なしかの観てきた!クチコミ一覧

21-40件 / 663件中
毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

鵺的(ぬえてき)

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

B:昭和十一年五月十八日の犯罪 観劇
ハマカワ版の安倍定。
226事件から間もなく起きた事件で、逮捕後の取調室が舞台。面白かった。約70分。

ネタバレBOX

笑って良いのか躊躇う題材なのに、警察内部に首を突っ込む内務省の異分子的愉快犯も手伝い、話の面白さが増す。
ハマカワさんの緊張を強いられる状態でも動じない品があって芯のある眼差しや、混乱後の着付け姿も見蕩れる。この仕草に男も虜になったんではないか、と思わされる女っぷりだった。カオスな状況に持っていく瀧川さんとそれをセーブさせる谷仲さんのやり取りも面白かった。
それにしても、お上の注目逸らしの手法って、昔も今も変わんないのかも。
バカロックオペラバカ「高校中パニック!小激突!!」

バカロックオペラバカ「高校中パニック!小激突!!」

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/11/24 (日) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

休憩込みで3時間近い舞台だったが
全く苦にならず、出演者全身全霊の馬鹿全開の悪ふざけを終始楽しむ事が出来た。
劇場を出た後、道玄坂を歩いている時に、はて肝心の話は?と振り返ろうにも笑いっぱなしであんまり内容はなかった、と思いだしつつ楽曲ともにノリの良い舞台。満足。
でも今後、渋谷以外の公演場所では、地理的な事とかあのロボとかノリが伝わるんだろうか、と心配になったりして。

近未来、渋谷にある高校が舞台、前作の「R2C2」と繋がっている箇所もあり。
パルコ劇場では珍しい中央通路大活躍。セクハラスレスレの男性観客いじりありw 演者のバンド演奏が更に上手くなって驚いた。
道玄坂クリステルさんはどう見ても、×ッチーだろw
今後、舞台に出る時の勝地さんは前髪クネオに改名してもいいんじゃないだろうか。

ネタバレBOX

坂井真紀さんの吹っ切れっぷり、さすが歴代の馬鹿舞台をこなしている素晴らしさ。
結構お馬鹿キャラだが、他のキャストの役柄が荒まし過ぎて佐藤さんがかえって清涼感ある役柄に見えた。
川島さん、やっぱアイドル!かわいかった。
β太、ではなく、永山さんの細い体型ながらも華があって一途な馬鹿さが面白かった。
翔さんやよーかいくんは音楽耳の良さが芝居にも活きているかのような舞台運びの上手さに思えた。
今回の三宅さんの活躍ぶりに目を見張る、本当に達者な役者さんだ。
皆川さんや少路さんは文句なしの出方。
宮藤さんは舞台だとやっぱイキイキして見えて良かった、個人的には単発でいいから、脚本執筆とは切り離し単独の役者としても活躍してほしいのだが。でも舞台楽しかった。
東京裁判

東京裁判

パラドックス定数

pit北/区域(東京都)

2012/07/31 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

傍聴席より観劇
派手な装飾不必要、肉厚のセリフの応酬とその行方につい身を乗り出す。昭和史のデリケートな題材を扱った、立派なエンタメ舞台だった。

ネタバレBOX

舞台上には5人の日本側弁護人と、卓上には彼らの命綱ともいえる膨大な資料と彼らのコップと水差し。一階を判事、検察人、戦犯と見立てた客席と二階から見る傍聴席。
通訳を通しての議事進行なので、口喧嘩になりそうな事態に陥りそうになる所を冷静に判断しつつ、裁判は進む。終始一貫役柄の性格がしっかりしていて、時折、検察や裁判長達(客席)に唾を飛ばしながら睨まれる為、その迫力に思わずビビるが緊張を強いられるだけでない、細かい台詞のやり取りの中、時折軽妙な笑いも入る。
終盤、短いながら淡々と体験を語りかける姿勢に思わず胸が締め付けられた。

自分が観覧した日は、たまたま長崎の原爆の日。平和のメッセージを継承していくように、この舞台も定期的に再演してもらいたいと思った。役者さんはシンドイだろうけど(苦笑)
八百屋のお告げ

八百屋のお告げ

グループる・ばる

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
真空圧縮袋とラーメンとそのブログが恋しくなる、名作落語かと思うような舞台。役者も盤石のウェルメイドコメディ。
つい♪鬼のパンツは〜と口ずさみそうになるあの歌が挽歌にならずにホッとするが、よくよく考えてみれば、言うだけ言って、とっととお遍路行く八百屋のオヤジひでぇ。
チラシの文面とチラシ絵のモデルは、その八百屋のオヤジの風貌と話し口調なんだろうな。
笑って泣いて、笑って劇場を後に出来る素敵な舞台だった。

ナイアガラ

ナイアガラ

劇団HOBO

駅前劇場(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

良作
全員脇役なのに全員主役のような存在感。人柄が顔に表れ、それが重く受け止めるような話でもあるのに、人生の洒脱さと充実さが溢れている。
喰始さんの隠れた重鎮ぷりの達者な演技も可愛い。
社長の選択は、ある意味、偽りのない行動によるモノなんだろう、抱える思いが少しでも軽くなればいい、と願う。
いい舞台だった。

鎌塚氏、すくい上げる

鎌塚氏、すくい上げる

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2012/08/09 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

おしゃれなコメディ作
倉持さんの舞台セットはよく廻る。そしてよく動き回る(特にアカシ氏)
歌の場面では思わず拍手喝采、気持ちよく笑えて劇場を後にすることができる。楽しかった。

ネタバレBOX

前回は指輪と首飾り、今回はティアラがキーワード。
モトキとセンリの成長を見守るアカシ氏。といった感じかな。
次回作あるなら、また別のご主人に仕えて、月刊執事のBestバトラー死守してほしい。相手のメイドさんを想像するのも楽しいかも。
そん時はタヅルさん、スミキチさんにも登場して貰いたいものだ。
そのタヅルさんとスミキチさんは二人一緒だと、小狡くって小悪人ぷりがより一層際立って良いコンビ。

六角さん、だた万能だけのキャラじゃない、裏側の事情を明らかにする時の迫力良かった。
満島さんの声は舞台だと、もともとかすれ声になってしまうのかな?歌の挿入場面は楽しかった。
田中さんの出演舞台で、あそこまで砕けた楽しいお坊ちゃん役ははじめて見た気がする。
今回も役者さん全員はまり役でした。
て

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/05/21 (火) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

満足
初演のみ未見。
数箇所変更はあったけど、今回もハッピーでもバッドでもサッドでもない泣きながら笑っているベターエンド。
デフォルメ家庭の芝居風なんだけど、リアル家庭劇。
観終わった瞬間、充実さと切なさの飽和状態で、すぐには次の行動の動きがとれない。良い舞台見たなー。
当分の間、リバーサイドホテルのイントロが聞こえたら涙腺が緩むと思う。
6/4 アフタートーク部分をざっくり追記

ネタバレBOX

収録日で最終アフタートークの日、トーク部分が収録されるのかは不明。
事前質問記入形式なのだが、あれもこれもと思い出しては書きたかったが、観劇の余韻であまり上手い事書けず、無念。
自分が感じた疑問点の質問に、ちゃんと答えて下さったのでそこは満足。

アフタートーク覚え書き ※( )内は私見です。
・劇中同様、一度、岩井家全員集まろうとしたが失敗
・劇中の真実度、岩井さんは80%、母は70%位と思っているので、間を取って75%で。
・現実の牧師は劇中の人物よりもっとひどかった、葬儀後の会食の場に正体不明の赤いボディコン姿の女性を連れて来たりしてた。その行動に一家ドン引き。
・お母さんの「森君」の件→ほぼ実話。同窓会の件は初演時の稽古でボツにしたが今回復活。
・鳥の糞のシステム→改良しました。
・ハイバイの稽古はメソッドあるのか、どうやっているのか→特になし。喋りを行動として捕らえて欲しかったり、再演を重ねると、役者も慣れてくるので台詞を変えてくれと説明している。
・終わりの棺のシーンの意味→〜アドリブなしの会話だが、終り方はどうでも良いと思っている、家族が協力しないのが良いと思うまま終らせた。

・現在の父や母、兄との関係→父は実家で仕事しているが、顔をあわす事はない。母と兄とは交流ある様子、以前舞台を見に来た母と兄の感想は「だいたいそう」と。戯曲化の際、母に、兄について話を聞いたら自分の思い描いていた兄のイメージとは違う一面を聞き「まずい、悪者に出来ない」と思って書き直した。結果、かなりいい人に盛ってしまった。母や兄が観劇した時は、兄に感想を聞きたくて役者や関係者が集まってきて、エラそーに話を喋っていたのを見たら、上から目線で答える姿にイラッときたのか、もう芝居を見にきて欲しくないと思ったとか。
・父の陽水歌うシーン→(岩井さんがそのまま歌ったりしてくれたのだが、説明するのがムズイのでパス。ほんのちょっとだったけど面白かった)
・ハナクソの件→(色々言っていたけど覚えているのはこの一言)燃やすとクサイ。
・岩井さんは誰ですか→次男です。

・前回のタイトルの名前と違うのは→中身は同じでも主に芸能人の方がやっていたので別物として変えた。芸能人が演じれば、芸能人がしてる芝居になる、知らない人がやればどこかの家族として見る事が出来るから。
・「て」というタイトル→単純にお父さん指、お母さん指と家族の象徴(イメージ?)に使われる。作業をする時も隣り合う指がソッポ向いたら何も出来ない、嫌いなのに近くにいるしかないのはツラいだろう、そんな思いでつけた。
・長女よしこが嫌なヤツに見えた→岩井さんはそんな事は思ってなかったらしく「そう?そんな事ないですよね?」と客席に問うも反対の反応。それが予想外だったようで、その解釈に「感心する」と何度か答えてた。
・笑いながら作ったのに泣いている人がいてビックリした
・父の狼藉について→初演の時もそうだったが、東京の観客は静かに(引いて?)観ていた。福岡の公演の時は大ウケだったので不思議に思ったらしく、アフタートークで尋ねたら「(ウチにも)居るから」という共感のウケ方だったらしい。笑って受け止められる耐性ができているのか、そういう父親に寛大な風土なのかな?と。
・母の通子さんについて、姉と話した。離婚したくてもしなかった、劇中の描写に大体当たっているとの返答だった。
・おなじみのドアノブ→劇団旗揚げの時から使っている。演劇関係者の方、どーぞ使って良いですよ!

・女性役を男性が演じる事について→自分が母親を演じる事や年齢を重ねた事でおばさんも出来るし、その方がリアルじゃないから見ている方もイメージを膨らませやすい、おばあちゃん役をおばあちゃんに近い年齢の人に演じさせるのは客席も心配してみる事になる、男の人がやった方が「おばあちゃん」と表現しやすい、とか。

箇条書きの上覚え書きの為、正確ではありませんがこんな感じでした。
モナリザの左目

モナリザの左目

Nana Produce

劇場HOPE(東京都)

2012/03/04 (日) ~ 2012/03/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

初日観劇
作演出の高橋いさをさんの2作品の上演作のひとつ。
昨年のロクソドンタフェスティバルグランプリ(関西の舞台芸術の賞らしい)作品。
前作タイトルは「知らない彼女」

作品自体はシリアスで重めの題材だけど、配役各々がしっかりしているので見ていて苦にならない。舞台位置がやや高めなので後方から見た方が首が疲れないかもw。
最初から中盤までに短いやり取りする弁護士と探偵さんの会話に和める。
見応えのある2時間近くの舞台。

初日の為か、小さい劇場はあっという間に満杯。
ここからはやや愚痴になります。すいません。
この作品に限らず「自由席なので」と自分が舞台が見えやすい位置に座っていたら、開演時間直前になって来る人に席を詰めて位置をずらすのって、なんかモヤッとする。あと終演後の関係者挨拶の為に追い立てるように誘導するのは考えてほしい。もうちょっと一般客にも優しくしてw。

ネタバレBOX

舞台壁セットの一部がよく見るとジグソーパズルのピース。
タイトルにあるように「モナリザ」のジグゾーパズルを、加害者の義兄であり弁護士でもある滝島と、その案件を引け受ける事になった平田が(殆ど滝島が持ってたけど)片手間でやりながら話が進んでいく。

さ程手のかからない案件かと思いきや、ある告発文が届き。

被害者(最終的にやっぱクズ)と被害者の弟(頑張って生きて)。
被害者から加害者と加害者の妻になってしまった2人。
弁護士と探偵さんの時々ちゃんとしてる会話と軽い会話の面白さ。
弁護士と加害者の義兄になってしまった弁護士の苦渋の色が見え隠れする葛藤の発言。

事件の当事者同士が顔を合わせた瞬間、めぐみの顔が哀しみと歓びと揺れる陽炎のような顔で迫る衝撃。劇中では見る事の出来ないモナリザの左目からの視線もこんな感じなんだろうか。
事件が解明され始めた後の真実の重さ、めぐみへの気遣いとそれを受け止めた事の決意と行動、愛情といたわり。
判決時、それらが重なり合った佐野の表情が何とも切なく胸が痛かった。
現実世界では裁判員制度があって。
こんな事件の担当になったら、自分だったらどうしたら良いのかわからない。悩みながらも舞台上の佐野とめぐみの道行きは幸福であってほしいと思った。
リーディング公演「耳なし芳一」

リーディング公演「耳なし芳一」

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2012/04/07 (土) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

贅沢なリーディングでした
古典作品の「耳なし芳一」に作者の八雲と節子の挿話を盛り込み、日本的な怖さに加え、小泉夫婦の美しくて優しい温もりに触れ、畏怖だけでなく魅せて聞かせた贅沢で素敵な70分でした。
そしてこの作品における木村了さんの和風美青年は貴重な存在。
限られた観客数だったが、50代以上の男女が多かったなー。
やっぱり怖い話には和蠟燭が付き物ですな。
舞台化希望したいが、その時はキャストは変えないでほしい。(あくまで希望)

ネタバレBOX

会場全体暗くさせ、ステージはひな壇仕様。
八の字型に椅子が置かれ、最前列中央にスペースがある。その真後ろにはスクリーン状の白幕、舞台最前列と後方列に和蠟燭が1本設置。
時折入る影絵が綺麗、和蠟燭との陰影に映えて、それにまつわる音響も良いアクセント。
「耳なし芳一」のリーディングに加え、所々に小泉夫妻の会話が挿入される。芳一と怨霊が接する場面では、中央のスペースに芳一とスクリーンに映し出された武士との対面し物語は結末へ。
それに合わせ小泉夫妻のその後も八雲が蝋燭を消し、節子が二人の話と共に舞台の幕を降ろすかのように蝋燭を吹き消し終焉。
暗転した中、客席に訪れた静寂に形容し難い贅沢な余韻を味わいました。

冒頭、演出家の宮本氏が挨拶と解説。
琵琶演奏の平田さんの随所に入る演奏と効果音に緊張したり、気が緩んだり音色のバリエーションが豊か。
木村さんのしっかりと溜めの効いた台詞回しから、大げさだけど狂気の苦悩が良かった。
横田さんの威厳と迫力の伴った武士から佐吉の違いぷりにホレボレ。
春海さんのバランス良いナレーションと和尚さんの痛烈な誤算ぷりの切り替え。佐吉と和尚のやり取りにちょっと吹き出しそうになった。
高畑さんの徳のある幼子の気高さが聞きやすかった。
グレッグさんと大西さんの小泉夫婦、死を受け入れる潔さと覚悟。全てを言い表わさなくても愛情が伝わる言霊が溢れているような厳粛だけど、ほのぼのした関係にも見えた。

八雲の傍にホラ貝あったけど、吹かなかったなw。
英介とやっかいな仲間たち vol.1

英介とやっかいな仲間たち vol.1

英介とやっかいな仲間たち

吉祥寺スターパインズカフェ(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/07/30 (土)公演終了

満足度★★★★★

お酒飲みながら見る小芝居の面白さよ。
出演者4名がやりたい事(歌、コント芝居、演奏やら)を出しあって、見事やりきってました。
タイトルは篠井さん先導だけど、山中兄弟、草野さんが突っ走っていたような印象がなきにしもあらず。各自、普段の舞台やドラマで台詞を喋っている時とはまた違う別の表情が垣間見えて、それもまた素敵に楽しめました。
お酒飲みながら見る芝居って、限りなくフリーダム!って感じで見ていてお気楽で面白かった〜。多分小ネタは日替わりで変えていきそうで、それだけでも毎回見てみたいw。
そして、あの三人の中で篠井さんのミスマッチの絶妙さにもお値段以上に楽しませていただきました!
是非vol.2開催して欲しいです。

笑いすぎていたので、内容をちゃんと把握してないけどかなりネタバレしてます。
ご注意を!!

ネタバレBOX

サブタイトル〜小芝居四種盛り〜の通り、それぞれの作品の責任者となり4つ演目あり。

1:ブリティッシュ皇太子殿下 by山中兄
Vo:山中兄演じるレオナルド=デカチンチン G:パンティーストッキングナイスの山中弟 B:トマトスキー=イヌギライの草野 D:ポニーの篠井さん 他、志村さんという女性のジャーマネ
それにしてもなんちゅう名前だ‥

楽器弾けないエアバンド、その名も「ブリティッシュ皇太子殿下」結成20年で解散ライブ!パンティ(以下略)はそばが好き、トマトはうどんが好き、ポニーは暴威の狂介と名乗っていた時代のヤツと絡んだ経験有り、代役で熊になったジャーマネと格闘したり、てんやわんやのうちにレオ一人残され絶唱ライブを始めるがいつの間にかメンバー戻って来るがその傍らで、トマトはうどんこねるわ、ポニーは扇子持って舞っているわ、パンティは全員の頭にストッキング被せるわ、そんな中奇跡的にそのストッキングがメンバー全員を繋げる事になり歌終わり終了!
馬鹿馬鹿し過ぎて笑いまくっていたので、正直ちゃんと覚えてない!
なんだか、山中兄の楽しい頭ん中に入り込んだようだった。

次の準備のため一旦小休止。
その都度、素に戻った篠井さんが「すいません」の平謝り。

2:友達 by篠井さん(作のみ、出演はせず)
男1:山中弟 男2:草野 男3:山中兄
男1と3が町を歩いている。男3は男1に他愛のない話を喋り続けている。知り合いに会うと普通に挨拶しまた喋り続ける。そんなやり取りを微笑みながら聞いている男1。途中、男1と顔なじみの自転車に乗った男2に出逢い、ようやく話し始めるがそれは手話だった。その内容も「今度おごれ」とか、何の変哲も無い男3と同じような他愛無い会話。また今度と別れ、終わり。
男1は男3の話を聞いていたようなので、聴力はある聾者なのかな。
自分が多少手話経験があるのでその当時の事を思い出したりしたけど、ま、そんな事はどうでも良い。男性の場合、手話で会話する時、腕の動かし方加減でちょっと力強さが出たりするけど、この話の内容が何気ない日常会話だったので、当たりが柔らかく優しい動かし方で伝わり易かった。
短編ながら穏やかな気持ちになれる良い話でした。

篠井さんによる謝罪の小休止はさんで
3:ガラスのお面 by山中弟
まあや:山中弟 あゆ:草野 月影ちぶさ:山中兄 その他の人たち:篠井さん
タイトル通り、あの漫画です!大作でした!篠井さん以外まんまあの格好で美しく憑衣してました!
月影先生スパルタ!デカイ!まあや(13歳だけどね!)先生に認められたくて実の奥さんに実家に帰られたり、裸ん坊のお子さんにお昼食べさせたり自転車で遊び連れてったり、涙ぐましい努力で劇団月影に入る。あゆも負けじと梅の木になりきったり、もー大変。ほぼガヤ衆と化した篠井さんも面白かった。
次回作は、紅天女を是が非でもやって欲しいですわw!
山中弟一家の手作り手ぬぐいとDVDは完売したんだろうかw

次も大作という事で約15分休憩。
休憩中草野さんのウクレレ演奏ありでした。
途中、演奏に怪しい箇所もあったけどw、聞き易く楽しい気分にさせてもらいました。

4:天狗裁き by:草野さん
八五郎:山中弟 お光、家主:草野 六兵衛、天狗:山中兄 奉行:篠井
女房のお光のそばで八五郎が昼寝している。ふとその表情を見てみると何か夢見ているようで鼻ちょうちんがでたり、非常に楽しそうな面白そうな表情をしている。これは起きたらどんな夢を見ていたのか知りたいと、八五郎が起きた時に聞いてみるが見ちゃいないと言い張る。そのやり取りにカチンと来て大騒ぎの夫婦喧嘩勃発するが、隣の六兵衛が仲裁に入り、お光をひとまず隣家に追いやる。喧嘩の原因はなんでぃと聞くとかくかくしかじか、夢なんか見ちゃいねぇ、ほんとは見てんだろのループに突入。ここでまた取っ組み合いになるが今度は家主が仲裁に入る。ホッとしたのもつかの間、ここでもお約束の教えろとなるが、見てないものは教えようが無いと頑なに口を開かない。しびれを切らした家主、こうなったら奉行所で裁いてもらおうと奉行所出頭。お白州に出ても今までのやり取りを正直に話し、見ていないものは言えないと八五郎申し、その実直さに感心したお奉行、店子と家主はいわば親子の関係、ここで八五郎を裁けば家主も同罪と諭し、納得。一件落着となりようやく安堵する八五郎、しかあし、お奉行が「で、わしだけでも教えてくれ」と。またもや八五郎ピーンチ!と思いきや突如、突風が吹き高野山まで吹き飛ばされる!窮地を救ってくれたのはなんとサングラスでうさん臭いヒゲはやした股間に天狗のお面被った天狗様だった!空を飛んでたらなんか面白い話してるから〜と飛ばしてみた、でどんな夢見たの?と問いつめられ、苦悶する八五郎。だがそこはいつもの自分の寝床‥それを微笑ましく見ているお光。あらあら、なんか夢でも見てんのかしらねぇ‥。終。
古典落語のようで話の筋はだいたい読めたけど面白かった。
和服姿は姿勢がもろに出るけど、みんな姿勢がきちっとしてその姿にもほれぼれしてしまいました。しかし、アメリカンな天狗様反則だっ!あの姿が夢に出そうだw。

カーテンコール1回、山中兄弟と草野さんが挨拶。軽い雑談と明日はまたどうなるかわからない!と。そのやり取りを見ている篠井さんのお顔が保護者のような顔つきで妙に可愛らしかった。
拍手鳴り止まず、2回目はTシャツ姿で篠井さんが挨拶。
1階と2階の客席の(内容の)温度差を気にする。東北の皆さんすいません。客席に向かってまた暑気払いにでもお越し下さい。で〆。

客席でお酒呑みながら、ゆる〜く見ていたので非常に楽しませてもらいました。これを見られた事に感謝!
仕事で初日観劇だったけど、歌舞伎みたいに一幕観劇でも良いからもう一回見たいな〜。ああ、面白かった!

コクーン歌舞伎第十三弾 『天日坊』

コクーン歌舞伎第十三弾 『天日坊』

松竹/Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/06/15 (金) ~ 2012/07/07 (土)公演終了

満足度★★★★★

衝撃的で面白かった!
現代口調と歌舞伎口調が殺伐とした話になりそうな箇所を上手い事中和し、妙にマッチしていた。
衣装がアメフトみたいな肩パットで、歌舞伎演目らしい徹底したデフォルメぷり。お六の髑髏柄着物カッコ良い。
コクーンで見る萬屋さんは誰よりも歌舞伎役者らしい立ち振る舞い、アンコールのはしゃぎっぷりは盛り上げ役に徹してて◎
巳之助、新悟の大和屋の凛々しくて愛嬌ある活躍も楽しい。
真那胡さん、白井さん、近藤さんの小劇場チーム?も歌舞伎芝居に最後まで違和感なく溶け込んで見えた。

コクーン歌舞伎、もっと安い席増設するとか、リピーター割引作ってくんないかな。
折角の面白い舞台なのに、見に来る人が限られているのは惜しいと思う。

ネタバレBOX

歌舞伎演目特有の、偶然から来る因縁と複雑さのハイブリットスピード展開話。
法策、お六、自分を証す事の喪失、価値の消失。
法策を問いつめる久助としての感情と廣元の切なげな表情。

何も置いてない黒い壁に囲まれた中での壮絶な大立ち回りとトランペットの演奏は、格好良過ぎて鳥肌立った。
ミュージカル「わたしは真悟」

ミュージカル「わたしは真悟」

ホリプロ

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2016/12/02 (金) ~ 2016/12/03 (土)公演終了

満足度★★★★★

プレヴュー初日観劇。
エイゾウ コミック ダンスミュージック、フクゴウエンタメステージ、ハジマルマエカラ シカケガアリ、エイガミタイナスクリーン ニ スミマデミテネ。

ロビン ノ ヘンタイコウイモ ウタッテシマエバオッケー、ゼロワンノセカイカラ アイ ヲ ミツケル。 ソンハクン ハ ウタッテオドッテ デゾメシキマデ、リアル ハツネミクサンカ、イヤ ホリプロナラバ ダテキョウコサン ト イウベキカ。
ジツニオモシロカッタ。

カタカナで感想書いていくのムズイわー。原作未読。
ダンサー含め演者さん、皆さんお怪我なく駆け抜けられますように。
大変面白かった。

原作ファンの方も多かったのか、これまで舞台観劇とは無縁そうな男性客もちらほら目に。
また映像など、かなり活用されるため、舞台前方席だと少し見えづらい箇所はあるかも。来年の新国立公演では演出に多少変化があるかもしれないが。
私事だが、この劇場では初めて2階から観劇したが、案外見やすいことがわかり、今後の観劇時の座席選択が広がったのも良かった。
一幕約70分、休憩20分、二幕約60分。

ネタバレBOX

80年代の作品なのに、まるで現在の日本や世界を見ているよう。
脚本は谷賢一さんだが、ダークファンタジーぽい構成ながら物語に入り込めて興味深かった。ミュージカルと音楽劇の違いはよくわからないが、挿入歌も聞いてて心地よい。無意識に「♪さんさんさんの〜」は一緒に口づさんでいた。
男の子、女の子、淡く幼い恋愛とそれに区切りをつける一因となる真悟と名付けられた産業ロボット。機械ならば感情ない故、無機質な行動で騒動起こしそうだが、真凛と悟からプログラミングされて生まれた真悟の多彩で細やかな動き、事件の果てに見せた行動の結末。ラストシーンで、互い違いのブランコで無邪気に遊ぶ悟と真凛、そのブランコの動きを合わせる真悟。真悟の姿は2人の目に見えないが、真悟はずっとそれ見たかったんだろうなー。

照明から電気系統が大活躍で、演出力って凄いんだなーと先日見た某舞台との違いを改めて思い。
白鯨-Moby-Dick-

白鯨-Moby-Dick-

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2015/12/08 (火) ~ 2015/12/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

文学座名作劇場みたいな
セットらしいセットはほとんどなく、全ての視覚は船上の役者に注がれる。そこには気温を感じる灯りや靄がかかったり、宿になったり酒場になったり。フレキシブルな白い幕引き使いや生声や小道具を楽々と扱いながら奏でる音楽。
海上で他の船と遭遇して白鯨にまつわる情報を得た後の船長の自尊心に巻き込まれた先の結末まで、最後まで飽きさせない展開に童心に戻って楽しめる演劇でした。
正面座席からの観劇だったので、強大なアレの迫力も体感でき、とても面白かったです。

鑪―たたら (残席僅か)

鑪―たたら (残席僅か)

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった。
山路氏山本氏が早船作の舞台に出るという事で、かなり期待して見たら予想を上回るええ舞台でした。
最後のあの場面はとても美しく、まるで名画を見ているみたいで終わった後もしばし見とれてしまった。
息子役、石母田さんの2役変わり身も巧みだわ、横堀さんのおっさんなのに弟的な可愛さとか。「鑪」ってそういうことだったのか、と理解。昭和のお茶の間劇では各自、適役すぎて笑った。
約2時間。

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

劇団チョコレートケーキ

シアタートラム(東京都)

2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

2日目観劇
初演観劇済みだが、劇団の持つ質の高さを確信した一作。初演時の感動をが忘れられず「再演」の一報を目にした時から観劇日を心待ちにしていた。また感想をあげるのも蛇足のような気もするが、すでに観劇済みの皆さん同様、今回も感動したのは確か。
初演の駅前仕様の舞台セットから、少し広めのトラム仕様になった(がセッティングにはあまり変化ない)事や側近の所作など多少の変更はあった気もするが、場面の改変などはあまりなかったような気がする。

天皇一家の家庭劇、と例えるのも変だが、与えられた運命の重さに身構え、フィクションでありながら、さながらノンフィクションの舞台を見ているかのような錯覚。奇しくも前回と同じ場面から涙がつらつらと。
話の重厚さから身体の芯から硬直しそうになるが、見飽きる事なく物語の中に入り込ませた話の巧みさに、140分近くがあっという間に過ぎる。良舞台を見せて戴き、感謝。

全体を見たい場合、上手側からの観劇が良いかも。

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

思いつく言葉がすぐには見つからない
終戦間際の日本統治下にあった国。今回も展開は重い。
真面目に生きているだけなのに、それを粛々と受け入れる覚悟に、こちらは見守るだけしか出来ず、結審後の行く末から噎び泣きだった。
何も気にせず明日の事を考えられる世の中は良き時代なんだよなぁ。
役者さん全員素晴らしかった。階段の組み合わせのセットも面白い見せ方でした。

約135分。

「隠し剣鬼ノ爪」「盲目剣谺返し」

「隠し剣鬼ノ爪」「盲目剣谺返し」

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/02/23 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

ほぼ前説+2つの60分作品
作品の時代的には、谺返し→鬼の爪だけど、自分が見た日は鬼の爪→谺返しの順。原作小説の世界観が見事に一時間弱の舞台作に収まっていた。
華美なセットはないけど、役者の上手さにより、登場人物の繊細な心の動きや殺陣で見ている側の想像力を深く刺激していたと思う。
二作品、異なる役で出ていた役者陣も善人、悪人の切り替えが見事。
どちらも良い舞台だった。

ネタバレBOX

隠し剣鬼の爪
道場主から秘剣を伝授されている主人公、片桐。
御前試合で敗者にしてしまったかつての仲間、狭間。
上役を斬って山奥に幽閉されるもそこで人質を取り立てこもる。片桐と対決したいが為の行動に驚き悩むも対決を決意する。
片桐家の女中・さえとの微笑ましく見える光景や、知己の恩師友人との関係、狭間の妻の夫へのけなげな思慕が美しい。
性悪武士への秘剣場面の見せ方も見事だった。

盲目剣谺返し
お毒味役の武士・三村、毒にあたり盲目となるも、妻の加世や下男の爺や徳平に支えられながら立ち直ろうとする。ある時、妻の行動に不信感を覚えた三村が徳平を遣い行動を探らせると、自分の権力を嵩に妻を良いように扱っている上士の存在を知る。
復讐心より武士としての誇り、口に出さず胸に秘めたまま妻への想いを抱いているような雰囲気を醸し出していた大内さんが役柄に合っていた。その妻、加世さんの内面からの綺麗さが伝わり、物語に合った清楚な和風美女で素敵だった。
静の主人公夫婦と対比するかの様な、山崎夫婦(特に妻)の登場場面は舞台に花が開く様に明るい。上手いわ、笑えるわで、流石の貫禄。
それに肩を並べる位良かったのが爺や徳平。主人の言動や行動にオロオロ心配したり、爺やの仕草の一挙手一投足がどこか可愛くもあった。
上士島村のヒールっぷりも迫力あり。
最後の決闘場面、動きの限られた舞台上での殺陣は、自分の座席から姿が見切れて見えてしまい、ドリフだったら「三村さーん、うしろうしろー!」って声が聞かれるような見切れ方は致し方なかったけど。
最後の場面まで気が抜けなかったが、素敵な幕切れにまたホロッとさせられる。
最近では、言葉遣いや所作や衣装等、ちゃんとした時代劇に接する機会が少なくなり淋しいが、この二作品は幅広い年代に受け入れやすい作品ではないかな、と思う。

上演前にほぼ前説として、和装でビシっと決めた西川浩幸さんと劇団員の方が登壇していた。西川さんが観客の前で舞台に立つ事が特効薬となるのなら、こちらも頑張ってその薬になりたいと思う。でも、あまり無理はしないでほしいが。
ヘンリー四世

ヘンリー四世

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2013/04/13 (土) ~ 2013/05/02 (木)公演終了

満足度★★★★★

最終日観劇
休憩込みで4時間越えても、丁寧でわかりやすい(聞きやすい?)台詞、アドリブに見えて実は計算されたかのようなハプニングにも堂々と対応出来るベテランのキャスト。
舞台の奥からゆっくりとセットが現れたり、照明の加減で宮殿の一部が際立ち、場面転換の一部なのに人物の行進も計算された美しさに見える。
集中力途切れず、細かい所まで手が行き届き、続きの展開が想像出来る心憎い終り方。
贅沢な舞台で面白かった。納得のスタオベ。舞台堪能出来て満足。

ホットスパーの星さんと、婦人/ドルの富樫さんが特に良かった。
鋼太郎さんや木場さん、辻さん、瑳川さん達、それぞれが役柄シャッフルしても舞台成立しそう。
映像での活躍は見た事ないが、松坂さんは蜷川舞台に初めて出演した時の、かつての小栗旬さんを彷彿させフレッシュで好演だった。
矢野さん凛々しく、こちらも好演。

ネタバレBOX

巨漢中年不良騎士のフォルスタッフ(ようは大ボラ吹き)と自由奔放のハル王子の喜劇的で軽快な交流、親子愛、反乱、葛藤、男女の愛憎も交えた第一部。戦闘場面も迫力あった。

二部。戦争に勝利した後、フォルスタッフとハル王子の関係も徐々に変化が出るが気づかないのはフォルスタッフだけ。
自分の立場、王として国を継承する事、それを見ている弟や側近。
ハル王子の心境の変化が見えるベッドサイドでの王冠のシーンは、面白さを含め見所満載。
継承決意後、お祝いに駆けつけたフォルスタッフをあしらうハル王子の王としての品と鮮烈な存在、対応の豹変に驚愕するファルスタッフの愚かさや狼狽さが余計に皮肉。
王位継承の行進で降り注ぐ深紅の薔薇、少し白い薔薇も見えたが、次の薔薇戦争へ続く心憎い終り方で印象的だった。
キネマと恋人

キネマと恋人

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2016/11/15 (火) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

プレヴュー公演2日目観劇
基ネタである映画のほうは未見だが見てなくても無問題。
台詞の方言使いや出ている人達の段取りも大変そうなんだけど、流れるような転換が見事。映像は相変わらずカッコイイ。
この舞台の妻夫木君はケラさん流のスターシステムな役割みたいだったけど、それが似合ってて良かった。そして緒川さんが美しくも可愛い!
映画館で見る映画への愛が溢れる、ケラさん流ニューシアターパラダイスといった感じ。
野蛮な人物も出ては来るが、気持ちがあったかくなるビターエンド舞台、だけどそれも良し。

約3時間15分、休憩15分あり。
トラムの座席で長丁場の観劇は体に悪そうだが、90分の面白い公演を2本続けて見た、といった感じで、それほど苦にならず。

太陽

太陽

イキウメ

青山円形劇場(東京都)

2011/11/10 (木) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

重くて切ない望み
大窪さんと加茂さんのこれからの活躍が楽しみ、と思わされた舞台。
色っぽい伊勢さんも良かった。
寓話であって欲しい分、現代の問題要素も連想させ考えさせられるけど、良い舞台でした。

ネタバレBOX

若い故からの行動なのか、鉄彦の青臭い考え方と、人の良さと衝動的に怒ったりする森繁のエロ本の心の交流(笑)から始まる二人の間柄に対して、曽我夫婦の関連はちょっと薄かったような印象。
ノクスの差別的感情という言葉を聞いた時、いい子ぶる気はないが胸の奥がヒリヒリするような思いがした。
原因を作った克哉がまた憎たらしいと思わせる行動と発言を繰り返し、強烈なインパクトがあった。

選ばれた人間の明と暗。
キュリオからノクスに変わる様はあっという間だったが、各親子が揃い、結が溌溂と「これから」を吐露し始めるところから涙腺が緩くなってきて困った。
それに応える純子さんと黙って聞いている草一さんの姿が切なすぎる。草一さんの後ろ姿しか見えなかったけど、花嫁の父ぽかった。
故郷は同じ場所なのに、ノクスの金田とキュリオの草一を隔てる見えない壁。何処かでこぼれ落ちた金田の心。彼の最後に取った行動にまたホロリ。
またそれまでの行動から、鉄彦と森繁の間に信頼が芽生えたように思えてたので、尚更、最後の手紙を破るシーンの表情を見たかった。(自分の席からは彼の顔が見えないとこだった)
でも、きっとそこから先に進もうとする決意ある顔をしていたんじゃないか、と希望的想像解釈してみる。

良い舞台でした。

このページのQRコードです。

拡大