としの観てきた!クチコミ一覧

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暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ

劇団昴

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/01/09 (月) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

原作の良さが目立つ。
一言で言うと、原作の良さが目立つ舞台。
読んだ事無い私が言うのもなんですが、
だからこそ、この舞台を観て思った事は、

「原作を読んでみたい」

でした。
それは脚色(=秋之桜子)がうまい、って事かもしれない。

だが、観ていて感じるのは、どうしてわざわざこの作品を「舞台化」したのかという事。

ネタバレBOX

小説や映画だったら、フォーカスを絞って濃密な空気感を展開する事が出来るだろうけれど、
シアターグリーンの広い舞台では、なんというか、
「ほら、後ろ後ろ!そこにいるだろ!」って感じ。

目の見えない女性の部屋に、男がこっそり逃げ込むんですね。
それが若干コントっぽく見えてしまう。
もっと狭い劇場とかだったらそれが緊張感になるのかもしれませんが。

拡散してしまう空気感を濃密にするために、休憩前の芝居は間をたっぷり取っている。
効果的な場面もあったけど、無駄な間も多かったかと。

休憩後からは芝居のテンポも上がり、観やすかった。
謎解きの辺りはとてもテンポよく観られていい感じでした。
若干の火サス感は漂うものの、いい具合。

演出面ではなるほどと思う場面がいくつか。
昔の自分と今の自分を同空間に、なんてのは演劇ならではだし、
群衆の動かし方、
『4時48分 サイコシス』的な言葉の羅列もステキ。
この演出家の、本領発揮の舞台を是非観てみたい。

生演奏(=坂本弘道)もいい雰囲気を作り出していました。
ただ、この演奏家さん、楽器をぶっ壊したりといったパフォーマンスをする方らしく、
今回は演奏しているだけだったので、特徴を活かしきれていないようにも…。

役者に関して。
本間ミチル(=舞山裕子)がなんとも幸薄そうで存在感が抜群でした。
それだけに、相手役となる大石アキヒロ(=小田悟)がなんだかとっても物足りない印象でした。もっと影響しあう二人が観たかった。



と色々書いてきたのですが、結局のところ、
悪い舞台ではなかったです。作りも丁寧だったし。
ただ、舞台でやらなくてもいいやな、と思ってしまいました。


ものすごい関係ない話ですが、
舞台観にいった時の接客って皆さんどの程度を求めます?
私、一時期、百貨店でバイトしてたので若干引っかかりを覚えた出来事が。
パンフ買った時にお釣りを受付の方が落としちゃって。
それは別にいいんですが、落とした硬貨をそのまま拾って渡してきまして。
これ、私が教えられた接客じゃ若干アウトで。
ただ、別に不愉快な思いしたとかでもないので、ほんとどうでもいい話なんですが、芝居の接客とかって、ほんと様々だなぁと感じた出来事でした。
欲望という名の電車

欲望という名の電車

劇団青年座

世田谷パブリックシアター(東京都)

2011/12/15 (木) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

新劇の意地を見た

これは素晴らしい公演だった。

青年座が「新劇」の面白さを教えてくれた。新劇の意地を見せつけられた思い。

技量のある役者が、しっかりした芝居をやる。

それがどんなに面白い事か。

それを出来ていない芝居がどんなに多い事か。

これが演劇ですよ。まじに熱い。



寂れた遊園地のイメージ、と演出家の言葉が、舞台上に見事に立ち上がっている。



今は失われてしまったベルリーヴが、ブランチ(=高畑淳子)の背後にイメージとしてあり、

街の無法者たちの生活に溶け込んだ、太陽のように天真爛漫なステラ(=神野三鈴)とブランチが、極めて対称的に写る。

ミッチ(=小林正寛)の役に立たなさも素晴らしい。

スタンリー(=宅間孝行)も良かったが、今一つパワー不足な感も。



ともあれ、がっつり芝居してる俳優陣が作り上げた空気感が素晴らしく、本当に良い芝居だった。



神野三鈴はまじに感情表現が豊か過ぎて、コロッコロ変わる!って言葉がぴったり。



ラスト、ブランチを見送った哀しみと、抱き抱える子供への愛情が入り交じるシーン、ステラが素晴らしすぎた。

学生版日本の問題

学生版日本の問題

日本の問題

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/12/21 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

活力に満ちた演劇たち

学生劇団6団体が、「日本の問題」をテーマに短編で挑む公演。

A日程を観劇。

Aに参加していたのは



ミームの心臓

四次元ボックス

演劇集団 声を出すと気持ちいいの会



の3団体。



ミームの心臓は、台詞が極めて美しい。それだけに、その台詞を口に出す役者陣が台詞回しに酔っている感があり、

こちらに言葉がストレートに響かない、ちょいと辛い展開。



四次元ボックスは舞台の使い方が極めて上手い。

狭い所を縦横無尽に動き回り繰り出すパフォーマンスが素晴らしい。

台本のバカバカしさも良い感じだったが、この空間性はクセになる。

ただ、「日本の問題」だったかは微妙な所だが。



そして、声を出すと気持ちいいの会。

今回は古典に題材を取らず、一人の役者のドキュメンタリー的な作り方。

ダイナミックさは抑え目だったが、その分のエネルギーを丸ごと空気感を作り上げる事に使っていた。

素晴らしい。

一人の俳優がすらりと何役もこなすのもスタイリッシュで見応えがある。

そしてラスト。

演劇らしい、演劇の壊し方がイカす。





総じて、エネルギーに満ち満ちた公演でした。

B日程を観られなかったのが悔やまれる。

検察官

検察官

劇団NLT

博品館劇場(東京都)

2011/11/17 (木) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★

演技のベクトル差

NLTが、演出にロシアの演出家を、主演に原田大二郎を迎えて送る『検察官』



全体的に俳優の芝居が濃い。

その中で、原田大二郎だけが、家にでもいるかのような自然さ。

よく怒鳴り声を出す演技は観てきたが、原田大二郎の、こんなにも抑制の効いた芝居を観るのは極めて新鮮な味わいがあった。

これがスタニスラフスキーの本国、ロシアの演出家がもたらした物なのだろう。

これが素晴らしかった。



それだけに、ばっちり新劇の周囲と原田大二郎の芝居が噛み合わず、良い意味でも悪い意味でも目立ってしまってはいたが。



検察官に間違われる男・フレスタコフ(=弓澤公望)は未熟さが目立つ。

同色の、自分はアホですとでも言わんばかりの演技が続き、フレスタコフの超長台詞は見てられなかった。

冬物語

冬物語

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)

2011/11/18 (金) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても良い舞台

これ、まじに面白かった。

演劇の面白い所を全部集めたような芝居。



学生の、体当たりな熱量がハンパない。

いい芝居だった。

ALPHA

ALPHA

Trigger Line

劇場MOMO(東京都)

2011/10/29 (土) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★

ハードボイルド

外事警察やなんかの、複雑な正義の守り方を題材にした重厚な芝居。

『外事警察』というドラマが好きだったので、その雰囲気が舞台になってるようでワクワクした。



勢力図やなんかが複雑でなかなか分かり辛かったが楽しめた。



ただ、芝居がどうにも濃すぎて若干なじめなかった。

そんな中、林田一高の演技が自然でかっこ良すぎた。

アントニーとクレオパトラ

アントニーとクレオパトラ

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2011/10/01 (土) ~ 2011/10/15 (土)公演終了

満足度★★★★★

愛すべきダメ男

『アントニーとクレオパトラ』の上演は初めて観るが、こりゃ難しい作品。

なにしろ意を決して自害するアントニーが、しばらく死ねず舞台上に残らねばならない。

よほどしっかり作らねばギャグにもなりかねない展開である。



が、そこはさすが吉田鋼太郎。

かっこ良すぎる。

アントニーの空気感が舞台を丸ごと支配していて文句なし。



手痛い敗戦をした後の、「陸が俺に歩くなと言っている!」との件はアントニーの配下と共に涙がこぼれる思い。



それだけに、アントニー死後の喪失感が半端なく、舞台が空っぽになったようだった。

Caesiumberry Jam

Caesiumberry Jam

DULL-COLORED POP

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

ダルカラ復活

DULL-COLORED POPの劇団活動再開記念&第10回記念公演は、『Caesiumberry Jam』の再演。

原発事故以降、演劇でも色々な劇団が原発関係の芝居を上演したようだが、

8月、ちょうどセシウムがニュースに上がり始めた時期のこの再演。



チェルノブイリ原発事故を題材にしたこの芝居、初演の時以上のインパクトがあった。



なにより、役者の人数が増え、よりアンサンブルの芝居が強化されていた点が印象深い。



沢山いた村の住人たちが、芝居が進むにつれ徐々に姿を消していき、舞台上の人口密度が減っていく。

たいした説明もないままに人が消えていく様は、不気味以外の何物でもない。



子供たちは、老人は、どこに消えていったのか。

それでも村に留まり続ける人々。



そういった光景が、土の敷き詰められた舞台の上で展開される。



上演終了時、カーテンコールをせずに観客の拍手を一切拒絶する谷賢一らしいやり方は、

芝居を「見世物」でなく、3月11日以降続く我々の問題として観客に持ち帰らせる。



チェルノブイリの、放射能に汚染された土は、地続きで客席の我々の足元にも広がっているのだ。



実に鮮やかな演出。

いい芝居であった。

谷賢一・田中沙織 結婚式

谷賢一・田中沙織 結婚式

DULL-COLORED POP

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/08/16 (火) ~ 2011/08/17 (水)公演終了

ハッピー
DULL-COLORED POPの谷賢一が、劇場で行った結婚式。

様々な催し物が行われる中、幸せな結婚式でした。

黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】

黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】

声を出すと気持ちいいの会

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/07/29 (金) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

がっつり演劇!
声を出すと気持ちいいの会の、学生芸術祭参加作品。

ポオの短編小説「黒猫」を題材に、巧みに組み上げた作品。



声を出すと気持ちいいの会の持ち味はやはり、このシアトリックさにある。

演劇ならではの表現を追求するこの作風には心を揺さぶられる。



ポオを演じた後藤祐哉はさすが。ただ、 前作『被告人ハムレット』と芝居の質感が同ラインだったので、彼の違う雰囲気も観てみたい。

NUMBERS-再開ー【無事閉幕。ご来場ありがとうございました。】

NUMBERS-再開ー【無事閉幕。ご来場ありがとうございました。】

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2011/07/14 (木) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度★★★

全体的には物足りないか
「確率」をテーマに4団体が30分の小編を持ち寄ったオムニバス。

参加作品は

DART'S

『ブラインド・タッチ』



世田谷シルク

『轟くヘヤー!!』



The Stone Age ブライアント

『蝶々一匹。夏を変える。』



同居人

『ロマネコンティ 2006』



の4作。



世田谷シルクの盛り上げ方、身体の使い方が尋常でなく印象に残ったが、他の団体はあまりパッとしなかった。



『ブラインド・タッチ』は、映画『SAW』を舞台でやってみました、な感じ。

『蝶々一匹。夏を変える。』は独特の世界観はあるものの今一つ。

『ロマネコンティ 2006』は作りが単調というか、古いというか。台詞もあまり響いて来なかった印象。



世田谷シルクはぜひ、今後の芝居を観てみたい。

モリー・スウィーニー

モリー・スウィーニー

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2011/06/10 (金) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

谷賢一らしい舞台
目の見えない主人公・モリー(=南果歩)が、天才眼科医ライス(=相島一之)の手術を受け、光を見る。

難しい手術を決行し、成功させるライス。

モリーの夫・フランク(=小林顕作)も手術の成功に大喜びするが、はたして「見える」事が「良い」事なのか。

見える人間が多い中にいる、見えない人間とは、「不幸」なのだろうか。

多数派の人々が持つ一方的な認識が、「幸福」をもたらそうとする行為が、一つの破滅をもたらしていく。



自らの劇団、DULL-COLORED POPで谷賢一が追い続けてきた物が、一つクリアに結集されたようなこの『モリー・スウィーニー』という本。

相性はバッチリだったように思える。

複数の空間を巧みに作り上げていく演出手法も実に鮮やか。

休憩前は、モリーが光を取り戻すまでを、

休憩後には、光を得てからの生活を描いているが、それぞれのラストにあたる部分で用意された仕掛けもグッとくる。



光の無い中で生活していたモリーが、光を得る事で実に多くの物を失っていく。

全く違う世界に移された人間が幸福から転落していく様が、痛々しく、生々しい。



実に谷賢一らしい舞台だった。



重厚な本に、がっつり向き合っている感があったが、

夫・フランク(=小林顕作)の芝居が遊び心を発揮し過ぎる事で全体のバランスを崩していたようにも見えなくもない。



が、ともあれ良い芝居を観た。

浴槽のさかな

浴槽のさかな

害獣芝居

新宿眼科画廊(東京都)

2011/06/03 (金) ~ 2011/06/08 (水)公演終了

満足度★★★

小空間にて

夏目漱石の「夢十夜」を題材に、小作品「骨」と「鱗」の二作品を上演していた。



害獣芝居はダイナミックでシアトリックな印象があるが、今回は劇場が狭い事もあってか、

空間に合わせた繊細な動きにシフトしていたように思える。

といっても十分、演劇のダイナミズムはあったのだけれども。

彫像を彫るような動きが印象的で好き。

空間に合わせた表現手法できっちり攻めてくる辺り、流石の一言。

エデンの東

エデンの東

劇団昴

本多劇場(東京都)

2011/05/28 (土) ~ 2011/06/05 (日)公演終了

満足度★★

久しぶりの昴
なんというかまあ、「翻訳モノ」って感じがバリバリする舞台。

まぁ、脚本は日本人なんだけど、元がスタインベックなので。

劇団昴の芝居を観るのは実に7年ぶりくらい。

『ゴンザーゴ殺し』を以前観たのだけど、楽しく観られた印象。



だが今回は、なんか長くて芝居が濃すぎるというか、そんな印象。新しい試みも沢山あるんだろうけど、ちょっと退屈してしまいました。

紫桜舞い散る時

紫桜舞い散る時

オフィス櫻華

高田馬場ラビネスト(東京都)

2011/05/26 (木) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★

いまひとつ
惑星探査に行った先で色々とトラブルに巻き込まれ、
やがて核心に迫って行く、ロマンティックなファンタジー。

世界感としては悪くないのだが、いささか強引な展開が目立つようにも思える。
台詞に酔いがちな感がちらほら。
ストレートにガツンと入ってくる台詞が、役者と役者の影響のしあいが観たいのです。

DUST CHUTE UTOPIA

DUST CHUTE UTOPIA

PLAT-formance

タイニイアリス(東京都)

2011/05/19 (木) ~ 2011/05/23 (月)公演終了

満足度★★★

捨てる
「ゴミ箱に捨てる」って事をキーワードに、色んな人間模様が描かれる。
コント寄りかと思いきや、あれよあれよと暗い話になったりもする、良い意味でぐにゃぐにゃした展開。
カタコトのハマカワフミエが異色の大活躍をしていたのが印象深い。

夏葉亭一門会vol.2(公演終了!!ご来場ありがとうございました!)

夏葉亭一門会vol.2(公演終了!!ご来場ありがとうございました!)

王子落語会

王子小劇場(東京都)

2011/05/09 (月) ~ 2011/05/09 (月)公演終了

満足度★★

落語家の落語を観よう
小劇場の俳優を沢山集めて、落語をやらせてみよう!って企画。
企画自体は面白い。
が、普段演劇やってるから落語もいけるだろう、ってなるかというとやっぱそうはいかない。
演劇演劇したものは落語のエッセンスを取りこぼすというのは身を持って知ってるので、
落語に挑む姿勢、というか意気込みというかは気になる所。
伝統芸能はやはり強い。落語家の落語を観たいと思った。

被告人ハムレット

被告人ハムレット

声を出すと気持ちいいの会

演劇スタジオB(明治大学駿河台校舎14号館プレハブ棟) (東京都)

2011/05/04 (水) ~ 2011/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

初コエキモ
この作品が、私と「演劇集団 声を出すと気持ちいいの会」の初めての出会いである。

なんて演劇的な事をやってるんだろう。

感想はそこに集約される。

ドラマを再生するに留まらず、
我々の想像力を刺激する身体性・演劇性を探究する事に挑んでいる。
そんな感じがした。
私が好きな「演劇」も、まさにこのラインにある。
演劇にしか出来ない演劇。

それが今、必要なのである。

構成も古典に題を取っていて、ダイナミックな演劇性を持っている。
今後が楽しみな劇団だ。

LOVE SO-NG/就活生になろう!

LOVE SO-NG/就活生になろう!

US-PRODUCE

明治大学和泉キャンパス・第一校舎005教室(東京都)

2011/04/27 (水) ~ 2011/04/30 (土)公演終了

満足度★★★

視点の面白さ
US-PRODUCEは、その視点が面白い。
普通に「演劇を観る」という体験からはちょっとずれた感覚を味わえるから好きだ。
二作品の上演だったが、どちらも、彼らが
「今だからこそ向き合える何か」に演劇を通じて向き合っている印象。
良いんじゃないだろうか。

山羊…それって…もしかして…シルビア?

山羊…それって…もしかして…シルビア?

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2011/07/15 (金) ~ 2011/07/30 (土)公演終了

満足度★★

イマイチ
幸せに暮らす中年夫婦だが、夫はとんでもない悩みを抱えていて、それが第三者により明らかにされ…
みたいなストーリー。
オールビー=不条理作家
みたいなイメージがあったけど、この芝居は不条理感はなかった。
まぁ、夫の秘密が実は、って段階でかなり不条理的ではあるんですが、物語がどう進んでいるかについては非常に捉えやすい作品。

ネタバレBOX

舞台は長方形に取られ、ちょっとしたリングのような形。
その中で妻(=富沢亜古)と夫(=今村俊一)のバトルが繰り広げられる様はさながら格闘技のよう。

ただ、この二人の演技がまったく噛み合ってないように私には思えて、演劇的にどうなのよ、と。
夫を演じた今村さんは独特の身体性を持っていて、悪く言うと大げさだが良く言えばトリッキーな演技。
好みは別れると思うのだけど、私にはなんだか地に足がついていない、台詞が相手にぶつかっていないように観えた。
ゆえに富沢さんも、なんだか一人で芝居をしているようで、馴染めず。
そんな中楽しかったのは、夫婦の共通の友人(=若松泰弘)と
夫婦の息子(=采澤靖起)の二人。
若松さんは、その独特の適当オーラというか、そういう雰囲気が素敵ににじみ出てる上にダンディ。まるちゃんのお父さん的魅力を感じる。
アトリエデビューの采澤くんも、良い意味で文学座っぽくなくて良かった。

キャスティングから、「コミカルにいこう」っていう演出方針が観て取れるようで、
芝居がコミカルさによってだいぶ制約されているように見えた。
文学座らしく、テキスト重視で作っていったら、きっともっと面白いし、もっと心を打つ作品になったように思う。

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