ジュリアス・シーザー
華のん企画
あうるすぽっと(東京都)
2013/07/11 (木) ~ 2013/07/16 (火)公演終了
満足度★★★★★
初見
毎公演気にはなっていたが、子どものための〜とついている為、躊躇していたが、前評判の高さから初観劇。結果、面白かった。
もっと早く見ておけば良かったと後悔中。
少し目線を下げて物語を作っている以外はまんまシェイクスピア劇だった。暗転かわりの柏手によるメリハリや音楽、数台しかないテーブル、華美でない衣装なのにローマ人に見える役者技量。
大人と子供が一緒になって笑える舞台って、何気に凄い事だと思った。
約2時間。
海と日傘
松本紀保プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2014/11/21 (金) ~ 2014/11/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
互いの愛おしむ姿にいろいろ思う
20年前の戯曲だが、作品を見るのは今回が初めて。
夫婦2人暮らしの日常生活。日々の積み重ねで月日が経つだけ、奇抜な事が起こるわけではない。暮らしていくうちに自然に生まれ身についた生活動線、毎日の食事や生活音、何気ない間、等々、わかりやすい分、見終わった後はそれらがダイレクトに響く。
何年か後に来るであろう自分の夫婦環境を重ね合わせている自分がいて、いつしか、さめざめと涙が溢れていた。
縁側で爪切ってるだけなのに、それで話を見せるなんて向田邦子作品以来かも。
良か舞台でした。
約110分。
郵便屋さんちょっと2016
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2016/06/23 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
戯曲も読んでみたいが…
つか×扉座第2弾。つかこうへい七回忌にあたる為か、至る所でつか作品の舞台上演はあるが老舗劇団の安定性と戯曲のどこを改訂したかわからない時事ネタ絡めた現代版のつか版新作舞台だった。クライマックスに至るまで徹底したつかイズムに嬉し懐かしでついつい涙が出てしまった。
第1弾はチャイコフスキーで滾らせ、第2弾は一貫したタキシード姿の山中崇史SP。自分の座席からは冒頭の大音量SEに若手役者さんのセリフが聞き取れない部分はあったけど、すぐにそんなことも忘れてしまうセリフの連続と場面についニヤニヤしてしまう。
「郵便屋さん〜」は初見の為、どうやって幕引くんだろな?と思いつつ、辞令を手渡すシーンから盾持った機動隊との格闘に、見ていてカタルシスを味わうような懐かしさ。
ジョンと田所が2人並びセリフの掛け合いをする劇団同期姿にも胸熱。
つか正本や原作戯曲も読んでみたかったが、ロビー物販は扉座関連グッズのみ。版権の関係からかな?
いろいろな関係で多分映像化は難しいと思うので、興味ある人は見に行ったら良いさ〜。約130分。
コルトガバメンツ -revisited-
東京ハートブレイカーズ
南青山MANDALA (東京都)
2012/02/29 (水) ~ 2012/03/03 (土)公演終了
満足度★★★★★
チーム男子
タイトル同じだけど、毎回加筆して話を変えてくる舞台作。
今回はライブ演奏と芝居がミックスされているけど、心躍る演奏に歌って騒いで楽しんでるうちにあっという間に終っちゃったといった感じ。
お祭りは終った後が切ないけど、この舞台もそんな感じでした。
客席の傍らで見ていた右近さんの表情が、穏やかで楽しそうで印象的でした。
TRIBES トライブス
世田谷パブリックシアター
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2014/01/13 (月) ~ 2014/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
繊細な翻訳劇
手話セリフ(日本語対応手話)のやり取りは健聴者にとって、時に読み取れないハンデが生じるが障害(障がい表記が主流だが自分はこの字がしっくりくる)というのはそういう事だと思う。
日本で障害が絡む話だと=福祉、という印象を持たれやすいと思うのだが、この舞台はきちんと個人の感情を貫いている。
聞こえない相手に音で振動を伝え、言葉を発しコミュニケーションを取る暮し。
障害の程度による差異。その中では彼はまだ上位の位置づけにある模様。
「普通」な家族だが、曖昧な会話はなくそれぞれが一生懸命に会話をする。通常の海外翻訳劇に出てくるような家族とはひと味違うけど、ラブシーンの描写から結末まで上質な翻訳劇だった。
舞台セットや衣装で白と黒を基調としたメリハリは映えてとてもよかったが、衣装の白地と地肌が合わさると手話セリフは場所によっては読み取りづらいのでは。
役者さん全員良かった。休憩込み約2時間30分。
1/21pm 追記
朗読劇『犯罪|罪悪』
橋爪功
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/12/21 (土) ~ 2013/12/25 (水)公演終了
満足度★★★★★
「犯罪」の回を観劇
原作のシーラッハは初体験、森新太郎さん演出で橋爪功さんによるリーディング。
「フェーナー氏」「チェロ」「ハリネズミ」の三話朗読、タイトルどおり犯罪絡みの内容の大人の為のお話。
舞台の上には一人しかいないのに、聞いていると誰かと会話のキャッチボールをしているかのよう、また年齢や性別の演じ分けも魅力的な読み聞かせ芝居でした。
三作の中では「ハリネズミ」が可笑しさもあってか、好き。
エトランゼ
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
初見
東作品は他の舞台ばかり見て、今回初桟敷童子。
東作品見てると大正琴楽曲のような古賀メロディーをついついイメージしてしまう元九州人。
70年代後半に流行したアイドル歌謡曲が陽気に聞こえる小山麓。
山師の人たちも「あーこんなピュアでかわいらしいルックスのおばちゃんに見えないおばちゃんおったわー」と童心に返り見てしまいました。
噂に聞いてた壮大な舞台装置も面白かった。
客席に中高年の男性が多かったことに驚き、劇場の冷房が効き過ぎだったのは難点かな。面白かったです。約110分。
治天ノ君【次回公演は来年5月!】
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
2日目観劇
初演観劇済みだが、劇団の持つ質の高さを確信した一作。初演時の感動をが忘れられず「再演」の一報を目にした時から観劇日を心待ちにしていた。また感想をあげるのも蛇足のような気もするが、すでに観劇済みの皆さん同様、今回も感動したのは確か。
初演の駅前仕様の舞台セットから、少し広めのトラム仕様になった(がセッティングにはあまり変化ない)事や側近の所作など多少の変更はあった気もするが、場面の改変などはあまりなかったような気がする。
天皇一家の家庭劇、と例えるのも変だが、与えられた運命の重さに身構え、フィクションでありながら、さながらノンフィクションの舞台を見ているかのような錯覚。奇しくも前回と同じ場面から涙がつらつらと。
話の重厚さから身体の芯から硬直しそうになるが、見飽きる事なく物語の中に入り込ませた話の巧みさに、140分近くがあっという間に過ぎる。良舞台を見せて戴き、感謝。
全体を見たい場合、上手側からの観劇が良いかも。
『ひとよ』★【横浜公演】6月6日・7日KAAT大スタジオ!★
KAKUTA
ザ・スズナリ(東京都)
2015/05/21 (木) ~ 2015/05/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
母帰る
初演は震災の年。1日で変わってしまったことを受け入れながらいつの間にか4年。あれから自分の中で考え方も多少変化したこともあるが、今回も初演時同様、舞台の世界観にしっかりと入りこめた。
正しく生きていくのはとても難しく割り切れない思いを抱くことも多いが、当たり前の喜怒哀楽があることはなんと素晴らしいことなのか。
スズナリ仕様になった舞台だったが、コンパクトになって見やすかった。良い舞台だった。
十一ぴきのネコ
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2012/01/10 (火) ~ 2012/01/31 (火)公演終了
満足度★★★★★
日本版キャッツ!
最近の長塚演出にしては非常にわかり易いので驚いた。
仕掛け小道具の使い方が楽しい、賑々しく皮肉の利いた締め方。
一緒に歌いたくって久しぶりにCD買おうと思ったら無し!
元々私の一押し猫さんはにゃん次さんだが、他の舞台では見られない穏健派だったので面白かった。にゃん太郎の賢さにほろり。
会場全体使ったりするので、前方席の人は猫さんが動き回る度、追いかけて見るのが大変そう。
芸達者な俳優陣とバリエーション豊富な聴いてて楽しい音楽も良い。
ルート99
さいたまゴールド・シアター
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)
2011/12/06 (火) ~ 2011/12/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
質の高さ、見応え有り
登場人物の構成が多面的で最初混乱しかけたけど、なんとか話に追いついて見ていた、と思う。
舞台という虚構の世界の話のはずなんだけど、沖縄の問題とか今の日本の放射能汚染とか透けて見え、舞台上の役者さんと見ている観客の状況は常に背中合わせと感じた。
劇中劇の場面で、島民の方がステージを囲み見ているシーンがあるが島民の何名かほんとに楽しそうに見ているのが微笑ましかった。
役所の人のカワバタさんが良いキャラw、ドラマ「相棒」に出演されてた益田さん、声に張りがあって良かった。
男性では、毎回倉澤さんと遠山さんが何故か気になっている。
家の内臓
アル☆カンパニー
ザ・スズナリ(東京都)
2012/04/25 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
温泉旅館の夜の会話
旅行先の開放感から来るものなのか、5人の中では多分年長者なのに良い加減ではしゃぎまくる沼田さん、とそれにちゃんと答えてあげてる年下の同僚、受け答えと行動の自然さに違和感なく劇中に入り込め、やり取りの絶妙さに笑えました。
もう、しつこくてクドいおじさんの沼田さん、どうにかして下さいw
端で見ている分にはいいけど、一緒に仕事はしたくないw
力の抜けた緩い私小説を見ているような後味。
毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」
鵺的(ぬえてき)
小劇場 楽園(東京都)
2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
A:定や、定 観劇
Bプロ観劇から数日経過し、あが定版観劇。
ハマ定版同様、テンポ良い話だったが、定と正直のやり取りは「喜劇阿部定」とタイトル変えてもいいくらい笑えた。時々切なくなったけど。
男が若き日の定との交流を噺家のように語り尽くし、行き着いた先は、父性が芽生えたんだろうか。
どちらの定さんも魅力的で迫力あってチャーミングだった。
面白かったです。約70分。
アトムへの伝言
劇団扉座
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/06/15 (水) ~ 2011/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
いろんな「情」
紀伊国屋ホールで最終日に見ました。
ロボットに差別用語や危険行為はプログラミングされていない。だけど、人間と接する事でロボットなりに成長と苦悩があり。とある事がきっかけで責任負って師匠と漫才する場面は泣き笑いするしかなかった。
研究者チームのロボットへの心意気と生真面目っぷりな行動がまた可笑しさを誘い、世間との孤立感が見えるようで切なくなった。
軽そうに見える劇調の中で、笑わせて、問いかけて、終いにゃ考えさせる。だけど辛いとは思えず。むしろ温りがあり、これが劇団30年分の底力なんでしょうね。
会って久しい友人からの手紙を読み返した後の様な、懐かしさを感じ見て満足、良かったです。
それにしても、亀屋芸能社めちゃくちゃ昭和テイストな興行会社だった…。
柳理科子が一番ロボット風味が強い容姿だったなー、まさに今!21世紀の顔って感じ。
漫才の一部分は下ネタが厳しくて苦笑いするしかなかった。アドリブ?もあり笑わせてもらいました。
追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
思いつく言葉がすぐには見つからない
終戦間際の日本統治下にあった国。今回も展開は重い。
真面目に生きているだけなのに、それを粛々と受け入れる覚悟に、こちらは見守るだけしか出来ず、結審後の行く末から噎び泣きだった。
何も気にせず明日の事を考えられる世の中は良き時代なんだよなぁ。
役者さん全員素晴らしかった。階段の組み合わせのセットも面白い見せ方でした。
約135分。
キレイ
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2014/12/05 (金) ~ 2014/12/30 (火)公演終了
満足度★★★★★
観劇納め
初演も再演も見ているし、出演している大人計画のメンバーも(当然自分もだが)それなりに歳をとった。なので今回はスルーしようと思っていたのだが、最近の松尾さんのエッセイや舞台を見ていると、この頃(2000年前後の松尾チルドレンとか例えられてた時期)書いていたような作風を見られるのは今後は減少していくかもしれないと思い、チケット完売後ではあったが、追加販売の立ち見席から観劇。
オープニングテーマのイントロが聞こえたら、よくわからない感慨が溢れ、なぜか感涙しそうになった。観劇するだけの客なのに。こんなん書いてるだけで赤面じゃ。
公演時間が休憩含め3時間半近く。
休憩時間のロビー混雑を見たら、さすがに初演時のようにロビーで幕間ネタ披露みたいなことは出来ない。だが、舞台上での大人計画の役者陣が大きい劇場でも小劇場感を醸し出していることは見てて嬉しかったりして。
14年も経てば、差別心や犠牲心にかなりの変化は生じ、暗部と思われていた事件内容もいつの間にかありふれた感覚に浸透してしまった現在。今後もこの作品が上演されるかはわからないが、世代を超えても小劇場界の古典作になりそうな舞台に確変しそうな作品だと思った。
頑張って見に行ってよかったです。
『いとしの儚-100DaysLove-』
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2015/10/29 (木) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
惚れられて惚れあう2人
もともと「長谷雄草子-はせをざうし-」を下敷きにしてたと思う。
15年ぶりに劇団に戻り、改定してる部分もあったけど愛の形が夫婦愛、同性愛、多様な愛情表現と外連味あるスーパー歌舞伎場面も盛り込まれた王道の舞台。
映像の活躍も良いが、舞台で見る山中さんはやっぱ華があるのである。
約2時間弱。
いま、ここにある武器
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2016/08/13 (土) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
葛藤
10年ほど前に発表されたイギリス戯曲が、2010年に俳優座劇場で「兵器のある風景」として上演されて、今回の風姿花伝版では翻訳と演出、演者、邦題を変えたもの、らしい。
一歩違えばノーベル賞ものの貢献になるとこなのに、哀しいかな、いざそれを発揮出来るとなったら武器としての抑止力かはたまた殺傷力の効能か。出演者が4人だけど、2人芝居で進行する場面も多いが演者の巧みさと会話の面白さ、話の進展にあっという間に世界観にのめりこめた。
前方席で見ていたので舞台上のパソコン画面がよく見えたが、設計図面が手まり柄みたいで綺麗だった。
八百屋のお告げ
グループる・ばる
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2016/09/01 (木) ~ 2016/09/05 (月)公演終了
満足度★★★★★
面白かった!
真空圧縮袋とラーメンとそのブログが恋しくなる、名作落語かと思うような舞台。役者も盤石のウェルメイドコメディ。
つい♪鬼のパンツは〜と口ずさみそうになるあの歌が挽歌にならずにホッとするが、よくよく考えてみれば、言うだけ言って、とっととお遍路行く八百屋のオヤジひでぇ。
チラシの文面とチラシ絵のモデルは、その八百屋のオヤジの風貌と話し口調なんだろうな。
笑って泣いて、笑って劇場を後に出来る素敵な舞台だった。
怪談 牡丹燈籠
オフィスコットーネ
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/07/30 (日)
最終日観劇。
極限の灯の中で、邪気、悪気、怨念の陰陽さをブレヒト幕ならぬブレヒト回転幕とでも例えればいいのか、その使い方で話がわかる見事さよ。結末以外、話のあらすじはあまり変えてなかったような気がするが、下男の遺恨はそうきたか、と面白く拝見。
発端/お露新三郎/お札剥がし/孝助の槍、などなど