タケルのミコト!【アンケート即日公開】
劇団バッコスの祭
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2015/02/05 (木) ~ 2015/02/11 (水)公演終了
満足度★★★★
コメディタッチであるが怖い
グリーンフェスタ2015参加作品であり、一般審査員としてこの作品を審査させてもらった。その関係で感想は授賞式以前には公表しなかった。
なお、この感想は審査評を「こりっち」用に一部書き直した。
第一印象は、「レイシズム」を感じさせるような公演であった。
遺伝子操作、出産前の異常認識など、「尊厳」「残酷」の思いの狭間で苦悩する姿がよく現れていた。しかし、命の尊さを命題にしている割には、殺陣で何人殺害したのだろう。芝居である以上、ある程度の観せ方があると思うが、「生命」を問う命題に対する矛盾した行動に違和感を覚えた。
この公演の見所は次の点にあるのでは…。
ネタバレBOX
第一は、生命に対する「尊厳」とそれに対する「冒涜」という、“善・悪”の対立構図を描くことでより分かりやすく芝居を観せたこと。
第二に、難しいテーマに対し、現代的思考からかけ離れた時代設定(古事記)にすることで、固定されたイメージから解き放ち自由にそして幅広く受容できるように工夫していたこと。
そして殺陣などのアクションの魅力を盛り込む。
芝居を観せる力はあったが、テーマ・命題の表現矛盾が魅せる力を削いだて思う。その結果、観客の趣向(好き嫌い)が左右される。
さよならダースヴェイダー
劇団Spookies
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/02/26 (木) ~ 2015/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★
好公演...初心者お勧めでした
グリーンフェスタ2015参加作品であり、一般審査員としてこの作品を審査した。その関係で感想は授賞式以前に公表しなかった。
なお、この感想は審査評を「こりっち」用へ一部書き直した。
”笑顔の向こうに明日がある”というフレーズに示されるハートフルコメディである。人は何かしら悩みを抱えているが、それを吐露すること、本気で物事に立ち向かう必要がある...という教訓的すぎるところが気になったが、そこは熱い演技力でカバーしたと思う。公演全体は初めて演劇を観る人にも分かり易く、楽しめる内容だった。心的探訪や時空間移動という、芝居ではよく用いられる演出手法ではなく、現実を直視した直球勝負の公演であった。
幕末!天命、投げ売りのクマさん
演劇企画ハッピー圏外
TACCS1179(東京都)
2015/04/17 (金) ~ 2015/04/22 (水)公演終了
満足度★★★★
やはり面白い!
さすが演劇企画ハッピー圏外の公演である、楽しく面白い芝居であった。ただ、前回の時代劇「宵闇よりも速く駈けて」(2014年5月 TACCS1179 俳協ホール)に比べ遊びが多かったと思う。車のハンドルも遊び(余裕)がないと危ないが、それが過ぎると危険であろう。公演でも度が過ぎると白けるが、本公演も序盤はずいぶんと緩い演出であった。しかし、タイトルにある”天命”と坂本竜馬が繋がってくると俄然魅せる芝居へ…
ネタバレBOX
この”天命”、坂本竜馬が受けるのではなく、一介の町飛脚が受けるところが面白い。
さて、飛脚の熊八は、夢と思しき中で浦賀沖にくる黒船来航を予期する。頻繁に近未来の出来事が事実となってくる。この出来事、実は神様からの天命によるもの。初めは神様(内堀優一 氏)の天命であったが、神様の人事異動(その発想もユニーク)になるため、引継ぎで後任の神様(彩島りあな チャン)がその後の天命を啓示(?)してくれる。熊八にはその”力”を活用し世に影響を与える術を知らないことから、坂本竜馬(黒藤結軌 さん)に乞われるまま神様からの天命を投げ売りし出した。ここから歴史書(小説)にあるような竜馬の活躍が描かれる。天命は小出しに伝えられるため、常に竜馬の傍にいなければならず京都、長崎まで呼び出される始末。熊八は愛妻・八重(澤木さやか さん)にも会えなくなり天命伝達の煩わしさも手伝い、途中で天命啓示の伝達を辞めてしまう。その後、竜馬は暗殺されるが、竜馬は死後のことを三通の手紙に託す。その一通は勝海舟×西郷隆盛の会談により江戸戦禍の回避へ繋がる…というハッピー圏外による新(珍)解釈を創り出す。面白い着想とそれを芝居として観せる演出は秀逸である。また、21名のキャストのうち、大半が複数の役柄を担い、最後まで飽きさせない芝居に仕上げるところが凄い。
演技では、ラストシーンの坂本竜馬の死に際…瞬きせず見得を切るような眼力は本当に迫力があった。
なお、序盤の呉服屋・若旦那の八重に対する恋慕な場面から、熊八と八重が結婚する迄が緩いような…。この緩さがラストの迫力ある竜馬暗殺場面との落差を演出して印象付けようとしたのだろうか。
しかし、人間は天命を受けても活用できない者もいれば、人を介してでも世の中に影響や変革を成す者がいる。その気になれるのか、立場が人を変えるのか。そんな形成をしていく姿が描かれていたようで興味深かった。
次回公演も楽しみにしております。
Heavenly Drop ~全ては物語~
BIG MOUTH CHICKEN
ブディストホール(東京都)
2015/04/16 (木) ~ 2015/04/21 (火)公演終了
満足度★★★
世界に一輪だけの花…
「世界の平和はたった一輪の花が担っている。 そんな危うい世界の話である」が、その危うい雰囲気が感じられない。逆に本公演のモチーフである「花と華」のイメージが印象強い。キャストには花の名前が付けられ、その花言葉のような性格付がされている。確かに説明にあるようなエンターテイメントファンタジーであったが…。
ネタバレBOX
ストーリー展開にもう少し捻りがあると印象に残ったと思う。あまりにストレートであり、予定調和であることが早い段階で明らかになる。演出としての群舞(ダンス)と殺陣は観応えがあった。またメイクや衣装は花をイメージしたのでろうが、独特な感じである。
演技について、自分が観劇した日は、王様(ニシキギ マンサク役=三井伸介さん)が応援に現れる際、舞台中央の階段で躓き、剣を落としていた。本来なら切られていたであろうが…観せる山場だっただけに残念な演技になった。
公演全体としては、ビジュアル的で華やかであったが、もっと物語に掘り下げがあると良かった。また、ダンスや殺陣は観せていたが、台詞の場面になるとテンポが緩くなっていた。その体現の差が気になった。
せっかくこれだけのキャスト陣と魅せる美術をしているだけに勿体無いなかった。
次回公演を楽しみにしております。
職業「嘘つき」
Pudding☆Ring
遊空間がざびぃ(東京都)
2015/04/14 (火) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★
楽しいが、さらに進化して…
タイトルからして、心魂を揺さぶる内容でないことは、容易に想像がつく。そのかわり、誰にもわかりやすく楽しめる芝居である。
当日パンフに「偽り」は、人の為と書き、その行為には色々あるようなことが記されていたが、やはり「嘘」をつくと虚しいと…。漢字の旁(つくり)遊びはここまで。
しかし、この公演は堂々と嘘(裏)家業をしている。その実態は…。
ネタバレBOX
地元密着の何でも相談、そして犬の散歩まで引き受ける何でも屋を標榜する表家業。その一方、AVの押売り通販、振込詐欺のような悪徳裏家業をしている。そんな事務所に、ほぼ同時期に2件の大金を手に入れる格好の依頼が舞い込む。さらに、その事務所でバイトしたい女子大生の面接、社長の元彼氏が現れ、ドタバタ騒動が起きる。
シチュエーションの妙、キャストのオーバーアクションによる笑い、とにかく観客を楽しませようという演出・演技が観て取れる。
出来れば、ストーリー展開がもう少しスムーズ(2つの依頼の関連付が強引)のようであり、もう一工夫あると面白かったと思う。
また、社長が元警察官で裏家業とは…出来れば、そのあたりの事情を膨らませて、元同僚(巡査部長間近)との関係も説明して欲しかった。
まぁ、あまり細かいことを言っても不粋か。なにしろコメディなのだから、難しく考えず楽しんだほうが得だろう。
次回公演も楽しみにしております。
見ズ溜マリニ映ル青空ハキレイデ。
訳アリ24畳
サブテレニアン(東京都)
2015/04/17 (金) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★
得した感じ…観応えあった
まず、客席反対側に本が平積してあり、作者なる人物がキャスト一人ひとりに本を渡しながら役柄(例えば、軍人、絵本など)を指定する。この段階でインプロかと思った。しかし、実際は異空間による並行展開する物語であり、それは観応えがあった。ただ印象としては教訓的すぎたこと、同じ場面の繰り返しがあるようなので、その場面の必要性についてもう少し説明が欲しかった。そして一番気になったのは…。
ネタバレBOX
物語の進行役が二人いるように感じた。つまり、物語の作者と物語の中の図書(館)がストーリーテラーのようで、現実と本の中(夢幻、幻想)の世界観の区別が曖昧になり、覚醒してから本公演のテーマなり主張にインパクトがなくなった。既に本の中で語られてしまったかのようだ。
本の中での話が前提である。そして、自分は誰か、何をしたいのか、あの日(時)に戻りたい、もっと自由で楽しいことがある、など人間か持っている願望が紡ぎ出される。しかし、隣の芝居は…の喩えのように実際は目の前の幸せを見つめていない、感じていない。そのことを認識しないから過ちをする。
本の中(内容)は変わらず、いつもハッピーエンドである。しかし、本の主人公はいつもと違い、もっと自由を望む。しかし、現実は厳しく本の中が恋しくなる。本を介して、その中の登場人物と読者(現実)の思いの違いが語られる。人間の内面・願望と現実との対比を見事に描き出した公演であった。
総じて若い役者陣であるが熱演であった。ただ台詞について、大声を張り上げているような場面もあり、一考が必要だと思われた(特にSEと被った時など)。
次回公演も楽しみにしております。
よかったら、共倒れ?
涙目キューピー
シアターシャイン(東京都)
2015/04/17 (金) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★
よかったら、友頼れ!
芝居としては、コメディタッチなところもあり大変楽しめた。同時に内容は、現代社会における課題の一面をブラックユーモアにして描いた視点も見逃せない。
女優陣は、下着姿も厭わず熱演していた。そう言えば、主宰の都上々 氏も当日パンフに「もはや菩薩級の存在である…」と最高の謝辞を書いている。小劇場にしては、思い切った舞台設営(観客席減)であったが、観客側からすれば、場面説明を容易に演出できていたと思う。
ただストーリーの流れが…。
ネタバレBOX
小劇場にしては、客席数を減らしてまで花道を作った。変形L字型に舞台は二分割にし、上手は主人公(荻窪えき)の部屋、下手がベットが置かれ、病院や状況によってラブホテルになる。
話は、元市議会議員の主人公が、縁もゆかりもない人の最期を看取る仕事を始める。孤独な人々を看取り続けて行くうちに、その仕事に対する空虚感、罪悪感なるものが芽生えたようだ。また、自身の性癖がレズビアンであることも、教え子との関係で認識し同居するようになる。この仕事と性癖を軸に周りの人々を巻き込み、または運命のように歯車が動きだす。ストーリーは面白いし演出も観せるが、スムーズな展開ではない。何がぎこちない…。無理して男優が女医を演じるとか、オビスポ(丹野薫)が、精神的に壊れていく、などは場当たり的には楽しめ、または別事件を彷彿させるが、主軸にあまり関係ない。段々と主人公の周りから人々がいなくなることは分かるが、強引な感じがした。
内容は実にシュールで考えさせる。
最後に、ラストシーンは観客によって捉え方が違うだろうが、ヤンキー娘を主人公の部屋に住まわせるのは…。上手はヤンキー娘のバカ騒ぎ、下手ば主人公の哀惜。同じ舞台場面の対比にしても余韻が無くなったようで少し残念であった。
次回公演も楽しみにしております。
トーマの頃を過ぎても
Pal’s Sharer
ザ・ポケット(東京都)
2015/04/15 (水) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
純色から多色化した人生…感動!
1995年に高校生だった少女が大人の女性へ変わって行く過程…悩み、苦しみ、嫉妬、悔悟などを経る姿が感動的である。さしずめ無色透明または白色から銀色へ輝いていく。教師の女性も含め、まだ全員が30歳代である。まだまだ年を重ね輝きを増して金色になるだろう。
登場人物は、教師を含め全員(9名)が女性である。本当に女子高生に見えるし、経験を積んだ大人までを違和感なく演じていた。
そして、話の底流には… 再演を望む声が多いのも頷ける。
ネタバレBOX
この公演の素晴らしいところは、脚本もさることながら、女子高生という多感な時期から女性として輝きが増す30歳代までを、その時期ごとのトピックを交え寄り添うように時が流ているところ。
暗転や衣装を代えるという視覚だけでなく、女性の内面が変化しているような錯覚を覚えさせる。その巧みな演出とキャストの見事な演技の相乗効果。それが最大限に発揮された芝居は、観る者の心を掴んではなさない。
次回公演も楽しみにしております。
さとがえり
えにし
OFF OFFシアター(東京都)
2015/04/15 (水) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★
温かいが、少しドキドキ…
若返えりには憧れるが、手放しで喜べないかもしれない。この公演で映画「ベンジャミン・バトン数奇な人生」(日本公開2009年)を思い出した。そして、悲哀というか怖さを感じたのを覚えている。
本公演でも、ラストシーンは少しドキドキした。
とても温かい気持ちにさせてくれる作品。作は、桑原裕子(KAKUTA)さんで、とても精力的に活動されており、5月には、やはり下北沢のザ・スズナリで公演(代表作品の再演)がひかえている。
さて、この“さとがえり”とは…。
ネタバレBOX
夫の三回忌に夫の郷里に帰ってきた妻…その容姿が自分の実娘(30歳過ぎ?)よりも若くなっていた。子供達はじめ親族の戸惑いがアイロニカルに描かれる。
母親にしてみれば、子供たちは幾つになっても子供である。しかし子供は既に成人し自分の生活や時間を持っている。そこに親と子であっても距離感が生まれている。その微妙なズレの感覚や、親の若い容姿に対する複雑な思いがよく現れていた。
一方、亡夫の故郷に来ているが、やはり親族に馴染めない感じや、その地方の身内意識が距離感を生む。この色々な距離感が時に錯綜し面白い。
公演全体としてはドタバタコメディのような場面もあるが、それだけではなく各登場人物の心情がよく描かれていた。
ラストシーンは、喪服の母親が黒いレースのヴェールをまくり上げる...その顔は眉ペンシルのようなもので皺を描いている。母親としての優しい思いがよく現されており、微笑ましかった。
実は、映画のラストは老人のように生まれて、最後は赤ん坊になってしまう。子供が生まれたが、会った時には同じような年代、父親として認識してもらえなかった。認識されないままの父子でいた期間はほんのひと時であった。そんな悲しい場面を想像し、母親がどう変貌したのかドキドキしたが...お茶目な幕切れにホッとした。
次回公演も楽しみにしております。
愛しきは
劇団 きみのため
テアトルBONBON(東京都)
2015/04/15 (水) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★
微妙な...
1945年7月から1948年頃までの戦中・戦後の動乱期の庶民生活...長屋住まいの名入れ(提灯)職人一家と隣家で大家の画家の日々の暮らしを描いた話。舞台セットは、上手に画家の家(アトリエ風)と下手に職人一家の土間と畳部屋・押入れが作られている。この舞台セットは見事であるが、脚本・演出には...
ネタバレBOX
違和感を覚えた。舞台は上・下手に二分割されているが、ストーリー的にはほとんど絡まない。なぜ同時並行して観せるのか。自分は、どちらの芝居にも集中できず、印象が弱くなった。
まず、上手の画家の日常生活だが、戦中・戦後を通じて生活レベルに大きな変化が見られない。そもそも非常時という雰囲気がなく、坦々と路傍の石を描くだけ。そのうち、画壇の大家の紹介で令嬢(人物画)を描くことになり、淡い恋心が芽生えるという”静”の話。
一方、下手の職人一家は、戦時中は父親も”鬼畜米英”と叫ぶ元気もあったが、敗戦によって押入れに閉じこもる生活へ。今では母親が生活の切り盛りをしている。子供達5人(男3人、女2人)は、長男が戦死、二男が闇商売、三男は共産主義者へ、長女は中学教師と結婚、二女はヌードダンサーになりドサ回り、と各人の道を歩んでいる。この戦後混乱期のドタバタした”動”の話。
この二つの物語はほとんど交わることなく、大家に家賃の差額として食事を届ける、もう一回は父親が自殺しようと家出したが死に切れず...隣家に上がりこむ、という場面のみ。もう少し隣人(大家・店子)関係を膨らませたドラマがほしかった。
次回公演に期待しております。
よく喋るマダム達は、パクチーより食えない
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2015/04/08 (水) ~ 2015/04/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
テンポ良く
シアターKASSAIという奥行きのある劇場の特長を活かし、後景・前景の二分割した演出は面白い。舞台奥(後景)には資産家らしい瀟洒な居間、舞台前(前景)下手には探偵事務所の粗末なテーブルと事務椅子2脚…この対比は、人物描写にも生かされ、立ち位置によって主人公(興呂木 参次朗)、その助手(野村純平)と資産家の住人達の立場・振る舞いが印象付けられる。
そしてキャラクターという点では、タイトルにある“マダム=オバちゃん”達が強く、異色になっている。この公演で一番疑問に思っているのが、ほかならぬ、この愛すべき”オバちゃん“達なのだが…
ネタバレBOX
そもそも、この探偵事務所に依頼に来ること。主人公が断れない性格であり、事務所が金銭的に困っていることを承知しているほどの調査能力を備えている。やはり噂話(来来軒)やインターネットの口コミ情報は脅威だ。この調査能力があれば...などと細かいことを言ったら芝居の面白味がない。些細なことはさて置き、この芝居は推理ものであり、その性質上、観客の観る気を逸らさない。そして、登場人物のキャラクターが立っており、自然と笑みがこぼれてくる。そしてテンポに緩急があり、場面に応じた軽快感と人情感が上手く演出されており、観せる芝居になっている。また、この芝居のもう一つの特長として暗転が少ないこと、またはそれを感じさせないスムーズなこと。それゆえ、2時間10分という長時間公演にもかかわらず、最後まで飽きさせない。
今後の公演にも期待しております。
転人
劇団メイカーズ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了
満足度★★★
もう少し主張の掘り下げがほしい
タイトル「転人」は、アメリカなどのモビリティ社会のイメージ…しかし本公演は、単に仕事が長続きせず、転職を繰り返す情けない男(若者)の話。東京芸術劇場ウエストホールという割と広い舞台にも関わらず、そこにセットされたものは、カウンターとスツール、テーブルとソファ-ベットという可動できるものばかりである。その理由は物語の進展とともに明らかになる。
そして、自分の関心は…
ネタバレBOX
どうして転職ばかり繰り返すのか。主人公の性格なのか、勤め先の環境や状況なのか、という舞台を構成する上での設定が説明されないこと。それが曖昧なまま進展するため、転職することが当たり前で、場面転換しても面白味がない。その場面転換=(薄)暗転が多く、それゆえ可動セットになっている理由であった。この公演には大勢のキャストが出演しているから、配置変えは容易にできるだろうが、観客からすると集中力がそがれる。ワンシーン...例えば主人公とアイドルが千紫万紅の中(舞台中央に花のサークルを作る)で会話するだけで場面転換をする。非効率というか非効果的な場面のように思えた。また場の盛り上げのためか、会員制クラブでの快楽(SM)趣向、それに続くベットシーンなどは、主人公の性癖(本心を曝け出すという伏線か)を表したいのか。いくつかそのような演出が観られ、脇道へ、またテンポが緩慢になったのは残念であった。
序盤から中盤にかけて、間抜け、おっちょこちょいというイメージを持たせたかったようだが、わざとらしく白ける。中盤以降、生きがい(商品開発)が見つかり必死?になる姿へ変貌...少し強引(予定調和)な感じもするが、とりあえずハッピーエンド。
この公演タイトル「転人」は”職”を転じるのではなく、”人間性=気力”へ転じることを表現したかったのだろうか。
次回公演に期待しております。
イン・ザ・ボイス
Media Works Produce
北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)
2015/04/09 (木) ~ 2015/04/11 (土)公演終了
満足度★★★★
明るく元気な…
現代のインターネットの普及に繋がるような話と思ったが、そこはもっと広範な聴者(リスナー)を通したハートフルストーリーが展開する。ラジオ…それは顔が見えず、声だけで繋がるという心細さや不安さが垣間見える。それを承知の上で、電波を通して”心の家族“を作りたいと願う少女の切実な思いが描かれる。
ネタバレBOX
この物語はラジオという媒体(媒介)を通じて、家族(母親)の虐待から逃避するため、ラジオで”心の家族”を作りたいと訴えた少女の話と、ラジオ局で今ひとつ自信が持てず、その場その日暮らしをしているアナウンサーの成長する話の二重構成になっている。ある種のパラレル関係にある。
さて、ひょんなキッカケでラジオ番組”家族プロジェクト”のアナウンサーを任された女性...人として問題から逃げ出さず、真摯に向き合う姿に共感を覚えるが、その描き方があまりにストレートすぎた。
また、ラジオのリスナーで”心の家族”に立候補した人たちのバックボーンが不鮮明で、なぜこの擬似家族に名乗りを上げたのかが分からない。唯一ハッキリしているのがダンプの運転手ぐらい。この人たちの内、何人かの生い立ちなり現在の状況説明があれば、応募動機に納得感が得られ、共感と少女の嘘による裏切りによる落胆の差にインパクトを与えたと思う。その登場人物の掘り下げ、もしくは抱えてきた問題を浮き彫りに出来ればよかったと思う。演劇屁理屈を言えばツッコミ所が多いと思う。
しかし、明るく元気が出るような芝居であり、印象は悪くはない。
ラジオという放送現場をはじめスポンサー、クライアントの関係については、メディア露出も多い(アイドル)女優も出演していることから、十分承知しているだろう。少なくとも自分は、娯楽性を大切にして観てきた(この点に★1つ追加)。
次回公演も楽しみにしております。
SILVER to BLACK
HyouRe Theatre Company
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2015/04/11 (土) ~ 2015/04/12 (日)公演終了
満足度★★★
壮大な物語
場内の真ん中に高さ2mほど,四方が6~7mの立体舞台が設置されており、その上部に象を形取ったオブジェがある。また四方の舞台中心部は蚊帳で囲んでおり、そのありようが余臭を感じさせる。表現的には不適切かもしれないが、前近代もしくは後進国をイメージさせる。しかし、物語(原作は宮沢賢治「オツベルと象」)が訴える内容は、千古不易のように思える。
ネタバレBOX
キャストは3名(女性2名、男性1名)で、オツベル、象、月、百姓をコンテンポラリーダンスで表現する。そしてダンスはその佳境において、「心」の真偽もしくは虚実をマスクの有無で表現している。その舞踊は実に幻想的、妖艶的であり、観応えがあった。
しかし、自分は最前列に着席したことから、見上げるようなことになり、観ずらいところもあった(自分の責任であるが)。もう少し後ろの階段席から俯瞰する、もしくは上方から眺めるようなイメージで観れればと残念であった。
そう、キャストは舞台中央部に上部へ通じる階段があり、その昇降が河の中での浮沈をイメージしていたと思えるから...。
だだ、自分の感性も問題であろうが、少し抽象的、観念的な描き方になっていたような気がしており、原作の主張なりが伝わり難くなっていたと思う。
次回公演も楽しみにしております。
「空翔ける雷鳴の夜に」-再演-
GEKIIKE
シアター風姿花伝(東京都)
2015/04/10 (金) ~ 2015/04/20 (月)公演終了
満足度★★★★
難しいチーム名...「霹靂神(はたたがみ)」の下に集いし若者
登場人物はそれほど難しくない。どちらかと言うとストレートな性格の持ち主ばかりだろう。
さて、公演はイケメンを揃えた青春群像劇...その観応えある演技は、もちろん”よさこい演舞”である。見所は2回で、主人公がその魅力にとりつかれた場面、もう一か所は...、
主人公が絶望の淵から立ち直るという設定であるが、その絶望した内容に切実感がない。真面目に考え、生きようとすれば多くの若者が経験する就職活動...それが自殺の動機としては弱い。
ネタバレBOX
主人公は面接どころかエントリーシートの段階で不採用通知がくる。自殺を考えるが、その決心もつかない。そんな折、原宿の”よさこい祭り”で見た演舞に憧れた。しかし、既に団体は解散しており、紆余曲折の末、自分がリーダーになり、”よさこい祭り”にチャレンジ枠(賞の対象外)で出場を果たす。その若者の成長過程を描いた青春ドラマの王道作品。脚本は予定調和であるが、やはり”よさこい演舞”は迫力があり、男の色気を感じさせる。そう言えば、女性客の方が多く、終演してから有料パンフレットにサインをもらっていた。
制作はストレートであるが、演出・演技は観せる、そして魅せるという手堅さがあり、楽しめた。細かい点...例えば、あんなに多くのコンビニ場面の必要性や先に記した主人公の挫折動機の弱さはあるが、それを凌駕する面白さがあり、再演も頷ける。
次回公演(新作を希望)も楽しみにしております。
『スカイ』 次回ノーチラスは7/24(金)~29(水)
シアターノーチラス
シアター711(東京都)
2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了
満足度★★★★
本当に奇妙な群像劇
社会人サークルを通してみた人心の影のようなもの、またはサークル内での人間関係など、自身も含めたパラノイアを描いた物語。
舞台セットは、上手に「UFO」を呼ぶための「塔」のようなオブジェが作られ、小高い丘に立たせている、というシチュエーションは雰囲気があった。
ネタバレBOX
「UFOを呼ぶ会」というサ-クルに集う人たちとサークル主宰者の思惑が交錯する。サークルという仲間を通じて自身が抱える悩みからの逃避、人的交流で解消させたいと願う気持ち。一方、主宰者はサークル会費徴収という金銭欲に目が眩み詐欺まがいの行動を起こす。
序盤は緩いテンポから段々とテンポアップしていく。その間に登場人物の性格付け、家庭環境・状況、過去事件への苦悩などが説明され、”UFO”という虚実を絡めた人間関係を浮き彫りにしストーリーを膨らませながら展開させる手腕は秀逸であった。
主筋か脇筋か判別できないが、苛めの問題も内在させている。主宰者が詐欺まがいの出来事に信憑性を持たせるために呼んだ男...実は小・中学時代に主宰者を苛めていたが、今は逆転した立場になっている。苛める側にいても、その行為によって友達が離れていくという、妙にリアリティのある説明は面白かった。
そして、結末...サークルにいる元カレを探しにきた女性を口論の末に刺傷する事件を起こす。少し急展開であったが観応えがあった。
なお、主宰の詐欺まがいの言い訳に、国家も国民に対して”幸福にする”という名目で税金を徴税していると...論理のこじ付け、強引という印象である。公演に対して社会性という世界観の広がりを持たせたかったのだろうが、白々しい台詞の羅列になったのが残念である。
次回公演も楽しみにしております。
なぜ ヘカベ
東京演劇集団風
レパートリーシアターKAZE(東京都)
2015/04/03 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
やはり”風”の公演は素晴らしい!
浅学の悲しさ…ヘカベを知らなかった。正確には思い出せなかった。高校の世界史の授業の課題図書「イーリアス」に登場する王妃の名前だということ。このトロイ戦争を題材にした本には有名な戦士が多く登場する。当時は、軍記ものとして読んだ記憶がある。それにも関わらず、悠久のロマンを感じてしまう。やはり、シュリーマンの古代遺跡発掘の印象が強い。
さて、戦記の目線になるが、物語の時代背景のようなものは分かる。しかし本公演に描かれた戦争という愚かな行為…それを現代と繋げて考えるという視点から描いた芝居は、素晴らしいの一言である。
物語の史実原形のようなものが、脚本になっていると思える。よって卓越した演出について書かせていただく。
ネタバレBOX
この公演タイトル「なぜ ヘカベ」ていう“問い”の言葉がついているのか。ここに、演出家・江原早哉香 氏の強かな計算があるように感じた。この芝居は、劇中劇のような構成になっている。古代と現代は、神々の世界時間からすれば、火を付けて吹き消すまでのほんの僅かな間であろう。
この虚構にして現実の二元性...神々による人間を舞台にした一種の虚構と、長いと思われた物語は、旅人が休んだほんの一晩で語られたという現実。この展開は雑然と混沌とした中で人間の悲しいまでの”生”への執着が垣間見える。神々の神聖さと人間の醜悪さが均衡と不均衡のように描かれ、演技としては役者の肉体の緊張に中に陶酔するような色気が観て取れる。
そして、この禍々しい夢物語は色褪せることなく、旅人の脳裏へ...さぁ出発しよう!
本当に素晴らしい公演でした。
次回も大いに期待しております。
歌劇「Rapunzel-3058」
国立オペラ・カンパニー 青いサカナ団
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/04/04 (土) ~ 2015/04/05 (日)公演終了
満足度★★★★
好きな公演です
本公演は新作書下ろし作品で、テーマ性に優れた内容であった。オフィシャルチラシには、SFオペラと印刷されており、当初から「すみだパークスタジオ倉」でのオペラ公演を案内している。もちろんこの劇場がオペラ劇場でないことを承知の上で公演している。当日配布パンフ中で、原作・脚本・作曲・演出担当の神田慶一 氏が「オペラ劇場を離れ、敢えて様々な挑戦の可能性を秘めた芝居小屋で上演するオペラとして様々な挑戦を行っている新作を創り出しました。オペラには不向きな環境かもしれませんが、今までにない形でのオペラ創作のアプローチとして、新たな刺激と魅力と、更にはこのジャンルの可能性を提供する...」と記している。この試みに敬意を表したい。
もともと日本にはオペラ上演する劇場が少なく、あっても東京を始めとした大都市に集中している。地方でオペラを観たいと思っても、その機会が少ないであろう。そういう意味で普通の芝居小屋での挑戦...好きである。
このオペラ劇場ではない小屋で、舞台上手にオーケストラピットを設置し、最低限の編成(14楽器?)で、音楽を奏でていた。本来のオーケストラピットがあれば指揮者は正面から芝居の進行状況に応じてタクトを振ることが出来るが、本公演では難しい。それゆえ指揮者から舞台が見えるよう斜めに指揮台を設置している。先に書いたが、敢えて...の苦心した点であろう。
公演の内容は、現代社会に対する問題提起が鋭い。寓話を装いながら、その描く心底...実に感銘を受けた。
純粋に公演内容だけみれば、いくつか気になる点はあるが、それ以上にテーマ性とそれを演出した力量は素晴らしい。
ネタバレBOX
本が開き、物語の世界から白雪姫、魔女、小人達が現れる、というファンタジー豊かなプロローグ。この物語は、本の世界から始まるが、物語に入り込むと「詩(ウタ)」がなくなり、「本」は不要な想像力を喚起するという理由で禁止されている。その世界は「ヴェルト」という支配階級が暮らしており、優等遺伝子交配によって生まれた子供たちを電脳学習させている。そして優秀ではない、とされる労働者階級はID端末を腕に装着され管理されている。
外界は環境危険という名目で、安全なシェルター内で暮らすことを強要する支配層。一方、労働者階級は酒場に集まっては宴を...そんな中に白雪姫の物語を挿入してSF風に仕上げている。
現代に繋がるかもしれない核汚染、優性交配(もしくは出産前検診)、無機質な学習形態、貧富の差、一見安全だ、という「ユートピア(理想郷)」を思わせるが、実は自由という人間にとって大事な権利を奪うという「ディストピア(非理想郷)」の物語になっている。この不合理な内容を教訓的な”くさい”芝居にせず、老若男女が楽しめるように創作したところが素晴らしい。
演技については、メインキャストとそれ以外では技量に相当の差があり、キャスティングは一考が必要である(特に子供たち)。
本格的なオペラ志向には物足りないだろうが、もともとそれを承知しての制作サイドであり、少なくとも自分は十分楽しんだ。そして、できればこの規模の劇場での試みを続け、オペラを観る機会が増えれば...そんな思いを持っている。
最後に苦言になるが、会場ロビーが使用できないようになっている以上、出演者とその関係者(主には家族と思われる)が、出入り口に集まっていると、一般観客には迷惑になる。この点は配慮、改善が必要であろう。
次回公演も楽しみにしております。
ほな、また。
ポールシフト
TACCS1179(東京都)
2015/04/02 (木) ~ 2015/04/05 (日)公演終了
満足度★★★★
きたで~ この素晴らしい公演が...
既視化したような内容であるが、それを凌駕し改めて感動を与える力のある公演であった。まさしく”時間を越えて、見るもの全ての真実へ変わってゆく...そんなハートフルドラマである。
当日パンフに本作の作・演出の日野祥太 氏の挨拶「...『夢は叶わない』これが普通です。でも『夢を叶えよう』とする時間が何よりも人に『輝き』を与えるんだということを、この作品を持って証明したいと思います」と...。
そう、少し自分の理屈を書かせていただければ、「夢」は叶えようと努力を惜しまないかもしれないし、もし叶ったら次の夢に向かうのでしょうか。一方「希望」は望めば叶うかもしれません。「夢」と「希望」の間にあるのは費やす「時間」でしょうか。そしてその時間の多さが「輝き」を増すのでしょうか。
本公演は素晴らしいと思いますが、より輝きを増してほしいのですが...。
ネタバレBOX
この公演で一番気になったのが、未来のわが子から事故死の日時・場所を知らされながら、妻を助けに行くというシチュエーションである。これだけ気心の知れあった友達、妊娠している妻...この愛すべき人々に事情を話さない理由は何か。すべてを自分で背負い込んだ行動は...結局家族と友達、なにより父親を知らずに生まれてくる子に対する”責任”というものが感じられない。
また、終盤の事情説明は急いだためか、あまりにご都合主義になったと思う。もう少し丁寧な状況説明をして、感動の余韻を持たせる、もしくは膨らませてほしかった。
脚本・演出とも秀逸であるが、キャストの演技なくしては表現できない。今作ではキャストに力量差を感じることなく、素直に感情移入ができた。
希望を持たせた公演だけに、次回作はもう少し時間をかけて夢に近づくようなものを期待しております。
アダムの肋骨
劇団肋骨蜜柑同好会
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了
満足度★★★
少し肋骨は太いほうが良かった
映画「黒い十人の女(和田夏十オリジナル脚本)」を思い出した。もっともその結末は違うが、男とその愛人というモチーフと、人間(女性)の嫉妬、言い換えればエゴの剥き出し...人間の醜悪な側面をあぶり出したところは似ている。
さて、この公演の説明には、男のレクイエム、最後の晩餐、世界の終わり...というような宗教的な言葉が並ぶ。そして、劇中の言葉や動作が聖書に書かれていることを比喩しているところもあって興味深かった。
しかし、その描き方が説明不足または緩慢なところもあり、芝居に集中できなかった。
ネタバレBOX
舞台座席は、入口を入ると逆コの字型になっており、それぞれ3段の雛壇。舞台は長方テーブルと折りたたみのパイプ椅子。それを三方から観るようになる。
公演は、プロローグとエピローグ、そして本編の三部構成のようであるが、本編の前後は男二人の起・結である。冒頭部分は、白衣の精神科医と患者の様相で、興味を持たせる演出としては良かったが、本編も途中まで進んで来ると、その結末が透けてくる。いわば劇中劇か脳内探訪という本編を一気に転換させるもの。本公演もその手法で、エピローグで、それまで演じてきた内容をそんな公演にしたい...という暴露話になった。この展開自体は面白いが、結末へ結びつけるまでの本編が観ていて疲れる。キャストのキャラクターも確立し、その役割も十分説明していた。しかし、ストーリーを展開する上で、次の点が気になった。
第一に、男が女を集める理由が分からない。そして、女の中の一人が自分を救ってくれるという。その救いとは...。
第二に、セリフの”間”が観る集中力を欠くほど無言が続き、芝居の魅力を損なったように思う。
そういえば、男に対しそれぞれの女が、自分の優位性をアピールする場面では、例えば男が住んでいる部屋の家賃の大半を負担し経済的に支えている...という場面の後、テープルにパンが運ばれる...「人はパンのみにて生くるにあらず」
また男性に向かって別の女性が、自分の目に映る姿は、と迫る場面...「自分の目の中の梁に気がつかない」 それまで互いに悪口雑言をならべていたのに。
本公演は、面白い比喩や動作(「最後の晩餐」の様相など)を多くちりばめ、知性の片鱗を見せてくれた。それだけに本編をもう少し見応えのある内容にすれば素晴らしい公演になった、と思うと残念である。
今後の公演に期待しております。