

金と銀の鬼─チェインソウル─

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

所狭しと暴れる鬼たちに大興奮
4面囲みの、決して広いとは言えない舞台上で行われる
迫力のアクション、キャストそろってのダンス、
怒涛の展開に興奮しました。

今回1度しか観劇できないのですが、
1つの方向からだけでも
「本筋をほぼ見届けられた」という気持ちになったのは
役者さんの、全身に神経を張り巡らした演技と
囲み舞台を意識した演出のつけ方なんだろうなぁと思いました。

衣装も素敵だったので、
カーテンコールの撮影会がありがたかったです。


ネタバレBOX

緑丸と助佐のコンビが終始目をひき、
妖刀を手にした後に起きた変化で、さらに目が離せなくなりました。

銀鬼は、ライム兄弟とのふれあいや桜満とのやりとりで見せる表情と
後半の泣き叫ぶような表情のギャップがよかったです。

金鬼と、某人物との因果のくだりも「そういうことか!」 と納得して観れました。

「角」や「メッキ」などの、掛詞のような言葉の使い方も説得力があって
面白かったです。

ゴベリンドン

ゴベリンドン

おぼんろ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★

リピートしました
30日に参加して、
予定もついたので今週末にもう一度参加することにしました。
(6日夜公演いってきました)

吉祥寺シアターをおぼんろ色に塗り替えた舞台美術、
観客と語りての境目をとろけさせるような配席、
観客の想像力を引き出す前説、
口伝の昔語りのような本編など、
ここ以外ではなかなかできないだろうなぁという体験ができました。


客入れ時間に語り部(役者さん)たちが
前列や通路側の参加者(客)に気さくに話しかけてくるのは、
好みがわかれるかもしれないなぁ、などと。
(例:本日の参加者一覧のファイルをもっている語り部さんが
こちらの名前を聞いてきてそのファイルで調べて
「あ、○回目なんだね」とか 「前回公演観てるんだ」と話を膨らませてくる)


本編は面白かったです。

椅子席や座布団付きのひな壇席があったのもよかったです。
桟敷が一番迫力があるだろうなとわかっていても、
体調的につらいこともあるので…

ネタバレBOX


自分の席が遠くてマイクの反響でぼやけたのか、
弁士と蜂のシーンは言ってる内容がほとんど聞こえませんでした。
あと、『パダラマ~』の時と、
拓馬さんの演技があまり変化なかったのもちょっと物足りなかったです。

役者さんの名前をもじったり
そのまま使っている登場人物の名づけもいいなぁと思いました。
(終演後に顔と名前が一致しやすいし、そしたら
次回作観る時「前に○○だった方は今度はこういう役か! と楽しめる)
ゴベ「リン」ドンと「さひー」→「ザビー」は
実は数日たってから気づいたのですが…(笑


前説で「一番きれいな葉っぱを想像して」と言われたときに、
「それは金色かもしれない」という続きの発言を聞いて、
想像の中ですら緑色の範疇を越えられなかった自分を振り返って
「物語を紡ぐ人はやっぱり根底から違うんだなぁ」と思いました。

ラストの、星空がただただ美しくて、吸い込まれそうでした。


↓6日夜公演に参加したので追記。


八年虹色アゲハのさなぎ絡みの言葉が涙腺を刺激しました。
呪いも祝いに変えるような、すべてを包み込むような深さを感じました。

タクマは花が咲いたさなぎをメグミに渡すことで、
あの世界から「憎しみ」を持っていったのかなぁなどと考えました。

ゴベリンドンの正気と獣の二面性が印象的です。
VS魂

VS魂

MousePiece-ree

HEP HALL(大阪府)

2015/05/29 (金) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

さくっと観れてさくっと笑えるから好き!
廃れゆく商店街を復活させようとする、
商店街で育った元・少年たちの話。
1時間40分。

…ぶっちゃけ、設定とストーリー展開はけっこうベタでした。
だから安心して観られるんですが、
そのままでは普通の単調なほのぼの芝居。
途中でぶち込まれる
大人の全力の悪ふざけが笑いのキモになっていました。
ミュージカルシーンは、
予想以上にMousePiece-reeのみなさんがガッツリ歌っていて驚きました。

ネタバレBOX



男の子の仲良し4人組+そのうちの1人の妹、
という少年時代を過ごした彼ら。
八百屋の息子春ちゃん、
本屋の息子よっこん、魚屋の息子せっちん。
なんでもできるリーダー格、八嶋(やっくんだったか…?)。
その妹、かよちゃん。

活気づいていた商店街も
彼らが大人になる頃にはすっかりさびれてしまいました。
どうにか昔の勢いを取り戻そうと、
春ちゃん、よっこん、せっちんは商店街復興イベントを企画。
小芝居、歌、ダンスでもりあげようという作戦です。

そこに飛び込んできた知らせ。
商店街の店を立ち退かせ、
ショッピングモールを建設する計画が立ち上がったとか。
プロジェクトの責任者として書かれている名前は、
ともに商店街で生まれ育ち、
卒業後に建設会社に就職したまま連絡を絶っていた「八嶋隆人」…。



まず、最初のキャッチボールで
「うん? 少年時代かな」と思っていたら
途中の会話でおじさんだったことが判明して面白かったです。
言われないと、全力すぎてこの方々は年齢がわからない…!(笑

個人的に好きだったのは
よっこんのボールの投げ方(衝撃波が出そう)、
兄妹再会シーンでの顔デカいネタ、
(「このへんが口で…わぁ。って、なるか!」てなノリツッコミ)、
春ちゃんの恋愛模様(むくれたり、手つなぎ妨害など)。
「商店街のみんなが、はげまして…」も笑ってしまいました。
客入れ時に鳴ってた音楽も伏線というか、なんというか(笑

商店街で生まれ育った昔なじみという関係からか、
みんないい大人なのに、
まじめな話をしていて一人がふざけたら、
そのままみんな脱線したり、
逆にさっきまでふざけてた人たちが、
一言でシリアスな空気になったりでテンポがよかったです。
(ボラのくだりはよくわからなかった…)

MousePiece-reeの定番コーナー(?)の「謎ルールのゲーム」も、
缶けりのようだけど彼ら独自のルールで行われていて、
そこに八嶋が加わることでただのお遊びシーンに見えて
実は回想シーンでもあって…というところも、
展開がダレなくていいなと思いした。
森崎さんの子供のような号泣が大好きです(笑
「いじり」が「いじめ」にならない絶妙な作りで、
マウスの笑いは好みです。


ショッピングモール計画のことについてのオチや
商店街の今後については、現実味薄いかなと思いましたが
そこは心温まるストーリーということでいいのかなぁ…
ハッピーエンドで良かったです。

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