Lost in Wonderlandの観てきた!クチコミ一覧

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たまには海が泳げ!

たまには海が泳げ!

クロムモリブデン

王子小劇場(東京都)

2018/03/20 (火) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

クロムモリブデン『たまには海が泳げ!』@花まる学習会王子小劇場
いつぶりか、結構、タイミング合わずで、久々の観劇。そして、場所は王子。
気持ち悪いくらい、面白かった。頭悪い感想ですが、ある意味、構えず、肩に変な力を入れずに観る事が出来た気がする。大事な事だから2回言うって事があるが、なんか、起きてるのに夢を見てる様な、瞬足なデジャヴが襲ってくるような、そんな90分。色んな潜んでる罠には、ひとまず、後で反芻するが、結構私はすきだった。フェイク、フェイク、フェイク。
嘘は嘘であったり、嘘でなかったり。嘘は、真実をあぶりだしていくものだったり、なかったり。フェイクニュースが過去にアメリカのピザやでの事件の引き金になったり、無かったり。再演は無い劇団なので、是非に・・・。
いい意味で、がつんと殴られるような、ちょっと、変わった時間軸に迷い込めるような、瞬きをしないでいるのに、悪夢をみているような・・・、「逆に・・」素敵な体験が出来ます。親も子供に、小説家は読者に、演劇は観客にある種、「フェイク」を植え付ける。

アトムが来た日

アトムが来た日

serial number(風琴工房改め)

ザ・スズナリ(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/29 (土)公演終了

満足度★★★★

serialnumber 「アトムが来た日」@下北沢ザ・スズナリ - すきなものあれこれ・・・
https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37242526.html

おしゃれ紳士 presents 「オシャレ紳士のエポック・メイキング・ストーリー」

おしゃれ紳士 presents 「オシャレ紳士のエポック・メイキング・ストーリー」

男衆ver.2.0 おしゃれ紳士

座・高円寺2(東京都)

2018/11/08 (木) ~ 2018/11/09 (金)公演終了

満足度★★★★

おしゃれ紳士10周年記念公演「オシャレ紳士のエポック・メイキング・ストーリー」@座・高円寺2 -
すきなものあれこれ・・・。
https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37242512.html

ミセスダイヤモンド

ミセスダイヤモンド

ろりえ

駅前劇場(東京都)

2018/12/19 (水) ~ 2018/12/23 (日)公演終了

満足度★★★★

2時間以上の尺だったが、面白かった。過去に「一生懸命」だったものを
今の自分がまた同じように「一生懸命」になれるのだろうか?
観ながら、そんなことを考えた。
それは、スポーツでなくても、観る人によって色々違う事柄が当てはまると思う。
ろりえの作品は暗転が少なく、いつも、誰かしら舞台上で物語が進む。
今回は、特に後半の場面は「何人登場人物いるんだ!!」と心の中でつっこみをしながら、妙な高揚感が良かった。
ろりえ作品のホンは、毎回話題や、問題になる事柄が
沢山盛り込まれている。
ただ、それを声高に訴えるというか
その時代の絵巻物みたいにキーワードが巧く組み込まれてる気がする。
尾倉ケントさんの役柄もとても、良かった。
出演者の女性陣。皆さんが生き生きしている。
なにか、べたなかんじかもしれないが、観ていると元気が出てきた。
そして、男性陣はいずれの方も「誰かを見守ってる」役柄の方が多かった。
そこも、丁度良い関わり合い方で好き。

【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2018/08/17 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★

https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37139732.html

5seconds

5seconds

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2018/08/18 (土) ~ 2018/08/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37167004.html

よろしくマイマザー

よろしくマイマザー

劇団晴天

吉祥寺シアター(東京都)

2018/09/07 (金) ~ 2018/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37167008.html

上空に光る

上空に光る

やしゃご

アトリエ春風舎(東京都)

2018/09/13 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★

https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37167013.html

ブロウクン・コンソート

ブロウクン・コンソート

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2018/06/26 (火) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

予想外に落涙。


「悪」を「悪」と認識しない様々な形を目の当たりした凡人の私はどうしたらよいのだろうか。目の前で大騒ぎしている人相の悪い男たちが悪いヤツだけど、かといって嫌いか?と問われると即答できない。


今作、拳銃の密造をしている町工場の兄・宗谷佳朗(小野ゆたかさん)と弟・宗谷陽彰(井内勇希さん)の物語がものすごく濃密で、心震えた。


そして、自分としては念願だった渡辺芳博さん出演。もう、思い残すことは無い。


テイストは異なるが、ふと、パラドックス定数で落涙した感覚と昔、タイタニックを見て、船上の楽団の方々の最後の場面を見てその生きざまに涙したのを思いだした。
例えばただ「かっこいい」というのではなくそこに含んだ狂気の視線や、諦めの背中だったり、見えない慈しみの気持ちだったり。

ネタバレBOX

登場人物は
一般的概念で言うと
「正義」=「警察」


「悪」=「やくざ」
という大きなフィールドに分かれている。
そこに、やくざから拳銃の密造を依頼され、知的障害の兄と一緒に工場を営む弟。
そこに、「殺し屋」という「本業」を持つ副業で大学の講師をしている男・永山由之(生津徹さん)が絡んでくる。


警察は筬島隆雄(森田ガンツさん)、初野柊弥(加藤敦さん)。
やくざは智北賢三(渡辺芳博さん)、抜海一巳(今里真さん)。


各出演者の技量があるのは当然なのだが、今作、
本当にメカラウロコではないが、何か「ぽろっ」と私の中の
パラドックス定数への思い込みをいい意味ではがしてくれたような気がした。






永山由之(生津徹さん)の「殺し屋」でありながら、副業で大学の講師も務める男。
生い立ちに闇を抱えていて実母を殺し、そして、殺し屋をしている。
「殺す」ことには罪悪感を感じない。
「殺す」ことは「特別」なことで無いのが、この男の心理なのだろうか?


筬島隆雄(森田ガンツさん)は以前、七里ガ浜オールスターズの公演「オーラスラインや、パラドックス定数では「深海 大戦争(2016)」で拝見した事があった。
ズルい嫌なじじいの匂いがぷんぷんして、凄く良かった。
初野柊弥(加藤敦さん)某テーブルジョークでの姿からは想像できない硬派な(最初は)人間だった。
でも、このヒトも心の中では上に上がりたいという思いを持っていた。
でも、あんな最後だったのが、言い方は悪いがきっと、「運がない」人だっただろう。


「向上心」とか「出世欲」とか、「誰かより俺が上だ」って思うことが
根底にどろどろあって、それが、10%出してるのか、16000%出してるのか、
そこの違いはあるが、基本、みんなおんなじ。
そう、思ってる。
でも、そこで成り上がろうとする人間と
「俺は力がない」ってあきらめる人間と、平均値で何事無く、暮らせればいいんじゃないかと思う人間とか、色々いる。


抜海一巳(今里真さん)は、やくざに向いていたのかな?
結果、やくざになり切れなかった人だったのかな・・。
でも、やはり、「目的」のために行動出来てしまったから、悪党であることには
変わりないかとおもう。
例えば
自分を慕う宗谷佳朗(小野ゆたかさん)を自分の目的のために薬漬けにするとか
薬物中毒の怖さは本当に人間を簡単に壊すので、その方法を用いたことなどがそう思わせた。
薬は心身とも、そして、人間の尊厳も奪うもの。



物語の中盤くらいに、やくざである智北賢三(渡辺芳博さん)と、宗谷佳朗(小野ゆたかさん)と宗谷陽彰(井内勇希さん)が追いかけっこして、ちょっと、ふざけっこしてはしゃぐ場面があって、そこが後の結末につながると思うと
観終わって、何とも言えない悲しい場面に思えて仕方がなかった。
智北賢三(渡辺芳博さん)が13年前自分の舎弟に売られて刑務所に入っていて、出所後
きっと、あの瞬間がもしかしたら、あの人が少し安らいだ時間を過ごしたんじゃないのかなと思った。
劇中のバックボーンがきちんと把握できてないのだが
智北賢三(渡辺芳博さん)と宗谷陽彰(井内勇希さん)は友達?幼なじみ?年齢設定がわからないので憶測なのだが、二人の間には温かい空気があった。


ただ、智北賢三(渡辺芳博さん)の眼は狂ってる眼だった。
獲物がいたら、確実に仕留める。
笑ってる笑顔も、笑顔で無い。眼がヒトを見ていないから。
ヒトを信用しようとしない眼だから。




宗谷佳朗(小野ゆたかさん)と宗谷陽彰(井内勇希さん)の最後の方の場面も
行き場のない憤りを感じて、苦しく、悲しい。
なにか、そこまでに至る二人の人生が見えたような気がした。
宗谷佳朗(小野ゆたかさん)での演技が、素敵だった。
彼は、他者からみられることを想像以上に敏感に感じ取っているんだと思った。
弟の宗谷陽彰(井内勇希さん)は事あるごとに、「(兄は)そういったことはわからない(概念がもともとない)」というが、果たしてそうだったのだろうか。
障碍者である彼はそのフィルターがあるにしても、ほかの人と大差なく
「自分の意志」をきちんともっていたのではないかとおもった。
弟の宗谷陽彰(井内勇希さん)のやり場の無い、障碍者を身内に持つ者の不平・不満・不安など現実としての「負」の思いが漂う。
国や周りは助けてくれない、そのことで手いっぱいで自分の存在価値が揺らぐ
「自分の存在価値を認めてくれる」ことに飢える。
毎日、毎日、限られたコミニケーションの中、どこが終わりなのかわからない。


ただ、自分の価値が具現化する「精密機械」としての「拳銃」を作ることに
喜びを見出すしかなかった。
どうしたらいいんだよと吐出する毎に、後戻りは出来なくなっていた。


皆が「悪」なのだが、生きるためにその道を進むしかなかった。
間違った道だとしても。
破滅への道だとしても。


「生きてて、悪いか。」



Brand new OZAWA mermaid!

Brand new OZAWA mermaid!

EPOCH MAN〈エポックマン〉

APOCシアター(東京都)

2018/05/05 (土) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★


EPOCH MAN 新作ひとり芝居 小沢道成 『Brand new OZAWA mermaid!』@APOC THEATER
EPOCH MAN 新作ひとり芝居『Brand new OZAWA mermaid!』@APOC THEATER5/6マチネ観劇




内容に触れる文章あります。
































世界観を具現化するのが、俳優とするならば、やはり、小沢道成さんというひとは俳優なんだなと、再認識。


人魚は、この東京に来て幸せだったのだろうか。
いや、人魚だからではなく、「姫子」はあの男に恋して幸せだったのだろうか?

あの男もけして、悪い訳では無い。
ある意味、この時代を生きている人間の線引きの仕方としては
当たり前なのかもそれない。


自分の世界から、異なる世界に「足」を踏み出したのがハッピーエンドに終わるか、否か。
ファンタジーな仮面を被せた物凄くリアルな物語だったのかもしれない。


『Man always sees almost all world through colored glasses of feeling, and the outside world depends on the color of the lens, and looks poppy darkly.』
(人間はほとんど常に感情の色めがねを通して、世界を見るものでそのレンズの色しだいで、外界は暗黒にも深紅色にも見えるのです)


The Little Mermaid (人魚姫)
Hans Christian Andersen(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)

ネタバレBOX

18歳になるまで、人魚は想像していた。
沢山の文献や、自分のまわりで大人になって、「海」の世界以外を
みた人魚の話で・・・。

「おとな」になったら・・・・。
「ここではないどこかへ」いけるようになったら・・・。
「わたし」は「わたし」から少し素敵になるのかもしれない。
「楽しい」ことが起こるかもしれない。

心に抱く沢山のどきどきするものを
きっと、彼女はリュックに詰めて、踏み出したのかもしれない。

「人魚」は「足」を手に入れた。
それは、ある意味、彼女の「自信」にもつながったのかもしれない。

私はナニを携えて生きてイケるのだろうか?と観ながら、少し、考える。
平凡な日常を過ごし、特異稀な才能がある訳でなく
美しく、お金持ちな訳でもない。

しかし、他者から見たら、小さな自信も、当事者にとっては
大きな拠り所となる。

多くの情報が渦巻く現代の中で
自分の持つべきものをいかに見つける事が出来るか
感じる事が出来るか、そういった気持ちがとても、大事なのだと感じる。

情報過多の波にもまれて
溺れない様に、生きる事が出来るだけで、貴方の人生は素晴らしいのだと・・・。



劇中
姫子は男とのSEXが「つながり」として確認方法に強くなっている
そこには、「愛」としての行為というよりも、
その行為をする「相手」としての「自分」の確立というか、位置づけを
認識出来る行為となっているきがした。

不安で、怖くて
でも、この世界で生きてみたくて
「繋がってる」からきっと、自分はこの世界に居て良いのだという
確認をするために、
毎夜、毎夜、求めてしまったのかもしれない・・。

よく不幸な幼児体験、非行などに走ってしまった人の持つ「
心の空腹感」を埋めるために
性行為をしてしまうというのを何かで読んだ記憶がある。
少し違うのかもしれないが
そんな事も感じた。

姫子は海で助けた男に逢う為に東京へ。
免許証があるから、男が住んでいる街へ。
都会は便利な様で、不便。
「システム」を知らないヒトにとっては不便
所謂「普通のヒト」ではないヒトにとっては不便。

でも、今の世の中は
「大勢」の人にとっての「便利」や、「普通」が
主流をしめてそうでないヒトははじかれてしまう。

そう、劇中の自動改札機のように。
姫子がはじかれてしまうのは、まるで、そんな時代を
表わしてるようにも取れた。


舞台装置の垂直な梯子。
固定でない梯子は見た目より登り降りがキツイ。
でも、そのきつさ故、
足を手に入れて登る筋肉の動きがより、緊張感というか、大事な動作のように
みえた。









初見で観た感想はこうだったが、また観たら
変るのかもしれない。
次の観劇が楽しみです。
731

731

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2018/04/24 (火) ~ 2018/05/02 (水)公演終了

満足度★★★★

狂ってる。




ヒトはどのような状況で、どのようになるのか、これはひとつのフィクションでもあり、ノンフィクションでもあるのかもと。
そして、多分、このような感情を観劇中に持つことはあまり、自分は無かったのだが
辰沢役(小野ゆたかさん)が自分が帝銀事件をやったと語る場面で、「お前がやったのかよ」と睨んでしまった。
罪に対しての態度というか(劇中そこがどの役柄もポイントだと思うが)それを観た瞬間、苦しんで死んだ8歳の子どもが私の脳裏に浮かんだ。


「お前が殺したんだ」と何故だが、分からないが物凄く憎しみの感情がうまれてしまった。
きっと、余りにも、「死」に対しての彼らの感じ方が怖すぎたのかもしれない。


だから、「狂ってる」と感じた。


「戦争だから」
「命令だから」
「医学の進歩の為だから」

戦後生まれた自分にとって
戦争中の心理はあくまでも「想像」でしかない。
何故、人が人でなくなってしまうのだろうか。


「殺される」状況になったら「殺さなければ、自分が死ぬ」と
思う。
ただ、自分はそのような状況になった事が無い。
ただ、「戦争」はそれが日常であったのだから「しょうがない」という理由になるのだろうか。


731部隊は、戦時下において一種、異なった狂気ではなかったのか。
研究者たちは、あの状況を「天国」と思っていたのか。
あの状況を「おかしい」とは思わなかったのだろうか。


思ってはいなかったのだろう。
何の制約も受けず、「普通」であれば倫理が邪魔するであろう「実験」、いえ、「殺人」を思う存分出来たのだから。


その「殺人」を行って、得た多くのデータは彼らにとっては、煌めくものだったのだろう。
「もっと、もっと、データを・・・」


戦争が終わり、日本へ戻ってきた彼らは
「死」を恐れた。
自分達の身の安全を、仲間を見張りながら絶えず、見えない恐怖に
怯えている事を隠しながら、生きようとしていた。


これは、物語だろうか。
人間はこうも、醜いのだろうか。
これが、物語だ。
人間は、こうも、醜い気持ちを持っている生き物だ。


葛藤もある。
しかし、彼らはけして、あの実験を後悔してないのだろう。
何かのせいにして、
けして、「自分」が悪い訳ではないと思ってる。


大なり、小なり、私もきっと、同じような考え方をすると思う。
あの焼け野原で残った建物の一室で
今もきっと、同じように
会話をしてる影が見えるかもしれない。
そう、感じた公演だった。

溶けない世界と

溶けない世界と

mizhen

d-倉庫(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

本公演は初めての劇団。以前15MMで短編を拝見し、尚且つ今回小角まやさんのご出演ということで観劇。以前みたイメージが波長が良い劇団だなというイメージだった。「すき」「きらい」でいうと「すき」な作品だった。
軽い「あ~、わかる、わかる、私もそうなのよ」といった共感を促す感じよりも、観ている側にじわじわと「この気持ち、自分も持ったことがあるな」と浸透してくる。と、書くと「重い」と感じる方もいるかもしれないが、私は2時間ある意味「楽しかった」という感覚を持った。語弊があるかもしれないが、「物語」は「物語」である。人間の卑しい部分や、弱い部分、滑稽な部分、他が見えなくなるくらい人を好きになる部分、嫉妬、諦め、憧れ、独占欲、それらが「物語」としてきちんと伝わってくると、楽しいのだ。そう、「観る側」は楽しいのだ。
だって、当事者の苦しみを客観的、傍観してるから。あの2時間の「物語」が強ければ強いほど、没入できて、まるで、あの湖に自分も落ちてしまった様な感覚にさえ、なる。

ネタバレBOX

登場人物はチェーホフの「かもめ」の登場人物が下敷きとなっている。
勿論、それを知らなくとも、物語を楽しめる。

劇中に
様々な「男」と「女」が登場し、「蜘蛛」も登場する。

今回、セクシャリティの描写がボクシングに置き換えられていた場面がある。
そこでの、主導権が女性からであった事や、
自らの容姿にコンプレックスを持った女性が道化になる事で
他とのコミニケーションを円滑にしている事や、
観ていた自分の心が少し、ざわざわした場面だった。

今世界は少しずつ
「発言」することに関して変化し始めている
声なき、声をあげる事が昔は出来なかったが、少しづつ、変わってきている。

そんな流れを、今作の登場する様々な女性たちを観て、ぼんやりと思い浮かべた。

障害を持つ姉とその姉を羨ましく思って居た妹。
表だっては、波立たない湖も
湖底深くは色んな想いが沈んでいるような気がした。

青春超特急

青春超特急

20歳の国

サンモールスタジオ(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★

やはり、私は俯瞰で観てしまう。「こんな青春体験出来たらよかったのにな」と劇中の色々な「想い」が飛び交う2時間を観終って、しみじみ思う。今作、観ながら、季節の流れ、時の流れ、哲夫(岡野康弘さん)のミツメル先が
電車では無く「ミライ」だったり、「現在」だったり、「もう一度伝えたい想い」だったりしたのかなと思い返す。ラスト、大きな声を相手に届けたラストの場面、最後の最後にこの想いなのか・・・。ぐわっと、きちゃう場面だった。数作観ているが、「ああ、そういえば20歳の国には悪いヒトは出てこないな」と特に斉藤マッチュさんが演じる役柄は不良だけど、不良で無いという優しい、不思議な役柄で男気があって、好きだな。
劇中の土井役傳田うにさん、物凄く好きだった。あんな女の子に女の子になりたかった。
犬と串の萩原さんの石井役も、青春だった・・。変態気味な萩原さんも素敵だが、スポーツに打ち込む(打ち込み過ぎ)青春、熱い。人間の時間皆同じ。あっという間に過ぎてしまう時間や、ゆっくりと過ぎる時間、やはり、青春は超特急で過ぎ去ってしまうものなのか。そんな過ぎ去ったものをホームで見つめていたのがやはり、哲夫だったのかもしれない。

ライラック

ライラック

さよなら宇田川町

E-BASE(東京都)

2018/03/19 (月) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

手放しのHAPPYではないけど、何故か、観終って、少し、ふわわとした感情が残るホン。


河西裕介さんのホンのイメージがキリキリと心が締め付けられる様な痛点があるのだが、今作は少し違った。


人間が持つ「記憶」というワードで4組の物語が進む。




忘れたい・忘れたくない・忘れなくてはいけない・忘れていいよ・・。
私個人はもしも、自身に耐えられない悲しい出来事が起こったら、記憶を消してしまいたいと思う。
悲しい記憶を持ちながら強く、生きる事が出来ないと思うから。
でも、辛くてもヒトはその記憶を持ち続けなくてはいけないのかも。
忘れちゃうと、その人の心から消えちゃうのは一番、悲しい事だけど、私は、ズルいかもしれないけど自分が辛かったら、忘れちゃいたい。


でも、今作は「忘れない」「忘れられない」ヒトだった。

ネタバレBOX

4組の男女
正確には3組と1組。


①妻が脳機能障がいによって、「忘れざるおえなくなった」夫婦。
②心療内科の医師とそこに通院する「患者」の男女・「意識的に忘れようとする」ことがもたらすことや、抱え込む事から他への心のよりどころを見出してしまった。
③男は記憶を蓄積する・想い出は残す。女は記憶をリセットする・想い出は消す。
④物語を紡ぐ男・傍にずっといる女。「忘れられない」二人。



福沢浩介役(泉光典さん)を好きな中江果穂役(外村道子さん)が最終的に
新しい恋人から自分の元に戻ってくるように策をこうじたんではないのかなと
思えた、ラストの場面。
あの心療内科での治療を受けたというのも、フェイクで
実際は「忘れてない」女だったのかもしれない。


医師である広瀬慎次役(山崎カズユキさん)は、ある種わかり易く追い詰められる
ヒトであったので、そことの対比の浜崎優子役(るい乃あゆさん)の宗教と出逢ってからの変化が良かった。
病院もそうだし、宗教もそうだし、「だれか」「なにか」にゆだねる事が
一時、自分の苦しみを「忘れる」一番の方法であるのかもしれない。


事故により、左側を認知できない・記憶の蓄積が出来ない
自分の意図でなく「「忘れざるを 得ない」」妻:中江亜希子役(木村梨恵子さん)とその夫:中江隆雄役(竹内健史さん)。
自分としては、このワードがきつかった。特に、最後、妊娠を告げる場面。


自分がきちんと「お母さん」になる事が出来るのか。
こんな足りてない自分で子供が可哀想ではないか。
一緒にいる夫に対しても申し訳ない。
自分は存在の意味があるのか。




もしも、私が劇中の妻の立場であるなら
どうしただろう。
もしかすると、妊娠の事を伝えず、中絶などの選択をするのかもしれない。
夫に告げずに。


そして、物語を紡ぐ男と、傍にいる女。
彼女は、もう、居ない。
ただ、ただ、男の中には居る。
ヒトはその人の事を忘れた時が
本当に死ぬときという。


だから、その女は死んでいない。
男の「記憶」の中で生きている。
その姿は、この物語を書いた作家の事かもしれないし、そうでないのかもしれない。


観終って、「忘れない」って事、今一度考える。
ライラックの花言葉で「想い出」というのがある。
もしも、このホンを書いた人が居なくなっても、私は、覚えておきたいと思う。多分、私の方が先に死んじゃうとは思うけど。




限られた観劇数なので、沢山観る事は難しいが、今作の様に作・演出から観に行った芝居で初見の俳優さんを知ることが出来るのも嬉しい。


個人的に中江亜希子役木村梨恵子さんが素敵だった。


もう一度、観たいなとおもう。劇中の様々なシチュエーションは、当事者になったらキツイものかもしれないけど、何故だか分からないけど、「傍にいる安心」というか、それだけで、幸せな感情って人間にはあるんだと思った。
再生ミセスフィクションズ2

再生ミセスフィクションズ2

Mrs.fictions

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2018/03/15 (木) ~ 2018/03/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

「東京につれてって」
作:中嶋康太(Mrs.fictions)
演出:吹原幸太(ポップンマッシュルームチキン野郎)
出演:NPO 法人(ポップンマッシュルームチキン野郎)、廣瀬響乃(ジェットラグ)



前回「再生ミセスフィクションズ」で藤尾勘太郎(当時姦太郎)さん・橘花梨さんの出演で拝見したもの。
この戯曲の小桜ちゃんが堪らなく、好きだ。中嶋さんが描いたこの女性像は、同性の私からも堪らなく可愛い。そして、こんな風に好きな気持ちを持ちたいという憧れの姿。
前回と演出者が異なり、より、少しコミカルというか、くすっと笑える演出があった気がする。最後、あの生き物が〆るとは思わなかった。


「男達だけで踊ろうぜ」
作・演出:中嶋康太(Mrs.fictions)
出演:市原文太郎、一楽(劇団照れ隠し)、古屋敷悠(ECHOES)、村上幸代(ネジマキトカゲ)

こちらも再演との事だが、私は初見のホン。
任侠青春スポーツ物・・・・というくくりで良いのだろうか。
最後はほろっと少しするのだが、総じて、男子の果てしないアホ度数高い
熱量のある芝居で、面白かった。
でも、ある種あの街で、自分たちの行く末があまり、明るく無い事を受け入れながら
高校の3年間、少しでも・・・と思うとちょっと、切ないアホ男子達だなと・・。
嫌いじゃない。
一楽(劇団照れ隠し)(にのまえがく)くん。まさかの15MMで拝見した彼も出演していたので、15MMでのご縁とは演劇の繋がりをより広くするイベントなんだな~と感じたり。


「男達だけで踊ろうぜ2~Dances with Wolves~」
作・演出:中嶋康太(Mrs.fictions)
出演:今村圭佑、岡野康弘(以上、Mrs.fictions)、
 小日向雪、高木健(エンニュイ)、高橋義和(FUKAIPRODUCE羽衣)、森崎健吾、山本周平

ちょっと、ズルいという。
アストラル大総長殿、ズルいよねという・・。
硬派というイメージの応援団の中に兄を探している女の子をめぐっての、愛すべきアホ度数高い、ホン。
振り切っているのに、何故か、中嶋さんのホンは下品にならないのが、不思議。
ミセスフィクションズは、下品にならないんですよね・・。
凄い事だと思う。
「男達シリーズ」で今村さんがお顔を緑のメイク(ろりえを観に行った時のデジャヴかと一瞬思った)にしていて、かなり、美味しい役どころだったように思える。




「上手も下手もないけれど」
2016年度佐藤佐吉賞最優秀脚本賞受賞作
作・演出:中嶋康太(Mrs.fictions) 原案:岡野康弘(Mrs.fictions)
出演:岡野康弘(Mrs.fictions)、豊田可奈子

前回も拝見していたが、やはり、赤ちゃんが居なくなってしまった(おそらく流産)場面は、同性として辛いし、妻:豊田可奈子さんの悲しみが伝わって、落涙。
今回も、最後の方の夫:岡野康弘さんの自身の死期が訪れる過程での老いによる指先の震えなのか、妻を失った悲しみなのか、その表現がぐっときた。
ほんとに、このホンは凄いし、演じるお二人が素敵。


今回もとても、素敵な時間を過ごせた公演でした。
8月の長編も楽しみです。

ヤギの身代わり

ヤギの身代わり

果てとチーク

王子小劇場(東京都)

2018/03/08 (木) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

正直、パーツとしての物語はとても、面白いのだが、色んなものが詰め込まれて、尚且つ、断片的に関わる人々の時間で進むので回収するのが疲れてしまった。
初見なので、劇団のカラーが分からないのだが、少し残念。


点と点の繋がりは、勿論理解は出来るのだが、自分の脳と心での繋がりが観劇してる中で、疲れてしまった。


「アカデミー」と呼ばれる再教育施設にいた子供たちは
個人の差はあるが、あるランクまで到達すると「死なない」人間になれるらしい。
客観的にみると新興宗教のようだ。
脳内にトキソプラズマのような寄生虫を使い、「死なない」ようにしている。
そして、そこでの教えは「最初の収穫物は神の所有物で、神のものは神に返すべき」旧約聖書などにあるように、人間にとって初めての収穫物=自身のこどもを差し出すことが必要とされている。
一度死んだ者がゾンビのように生き返り、自身の子を食すことの意味もあるようだが
その辺が少し自分で整理できず。


最後、玉子は自分の母に自ら取り込まれていくように私は思ったのだが・・・。


親がそのアカデミーの考えに洗脳され、その子供たちがある種「捧げもの」となった。
親は子を一番に想う。
しかし、偏った思考になった者にとって、「一番タイセツなモノ」はすり替えられてしまう。その「神」はその人々にとっては「タイセツなモノ」になり、子の幸せのために、自分の信じるモノの為に・・・。
怖いことだとも感じたし、純粋なことだとも、感じた。


「想う」とは何が正解なのだろうかと思う。




物語が「現実」的なモチーフと「非現実的」なモチーフが
交差して、観ながら「これは、起きながら悪い夢をみているのかな?」とも思った。

今回Straw&Berryの小西耕一さんがご出演と言う事で伺った。
過去に恋人を事故で失った女の子の兄でその亡くなった妹の彼氏の家庭教師でもあった木本役。
本当は「普通」に過ごしてたら「妹想いのいいお兄ちゃん」だったのだろうなと。
(少し洋服の趣味は悪いかもしれないが・・。あのTシャツが出た時は迂闊にも吹きそうになった・・・。めちゃイケ大好き)
ただ、きっと、木本は木本なりに「普通」に生きる事をみつけて、暮らしていたのだとおもう。
母親が生き返って来なければ。


能島役稲垣廉さんの芝居が気になった。
能島はアカデミー出身のカナと恋人同士。キャバクラでの女の子の送迎や、おそらく高利貸しの取り立てなども、系列会社の業務で兼務しているような役。
穏やかなヒトだなと思った。人を人として扱う事が出来る人間のように思えた。
それゆえに最後に彼に起こる事柄がキツイ。


どろっと、血が重く垂れる様な気持ち悪さを
拭えないラスト。


嫌いでは無いのだが、なかなか、手放しで「面白かった」と言い切れないキモチ。

勧進帳

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木ノ下歌舞伎

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

前回四谷怪談は長時間だったが、今作は80分とあっという間だった。
だが、古典ってわからないでしょ?とか、思う概念を気持ちよいほど跳ね飛ばす作品の一個だった。
楽しい80分。

ふと、昔の人もこうやって笑ったり、じんとしたりしてたのかとおもうと古典も親しみがわいてくる。




「むかし」であって「いま」であり、「いま」であって「むかし」である。

ネタバレBOX

今作、主軸の「長」に仕える人々が一人二役となって、その、切り替え方や、劇中のラップの場面や、酒盛りの場面。
酒盛りの富樫左衛門。なんか、可哀想だった。
彼は、独りなんだなって、笑ってるけど、泣いてる。
きっと、義経たちの本当の意味での「つながり」みたいなものを
目の当たりにして、氷が溶けるように
彼を覆っていたモノが溶けてしまったのかもしれない。


そして、
弁慶と義経、主従関係以上の想いもあるのかな。
手を伸ばしても、その手を掴む事は出来ないのかな。
違うのかな。
あのラップがとても、切ない想いを唄っているのが、そう、思わせる。




劇中の時折、句読点のように物語のポイントに
羽ばたく鳥たちの羽音。
漆黒の羽が見えるよう。
白い舞台上の演者も、漆黒の衣装。
軽やかに、場面、場面で、翻すように
役を演じ分ける。
素晴らしい。


冒頭の、少し、笑いを引き寄せる演出も
「古典」に馴染みが無い観客の緊張をほぐしてくれる効果もあるような気がした。
楽しい80分だった。




弁慶役のリー5世さん。
失礼を承知で、とても可愛らしい一途な弁慶でした。
飄々と関所での立ち振る舞いと、義経に対する忠義の涙、包み込むようなおおらかさ、
私の弁慶の強面のイメージを覆す、弁慶だった。




岡野康弘さん、ある種、私の中では「仏さま」レベルの方。色んな「岡野さん」を堪能出来た。
劇中の踊り場面。ふと、以前ダンスの無茶ぶりを演出家にされた話を岡野さんがしていたのを想い出した。
パーマ+お髭良き。
ピクチャー・オブ・レジスタンス 

ピクチャー・オブ・レジスタンス 

INUTOKUSHI

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

10周年という、大きな冠がかかった今公演。
私は、「左の頬」からしか、観ていないのでまだ浅いが、根底にいつもあるモラルさんが描く「表現(者)は貴方が思うよう、感じるように、表現していいんだよ」というホンが好きだ。


人に対しても、仕事や、趣味、様々な事柄の「すき」は残念ながら、全部、成就するわけでない。
でも、モラルさんが描くホンでは、「不器用でも、駄目でも、貴方が好きならいいじゃない」とエールを送ってくれる。


今作は、きっと、「日本」という国をよく表している気がする。
「流行」って括ってはいるが、これが「法律」や、「戦争」などカテゴリーが変わっただけで、笑えない状況になる。
日本はその危険性はとても、高い。


犬と串テイストというか、今回客演のエドガワ役 奥田努さんがかなり、飛び道具的な配役で素敵だった。


板倉さんのメンコ小僧や、満間さんが綾乃さんをお姫さまだっこする姿も素敵だったし、ホリさんのちゃらさが0%だけどちゃらい男も、萩原さんの世の多くが共感する何故、今こんなことしてるんだろうねという自問自答の姿も、藤尾さんのある種、流されない強さと、人と繋がりを諦めないアキラも素敵だった。


終演後、藤尾さんとお話させて頂いたが「天才が出てこない、普通の人だった」のような事を言っていた。
それは、劇団としての遍歴というか
なにか、緩やかに変化をしてきたのかなともおもった。
だから、より、今作をみた観客が自分の身の近くに感じることが出来、
「ミライ」をイメージし、
「ゲンキ」を貰う、
こういった観劇もとても大事な事だと思った。




今作客演のウミヒコ役山中健太さん、ヤマヒコ役山中翔太さん。
双子の俳優さんということで初めて拝見。
陽と陰・
月と太陽
同じ容姿を携えている二人を対極の意味合いを持たせての演出。
感情を隠さず表わすウミヒコと、
静かに、俯瞰で現実を見極めるヤマヒコ。
お互いが交わってないようだが
本当はお互いを思い合ってるという兄弟だった。


星元裕月さんが演じたエルピスは、パンドラの箱をあけて、残った「Hope」(希望)。
コントロールされた未来に託された希望。
誰もが、自分が思う気持ちを信じる事が出来る世界に変わる為の希望になったのかな。
初見だった俳優さんであったが、美しい容姿の方だった。
更に、ご自分がどう見られてるか、どう見せたらよいかを熟知されてるプロの方だなと感じた。
表現の仕方も、巧い方だなと思った。



鵺的トライアルvol.2『天はすべて許し給う』

鵺的トライアルvol.2『天はすべて許し給う』

鵺的(ぬえてき)

コフレリオ新宿シアター(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/13 (火)公演終了

満足度★★★★★

ある種、闇サイドの優等生みたいな感じ。
でも、自己満足ダークサイドでない所が物凄く良かった。

よく「凄い」という意味で「くそ~」という表現を使う人がいるが私は大嫌いで使わないのだがこのホンに出てくる男性は皆、「くそ、クズ男だ」と思った。そして、怖い事にこれは決して想像の物語では無く、現実世界に普通に起こる。上演前の時折、暗闇から壁に光がほわっと当たる。3人の女性がいる。彼女たちに起こった物語をこれから観るのだなと、フライヤーをみるのをやめて、舞台をみていた。今作、照明が印象的。ピンの強い光りがうつむいている演者の顔を陰影を強くして、物凄く表情が怖く見えた。壁に映る、もう一つの「登場人物」のように「邪心」が膨張したようにさえ、見える場面もあった。今回小西耕一(Straw&Berry)さんご出演という事で観劇。ある意味小西さんの役も「くそ男」ではあるのですが、少し良いヒト部分があったのかと。観終って、このタイトルを今一度,反芻。
確かに、ストーカーの男たちは欲しいものはぜんぶ手に入る、世間もいちいち「小さな」事に気に留める人は、そう、居ないと。
でも、結局、本当に人と人が向き合うような付き合いはいくら相手を奪っても手に入れる事は出来なかった。

本当の「人に対する気持ち」を
得る事は、あの男たちには、天は許さなかったんだろうなって。
物凄く、皮肉っぽいタイトルのように、思えてきた。

鵺的『天はすべて許し給う』かなり、面白い公演だった。

ネタバレBOX

詳細はこちらで
https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/36982475.html …
三文オペラ

三文オペラ

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2018/01/23 (火) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★


金持ちと貧乏人。
劇中、金持ちたちや権力者が行ってる罪より、自分たちの罪の方がまだ、マシと言っていたが、昔も、今も、そうかわらないじゃない?とおもった。
今の日本だって、悪いやつはお金をたんまり稼いで私腹を肥やしてる。劇中乞食たちは行動を起こすが
今の時代はその行動を起こすことが出来にくい時代に感じた。
あと、娼婦と呼ばれる女性たちの心根の温かさ、強さを感じた。
一般的に、虐げられる人達が息づく物語だった。
今作横浜だし、3時間強だし、どうしようかと考えてたが、P席という谷賢一さんのいかした企画、それを安全に各公演遂行する為のKAATの職員の皆様の丁寧な対応。物凄く、素敵だと思った。観に行って良かったです。
今作小角まやさん(アマヤドリ)の出演もあったので、観たいとは思って居た。2役のギャップも良かったし、物凄く、カッコよかった。
あと、ジェニー役の貴城けいさんのお声が素敵だった。
こちらのブログでも感想書いてます。
https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/36974803.html

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