みずきの観てきた!クチコミ一覧

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伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Mrs.fictionsとの出会いは2017年のオムニバス公演『15 Minutes Made Anniversary』。
そして2019年、初めて観た本公演『伯爵のおるすばん』(再演)が衝撃的におもしろくて感動&ボロ泣き。以来チェックしている劇団なのだ。
そしてその演目がまた上演されるという。が、伯爵役は若い女性とな。前回伯爵を演じた岡野康弘さんがとてもよかったので残念、且つそれって成立するんだろうかという不安。まあ何とかしてくれるんだろうけども。
っつー訳で、不安と期待をぶら下げて初日に行ってきた。

結論。
やはり脚本が良いので、しっかり楽しめた。
笑いどころたっぷり、ずっとケラケラ笑ってたのに最後はグッとくる。うおーん。

でもやはり、彼女が演じる伯爵はどう観ても華奢な女の子なので、違和感はずっと残ったままだったな。特によっちゃんとの話は男同士だということに意味があるんだけど、それがちょっと判りにくいというか。
キャストの前田悠雅さんは好演だったし、ひとつ前の講演『花柄八景』での燐ちゃん役がとても魅力的だったので好感を持っているのだけど。
SNSで感想を掘ってみたけど、この件について触れてる人はいなかったので私だけなのかな。アタシが2019年版のイメージを追いすぎなんだろうか。記憶を無くしてまっさらな状態で観たらどう感じるのかな。

ネタバレありの感想
http://mizki4.seesaa.net/article/491068286.html

鶴かもしれない2022

鶴かもしれない2022

EPOCH MAN〈エポックマン〉

本多劇場(東京都)

2022/02/23 (水) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/23 (水) 19:30

2020年版の駅前劇場と横浜の2回観たので、今回はいいかなと思っていたけど、やはり気になり初日に飛び込んだ。
2020年のもとてもよかったが、今回はまた色々と違っていてそれも含め堪能した。痛々しくて悲しくて美しい。本当に観てよかった。
やはり演劇は生でないと。素晴らしい体験を得た。
パンフレットも創作メモやリアルなお金の話などもあり読み応え・見応えありでマスト!

ネタバレBOX

鶴子のバックグラウンドが語られる部分が追加されていて、それが私にはとてもしっくりきた。
鶴子の悲しみと絶望に打たれて胸が熱くなる。男の生硬さに腹立ち、でもその気持ちもわかる。
ふたりとも愛おしくて、どうすればよかったんだろうなんて考えたけど、結局(このふたりじゃ合わないよね)って身も蓋もない現実をおもう。
やっぱり鶴子が幸せを掴めるといいなって鶴子寄りに考える自分。ふむ。
月の姉妹

月の姉妹

(旧)下北澤姉妹社

シアター711(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

チケットプレゼントにて鑑賞。
本多さんと井上さんを楽しみにしていたけれど、期待が大きすぎたのかもしれない。言いたいことはわかるけど、なんというか「腑に落ちない」感じ。
つまらなくはないんだけど、友だちにはお薦めしないかな。
役者さんはみな素敵だった。それは本当。なので☆ひとつ増やしてみっつです。

もしも、シ〜とある日の反射〜

もしも、シ〜とある日の反射〜

空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画

吉祥寺シアター(東京都)

2016/03/06 (日) ~ 2016/03/20 (日)公演終了

満足度★★★

「二人が知る真実」
って、結局なんだったのかな。


トラックバックが出来なかったので、リンクを貼ります。

http://mizki4.seesaa.net/article/434754318.html

OOPARTS Vol.3「HAUNTED HOUSE」

OOPARTS Vol.3「HAUNTED HOUSE」

CREATIVE OFFICE CUE

サンシャイン劇場(東京都)

2016/02/12 (金) ~ 2016/02/21 (日)公演終了

満足度★★

完全アウェー
水どうはまったく観たことがないので、楽屋オチが多いのが残念。
ファンの為のイベントなんだろうね。
面白いところもあったのに、内輪ネタのせいでその面白さも割り引かれちゃうというもの。


http://mizki4.seesaa.net/article/434300034.html

【全ステージ前売完売】 「賢者の惡計」 【追加公演決定】

【全ステージ前売完売】 「賢者の惡計」 【追加公演決定】

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2016/01/19 (火) ~ 2016/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

初見
鍛治本くん目当てで観賞。
どういう芝居かも知らずに観てビックリ。かなり本気なサスペンス!面白かった。
詳細はブログにて。
http://mizki4.seesaa.net/article/433782655.html

ファンファーレサーカス

ファンファーレサーカス

ねもしゅー企画

新宿FACE(東京都)

2016/02/11 (木) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★

おとぎ話目当てで
根本宗子嬢の名前は知っていたけど、観たことは無かったので良い機会だと早々に前売りチケットを買った。
過度に期待した訳ではないと思うけど、意外にベタ甘な「おとぎ話」で肩透かしを喰らった感じ。もっとドロッとしてたりブラックなのかと思っていたので。
おとぎ話の4人と演奏、それに美しい趣里嬢を観られたので、まあいいかと思っておく。

↓トラックバックが反映されないようなので、リンクを貼っておきます。
http://mizki4.seesaa.net/article/434265012.html

希求の果て

希求の果て

男〆天魚

劇場MOMO(東京都)

2014/01/21 (火) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

元ハッポウのくんじさん目当て
で見に行きました。
稽古期間が短かったらしくちょっと粗めな感もあったけど、じゅうぶん楽しめた!
落第天使が試験とか昇進のため人間と関わる…てネタはよくあるし、凡その展開も想像できるんだけれども。何かいろいろツッコミどころ多々あれど。個々のシチュエーションや織り込まれた笑い、魅力的なキャラクターのお陰か、満足できるおもしろさ。あんまり期待してなかったんだけど、ホントに失礼しました(^^;

ネタバレBOX

とにかくオッサンたち(天使の三人+ヤクザ三人)が、みんなキュート♪♪
もちろん首藤さんが一番キュートだったけど! ハードボイルドな役なのに「手術」が言えずに「しゅずちゅ」とか可愛すぎる♡♡

幸せとは何か。どういうことか。
自分たち(人間)だって判らないのに、落ちこぼれ天使には難しすぎるよねえ。
誰かの望みを叶えたのに、別の誰かが不幸になってしまったり。
お兄ちゃんの病気を治してもらったら、お兄ちゃんの記憶からサアヤは消えてしまう。
愛する人が幸せになるなら、自分のことは忘れられてもいい。…それでもやっぱり、悲しい。

くんじさんと首藤さん以外、全く知らない役者さんばかり。
皆さんなかなかステキだったんだけど、若年性健忘症の歌川くんがよかったなぁ。雰囲気がちょっと瓜生さんに似ていて。切なくて哀しくて、彼のシーンはハンカチにお世話になったわ…。
女王の盲景

女王の盲景

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/08 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

2014年の初観劇はコレ
面白いことは面白かったんだけど、なんかこう…あともうちょっと!って感じ。何でかな。
ストーリーはもちろん、衣装や舞台美術も目指すところはよく判るし、なかなか素敵に仕上がっているともおもうのだ。

ネタバレBOX

とにかく一番つよく感じたのは、「草薙が可哀想すぎる」こと。
人生のほぼすべてを捧げていたと言っていいほどの献身だというのに、何一つ報われない。
劇中での活躍は人一倍で、彼女の芸達者ぶりがみどころの大きな目玉だというのに、役柄としてもまったく掘り下げられないなんて…。
男性で、しかもお若い脚本家には顧みられないキャラクターなのかしら(涙)

キッチンに用意された朝食が一人分多いことで「この家に誰かもう一人いる」と仄めかすエピソードがあったのに、ほのかが起きるのは午後からだという話があったり、「窓の無い部屋」のはずなのに「鳥が入ってきた!」という咄嗟の噓をまったく疑わないとか、色々矛盾があって気になったせいかしらん。
それを言うなら、草薙が一人何役も演じているのをほのかが気づかない訳がなかろう!と突っ込みたい。盲人は音や気配に敏感なはずなんだから。
ほのかが自ら望んだ噓だから、無意識に気づかないふりで騙されているのだという説もあるけど、うーーん。

少女のために嘘をつき、監禁して世界を作り上げる。
そういう物語はよくあるが、結末はその噓や世界が破綻するのが殆どだとおもう。
というか、噓の世界がほころび始めるところから、破綻するまでが「物語」なのだな。フム。
「誰も死なない世界」という噓は、もう破綻することが目に見えているのに。
嘘をつき始めた時はまだ慶一郎も少年だったから、きっと「ずっと先」のことだとおもったのかも知れないね。そして噓を信じたほのかが、数十年を経て少女のままなのと同じく自分もそうあれたらとおもっていたのかも…。
年老いた慶一郎の手をとった時の、ほのかの叫び声が残酷だ。
若いハイジよりも老慶一郎に一歩近い年齢のアタシにも、さっくりとココロに刺さる。

結局、ほのかは老慶一郎と手に手を取り消えていく。
あのふたりにとってはハッピーエンドだけれど…(ハイジも高遠もまだいいよ?でも…)
ラスト、その後についてハイジが語るシーンは蛇足。無い方が叙情的かと。
そうそう、レビューをいくつか読んで知ったのだけど、リンゴの香りの演出があったらしい。
しかしアタシはまったく気づかず…。アタシの鼻がバカなのか、一番後ろまでは香りが届かなかったのか…。


ハイジ役の和田くん、イケメン枠で期待してなかったけど、わりとちゃんとした役者さんだった。すらりとして、本当にイケメンだった(たぶん。最後列からだったので、よく見えなかった)なぜ役名がハイジなの? 草薙がロッテンマイヤーさんだから?

老慶一郎の大門さん、ベテランさんなのだろうけど随分と噛んでいて気になった。この日だけ? 噛む以外はとても良かったんだけど。

草薙の小玉さん。まさに彼女の芸を堪能するための芝居。演じ分けもさすが。老慶一郎への想いがちらと描かれていたけれど、その後全くスルーで悲しすぎる! 一番笑いを取っていたけれど、一番悲しい役だった。母娘で慶一郎を養ってあげたのに…。

高遠のかじもん。おもったより出番が少なかったけどよかった。ハイジ(こちら)側と、特殊な屋敷の世界とを橋渡しする役。おちゃらけているけど、実は過去に傷を持つ切ないお医者さん。彼のその後も気になるわ…。

ほのかの青木嬢、まだ二十歳ということでまだ青いかな~。叫び声が耳に厳しかった。
独り芝居『審判』

独り芝居『審判』

多田直人案

吉祥寺シアター(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

独り芝居の『審判』といえば…
カトケンさんがライフワークとして何回も上演しているのが有名だとおもうが、重い話だと判っているので観たいとおもったことは無く。しかも翻訳物だし。
なのに観に行ったのは、つまり演者が多田くんだからだ。
独り芝居だし、すごい大作だし、彼にとっては大きな挑戦なはず。
多田ファンとしては、こんな機会を見逃す手は無い。

ネタバレBOX

という訳で、観てきた。ら。
…つかれた…。
翻訳物にありがちな、不自然な語彙や言い回しがなかなかに難しく、言葉の意味を汲み取るだけで難儀したからもあるけれど。
いやー、判ってたけどやっぱ重かったわー。
あんなヘヴィなのを毎日…時には2ステの日も…。多田くん大丈夫かな。

2時間10分の上演時間を最初から最後まで喋り尽くし。
一度も捌けることなく、水も飲まず。
ただ立って喋っているだけなのに、多田くんの額には汗が滲んでいた。
いつもは飄々としていて、体温の低そうな、つかみどころのない多田くん。
けれどヴァホフは坦々と、あるいはシニカルに、時に昂り、涙し…。
週刊誌の安っぽい煽り文句などではない、本当の激白だった。

はあ、すごかった。
よくやったねと、素晴らしかったと称えたい。
お芝居の内容自体は予想していた通り、というか予想よりも生々しさが勝っていたというか。
きっとアタシ、何度か顔をしかめていただろうとおもう。
それはそのまま、舞台上の「裁判にかけられるヴァホフ」と、客席の「傍聴人」にぴたりと嵌っていたのだろうなあ。
客席がふわっと薄明るくなるシーンが何回かあったけれど、そんな時にお客さんはみな、どんな顔をしていただろう。ヴァホフにはどんな風に映っただろう。

決して好きなタイプの作品ではなかったけれど、それでも観に行って良かったとおもう。もし観なかったとしたら激しく後悔するに違いない。
でもう一回観るかと訊かれたら、無理だわ(^^;
観る方も激しく消耗する芝居であった。
ナツメ

ナツメ

ナ・ポリプロピレン

中野スタジオあくとれ(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

暮れの定番
すでに見た友人らの話から、劇中ドラゴンボールネタがたっぷりらしいということは判っていたが、これほどとは…! というくらいドラゴンボールびたし。
アニメはほとんど見ていないけど、一応原作まんがは全巻読んだので、なんとかネタで笑わせる部分では笑えたアタシ(^^;
あのおたくの鬱陶しいほどの無意味な熱さ…笑えると言うより実際いそうで苦笑。

ネタバレBOX

いやでも笑った笑った。莫迦莫迦しすぎてたまらない。そして最後はちょっとエモい。くう!
がつんとネタバレで感想を、カンタンに箇条書きでさくっと行きます☆

◆初っ端から陰山さん登場!陰山さん!ステキ!アラカルトに出られなくなったのが本当に淋しい。

◆その陰山さん、やっぱり喫茶ナポリのマスターだった(去年以前からの作品とリンクしてる)

◆ラストシーンで、探してた煙草をやっとゲットした陰山さん。ここで吸ったらアラカルトの陰山ギャルソンの再来…!!とドキドキしたけど、吸わなかった(^^;

◆生津さん、前月に厳めしい軍人役で拝見したばかりなのに、今回はピッコロ…。落差にクラクラ。

◆しかも出てきてすぐズボン脱いでふんどし曝すし(笑)

◆日替わりゲストがご贔屓の岡田達也氏♪

◆おっかーさん、馬の被り物で登場…

◆ 「俺たちももう30だし」「もう30だし」というセリフの繰り返しで場内爆笑。

◆演じている役者さんはover40(笑)

◆有川マコト氏のホストキャラ→おかまキャラがベタ過ぎる(^^;

◆けどなんか可愛く見える…

◆しかし「ホモ=おかま」なわけじゃないんだけど…世間的にはそいう認識?

◆陰山さんが踊るとカルロスに見える…! カルロ~ス!!

◆ナツメが18号の姿で語られたから女子だと思っちゃったじゃん。

◆最初からナツメを男子だと思ったひとは、DBに詳しくないからでは…?

◆相変わらず細見くんはナイーブな少年の様だ。

◆詰め襟姿のおっかーさん、ファン的にはとてもおいしい。

◆マジメくんキャラの詰め襟細見くん、悪くない。

◆背中流してあげたとき「白い」って…。おっかーさんなら黒いはず。

◆ベジータは孤高の王子なのよ。

◆時間とお財布に余裕があれば、日替わりゲスト全員分観たかった~。


…とまあこんな感じかしら。
ぜひ、来年もまたやってくれることを願って。
片鱗

片鱗

イキウメ

青山円形劇場(東京都)

2013/11/08 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

さすがイキウメにハズレ無し
やっぱりおもしろかった。今回は、ちょっとオカルトというか、怖いお話。
手塚とおる氏が出るというので、これもたのしみだったのだが…

ネタバレBOX

超ベタな使い方というか。でもそれが正解なのかも。手塚さんならではの不気味さを存分に味わえる役。
「魔」っていうか、「呪」かな? 役名は「男」だけど。
セリフはひとつもなく、時々呻き声をあげ、手足をくねらせて舞台上や客席を徘徊しているだけ。
最前列の客席がところどころ空席なので、ああこれは何かに使うんだなと予想したけれど…手塚さんが座るためだったとは。隣に座られた人はちょっと落ち着かないんじゃないかしらん。

一見平穏な郊外の住宅街に、父一人娘一人の安斉家が越してきたところからソレが始まる。
まあつまり、ソレってのは「呪い」だったわけだが。
「男」を目撃した人は、次々とおかしくなってしまう。
「許さない」のひと言だけを繰り返し、コミュニケーションも取れず、謎の「水」を身体から零す。そして間もなく死んでしまう。
安斉家の周囲では植物は枯れ、人々は狂い、ついには廃墟と化すという。
唯一の部外者である蘭の恋人・日比野は、奇妙な冷静さで「水」や安斉の過去に済んでいた町を調べる。(「水」は重水であった。重水ってそういえば何だっけ?と調べちゃったよ。)
住む町をことごとく廃墟にしたのだろうと咎める日比野に、「私ではなく、娘の体質のせいだ」と安斉は答える。

大河原家の息子・和夫は安斉の娘・忍とつき合うようになり、忍は妊娠。
和夫は親に告白し、安斉に謝罪する。堕胎してもらおうとするが、安斉に「君は自分を変えようとはしないのか」「忍を愛していないのか」と問われ、父になる決意をする。和夫役の大窪人衛くんが健気でかわいい。
布を縒りあわせた太い綱が、水を滴らせ上から降りてくる。臍帯を想起させる。
忍はその綱を引き絞り、呻き声をあげ、「男」が加勢し、そして出産。
「よくやった。お前は自由だ」と父は告げ、娘は微笑む。

制服のブレザーではなく、私服を着た和夫が赤ん坊を抱いている。帰らぬ忍を待っているのだ。
忍の母は、忍が生まれてすぐ消えたと言う。
初潮が来るまでは幸せで、以降は苦しみしか無かったと。
ああやはり。
和夫の腕の中を覗き込み「もしかして…」と言いかけた日比野を制し、叫ぶ和夫。
「こんなに可愛いのに!」


恐ろしいのは、「許さない」と言われた皆が、そう言われたことに対して思い当たる節があるっていうこと。
独り者の佐久間に「許さない」と言われた蘭には、言い寄った彼をつっぱねたという過去があった。大河原は妻に「許さない」と言われ、蘭との不倫がバレたかと思い自爆。
町内会を作ろうと働きかけたり、ご近所でBBQパーティーを催したり、うわべは和やかに見えても実は…という。
でも「呪い」と口に出して行っちゃうと、どうも陳腐に聞こえてしまう。
そこはもうちょっと、秘すれば花的にやってほしかったかな。


んでもって、みな安定の役者陣☆どなたも良い!
伊勢佳世ちゃん、女っぽい~。(キャスト票に「蘭」とあるけど、自分の記憶では「リン」だったんだよね…。「ラン」って言ってたっけ? おかしいなあ~)
そして!大好きな浜ちゃん、ちょっと嫌味な日比野役もバッチリこなすわー。
この日はまたまた風邪っぴきで、終演後は直帰。
できたら感想を語り合いたかったのになあ~。残念。
地を渡る舟 -1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち-

地を渡る舟 -1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち-

てがみ座

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★

初てがみ座
てがみ座は、今回初めて観る。
ハイリンドの多根さんが客演するというので観ることにしたのだが、それまで劇団の名前さえ聞いたことが無かった。
評判が良さそうなので楽しみにしていたが、内容についての前情報はほぼゼロ。民俗学についての話らしいと小耳に挟んだくらいだ。

客席を見回すと、割と年齢層が高そう。平均すると50代くらいだろうか。
開演に遅れてくる人や、上演中にガタゴト大きな音を立てて身動きする人などが多かったのが少し気になったが、携帯などは鳴らなかったので本当に良かった。

肝心のお話はといえば。
戦中から戦後にかけての日本が舞台。
宮本常一という実在の民俗学者が主人公。彼を含む研究者たちの集まり、“アチック・ミューゼアム”とそのパトロンである渋沢敬三の物語。
民俗学に対する情熱を題材にしながら、それに絡めて戦争をも描いている。それと夫婦のあり方までも。

ドキュメンタリーもののスペシャルドラマを観たような感じ。
硬すぎず、ちょっとした軽みも交え、でもってしっかりと人間を描いていて見応えがあった。
劇的に、わーっと面白い!という訳ではないが、じんわり素朴に「よかった」。
役者さんがみなさん達者で、何の危なげもなくて素晴らしい。
渋沢敬三氏の息子さんが観に来られたらしいが、「思い出を観ているようだ」とのこと。
脚本家の方がツイッターで発信したのだが、それを読んで──私が話を書いたわけでもないし、演じたのでもないが──なんだか嬉しくなった。

終演後のアフタートークも、いろいろと興味深いお話を聞けて面白かった。
民俗学は何となく興味はあったのだが、この機会に宮本氏の著書『忘れられた日本人』を読んでみようとおもう。

ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

アトリエ・センターフォワード

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/06/05 (水) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★

ファム・ファタルになれなかった哀しい女
イプセンの名作だということも知らず、もとよりイプセン自体もその作品をひとつも知らないまま観劇。
美しいけれど、最初から最後まで理解不能の厭な女ヘッダ。
だけどなぜ?
どうして?
あのセリフはどういう意味?

観劇後、気になってネットであれこれ検索。
するとまた違ったヘッダが見えてきた。
テスマンも、ミセス・エルヴステッドも、レーヴボルグも。
戯曲を読んでみたくなった。
読んだ上で、もう一度この舞台を観てみたかった。

ネタバレBOX

調べたけれど判らないのは、メイドのベルテ。
狂言回しっぽく「第2幕」などと言うけれど、特にストーリーの進行に関わる訳でもなく、なんで存在するのかよく判らなかった。
実際の戯曲ではどういう風にかかれているのだろうか。

おめあてのレーヴボルグ(井上氏)は素敵であった。不良って色っぽいよね。
そしてヘッダ(渋谷嬢)の美しさ!まさにヘッダ・ガブラー。佳かった!
ミセス・エルヴステッド(小暮嬢)は、松たか子に印象が被って和風な雰囲気がしたが、原作では豊かな金髪でそれがヘッダに妬まれたんだとか。
そういう細かなシチュエーションが判ると、二人の確執というか関係がまた鮮やかに見えてくる。
テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)

テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)

劇団 東京フェスティバル

駅前劇場(東京都)

2013/06/19 (水) ~ 2013/06/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

演劇未体験の方にもおすすめ☆
『泡』は観に行きたかったのに行けず、後悔した。
『二人芝居』で東京フェスティバル初体験。おもしろかった!
そして今回。
きっとおもしろいんだろうけど、朝倉さん以外はほぼ知らない役者さんばかりで躊躇。
そこにチケットプレゼント当選、欣喜雀躍で観に行った。
かくて───やっぱり、おもしろかったーー!!

『二人芝居』の時にもおもったけれど、選挙ものというより人間を描いた上質な「コメディ」で、紛う方無き「エンタテイメント」。
ドタバタしていても低俗にならず、リアルだったり考えさせられたりほんわかだったり。誰にでもわかりやすくおもしろく。
やはり脚本が佳いんだなあ。
登場人物全員、キャラクターが立っていて人間くさくてイキイキしていて。
それを演じる役者さんがまた、みなさん素敵。知らないからって観るの躊躇したアタシの莫迦ばか!(特に飯田さんと鈴木さんの美声に惚れ惚れしたよ…)

実際の参院選に合わせて3年ごとに再演され、今回が三演目なのだそう。
再演のたびに改訂されて進化しているそうなので、次回2016年版もたのしみです。

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2013/05/10 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

やはり面白い。
恐ろしいほどの幸福感か…柱とはいったい何なのか。
人々はどうすべきなのか。
いろいろ考えさせられた。
なるしー客演も楽しみだったけど、もっとコテコテに使うのかと思ったら、そうでもなかった。ファンには物足りないかも?
でもあれはあれでいいような気もする。
イキウメははずせないと改めておもった。

サイレント・フェスタ

サイレント・フェスタ

東京ハートブレイカーズ

吉祥寺スターパインズカフェ(東京都)

2013/04/25 (木) ~ 2013/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

たのしかった!!
みのすけさんの「東京ハートブレイカーズの公演というのはね、首藤さんの誕生日祝いを、毎回、毎ステージ、やってるようなものなんだよ」というお言葉に、全面的に賛成です。
パーティですパーティ。楽しいはずだわー。
ライブとお芝居、両方たっぷり堪能できた!
どっちも中途半端になりがちなのに、ほさかさん、本当にみごとに作り上げてくれた。
THB、万歳♪

ネタバレBOX

しかし音也41歳、奏が18か19。兄弟の歳の差が激しい(笑)
ヒーローアゴーゴー!

ヒーローアゴーゴー!

劇団東京都鈴木区

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★

勢いはあるし、好感も持てるけど
脚本に無理があるのではないかしらん。
流れ的に「えっ、なぜ?」という展開が多々あり、もやもやしてしまった。若い子には自然な流れに思えるのかなあ。
つまらなくはなかったし、笑える部分もあったんだけど。
何がおもしろかったかって、終演後のおまけのシャッフルキャストが一番だった。見事に男女入れ替わってしまって可笑しかった〜!
☆☆
ヒーローものは「TEAM 発砲B・ZIN」を観ていたので、悪いとはおもいつつつい比べてしまうけれど、やはり圧倒的にストーリーの完成度に差があるとおもうな〜。

*チケットプレゼントにて観劇

ネタバレBOX

女の子のののしり合って仲直り、が一番違和感。有り得ない。
やはりこれは昭和な人間にはついていけないだけかしらん。
あと、イエローちゃんのお腹の子は誰なの?もしかして既婚者?その辺も置いてけぼりだったアタシ。

友人のダンナさんが実際にヒーローショーやってるので、色々訊いてみようかなあ(^^
八犬伝

八犬伝

森崎事務所M&Oplays

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/03/08 (金) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★

勿体ないことをした…
チケット代が高かったので、ケチってコクーンシートを購入したんだけど、失敗だった〜。
仕掛けや捌けた役者さんが見切れてしまったり、逆に舞台の1/4はまったく見えないという…。
いや、観にくいんだろうとは判っていたんだけど、これほどとは。
後ろの方でも良いから、正面席でもう一回観たいと思ってしまった。
やはり阿部サダヲちゃん、いい!
特に期待してなかったけど、瀬戸康史くんもなかなかステキ。
数年ぶりの中村倫也くんはますます色気が♪
田辺さんは難しい役どころのせいか、ちょっと硬かったなあ。
演出もかっこ良くていいんだけど、せっかくなら五人揃ってゴレンジャー!みたいなノリももちょっと欲しかったな。
で、肝心の前田さんは…(^^;

ネタバレBOX

セリフのある役ではあったけど、殺陣がない役だったのが残念〜!
サダヲちゃん演じる信乃に「雑魚」呼ばわりされてるところがおもしろかった☆
和太鼓が効果的に使われているのはナイスだった♪
あのドンブリを前田さんに着て欲しかったな…(笑)
水の音

水の音

公益社団法人日本劇団協議会

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2013/03/12 (火) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

近江谷太朗を観に。
とりあえずたろちゃんを見たくて行ってみた。小須田さんも出ているし。
紅一点の津田さんは初見。
幼馴染である三人が、50歳になり再会して話すこととは…。
年齢も近いし、最初のうちはわりと共感を持って観ていたけれど、後半は違和感があり、ちょっと退いてしまった感じ。
役者さんはよかったんだけどなあ。

フルカラーで8ページ(!)の無料のパンフをもらえて、これはとてもありがたい。

ネタバレBOX

洗い物をする音、コップに注ぐ水、雨音、トイレ掃除の音、etc…
水の音が随所に挿入され、最後には本物の水が床に流れ込んでくるという、凝った演出!
だけどその水が出てからは、「あー水が、水が」とばかり気になってしまい、うわのそらになってしまった。
小須田さん演じる敦志などは寝転がってびしょびしょに…。

敦志のお姉さんが亡くなったのが三つのころなんだったら、そんなにお姉さんのことを憶えているものだろうか。
お姉さんに囚われていることは、敦志にとってどういう影響があったのかな。沙希江への想いはどんなだったのか、奈津への感情はどう動いたのか。
すべてが曖昧で、もやもやする。私の理解力がないってことかしら。
結末も「結局くっつくんかい!」と突っ込みたくなった。
奈津だってずっと楓太が好きだったはずなのに。

でもやっぱり、敦志も奈津もお互いを憎からず想っていたんだろうな。
お互いが独りになって再会して、そうなっちゃうのも当然かもね。
とも思ったり。

しかしたろちゃん、あのズボンはきゅうくつ過ぎるでしょ(^^;
太ったという設定だから、わざとサイズの合わないのにしたのかなあ。
小須田さんのマスター姿はキュートだった♪

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