海と日傘 公演情報 松本紀保プロデュース「海と日傘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    互いの愛おしむ姿にいろいろ思う
    20年前の戯曲だが、作品を見るのは今回が初めて。
    夫婦2人暮らしの日常生活。日々の積み重ねで月日が経つだけ、奇抜な事が起こるわけではない。暮らしていくうちに自然に生まれ身についた生活動線、毎日の食事や生活音、何気ない間、等々、わかりやすい分、見終わった後はそれらがダイレクトに響く。
    何年か後に来るであろう自分の夫婦環境を重ね合わせている自分がいて、いつしか、さめざめと涙が溢れていた。
    縁側で爪切ってるだけなのに、それで話を見せるなんて向田邦子作品以来かも。
    良か舞台でした。
    約110分。

    ネタバレBOX

    元々、長崎が舞台。話の中では言及しなかったが(なくても別に構わないが)時代的に直子さんは原爆の犠牲者だったのだろうか。夫婦2人とも生まれ育った地ではない場所に根を下ろし、つつましく2人で暮らし、また隣近所の好(よしみ)で世話を焼く母屋の大家夫婦。
    作家らしいが、まだそれで生活できるほどの余裕はない夫。そんな夫を支える妻。
    静かに冷静に自分を見ている妻、同性として接している時の妻、どこかで全てを悟っているとわかるのか、言葉にしなくてもわかる夫婦の以心伝心が舞台上からヒタヒタと伝わってくる。
    妻の年下看護婦への夫の気遣いの仕方と、浮気相手と思しき女性編集者への接し方、平常心を装っているのか無表情ながら目元に現れる物言わぬ嫉妬、嫌悪や複雑さ。交差した取り乱し方。女として、各々が目の当たりにした妻の覚悟に、また切なく胸が締め付けられそうになった。
    夫が話しかけた時、それが独り言になってしまった瞬間の悲しさにまたもらい泣きしてしまった。
    虹の端に立つ妻の横顔はとても綺麗だった。

    とても日本的な話ではあるが、ヨーロッパあたりでも通用しそうな話だなと思った、素人考えだけど。日本で海外戯曲が上演出来るなら、この座組を逆輸入して上演したっていいじゃないw なーんちって。
    有名戯曲のため、今後も別の団体が舞台化することもあると思うけど、初見で見た舞台はとても良い舞台だった、別団体の公演を見るときはやや厳しめに見ることになるかもw。

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    2014/11/24 00:04

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  • なしかさま
    ご来場いただきありがとうございました!
    嬉しいお言葉、深く感謝もうしあげます!
    初プロデュース公演は、沢山の発見があり、充実した日々です!楽まで皆と気を引き締めて頑張ります!!今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

    2014/11/27 03:55

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