テキサス
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2012/03/17 (土) ~ 2012/04/08 (日)公演終了
満足度★★
顔がその形を維持できない、というリアルな悩みを持つ人に
再演だそうですね。
初演を観ておらず、河原さんの演出作品も初めてだったので
全く予想の付かない状態で観劇しました。
どうなんでしょうか?
複雑な気分になりました。
顔に裂傷のある人、子供のころの事故で顔がゆがんでいる人にとって、この作品はどのように感じられるでしょうか?
重度のアレルギー・アトピー性皮膚炎の人、そういう人達にとってもどうでしょう?
それでも生きている、何かに耐えながら。
そんな人にも見せられるんでしょうか?
ばかばかしさ、喜劇性が足りなかったのかもしれません、
「バカやってるんですよ」っていう一見して分かる感じが。
本の問題だけじゃなくて、
若い役者の力量不足もあるのかもしれません。
包帯巻いていても、日常を生きている人はいるんです。
「こんな状態じゃ生きてられない、嫌だよ、嫌だよ」
なんて演じられたら、辛いですよ。
ピーター・ブルックの魔笛
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
面白くない、んだけど〜
<承前>
以前、伊藤靖朗さんがピーター・ブルックを熱く語っておられたので
興味を持ち、観に行くことにした。
私はピーター・ブルックの演劇を観たことがなかったのだ。
<感想>
面白くない
何が言いたいのか?
言いたいことは強く出ていない
なぜそうなったのか、は、なくて、あらすじ …ダイジェスト
主張しない 声をはりあげない 歌い上げない 響かせすぎない
それなのに
面白く感じなかったけど、眠くならなかった。
むしろ全開で観ていた。
疲れない、丁度良く、帰れる。
転換がない。ズムーズ過ぎて、転換じゃない。
ずっと歌っている。うまく繋がっている。
ピアノと歌と演技のコンビネーションが巧みすぎるのかも。
流れていく。
この作品は心を沈静化させる作用はあるが、
私に面白いと感じさせることがない。
消極的な魅力。
友愛 美徳 愛 そういう言葉が浮かんだ。
ヒーローとラスボスという対立関係があるように窺えるのだけど、
実は誰も争っていない。
行ってみたら、敵じゃない。とか。
でも、
演出家の考えてたことはそういうことなの?
『魔笛』では、何を描きたかったのか見えない。
ただ、演出は完璧だ。
演出は隅々までを支えて、制御し、行き渡り、
空間は満たされている。
あそこ空いちゃってるよ~ってところがない。
人やものの配置が緻密。
神の手が舞台をコントロールする。
ここまで完璧に出来て、初めて批評されるに足る作品なのだ、と感じた。
至らないものなどない、という状態が、板の上に広げられていた。
真夜中
ラズカルズ
シアター711(東京都)
2012/02/22 (水) ~ 2012/02/26 (日)公演終了
どうしちゃったのか
お葬式から始まるので、どんな舞台なのかと思えば意外や意外、ジュブナイル? 青春? もので途中まで大変楽しく観られた。
青い鳥文庫とか講談社の中学生向けの小説に似た印象を受けて、珍しく感じた。役者の演技も面白かった。
でもそのような気持ちは、きちんとした結末を迎えることが担保となっている。
普通なら採用し得ないラストとなっていた。
このラストを採用する明確で強い理由があったのか考えるも、えらい難問で答えを見つけられなかった。
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演出家・脚本家が出演する場合のリスク、って結構大きいのかもしれない。納得が行かなければ公演中も脚本を書き続ける人はいるようだけど、出役も兼ねる場合は更に負担が大きくなるし、客演が多い場合はいつものメンバーという分けにはいかないので周りにもなかなか無茶をお願い出来ないのだろう。
・役者について
全員芸達者だった。
高校生、まさかのセーラー服。
女性陣はどういう時代設定で女子高生を演じていたのだろうか?
衣装が良かった。
井端樹里さんは他の役者と演技のトーンが一緒で、合宿するまで特別な感じがしなかった。合宿のとき、あれ?アイドルか?とやっと気づいた。さっき検索したら実際はアイドルではなかったけど。美女の役が出来る女優さんだ。
PRESS~プレス~
キューブ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2012/02/17 (金) ~ 2012/03/04 (日)公演終了
絆
大人の舞台だった
漠然と見ていると、
「ずっと遊んでいるような、
それでいてしっかりした舞台」
という感じ。
だけど、気になるところを1つ1つ熟考すると
だんだんそんな優等生なもんじゃないって思い出す。
むしろ、ひねくれ者の舞台だ。
ステレオタイプの話を敢えて外して外して行く。
以下、ネタばれへ
舞台『弱虫ペダル』
マーベラスエンターテイメント
天王洲 銀河劇場(東京都)
2012/02/01 (水) ~ 2012/02/06 (月)公演終了
『アメリカン・ラプソディ』『ジョルジュ』
座・高円寺
座・高円寺1(東京都)
2011/12/22 (木) ~ 2011/12/26 (月)公演終了
満足度★★★
ジョルジュ
本が良く出来ていたと感じた。
え、さいとうれんさん!?
失礼しました!!
二人で手紙を読みあうタイプの朗読劇だったが、
二人のいる場所以上に、大きな世界・動き・息づかいを感じるような
戯曲だった。
ショピネについて勉強しよう。
Ato-Saki
VOGA
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/01/06 (金) ~ 2012/01/09 (月)公演終了
ニューギニア 〜私の楽園〜
非常に残念に感じた。
観劇中、私は絶えず、どこを削ればいいかを考えていた。
気持ちの良さを追求していない作品だったとしても、
心地よく、好意的に、受容的に、見て貰えるような基本的ラインはある。
そしてそれを目指す作業は必須だ。
この作品は、長い。
また、粗い。
一緒に観劇した友人は、このようなDJのスクラッチタイプの作品の例を挙げ、それに全く追いつけていないと批評した。
はっきり言えば、劣っているのだ。
私は大阪・京都<>東京の距離の隔たりを大きく感じた。
東京にあるものが、あちらにない。
あちらにあるものが、東京にない。
このような期待を持って観に行ったのだが、実際は、
東京にあるものが、あちらにない。
あちらにあるものが、東京のものより劣っている。
という事実をたたきつけられたのだった。
これは私の心的印象であり、実際はあちら=Vogaに限定される。
冒頭、銃を持った兵士が集団となって同じ動きをやや長い時間披露するのだが、それが揃っていない。
劇場の狭さの問題ではない。
タイミングと角度の問題。美意識が至らなかったためではないか?
「揃えない」理由は何か? 柔らかい個人主義なのか?
揃えないのならその集団全体で同じ動きをする意味はどの程度あるのか?
良いと思える点はあった。
これまで量産されてきた太平洋戦争ものの空気がなかった。
それは良いと思った。
制作するひとたち自身が、まっさらになってから太平洋戦争と向き合った結果だろう。
虹
Hauptbahnhof
劇場HOPE(東京都)
2012/01/21 (土) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
約束 ーNever forgetー
「約束を守る」ことがキーになれていたのか?
という話を観劇後の料理屋で友人と話したが、結果はNOであった。
ギリシャ悲劇、シェークスピア、能、あたりは、公言しない方が教養らしくなる。
屏風のカキツバタを観て、もしかして伊勢物語かな?、て思えるような具合。
伊勢物語らしい、ということが分かったところで、それがどのように作品に機能するか、という問題が次に来る。
屏風の置かれる場所、パトロン、年代、現代の持ち主、自分が観た季節と場所、それらを加味して解釈が始まる。
神話なるものは多々あって、日本で知名度の低いものを使う場合は上記の解釈手順が成り立たない可能性が高い。この場合は公言して知っておいて貰う必要があるだろう。しかし果たして、それはエレガントな行為なのか。
それでもその神話を使う場合、作者の強い意志や理由が作品に求められるのではないか?
津波は使わなくて良いだろう。はじめから、「忘れないで」というメッセージに最終的につなげるための話だったのか疑問が残った。
ーーー
個人的な趣味が合ったので、次もこの劇団の作品を観に行きたい。
どんでん
株式会社Ask
シアターサンモール(東京都)
2012/01/18 (水) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
遠いあけぼの
一緒に行った友人は、
普段何を観ても「分からなかった」ってなるんだそう。
でも、この舞台は「分かった」そうだ。
観客に対して親切に作られたお話だった。
お手本にしている舞台が何かありそうだった。
イマドキお江戸時代劇・・・の何かをイメージして作ったんじゃないかな。
この世で一番幸せな家族
月刊「根本宗子」
タイニイアリス(東京都)
2011/12/15 (木) ~ 2011/12/20 (火)公演終了
Oi-SCALE企画公演オムニバスof Oi Oi vol 3
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2011/11/30 (水) ~ 2011/12/07 (水)公演終了
ご来場ありがとうございました!!『増殖島のスキャンダル』
舞台芸術集団 地下空港
ギャラリーSite(東京都)
2011/12/08 (木) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
素直になれなくて
個人的には面白かった。だが、良作ではない。
地下空港の粘着な追っかけの私としては、今回の舞台は複雑な想いの起こる作品でした。大きな問題は脚本にあるでしょう。しかし、演出の好手があって楽しめない訳じゃありません。私は観客としてはもう失格ですね。こんなこと言ってるようじゃ身内みたいなものです。
3回目ともなるともう恒例の実験公演。ここでは様々な試みが肯定されます。入場して間もなく、空間に魅了されます。壁にはインタラクティブな映像が映し出され、チェロの弦が弾かれる音が聞こえます。椅子を組み立てて座ると、自分が何かの粒子になったような気分になれます。壁の映像の中の粒子あるいは正確に均一に並ぶ金属元素のように。wktkですよ、これは。非常に美しい演劇空間!!!
冒頭はすぐ忘れるので省くとして、のっけから役者が壁に向かって芝居をするなど面白演出があり期待は上がっていきます。島へ行くフェリーの中での演技のアイディアはどれも秀逸。そして、シチュエーションは王道の離島ミステリー。ドドドドド!ドドン!
でも、話が深まるにつれて雲行きがあやしくなって・・・
以下、ネタばれへ。
ノーアート・ノーライフ
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2011/11/05 (土) ~ 2011/11/27 (日)公演終了
満足度★★★
対象年齢25〜65歳
2幕、しょっぱなから最後までプレッシャーをかけ続ける演出。
考えさせられる時間が充分にあって楽しめた。
逆転の構造を重ねて重ねてくる。
演出の方はシャイな方なのかな、1幕がやや長い。
1幕は笑い。観客が訓練されている印象。笑いが分からなかった。
源氏物語
ドワンゴ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2011/11/16 (水) ~ 2011/11/23 (水)公演終了
満足度★★★★
紫式部物語
非常に面白い。
脚本が良い。
芝居好きにも観に行って欲しい舞台に仕上がっていた(数人のキャストの問題は除く)。
客をあまり選ばない内容だった。
十二人の怒れる男たち
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2011/10/12 (水) ~ 2011/10/12 (水)公演終了
聖闘士星矢
ドワンゴ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2011/07/28 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了
維新派『風景画―東京・池袋』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
西武池袋本店 4階まつりの広場(東京都)
2011/10/07 (金) ~ 2011/10/16 (日)公演終了
SPAC-静岡県舞台芸術センター『王女メデイア』
鳥の劇場
特設野外劇場(鳥取県)
2011/09/17 (土) ~ 2011/09/18 (日)公演終了
残念
初日に行ったのが良くなかった。のかもしれない。
鳥の演劇祭について、残念な印象を持った。
王女メデイアについては、
初夏に静岡で野外の天守物語を観て観劇を決めた。
しかし、こちらではあのときのような感動はなかった。
田舎でやるからこそのロケーションのアドヴァンテージが何もない。
何を考えてわざわざあそこで王女メデイアをやったのだろうか?
場所を生かした要素がなかった。
美加里さんのmoverはとても面白かった。
動きがどれもこれも面白い。
他の女性陣にはもう少し頑張って欲しい。
立ち姿が美しくない。
宝塚になれとは言わないが、もう少しシェイプアップした方がいい。
個人的には、
男性社会における女性、というのは余計だったのではないか。
「王女メデイアはなぜ子どもを殺したのか?」
宮城さんは配布ペーパーにその点の解釈を述べていて、
それがこの演出のキーになっているようだ。
しかし、気持ちが悪い。
天守物語
SPAC・静岡県舞台芸術センター
舞台芸術公園 野外劇場「有度」(静岡県)
2011/06/18 (土) ~ 2011/07/02 (土)公演終了
満足度★★★★★
素晴らし過ぎる
何もかもが 素晴らしい。
このような舞台について感想を、言葉で汚すことは出来ない。
以下はメモ程度に。
夜、日本平という原生林の闇を前にして行うという
絶好のロケーション。雰囲気抜群。
mover speaker の熟練。
踊りの面白さ。
衣装のユニークさ。
富姫には最初違和感がつきまとうが、
ある時点からピッタリはまる。
それも芝居の設計らしい。恐ろしい人達だ。
なお、
図書之介はテライケメン、マジ爽やか青年に見える。
あれが大高浩一さんだったとは夢見も思わず。
演技が冴え渡ってた!!!
エクスターズ
SPAC・静岡県舞台芸術センター
舞台芸術公園 野外劇場「有度」(静岡県)
2011/06/04 (土) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★
随分前ですが
あまり面白いと感じられませんでした。
作品を作り始めた頃、ちょうど地震が起こって、
演出家は地震以後創作力の凍結したそうです。
その所為か、いささかイメージの未熟を感じました。
物語の力で引っ張っていく作品でないことは分かりますが、
イメージの未熟、緊張感のなさ、甘さを感じました。
しかし、同行の友人が非常に良い解釈をしていたので書きます。
おばあちゃんたちを世話する男子のありようなどから、
彼女たちへの優しい眼差しを感じたと言っており、
それが地震を経て演出家が世界に対して思ったことなんだな、と。
地震以後、社会に対する怒りを持つ方も多いようですが、
一番大切なのはそれではないと思っていました。
タニノさんが地震を経て、苦しんで、なんとか作り上げた結果が
優しさを持つものだったのは大変重要なことではないでしょうか?
<以下、毒>
アフタートークで、お客さんの一人が
「ブッツバッハ村」との類似を指摘されてましたが、
当方も同じことを思いました。
タニノクロウさんの演出する舞台を見たのは初めてでしたが、
元々、演劇スタイルが似ていたのでしょう。
それにしても、過激な程そっくりなシーンがあったことは驚きです。
タニノさんは「ブッツバッハ村」を観劇していないが、
ビデオは観たかもしれないというような回答をされてました。