満足度★★★★★
ある種、闇サイドの優等生みたいな感じ。
でも、自己満足ダークサイドでない所が物凄く良かった。
よく「凄い」という意味で「くそ~」という表現を使う人がいるが私は大嫌いで使わないのだがこのホンに出てくる男性は皆、「くそ、クズ男だ」と思った。そして、怖い事にこれは決して想像の物語では無く、現実世界に普通に起こる。上演前の時折、暗闇から壁に光がほわっと当たる。3人の女性がいる。彼女たちに起こった物語をこれから観るのだなと、フライヤーをみるのをやめて、舞台をみていた。今作、照明が印象的。ピンの強い光りがうつむいている演者の顔を陰影を強くして、物凄く表情が怖く見えた。壁に映る、もう一つの「登場人物」のように「邪心」が膨張したようにさえ、見える場面もあった。今回小西耕一(Straw&Berry)さんご出演という事で観劇。ある意味小西さんの役も「くそ男」ではあるのですが、少し良いヒト部分があったのかと。観終って、このタイトルを今一度,反芻。
確かに、ストーカーの男たちは欲しいものはぜんぶ手に入る、世間もいちいち「小さな」事に気に留める人は、そう、居ないと。
でも、結局、本当に人と人が向き合うような付き合いはいくら相手を奪っても手に入れる事は出来なかった。
本当の「人に対する気持ち」を
得る事は、あの男たちには、天は許さなかったんだろうなって。
物凄く、皮肉っぽいタイトルのように、思えてきた。
鵺的『天はすべて許し給う』かなり、面白い公演だった。