いま、ここにある武器 公演情報 風姿花伝プロデュース「いま、ここにある武器」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    葛藤
    10年ほど前に発表されたイギリス戯曲が、2010年に俳優座劇場で「兵器のある風景」として上演されて、今回の風姿花伝版では翻訳と演出、演者、邦題を変えたもの、らしい。

    一歩違えばノーベル賞ものの貢献になるとこなのに、哀しいかな、いざそれを発揮出来るとなったら武器としての抑止力かはたまた殺傷力の効能か。出演者が4人だけど、2人芝居で進行する場面も多いが演者の巧みさと会話の面白さ、話の進展にあっという間に世界観にのめりこめた。
    前方席で見ていたので舞台上のパソコン画面がよく見えたが、設計図面が手まり柄みたいで綺麗だった。

    ネタバレBOX

    エンジニアが開発したものは新兵器として例えても良いような製品だった。それによって得るもの、失うものはお金だったり、名誉だったり、身近な愛する人たちだったり。
    真に迫った台詞のやり取りの濃密さとバトル、暗闇からの圧迫感に見ていてくたびれもするが、実に面白い。
    極めて私人であるエンジニアの事情だったのに、世界を相手にしてしまう怖さにやや戦慄。

    仕事が出来る女なのに、なぜ万年筆じゃないんだろ?安物に見えるボールペン使ってるんだろう、と思っていたら、ああなるほど…と腑に落ちる場面あり。あの着メロは彼女の可愛さポイントだな。
    年を取っても兄弟ケンカは側で見てると滑稽で呆れもして面白くもあるが、終盤のあのシリアス場面でバールのようなものが出るとは。

    確か、初めての仮チラシの段階では「ここにある武器」だったと思うが、「いま」が追加することによって、2016年の世界を考えることにもなるいいタイトルだな、と思ったり。
    傑作な舞台でした。

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    2016/08/30 11:45

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