役に立たないオマエ 公演情報 ブルドッキングヘッドロック「役に立たないオマエ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    イメクラ寸劇
    実年齢は定かでないが、目じりの小じわや肌の艶から、
    30歳、三十路は過ぎていそうな出演者達が、高校生の格好をして、
    高校生のように、大して中身のない内容の話を演じている。
    その年齢くらいの女性の学生服姿ですから、お色気モノの話かと思えば、
    もちろんそんな訳でもなく、
    コントかなぁと思えば、
    笑いのない話を2時間以上もダラダラ上演されているわけですから、
    もちろんコスプレコントでもありません。
    いやぁ正直キツいねぇ、大劇場ならともかく、
    小さな小さな劇場で、大人の学生服姿、これは単にイメクラ寸劇です。
    他の方は違和感がないとの感想でしたが、
    僕には最後の最後まで、その違和感が強く、真面目に話を見る
    気分になりませんでした。

    10代の少年・少女が使う独特の若者言葉って、
    大人が使うと、とても嫌味といいますか、
    物凄く感じの悪い耳障りの悪い響きです。
    いい年した大人の男が「ちょーうぜー」とか
    いい年した大人の女が「やばくない」とか。
    少年少女が使う分には、流行言葉でいいですが、
    オッサン、オバサンが使うと、とても相手を馬鹿にしている、下品な
    印象にしかなれません。
    陰湿なイジメにも見えてきます。
    それもこれも、高校生には見えないキャスティング、
    高校生に見えない役つくりのせいでしょう、土台がダメですから、
    全てが悪夢とも言えましょう。

    高校生が使う言葉って、意味がありそうでないじゃないですか。
    「死ねばいいのに」って言葉一つとっても、
    若い人が言う分には、誰かの言葉の流用とか、
    ファッション感覚とか、語彙不足とか、軽く流せますけど、
    30過ぎたオッサンが言うと、とてもナマナマしい。
    悪意を感じる。
    そして学生服なんか着ているから、
    気のふれた人かと思っちゃいました。

    美術は、なかなか良く出来てました。
    あんな感じで空間を利用、場面転換すれば、いくらでも
    可能性が広がりますね、小劇場のお手本のような
    舞台の作り方でした。

    出演者がいっぱい出てきます。
    これって連作なのかなぁ?
    学生役の人達は、見事に揃いも揃ってわざとらしく、空々しく、寒々しい。
    ばっかみたい、って思いながら見てました。そんな中、
    先生役だけは、見ごたえがありました。
    やる気ない感じ、でも最低限の責任感はしっかりとある、
    社会人の落ち着きと、現代っ子の名残と甘えが
    ちゃんと描かれておりました。
    きっと、他の人も等身大の役を演じれば、
    そんな悪くもないのかもしれませんね。

    リアルな設定で、
    中学生日記とかに出ている児童演劇の人を使って、
    この戯曲を上演したら、また印象が違うだろうな。
    それなら再度見てみたい。

    ネタバレBOX

    これは話の上では、「役にたたないオマエ」というタイトルよりも
    「空気読めないオマエ」と言うほうが正解なんじゃぁ?
    最後に、タイトルのフレーズを入れたセリフがありましたが、
    強引にも程があるといいますか、意味がない。
    あんまり役にたつとか立たない、って話じゃなかったよなぁ。
    「使えない人」ってキャラクターを、どういう風に展開するか、
    楽しみだっただけに、残念。

    ひょっとしたら、
    芝居の上では役作りが出来ない、裏方として使えない、
    などなどという意味で、劇団員に対して、
    この作品にとって「役にたたないオマエ」ってつぶやきかも
    しれませんね。

    主催者は、松尾伴内に、そっくりでしたなぁ。

    黒板を使って、光線で文字や映像を写すセンスは、
    オーっと思いました。

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    2008/05/29 14:01

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