ちっちゃなエイヨルフ
メジャーリーグ
あうるすぽっと(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★
極々いたって普通な会話劇
とても真面目な作品です。どこにもフザケタ部分がなく、
真正面から題材捕らえている印象があります。
シアターガイドのインタビューで、勝村氏と演出家が
「とにかく本読みを繰り返している」と書いてましたが、
その効果と思えるよう、とにかく台詞は役者の芯から発せられている
感があり、とても自然な役つくりになっていると思います。
だけど、ただただ、それだけ・・・・
真面目な人って、誠実な人って、面白味にかけるし、
退屈、ある意味、絡みづらいのと同様、
(もちろん、僕の場合だけど)
何の変化球もない展開の中、
だいたい先が読めちゃうような話、
極々いたって普通な会話劇に付き合うのは
ツラかった。睡魔との闘いです。
会話劇といっても、シェークスピアや三島作品ほど、
台詞の言い回しのテクニックを楽しむ内容でもなければ、
芝居に抑揚もなく、
ラジオドラマで十分っすねぇ。
あ、生で見なきゃ、とよた真帆の背の高さは堪能できないけど。
大林素子と同じ位!本当に背が高かった。
2回目の「あうるすぽっと」
前回は3000円で地方小劇団を見たんですが、
今回は、定価6500円もして
テレビに出ているスターさんの作品。
ここの劇場もねぇ、どうもシアター1010同様
地方の公民館的な安っぽさというか、簡素さというか、
重みもない劇場。
エレベータの基数も少なく、2階という名の4階まで階段で上がらされ
(これは本当に注意が必要、階段ツライです)
四季の仮設劇場を思わせる薄い床、トタンのような、壁。
3000円ならいいけど、5000円以上する作品って、
ドロウジ-シャペロンじゃないけど、現実を忘れさせるような
雰囲気作りを劇場はすべきと思うんだよね。
ソフトとハードは連動するものですし。
でも、あうるすぽっとも、シアター1010も、赤坂レッドシアターも
稼働率がいいっていうか、コンスタントに上演されてますねぇ。
この不況なのに、演劇ファンの裾野が広がっているのか、
それとも賃料を既存の劇場より安くしているのか。
劇場としてのカラーというか特徴は全くないけど。
外伝ベルサイユのばら -アンドレ編-
宝塚歌劇団
中日劇場(愛知県)
2009/02/01 (日) ~ 2009/02/23 (月)公演終了
満足度★★
華麗なる地方公演
初めて、大劇場、東京宝塚劇場以外での公演を見ました。
確かに、直営劇場ではないけど、一流の劇場での一ヶ月公演。
ちゃんとした作品を期待したんだけど、
これが噂に聞いていた地方公演ってものなんだ、と発見。
出演者数は、直営劇場の半分、オケなし、大階段は10段とコンパクト。
舞台装置も、非常に「突貫工事」らしい、簡素なもので、
装置がちゃっちい分、紙芝居のごとく背景画で場面転換するしか
方法がないせいか、しょっちゅう暗転があります。
一応、それなりのチケット代金はしているし、
約1500席も連日満員なんだから、もう少し重厚にしても
良いじゃないか!!!
やっぱり数の原理はたいしたもで、宝塚って、80人近くの
タカラジュエンヌが舞台に出ているから、
圧倒的な迫力があるのであって、
30人そこそこじゃ、舞台もすっかすか。
しかも、2番手以下の実力派(他の作品に出ているみたい)も
不在で、ドラマに厚みもなく、
なんとも寂しい限り。
直営劇場で見れる人は、無理して地方にいく必要はないですね。
宝塚のキラびやかさ、華やかさはありますが、
期待に沿える内容ではありません。
ベルゼブブ兄弟
劇団鹿殺し
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★
以前と変わった?
こまばアゴラで上演された「卍」から何作か見ているけど、
今回の鹿殺しは、以前と雰囲気が変わったような印象。
全てが具体的な描写であり、
つかこうへいを意識している作風とは違う。
主役の長男の人は、他の劇団の人とのこと。
こういう劇団本公演でありながら、作品にあった
配役をしているのであろうか、これは潔いと思う。
でも、この手の作品は、他の小劇団でも、上演されているような
内容なので、個性や目新しさはなく、
むしろ後味の悪さだけが残り、
なんとも見ていて体が強張るようなストレスになった。
初めての赤坂レッドシアターの感想を少し。
外から見ると、とっても洗練されていて高級感漂う、
まずでワインバーの入り口かと思う洗練なんだけど、
劇場の中は、至って簡素な構造。
テレビでおなじみの人を見るには、また4000円以上払って
見る作品にしては、安っぽいし、
アングラ感ある作品を上演するには、ちょっとお上品。
なんともアンバランスな劇場ですなぁ。
でも韓国人も多いし、「地下鉄一号線」を上演するには、
ちょうどいいんじゃないかって思います。
サイズや雰囲気も、ぴったりと思う。
赤坂の町も、ACTシアターも出来たし、
これまで馴染み薄かったけど、機会は増えそう。
劇場の閉館は話題にあるけど、
新しい劇場に対する話題も、もっと取り上げて欲しいです。
この世界にはない音楽
むーとぴあ
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/10 (火)公演終了
満足度★★
女の子の夢物語
いかにも女性的で、甘酸っぱい御伽噺。
少女マンガとかコバルト文庫(!)じゃ、こういうお話が人気なんだろうなぁ。
決して、アールグレイの紅茶の味を理解できない自分には、
この手の話のよさは、感じられない。
丁寧に一生懸命作ってくれたクッキーを
「まぁおいしいよ」としかコメントできない感じと同じ・・・
無粋で申し訳ない。
Tragic Situation Theater『蛇姫様-わが心の奈蛇-』
フジテレビジョン
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★
最初から最後まで理解不能
何の予備知識を持たずに行った俺も俺だけど、
まず最初の幕間に公演ポスターで確認するまで、
誰がEXILEなのかさえ、わからなかった。
彼は脇役で、山口さやかと藤原なんとかって人が
主役の話です。
タイトルロールの山口さやか以外、ほとんど誰も知らない役者、
学芸会のような演技の上に、
話の筋も意味不明、時々描かれる惨殺なシーンだけが
後味悪く残る中での3時間、ん・・・かなり苦痛な観劇であった。
唐十郎だから、ちょっと抽象的な話ってのは
予想していたけど、
そこに、つかこうへい風汗臭さと、蜷川風ブルーカラーも混ぜて
EXILEライブで使うスペシャル照明で味付けしましたって
演出、これはどんな人が楽しめるんだろうか???
演出家の人は、テレビドラマじゃ情緒深い作品を提供しているのに、
なんで舞台では、こんな、
支離滅裂な作品に仕上げているんだろう???
Call Me!漬物売ってんだ~!!
セメント金魚
笹塚ファクトリー(東京都)
2009/01/27 (火) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★
なんだか平和だなぁ
サラリーマンを劇場に!との触れ込みで上演している劇団だそうで。
縁があって、便利だけど地下にあって異様に底冷えのする笹塚ファクトリーへ。
老舗の漬物屋さんで繰り広げられるドタバタ劇ですが、
昨今の世情を感じると
「なんだか平和だなぁ」「オメデタイなぁ」と
話が進めば進むほど、冷めて引いていくような内容。
確かに劇場の中でまで、この不況を感じるような作品を見るのも
切ない感はあるけども、
これはかなりデリカシーがないなぁと思うような
筋書きであるのも事実。
かねてより不思議なんだけど、結構いい年の役者さんも
出演されているけど、普段何しているんだろう???
小劇団の役者さんって、若者とか女性とかご年配の殆どと
感じるんだけど、
この劇団のように働き盛りの男性陣って、余裕があるのかなぁ
ジェラシー ~夢の虜~
劇団フライングステージ
駅前劇場(東京都)
2009/01/24 (土) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★
ジェラシー 鑑賞
ミッシングハーフの9年前という設定。
作品としては絶対的にミッシングハーフのほうが
よく出来ています。
パート2ものの典型といえるほど、グレードが落ちていました。
沢山の登場人物がワーワー騒いで
ポーズ決めて(見せ場があって)いるだけで、
それぞれの登場人物は浅く、
芯となるはずの関根氏の位置付けさえも、ぼやけてしまっている。
上演時間2時間
底冷えする駅前劇場の硬い椅子で、この長さはキツいなぁ
ところどころ、ケタケタ笑っている人がいましたが
内輪ウケする話だったんだろうか???
ジェラシー ~夢の虜~
劇団フライングステージ
駅前劇場(東京都)
2009/01/24 (土) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★
ミッシングハーフ 鑑賞
初 フライングステージ
表題の作品の後日談(でも上演は、以前)とのこと。
いかにもゲイの方がすきそうな、
女の気丈さやプライド、いわゆる女優物でありました。
でも、構成がしっかりしていて
飽きずに楽しめました。
関根氏は体が大きすぎるから、
篠井氏ほどにはなれないだろうけど、
この道を極めてほしいです。
しかし客席は、比較的若くて普通の男の子っぽい子が
多かったけど
(だいたい劇場は、勘違いしているような女性ばっかりなんだけど)
みんなゲイなのかなぁ。
ロックミュージカル『スーザンを探して』
東宝
シアタークリエ(東京都)
2009/01/06 (火) ~ 2009/03/05 (木)公演終了
満足度★★★★
もう一つの「マンマミーア」的な???
これは、もう一つの「マンマミーア」だ!!!
似たようなストーリー構成、くるくる回る装置、ヒット曲を用いた楽曲、何より、保坂知寿(ドナ)と配役はされたのに一度も出番がなかった狩人兄・加藤(サム)のコンビ、堂々のお披露目。
正直、G2の演出で当たりはこれまでないし(同様スタイルのOUR HOUSEはじめ、魔界転生などの大作が対象)、キャストの平均年齢は加齢臭漂うほど高いし、何より大嫌いなシアタークリエ、
なんで映画館(あそこは芸術座の跡じゃないくて日々谷みゆき座の跡地)で席間が狭い居心地の悪い椅子、しかもパイプ剥き出しで視界を襲ってくる天井の低い劇場で・・・って二の足を踏んでいたけど縁あって見に行きましたら、いやいやなかなか面白い。
不本意ではあるけどもクリエで結構見てますが、これまでで一番いいんじゃないかな。
この劇場のスペックに合わせた舞台装置と演出で、よくまとまっている。そして適材適所な配役。
加齢臭漂うメインキャストを浄化する瑞々しい爽やかなアンサンブルも◎。これは拾いもの。
地味で能面な保坂だからこそ演じられた普通の主婦、そのおかげもあって際立った、決して普通の主婦は演じられない真琴つばさが、より目立つことが出来、他のキャストも含め、珍しさはないけど、よいバランス。しかし狩人・兄って、すごい体してたなぁ。もう50歳位?郷ひろみよりも全然割れている!!!
マンマミーア好きな人なら気に入るんじゃないかな。
香寿たつきでリピートしちゃお!!
新春浅草歌舞伎
松竹
浅草公会堂(東京都)
2009/01/03 (土) ~ 2009/01/27 (火)公演終了
満足度★
これは、単なる学芸会 新人発表会以下
なんとも、やすっぽい出来栄え。
幕開けの口上で亀治郎が「チケット代金は歌舞伎座の半分です」って誇らしげに言っていたけど、見応えは百分の一以下。
地方巡回1枚5000円の公演のほうが、よ余程ましです。
舞台装置や美術が簡素で稚拙な装いならば、
演技陣の内容は、学芸会、正直お遊戯です。
あれなら見てくれが綺麗な男の子達の芝居を見ていたほうがマシです。清潔感も純粋さも、ひたむきさも感じられない。
わかりやすい演目を廉価で、という触れ込みの元に始まった公演だけど、去年まで出演していて人気の出た若手はどんどん他の劇場へ行き(呼ばれ)、
残り者だけで上演しているから酷いのも、わけない。
時間の無駄です。
それでも、昼の部に行ったのですが、不況なんて、そこ吹く風で、場内は熟年女性で満員。みんなタニマチなのかなぁ。
個人的には、惰性で上演しているとしか思えないし、
特に亀治郎ごときが?なんだろうか、そのせいか下手なくせして
悪ふざけみたいな芝居を無茶にして、これは若さの疾走ではなく
単なる勘違い、みっともないです。
昔みたいに誰か一人(団十郎とか三津五郎とかしていたなぁ)お目付け役がいたんだけど、だれも指導者もいないようだし、内容も酷いし、
もう、やめたほうがいいんじゃないでしょうか
ドロウジー・シャペロン
ホリプロ
日生劇場(東京都)
2009/01/05 (月) ~ 2009/01/29 (木)公演終了
満足度★★★
豪華な新春おせち料理的ミュージカル
新春にふさわしい、ゴージャスなキャスト、内容、そして楽曲。
決して劇団四季では見られないスターのオーラの醍醐味を感じられる華やかで魅惑の作品!だけど・・スカッと短い100分の作品なのに、魅惑の木の実ナナ(もっと大劇場、大作に出演してほしい)や熟練の味な中村メイコを始め、友近の恋人さえも爽やかで見応えあるのに、開幕40分を過ぎた辺りで既にストレス、そう藤原紀香が、どうもに性分に合わない・・・あの勝ち誇った顔が鼻につき、うっとうしいのだ。そして昨年のNHKで似たような役柄の番組をしていた小堺一機、全てを悟ったような、あの芝居は、本当に不愉快。総じてミスキャストとは思わないけど、
でもどうも感じが悪い・・・ん・・・とどのつまりは宮本亜門と
センスがあわないのかなぁ・。
カーテンコールでキャストがガザ地区への募金を呼びかけていたのは閉口。ミュージカルって劇場って、現実を忘れる空間って言っていたのは誰だ!その時の藤原紀香の優越感あふれる顔ときたら・・・あれが嫌で岸谷吾郎や寺脇も彼女を降板させたに違いない!!!
劇団四季ソング&ダンス~55STEPS~
劇団四季
四季劇場 [秋](東京都)
2008/10/04 (土) ~ 2009/03/29 (日)公演終了
満足度★★★
ザッツ阿久津陽一郎ショー
初日に続いての2回目の観劇。
これは、劇団四季云々というよりも、すっかり
「阿久津陽一郎リサイタル」
四季という狭い世界にいるのは気の毒なほどの、
日本有数の舞台俳優、ミュージカルスターである阿久津陽一郎を、
キラキラ輝かせた、というよりも、
彼が真ん中にいると自然と個性のない四季役者は皆、
単なるアンサンブルになってしまうといっていいほどの魅力が
あふれる彼のワンマンショーと勘違いしてしまうほどの
様相であった。
彼の役者としての華というか、愛嬌は本当に素晴らしい。
今回、いつもの正義感あふれる役柄とは別に、
ノートルダムしかりジーザスしかり、皮肉役というか、
悪役も演じていたが、これが以外や以外、しっくりきている。
エリザベートのルキーニでさえ楽々演じちゃうんじゃないか。
芝も出演しているのだが、彼は引く演技が出来ない人なんだなぁと改めて閉口。彼の当たり役であるチェやユダのナンバーを
阿久津君が歌っていて気分を害しているのか、大きな声で歌い、
下品な芝居でにぎやかす。そう邪魔をしているのだ。
彼が上手い役者であり器用なことも認めるが、なにせ華がない。
カルチャー教室の、ちょっとオカマ入っている先生にしか、
見えないのだ。
井上智恵も上手だけど、大地真央様の当たり役の
マリアをやらされたら、これはお気の毒。
彼女も大きな声でわーわー歌えばいいってタイプなんだろうか、
どうにも味がない。
可愛くないから情がわかないのかなぁ。
初日に比べると、アンサンブルは、かなりまとまって、
綺麗なマスゲームを繰り広げている。
でも、所詮は阿久津君のバックダンサーみたいなもの。
この作品、地方も回るらしいけど、地方には本日の出演者は
行かないんだろうなぁ。
3つ4つ格下の中国人達で上演されるんだろうなぁ。
四季はチケット代下げた下げたって行ってるけど、
キャストは、十分の一以下の魅力の人たちにさせているんだから、大きな事いえないでしょう?
シェークスピアだって、松本幸四郎や唐沢寿明が演じれば1万円以上でも払うけど、日本語がつたない中国人や韓国人が日本語で演じていれば、1千円だって払わない。
かなりズレている気がするんだけど・・
飛び降りたらトランポリン
なるせゆうせい
ベニサン・ピット(東京都)
2008/06/03 (火) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★★
ベニサンピット向けの作品ではないなぁ
劇場の持つ作風って大切と信じております。
倉庫のような概観で、無機質な劇場であるベニサンピットは、
TPTを代表として、
大人向けでアートな作品、上質で丁寧に仕上げられた
作品が、特徴と言えよう。
若手の作品であっても、上手い下手はともかくとして、
演劇にかける熱意(暑苦しい!)、でも情熱が溢れ出ている
作品が多く、いづれの場合も好感度の高い作品を送り出している
劇場の印象がある。
見た目以上に格調と歴史のある劇場と。
劇場に入って、開演前の無機質な空間を見ていると、
その劇場で見た、いろんな作品がフラッシュバクされてしまう。
どうしても比較論になってしまうのだが、
それらの作品に比べると、正直、学芸会レベル、キティ所属の
新人タレントによる演劇発表会のようなレベルとしか
言いようがない。
これで有償公演かよって思っていたら、
大量の招待客って札が席に・・・
そういえば客席にも、いやに若い男の子連れが多く、
この手の作品って、女性客が埋め尽くすはずなのに、
みんな出演者のお友達なんだろうな。
きっと、東京芸術小ホールや、シアターサンモールあたりで
上演されていれば、そうでもないかもしれないけど、
どうも、軽々しく演じているような、安っぽい印象・・・
ふざけて舞台の上に上がっているような、素人芝居の極みのような、
ばかばかしい仕上がりに見えてしまった。
実績のある脚本のようなので、やり方によっては、
もっとエンターティメントに溢れる活劇になったのだろうけど、
それをベニサンピットでねぇ。
都会の片隅のバーで、ファミレスの料理を食べているような感覚。
話の内容も、今さらねぇっていうような、ありふれた作品。
退屈ではないけど、杓子定規に沿った内容を型通りに綴る、
間違いはないけど新鮮味もない、どうってことない内容。
実績がある=古いってことなんだろうな。
スタンダードになりうる程ではない。
出演者達は元気にバタバタ空間を右往左往走り回っていますが、
それだけで、印象に残るような芝居、シーンも残らない。
へぇって思ったのは、主役の白川って男の子、
元関取って聞いていたので、かなりの大柄なのかと思ったら、
普通の今風のスマートなイケメン。
サービスショットで裸も見せるのだが、体脂肪の少なそうな
締まった体つき。
細い太いって体質ではないんですね、やっぱ努力なんだ・・・と
話とは関係ないところで関心しました。
マンマ・ミーア!【2021年4月28日~5月11日公演中止】
劇団四季
新名古屋ミュージカル劇場(愛知県)
2008/03/01 (土) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★
井上智恵のドナ
新しいドナが誕生!との触れ込みで、きっかけ見つけて
駆けつけた「マンマミーア」in名古屋。
劇団四季のトップスターの一人、井上智恵が演じるとなれば、期待度◎。
感想は・・・ん~
確かに歌は上手なんですが、それは歌い上げるテクニックや声量の
上手さであり、軽いポップな歌謡曲のアバのナンバーには、
今一つノリ切れていないよう、流れがないんですよね。
実年齢よりも年上の母親役と、実年齢より、ぐんと年下の娘役が
二人並ぶと、親子というよりも姉妹。
新しい人、若い人が登場することは、ロングラン作品では、
とても新鮮ですしウェルカムなんですが、
誰でもいいってわけじゃないんですよねぇ。
いくら実力があって本格派であっても、
あまりにも見た目と役柄の年柄に開きがあると、
まるで学芸会のように見えてしまう。
この先10年、演じられるように今から役を取得するのは
かまわないけど、
それまでの間、付き合わされる観客は、いい迷惑ですよね。
あと、井上智恵って真面目な雰囲気なんですよね、
誠実というか優等生っぽいんですよ。
そんな人が奔放で遊び人のドナって役柄は
根本的に合わない。
小悪魔的なイメージやコメディのセンスって、
持って生まれたものなんでしょう。
センスのない人が、コメディぶる(面白い人間ぶる)のは、
実生活で周りにいても目障り。
もちろん、ゴミのような作品が平気で上演される昨今、
一定水準以上の出来栄えではあります。
大好きな作品、大好きな役者さんで上演されると
どうしても期待度が高すぎて、目が厳しくなって辛口な意見を
しまいました。
鈴木ほのかのように、キャラクターさえ合えば
実力がそこそこでも、サクっと軽く演じてくれたほうが、
この作品には合うと信じてやまない。
レミセラブルやオペラ座の怪人のような重い話でもなく、
ディズニーファンタジーでもない。
楽曲は歌謡曲ですし、話も言わばホームドラマですから。
『誰ソ彼』(たそがれ)
ジェットラグ
シアターサンモール(東京都)
2008/05/29 (木) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★
オリジナリティが全くない上、酷く低俗な作品
サンモールスタジオかと思っていたら、シアターサンモールでした。
あまり知りませんが、この作品の誰に、そんな集客があるのでしょう?
ピースとかいうお笑いタレントに人気があるのか、
女優陣に固定客がいるのか。
ヒロインの女の子は秋葉系かグラビアの子なのかなぁ。
僕の周りは、見慣れた客層ではなく、異様に男性が多かった。
小太りでディバク持った男性陣に囲まれて、
汗臭さと鼻息の荒さに揉まれながら、
なんともいえない居心地でした。
バックステージものとか、下宿?の中で繰り広げられる日常、のような
シチュエーションの話って、いわばホームドラマや時代劇と同様、
ありきたりでマンネリになりがち、
新しい切り口は難しい、だけれども、そんなにハズレにはならない。
経験の浅い集団が、選ぶ題材としては無難ではある。
この作品は、チラシのイメージであるシックというか大人でシュールな
雰囲気とは、ぜんぜん関係ない。
内容は、重みも落ち着きもない日常ドラマ
なんですが、これが驚くほどアホらしい退屈な作品。
よくぞここまで、くっだらない作品に仕上げたなぁと思うほど、
何を考えているのかわからないような支離滅裂な展開が続く。
テンポも悪く、90分しかないのに、3-4回、ウトウト寝ちゃいました。
キャラを際立たせる為なのか、どいつもこいつも、
わざとらしく大げさに演じられ、見ていてイライラしっぱなしなほど、
くだらない人物設定ばかり。
どの場面も、どの台詞の言い回しも、
ありきたりで、いろんな作品を、ちょっとずつ真似している、
この作品ならではのオリジナリティは全くない、
コピーの寄せ集めのような作品。
そのコピーした素材を全て悪いほうへ下手な味付けにして、
汚くまとめているから、
中身がぐっちゃぐちゃ。
いや唯一のオリジナリティは、
どう転んでも、ありえないような場面設定が並べられ
(特に後半)、こんな低俗な作品を有料で上演しているって
ことでしょうか。
役者陣は、それぞれの与えられた役を、
まぁまぁ演じているので、
脚本と演出のレベルが低すぎるのでしょう。
プロデューサーは、こんなんで、いいと思っているのでしょうか?
今日は初日だったようですが、
プレビュー公演でも、これほど低い完成度の作品は
久しぶりのような気がします。
酷い作品だなぁとイライラしながら幕が下りた後、
開催されました
アフタートーク会で、中国人を演じていた女優が
「私、間違えちゃった」って、ヘラヘラしながら、その後も
大きな態度でいる様子を見て、不快感爆発。
いっぱしに4000円もチケット代金をとっておきながら、
不真面目、観客をバカにするのも、甚だしい。
その時点で帰りましたよ。
雨の中、平日の仕事帰りに足を運んでいる人が多数とも思われるのに、
誰も「ご来場いただいて、有難うございました」と、
お礼の言葉もせず、適当にやってるんだろうな。
役に立たないオマエ
ブルドッキングヘッドロック
サンモールスタジオ(東京都)
2008/05/22 (木) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★
イメクラ寸劇
実年齢は定かでないが、目じりの小じわや肌の艶から、
30歳、三十路は過ぎていそうな出演者達が、高校生の格好をして、
高校生のように、大して中身のない内容の話を演じている。
その年齢くらいの女性の学生服姿ですから、お色気モノの話かと思えば、
もちろんそんな訳でもなく、
コントかなぁと思えば、
笑いのない話を2時間以上もダラダラ上演されているわけですから、
もちろんコスプレコントでもありません。
いやぁ正直キツいねぇ、大劇場ならともかく、
小さな小さな劇場で、大人の学生服姿、これは単にイメクラ寸劇です。
他の方は違和感がないとの感想でしたが、
僕には最後の最後まで、その違和感が強く、真面目に話を見る
気分になりませんでした。
10代の少年・少女が使う独特の若者言葉って、
大人が使うと、とても嫌味といいますか、
物凄く感じの悪い耳障りの悪い響きです。
いい年した大人の男が「ちょーうぜー」とか
いい年した大人の女が「やばくない」とか。
少年少女が使う分には、流行言葉でいいですが、
オッサン、オバサンが使うと、とても相手を馬鹿にしている、下品な
印象にしかなれません。
陰湿なイジメにも見えてきます。
それもこれも、高校生には見えないキャスティング、
高校生に見えない役つくりのせいでしょう、土台がダメですから、
全てが悪夢とも言えましょう。
高校生が使う言葉って、意味がありそうでないじゃないですか。
「死ねばいいのに」って言葉一つとっても、
若い人が言う分には、誰かの言葉の流用とか、
ファッション感覚とか、語彙不足とか、軽く流せますけど、
30過ぎたオッサンが言うと、とてもナマナマしい。
悪意を感じる。
そして学生服なんか着ているから、
気のふれた人かと思っちゃいました。
美術は、なかなか良く出来てました。
あんな感じで空間を利用、場面転換すれば、いくらでも
可能性が広がりますね、小劇場のお手本のような
舞台の作り方でした。
出演者がいっぱい出てきます。
これって連作なのかなぁ?
学生役の人達は、見事に揃いも揃ってわざとらしく、空々しく、寒々しい。
ばっかみたい、って思いながら見てました。そんな中、
先生役だけは、見ごたえがありました。
やる気ない感じ、でも最低限の責任感はしっかりとある、
社会人の落ち着きと、現代っ子の名残と甘えが
ちゃんと描かれておりました。
きっと、他の人も等身大の役を演じれば、
そんな悪くもないのかもしれませんね。
リアルな設定で、
中学生日記とかに出ている児童演劇の人を使って、
この戯曲を上演したら、また印象が違うだろうな。
それなら再度見てみたい。
オペラ座の怪人
劇団四季
大阪四季劇場(大阪府)
2007/05/03 (木) ~ 2009/05/17 (日)公演終了
満足度★★★
新生クリスティーヌ登場
平日の四季劇場のC席って2100円なんですね。
大阪四季劇場のC席は、
見切れもなくて、この作品の大きな舞台セットを見渡せれて、
これはお値打ち。
カラオケミュージカルだけど、これで文句を言っちゃ、
バチが当たります。
新しい女優さんがクリスティーヌを演じていました。
久々に、イメージを壊さないクリスティーヌ。
いくら歌や踊りや演技が上手くても、
ベテランすぎて風格があったり(佐渡さん!)、
「こんな容姿じゃ、怪人も惚れないよなぁ」って
レベルの女優さんじゃ、物語に説得がありません。
そんな意味では、遠い席からではありますが、
フレッシュで、スマートな新生クリスティーヌは、
見ていて、スっと作品に溶け込める良いキャストでした。
佐野ファントムは、歌い方がネバっこいというか、
こぶしがまわっているように聞こえますし、
メイクしなくても十分怪人じゃないか!って思うような
雰囲気ではありますが、僕は嫌いではありません。
ゴシック調の作品が、そのまんま再現されており、
良い出来栄えだったと思います。
長い間、上演している作品ですし安い席ですから
周りはリピーターの女性の方でいっぱい。
まぁ大きな声で大阪弁バリバリで、よくしゃべるしゃべる。
「あぁ遠征して見に着たんだなぁ」と
旅の醍醐味一番感じました。
TRIP OF LOVE
「TRIP OF LOVE」プロモーション実行委員会
シアターBRAVA!(大阪府)
2008/04/04 (金) ~ 2008/05/14 (水)公演終了
満足度★★★★
本物のブロードウェィミュージカル!!!
もっと早くに、この作品に出会えれば良かった。
きっとGWとか利用して何度も劇場へ通ったでしょう。
これは本物のブロードウェィミュージカル!
米国のカンパニーが、
来日公演して上演される「ヘアスプレー」とか「ムービンアウト」など、
いづれも地方公演キャスト、2nd3rdキャストで、音楽もテープだったりして、
いわゆる「なんちゃってブロードウェィミュージカル」なのに対し、
迫力がケタ違い、ここはNYか、と思うほど、レベルの高い作品であった。
大げさな宣伝に騙されるものか!と
「メジャーリーガーが演じているとイメージしてください」
「製作費が2000万ドルかかった大作です」という
触れ込みを、あえて無視して、
「せっかく大阪にきたから、ちょっと見てみるか」程度で、
足を運んだら、強烈なインパクトで
腰抜かしました。
1200席のシアターBRAVAに、200人位しか観客がいないのも、
とてもびっくりしましたが、
(「リハーサル見学会」かと思いました。
これ2000万ドルの製作費って、この2ヶ月の劇場代とかが
入っているんでしょうね)
ブロードウェイでも数々の作品で指揮を振ったという、
指揮者も含めオーケストラも全て外人、
(当然ですが、生オケですよ)
そして出演者が、本当にダイナミックかつ優雅で骨太な、
パワフルなステージを繰り広げてくれた。
声量の違いは体格の違いでしょうか?
男性も女性も、みなダイナマイトボディで、貫禄と余裕を見せ付けます。
ここから生まれる迫力も作品のスケールの大きさへ
つながるのでしょう。
日本人キャストも、ダンスのレベル、見た目(顔とか体つき)も、
モデルのような逞しさがありトップクラスと言えるんじゃないでしょうか。
彼らに比べると、四季の役者なんて、みなモヤシっ子、青瓢箪に見えます。
内容は、言葉がわからなくても楽しめる華やかなショーな感じ。
60年代の曲を使っているようで、2-3曲は知っている曲は
ありましたが、リアルな世代ではないので、先入観なしに
感じ取れました。
話は、一応ありますが、歌っているだけで台詞のやりとりもないんで、
あんまり気にしなくていい程度です。
字幕の電光掲示板もないし。
宝塚のレビューや、パリのキャバレーのショー(ムーランルージュなど)
に近い。
プロデューサーは「ブルーマン」を立ち上げた人とか。
言葉がわからなくても楽しめるって、大事ですね。
心からの拍手をして、ショーの幕が下りてロビーに出たら、
なんと出演者のお見送り!付き。
ビックリ、驚き。
一番、貫禄のある歌姫の(失礼ながら)オバチャンに
「本当に楽しかったです、ブロードウエィにも見に行きたい」と
握手をしながら伝えたら、
(おせじじゃなくて本気で思いました)
ダイナミックな笑顔で「サンキュー、ソーマッチ」と
言いながらハグをした上、なんとホッペにキスを
してくれました!!
もう、この上ない思い出!こんなの初めて。
こういうの大事ですよねぇ。
鳥居かほりさんも、「楽しんでいただいて、本当に私も嬉しいです」と
両手で握手。
黒人の女性の人は、「イエーイ」ってハイタッチしてくれました。
そういえば、ブルーマンもお見送り、ありましたね。
いづれも写真も撮り放題。
まぁ、観客が極端に少ないから、こんなにゆっくり、
ほのぼのしたお見送りができたんでしょう。
ウィーンミュージカルコンサートでも平日公演はサイン会、
握手会をやっているようだし、
ファンサービスは、とっても大事。
つまらない芝居を打った上に見送りもしない小劇団は、見習って、
こういう姿勢から、まず見直して欲しい。
全く、観客がいないのに、
(当日券で行ったのに、最前列センターでした。)
いやに指笛や、「ブラボー」て声が、
曲が終わるたびにしてました。
あれ、サクラの練習かな。
これだけ客が入っていない作品でありながら、
「リピーター」販売がない。
僕は「S席4000円割引券」というチケットを手に入れて
8000円で1番前で見れましたが、
「もう一度見たい!」って気分になる、素晴らしい作品。
終演後に半額とまではいかなくても
割引で翌日の公演とか販売すれば、勢いで買っちゃうのに。
「ウィーンミュージカルコンサート」でも、
リピーター割引販売していたし、
(なんと、次の公演の松平健「トラキュラ」なんて
S席2枚で1万円なんて大判振るまいな売り方をしていた)
限りあるミュージカルを楽しむ客層のために、
そんなサービス、すればいいのに。
ブロードウエィじゃ、前売り大幅ディスカウントや、
当日ハーフプライスは当たり前、
そういうのも取り入れて欲しかったなぁ。
正規チケット代の価値はある作品だけど。
ウィーンミュージカルコンサート
梅田芸術劇場
梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2008/05/21 (水) ~ 2008/05/28 (水)公演終了
満足度★★★★
鳥肌モノの素晴らしさ!
大阪遠征のメインイベント、豪華キャストが揃った
ウィーン・ミュージカル・コンサート。
期待を遥かに上回る、それはそれは素晴らしいショーであった。
スーパー歌舞伎の出演者数と遜色ない位の
オーケストラの幅広い音楽に合わせ、
ウィーンミュージカル作品のオリジナルキャスト陣が奏でる
名曲の数々。
その歌声とパフォーマンスは鳥肌モノの素晴らしさであった。
日本版のキャストではあるが、何度も何度も劇場へ足を運んだ作品で、
CDでも親しんでいる作品を、
生のライブで迫力あるステージを楽しめる、何で大阪だけなんだ!!
「レベッカ」も「ダンスオボバンパイア」も東京しか上演していないから
大阪よりも東京のほうが、もっと話題になるはずなのに。
(不思議なことに公演期間中、1回しかない土曜日の昼公演は、
コーナンってホームセンターの招待公演だった。
コロッケ公演ならわかるけど、なぜに、こんなマニアな作品が
福引の景品に????)
日曜日の昼公演だけど、空席が目立ってました。
オリジナルも含め楽曲のイメージに合う衣装で、繰り広げられる
歌を聴いているうちに、おのずと作品へのイマジネーションの世界に、
入り込め、自分の中の思い出がフラッシュバックされて、
感激の渦に溺れました。
いづれの出演者の歌声が素晴らしいが、
中でもマヤの歌が抜きんでている。
馴染み深いエリザベート以外の歌も、全て作品の世界を壊さないけど、
彼女の範疇に取り込んでしまっている。
「レベッカ」のメインテーマ、「モーツァルト!」星から降る金、
何を歌っても、完璧であった。
ユーチューブでウィキッドの1幕ラストのビッグナンバーを歌っている
様子も見たが、これも別格の上手さ、
このオバサンは、一体何者なんだ!?
ルドルフ役でおなじみのルカスの歌声も、
これまでに比べ格段に上手くなっている。骨太で力強くなっている。
去年の来日公演よりも進化している。
中でも「モーツァルト!」の「影に逃げて」は、今回の一番の収穫。
井上芳雄も見習ってほしい。
これを見ちゃうと、日本人キャストの線の細さが、
どうしても気になってしまう。日本版は、
決してレベルが低いわけではないし、アンサンブルも含めた、
「まとまり」「総合力」では日本版のほうが丁寧かな、とも
思うけど、歌単体、場面だけの抜き取りでは、足元にも及ばない。
対抗できるのは、山ゆうと中川君位かなぁ。
あとは問題外。
あくまでもコンサートだから、トークや、客席を回ってのサービスなど、
茶目っ気あふれる場面もあり、
大満足の3時間10分。
大好きな歌がハイライトで、次々と歌われ、この上ない幸せ。
交通費、宿泊費を払ってでも行ってよかった。
こんな企画、どんどん上演してほしい。
ヤマトタケル
松竹
大阪松竹座(大阪府)
2008/05/04 (日) ~ 2008/05/27 (火)公演終了
満足度★★★★
初!松竹座
長い歴史のある劇場だそうで外観に重みのある松竹座。
なかなか機会がなくて、今回、初めて入館。
席数が1000席ちょっとしかないんですよ、
いわゆる商業演劇の小屋としてはふた回りくらい小さいです。
今回、3階席の一番後ろから見ましたが、
とても良く見える。演舞上で見るより、ずっと見やすい。
コンパクトな劇場がゆえに、舞台サイズも、
演舞場、博多座、中日に比べると大分狭そう。
猿之助じゃない主演のスーパー歌舞伎、初めてでした。
スーパー歌舞伎自体が、オグリか何か以来なんだけど、
いやいや、今回が一番ゴージャスでダイナミックと感じた。
これは進化?
なにより出演者が60人以上いるので、宝塚同様、賑やか!
人数が多いというだけで、派手は生まれるし迫力が増す。
ゆえに内容にメリハリがつく。
中国雑技団のようなアンサンブル?(黒子?)が、
くるくるくるくる回ってアクロバットを加えた立ち回りが
何度もあります。
これが体育会系っぽくってすがすがしい。
役者陣ですが、若くないけど若手だけの構成(夜の部観劇)。
改めて猿之助って、立っているだけで
オーラのある人だったんだなぁと思いかえしたりもしましたが、
いなくても結構大丈夫でした。
「スーパー歌舞伎」という一つのジャンルで
上演されれば、これ実力が伴えば、誰でもいいんじゃないかな。
ミュージカルでいう「キャッツ」や「ライオンキング」と一緒。
決まった型を上手に演じれば、それほど役者の個性に
偏らずに楽しめる貴重な作品と言えましょう。
何作かスーパー歌舞伎は見ましたが、
全部、構成は一緒ですな、新鮮味はない。
でも、わかっていても宙乗りシーンは感動します。
あれは不思議。
いまや宙乗りなんか珍しくないし、それこそ「ルドルフ」で
浦井マジシャンも宙乗りしてますし、
「SHOCK」で光一スシ王子は、命綱なしに宙吊りで、
しかもクルクル回ってます。
でもね、スーパー歌舞伎の宙乗りは違うんですよ。
本家というか、迫力が違う。
このシーンを見るために、このシーンで感動を共有する為に、
長い時間、作品に付き合わなきゃいけない、と
言っても過言じゃないでしょう。
大阪で見なきゃいけない作品ではないけど、
いろんなジャンルがゴチャ交ぜになった、
スーパー歌舞伎、いろいろ詰め合わさって
「お値打ち」な作品、そんな作風は大阪っぽいかな。